長谷川あかりの「薬味たっぷりだしカレー」をリュウジが習う 油を使わず香りで食べさせる一皿

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概要

料理研究家リュウジのチャンネルで、アイスムの連載企画「レシピトレード」のコラボ回が公開された。ゲストは料理家の長谷川あかり。リュウジは以前、長谷川の酒蒸しハンバーグを自分のチャンネルで作ったことがあり、「ずっと会いたかった」相手だという。リュウジは自分を「ジャンキーなイメージ」、長谷川を「塩を主とした」料理を作る人と位置づけ、料理界でいえば「水と油」「白と黒」のような関係だと冗談まじりに語る。そのうえで、正反対の側の料理を学びたいというのが今回の趣旨である。

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長谷川が選んだのは「薬味たっぷりだしカレー」。本人いわく、リュウジの料理のイメージとは「一番反対」のレシピで、リュウジも「絶対作らない」と応じている。油を使わず、鶏ひき肉と長ねぎを酒蒸しにし、だしで煮て、大量の薬味をのせて食べるカレーだ。調理の合間には、二人のレシピに対する考え方や、SNSで料理を発信することについての話が続いた。

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材料の考え方:鶏むねともものひき肉を半々に

主な具は鶏ひき肉と長ねぎの2つだけである。ひき肉は鶏むねと鶏ももを1対1で使う。長谷川の説明では、基本はあっさり食べたいが、むね肉だけではパサつきすぎ、もも肉だけではこってりしすぎるので「半々」にしている。長ねぎは白い部分だけを使う。リュウジは長ねぎのカレーは食べたことがないと話した。

だしについて、長谷川は最近、食塩無添加のだしパックを使っているという。ただしこのレシピは「何でもあり」だと強調した。白だしを使って塩を減らしてもいいし、かつお節と水を直接煮てもいい。リュウジが自分のチャンネルではかつお節と旨味調味料でだしを取ることが多いと言うと、長谷川は「もちろんです」と答えた。このレシピで一番大事なのは薬味を刻むことなので、だしは自由でいい、という説明である。

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「薬味を刻んでいる生活は豊か」というレシピの出発点

長谷川は、このカレーを「トッピングを刻むために作った」と話す。理由として挙げたのは「薬味を刻んでいる生活って、どう考えても豊かじゃないですか」という感覚だ。しんどいときに薬味を刻もうとは思わないが、しんどくても薬味を刻んでいると「私って豊かかも」という錯覚ができる。気持ちの面から「いい暮らしをしている」と思わせてくれるレシピを作りたかったのだという。リュウジは、長谷川にもっとおっとりしたイメージを持っていたと驚きつつ、この考え方を高く評価した。

トッピングに使う薬味は青じそ、みょうが、生姜。小口ねぎは自分で刻んでもいいが、ほかにも刻むものが多いので市販品を買ってきても構わない。旨味を足すために削り節をのせてもよい。長谷川が特に勧めたのはしば漬けで、入れるとビジュアルが「圧倒的に可愛くなる」という。SNSに載せたくなる見た目になり、味もおいしくなる、というのが長谷川の説明だ。

長谷川は、自分のレシピは「おいしいかどうか」へのこだわりが実はそこまで強くないとも語った。それよりも、作っている間にいかにいい気分になってもらうか、刻むことに楽しさを感じてもらうかに力を入れているという。いわゆる簡単料理の中では手がかかる方だが、薬味と長ねぎさえ刻めば、あとはひき肉なので作業は少ない。リュウジは「あかりさんのレシピってめっちゃ簡単で、奥深い」と言い、長谷川は「簡単な分、どこかで頑張ってもらう」と応じた。

長ねぎはぜひ手で切ってほしいと長谷川は言う。リュウジが「ぶんぶんチョッパーにかけると繊維が壊れて味が変わる」と補足した。

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長谷川あかりの経歴と、このレシピの位置づけ

長谷川によると、このだしカレーは、レシピ本を出すきっかけになり、多くの人に知ってもらうことになったレシピだという。リュウジの場合、SNSで最初にバズったのは大根を唐揚げにするレシピだった。そこからフォロワーが増え、「調子に乗って料理研究家って名乗っていたら、料理研究家になっていた」と振り返る。

