年収14万3000ドル、固定費102%:家賃滞納まであと数週間の夫婦とラミット・セティのセッション
I Will Teach You To Be Rich翻訳元 English
フレイヤ(45歳)とブレイク(47歳)には幼い子どもが2人いて、世帯の税引き前年収は約14万3000ドル、貯金はゼロだ。フレイヤはラミット・セティの番組『Money for Couples』に応募した際、「文字どおりお金がなくて、ホームレスになるのではと心配しているほどです」と書いていた。2人のコンシャス・スペンディング・プラン(CSP)を見ると、資産は5000ドル、投資は180ドル、貯金はゼロ、負債は9万6179ドル、純資産はマイナス9万999ドルだった。固定費は手取り収入の102%に達し、罪悪感なく使えるお金(ギルトフリー支出)の欄はマイナス2%。セティはこれを「あり得ない数字だ」と指摘した。
セティは、数字だけ見れば「大ナタを振るう」べき状況だと述べたが、まずはなぜこうなったのかを突き止め、根本的な問題に対処できるプランにすることを目指した。セティの結論は、問題は借金そのものよりも、回避、罪悪感、そして2人の間に本当の意味での経済的なパートナーシップがないことにある、というものだった。
「家賃を1回滞納したら終わり」
セティはまず、フレイヤの応募書類の一文を読み上げた。「私たちは、家賃を1回払えなかったら立ち退き通知が来るような状態です」。フレイヤは、その表現は正確だと感じると言った。今の大家は、以前のような寛容なタイプではない。立ち退き通知を受け取ったことは一度もないが、フレイヤによればそれも問題の一部だった。どうにかしてお金を工面したり、家賃が1カ月遅れても話をつけて切り抜けたりして、「いつも何とかやりくりしてきた」のだ。2人とも、危機が始まったのはパンデミックの最中だったと振り返った。
どちらがより重圧を感じているかと聞かれ、フレイヤは、正直なところブレイクがどう感じているのかわからないと答えた。お金のことを考えたり話したりするのは、フレイヤのほうが多い。ブレイクは、深夜に「いつも、毎日」考えていると言った。セティは、お互いがお金についてどう感じているかを知らないこと自体が多くを物語っていると指摘した。フレイヤの説明によると、ブレイクはお金の話をするのを嫌がる。毎週の振り返りを始めても、やがて途絶え、フレイヤは自分が口うるさく言っているような気持ちになり、同じことが繰り返されるという。
ブレイクは「予算会議をしなきゃ」と言われたときの反応を「恐怖、そして不安」と表現した。ブレイクにとってそれは「もっと稼がなきゃ」という意味になり、それが自分のお決まりの反応だという。フレイヤはそういう作業が好きだ。仕事、家事、子どものこと、自己成長と、それぞれ別のToDoノートをつけているが、それが生活のほかの部分に「必ずしも生かされているわけではない」とも認めた。
スキー旅行とメキシコ旅行
2人のコミュニケーションの問題の例として、フレイヤはマウント・バチェラーへの日帰り旅行の話をした。引っ越したばかりで月末、いつものようにお金は厳しかった。ブレイクはスキーに行きたがった。リフト券は持っていたが、スキー未経験の子どもたちと、スキーをしないフレイヤのためにレッスンも受けたいと言った。フレイヤはそんな余裕はないと言い、2人は口論になった。ブレイクは引き下がった。するとフレイヤは罪悪感を覚えた。ブレイクはとても楽しみにしていたし、10年ほどスキーをしていなかったからだ。そして「わかった、いいよ。行こう。何とかなるから」と言った。その日の出費は約2000ドルで、2人によれば手元にないお金だった。フレイヤは、ノーよりイエスと言うことのほうが多いと認めた。ブレイクは、あの状況で自分がノーと言う側になることはなかっただろうと言った。お金の理由で予定をキャンセルしたこともたまにはあると言うブレイクに、フレイヤはそれはまれだと付け加えた。
2つ目の例は、夏にブレイクの両親とメキシコのラパスへ行った旅行だ。ブレイクによれば、フリーランスの収入は不安定で、夏の終わりはいつも少ないため、行かない方向に傾いていたが、フレイヤは行きたがり、ブレイク自身も行きたかった。フレイヤは「100%、推進役であり計画役」だった。ブレイクは自分の役割を、ついて行って使いすぎないようにし、旅行の前後で稼ぐことだと説明した。旅行中に何かにノーと言ったのはいつかと聞かれると、答えは実質的に「一度もない」だった。ブレイクの母親は1週間プライベートシェフを雇いたがった。両親は費用の一部として家の分を負担した。夫婦の負担分は約3500ドル、もしかするとそれ以上で、クレジットカードで支払った。ブレイクは帰宅後の現実を「顔面に蹴りを食らったよう」と表現した。この旅行はのちに口論の「弾薬」になった。ブレイクは行くと決めたのはフレイヤだと言い、フレイヤは子どもたちとブレイクの両親のためだったと言う。こうした責任の押し付け合いは「しょっちゅう」あると2人とも認めた。
以前はセラピストに通っていたが、1回175ドルと高すぎることもあってやめてしまった。フレイヤは、破産弁護士を雇う余裕すらないとも書いていた。
「頭が良すぎるがゆえに」
セティは視聴者に向けて、この夫婦は明らかに知的だと述べた。「vicissitudes(移り変わり)」といった言葉遣いやラパスへの旅行がその表れだが、それでも10万ドル近い借金を抱えている。セティが言いたかったのは、知性は大切だが、それで裕福になれるわけでも借金を避けられるわけでもない、ということだ。頭の良い人の多くは「何とかなるだろう」と思い込む。セティは、IQが10ポイント下がってでも「これはわからない、本を読んだほうがいい」と考えるほうがいいと言った。そして、怒りのコメントを書きたくなる視聴者に、自分が同じ状況に陥る姿を想像できるかと問いかけた。
何が起きているのかと率直に聞かれ、フレイヤは、10代で家を追い出され、17歳から自活してきたと話した。お金が入っては出ていくことにも、何もないことにも慣れすぎていて、それがむしろ心地よく感じるほどだという。立て直す時間はたっぷりあると思っていたこともあって、あまり心配していなかった。また、過去のひどい人間関係の中でお金を奪われたこともあり、お金があるときでもそれが永続するとは思えない。「まあ、何とかなるでしょ」という感覚だ。
ブレイクも、お金は入っては出ていくものだと言った。以前はいつも、貯金やすぐに入るフリーランスの仕事というセーフティネットがあった。ここ数年、こちらでカードを返済し、あちらで何かの支払いに充てるうちに取り崩し、やがてなくなった。ブレイクの401(k)は毎月の生活費に充てるために解約された。フレイヤによれば、提案したのはフレイヤで、ブレイクはもっとためらっていた。それはパンデミック中のことで、2人とも働いておらず、フレイヤは妊娠していた。
重荷を背負っているのは誰か
家計を主導しているのはフレイヤで、ブレイクはそれに従っている