長谷川は管理栄養士の資格を取ったあと、レシピトレードにも出演している有賀先生のアシスタントをしていた時期がある。リュウジはこれを知らなかったと驚いた。長谷川は、SNSの時代なので自分でもレシピ、あるいは「こういう思想だよ」というものを発信していかなければどうにもならないと考え、アシスタントと並行して発信を続けていたと話す。リュウジは長谷川の料理に有賀の影響を感じるとし、長谷川は「師匠です」と答えた。

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旨味調味料を使わない理由は「かっこいいから」

リュウジは、自分ほど他人のレシピを見ている料理研究家はいないと思う、と言うほど他の料理家の発信を追っている。長谷川も同じで、リュウジの最近の鶏と酒のパスタも見ていたという。長谷川は、リュウジの料理がだんだん削ぎ落とされてナチュラルになっていく様子を見て、「私のやってきたことは間違いじゃなかったのかも」と思ったと話した。

リュウジ自身も、最近は旨味調味料を使わないレシピを試していると認める。使っても使わなくても、おいしければいいという立場だという。一方、長谷川は旨味調味料をあまり使わず、その理由を「かっこいいから」と説明していた。リュウジはこれを聞いて「めっちゃいいな、この人」と思ったという。リュウジによれば、旨味調味料を使わずに作ると「実力感」があって気分がいい。料理していて気分がよくなるという長谷川の考え方と一貫している、とリュウジは評した。

二人とも料理家を「考察」するのが好きだという話にもなった。リュウジは知人の大西と、今活躍している料理家について3時間ほど話すことがあり、その中でも長谷川の考察が一番楽しいと明かした。「あれはどうなんだろうね」から始まって、最後は「やっぱりあかりさんはすごいよね」という結論になる。リュウジによれば、長谷川のファンは「あかりを信じている」人たちで、今回の動画タイトルもここから来ている。具材を切っているだけの段階では、どんなカレーになるのか見えないので、「信じないとできない」とリュウジは笑った。

長谷川も高校生のころ、生活情報誌やレシピ本でいいと思った料理がたいてい同じ先生のものだと気づき、その先生の経歴や人生を調べて、どんな意図でレシピを作っているのかを考えるのが好きだったという。長谷川は、リュウジが他の料理家の個性を引き出して「コンサル」する料理家育成チャンネルを見てみたいと提案した。リュウジは、やりたいけれど自分が育てて大丈夫なのか、と返している。

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調理工程:ひき肉を塊のまま酒蒸しにする

調理は、火をつけていない鍋に鶏ひき肉を「ボン」とそのまま入れるところから始まる。上に長ねぎを全部のせ、酒50mlと塩を加える。長谷川によると、レシピ上は塩2つまみだが、酒を使う量がいつも多いので、コスパと、未成年でも買えるという理由から料理酒を使っている。そのため、今回は塩を小さじ半分にしたという。蓋をして5分ほど蒸す。

リュウジが「酒蒸しみたいにするってことですか」と聞くと、長谷川はそうだと答えた。長谷川はお酒が大好きで、料理にもだいたい酒が入っているとリュウジは指摘する。長谷川の説明では、酒は旨味になるうえ、酒に任せれば自分が頑張る必要がなくなり、そこが勝手においしくなる。先日のハンバーグも酒蒸しだった。食べ物の中で昔からあさりの酒蒸しが一番好きだという。

ひき肉を塊のまま酒蒸しにすると、塊の状態で火が入っていくので、ほぐれすぎずにゴロッとした具材感が出る。リュウジは、自分にない発想に触れると「テンションが上がる」と話した。

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カレー粉、めんつゆ、だしパックを加えて煮る

蒸し上がった状態について、リュウジは「この状態だとわけわかんない」と言い、これが「あかり信じてるぞ」の状態だと冗談を言った。ここからヘラで少し崩すが、細かくしすぎず、ゴロッと感を残す。

続いてカレー粉を小さじ2ほど、めんつゆ(2倍希釈)を小さじ2ほど入れる。長谷川は、これはかなり初期のレシピなので、今なら多分めんつゆは使わないと話した。リュウジも、最近のレシピを見ていれば今の長谷川ならめんつゆは入れないだろうと分かる、と同意している。

だしは、鍋にスタンバイしていただしパックを破り、中身ごと入れてしまう。長谷川はここにもこだわりはないという。味噌汁のために別でだしを取っている人なら、300ml取り分けて入れてもいい。リュウジが「だしパックの中身は食べられますからね」と添えた。今回は食塩無添加のだしパックを使ったが、塩分入りのだしパックを使う場合は、最初の塩を入れずに作るとよいと長谷川は説明した。水300mlを加え、5分ほど煮込めば完成だ。

リュウジは、麦も油も入っていないのでスープカレーのようにさらっとしていて、ヘルシーだと評した。リュウジも最近は油を使わないカレーにはまっており、長谷川はその「無水カレー」の動画もよく見ていたという。最後に味見をし、そのままだと少しだけ濃いと感じる程度に塩で整える。リュウジは味見の段階で「めっちゃおいしい」と言い、長谷川は、口に合わなかったらどうしようと今日まで眠れない日が続いた、と打ち明けた。

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盛り付け:真ん中にご飯、薬味はエリアごとに

ご飯は器の真ん中にこんもりと盛り、上からカレーをかける。カレーではご飯を横に寄せることもあるが、このレシピでは中央に置く。その周りに薬味を盛る。長谷川は、ミールスのようにエリアを分けて並べる盛り方を見せた。リュウジは「これは絶対しない」「盛り付けやわ」と驚いていた。しば漬けが入ると一気に可愛くなり、いりごまをのせてもいい。

トッピングは自由で、視聴者の中には納豆や天かすをのせる人もいるという。味変として、パンチやえぐみが欲しいときは塩昆布を勧めた。長谷川が最近気に入っているのはわさびで、リュウジは「カレーにわさび」という組み合わせを面白がっていた。最後に削り節をのせるなど、ここからは「自由演技」だという。

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試食:「2Dと3Dの味」「一口目より三口目がおいしい」

食べるときは薬味と混ぜながら食べ、最終的には全部混ざっていく。長谷川は、人は塩味や味の強さに頼りがちだが、香りでも食は進むと説明した。リュウジは、スパイス料理も塩だけで味が決まることがあるとして同意した。

リュウジの感想は「めっちゃうまい」「俺の味じゃない。奥行きがある」「香りで食べさせるタイプだ」というものだった。長谷川は、リュウジのファンには物足りなく感じられるかもしれないと心配していた。これに対しリュウジは、物足りない人は塩昆布をのせればいいと答えた。リュウジによれば、自分の料理は一口目でグッとくるが、長谷川の料理は最後のひとさじまでおいしいタイプだという。長谷川は味には「2D」と「3D」があると表現した。2Dの料理は一発でガツッとくる味で、自分の料理は3D系で、口の中をぐるぐる回るような味なのだという。リュウジは「一口目より三口目の方がおいしい料理」と評し、薬味の香りが段階的に追ってきて、生姜が後から来ると話した。

わさびについて、リュウジは「わさびを添えた方がいい派」と言い、満足感がすごく出るとした。一方、塩昆布をのせると旨味と塩味がかなり足され、一気に「バズレシピっぽく」万人受けの味になる。それでも、リュウジは今回はわさびで食べたいと話した。塩分もかなり少なめだろうというリュウジの見立てに、長谷川はご飯や具の量の割に少なめだと思うと答えている。長谷川は、柚子の季節なら柚子もよく合うと付け加え、リュウジは柚子胡椒もいけそうだと応じた。

リュウジは、油を使わずにどう満足感を出すかは自分たち料理家にとって課題だとしたうえで、「これはいけますね」と評価した。引き算の味わいは好きだが自分ではやらないので、こういう世界があることを知ってもらえれば、自分も「引きの世界」に行けるかもしれない、と語った。

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「全員を当事者にする」:リュウジがジャンクな発信を選んだ理由

調理中には、二人の発信スタイルの違いについての話も出た。長谷川は、強い言葉を使わずに、なるべく広い人に作ってもらいたいというコンセプトで発信していると話した。リュウジの「落ち葉にかけてもうまいドレッシング」のような言葉は好きすぎて、あれには一生勝てないと思うという。そのうえで長谷川は、従来の性別役割では女性の方が料理を作らなければという意識が高かったと指摘した。リュウジは、それまで料理を作る意思があまりなかったパパ層や独身男性を引っ張ってきた、という見方である。

リュウジはこれを受けて、自分の考えを説明した。最初は女性フォロワーが多く、料理を作っても夫が反応してくれないといったコメントやDMが毎日届いていたという。リュウジは母子家庭で育ったので「女子寄り」の感覚があり、これをどう解決すればいいかを考えた。男性も料理をすれば作る人の気持ちが分かるはずだ、と考えたという。長谷川が「全員当事者になる」とまとめ、リュウジもそれに同意した。そのために、強い言葉や分かりやすい材料を使い、「入口」になろうとした。

ただ、リュウジは入口になりすぎて影響が強くなり、みんなが「リュウジみたい」になるのは嫌だという。だから自分のチャンネルでも、合う人・合わない人がいるのだから他の料理家も見てほしいと伝えている。そうすれば、いろんな料理家の料理が世の中に広まっていくと考えている。

リュウジは自分の代名詞はジャンクな料理だが、ジャンクでもそうでなくてもいいと思っていて、こだわりがないのが自分の武器だと語った。ただ、実際にバズるのはジャンクなものばかりだ、とも笑いながら話した。長谷川にも似た悩みがあり、意外な組み合わせの料理が立て続けに話題になると、「変な料理を出す人」だと思われることがあるという。リュウジは、ちくわとじゃがいもとバターのレシピを例に挙げ、魚介、たらこのような味がして面白かったと話した。

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本編の締めと、おまけトーク

本編の締めでリュウジは、このだしカレーには、自分がバズレシピを作るうちに忘れかけているものが全部詰まっていると語った。こうした料理に触れる機会があるのはとてもいいとも話し、次回は自分が長谷川に料理を教える予定だと告げた。試食したスタッフも、わさびがよく合うと驚いていた。

おまけトークでは、このレシピを出した背景が改めて語られた。長谷川によると、リュウジがX(当時のTwitter)で強い影響力を持っていた時期、料理の流れとしてみんながリュウジのようになりたがっていた。そうではない料理があってもいいのではないかと思い、最初の方に出したのがこの薬味たっぷりだしカレーだったという。「あえて逆を言っているようなところ」があったとも話した。

これに対しリュウジは、自分に寄せてくる料理家はあまり好きではないと明かした。見ればすぐ分かってしまうからだという。長谷川のレシピを見たときは「なんじゃこれ」「こんなんもいけんのか」と思わされた。自分の対極にいる人が活躍しているのを見るとワクワクする、とリュウジは語る。長谷川は、リュウジがカリスマすぎるあまり、リュウジのようなテイストでないとSNSでバズらないとさえ思われている風潮があると指摘した。そうではない自分のいいと思う料理がTwitterでどこまで通用するのか、自分も不安だったという。

リュウジは、XやInstagram、ショート動画で「どこかで見た」ような料理があふれる中、自分はあえて入り込みやすい料理でバズを狙っていると話した。一方、長谷川は自分の発想で作っており、「これが本当の料理だ」と感じたので、こういう人こそ評価されるべきだと考えている。

長谷川によれば、長谷川の料理が好きな人とリュウジの料理が好きな人が同じ家庭にいて喧嘩になった、というコメントも見かけるという。リュウジも、外からは「対立関係」のように見られていると認めた。そのうえで、最近のバズレシピが優しめになってきたのは、長谷川をはじめとしてそういう料理が世間に認められてきたからだと説明した。自分にはそれができず、長谷川が切り開いてくれたので感謝している、とリュウジは話した。外からは仲が悪いと思われているかもしれないが、実際はこの日が初対面で、リュウジは「めちゃくちゃリスペクトしている」と述べた。

最後は雑談になり、長谷川が小学6年生から「天才てれびくん」に出演していたこと、リュウジが見ていたのはそれより前の世代だったことなどが話題になって、動画は終わった。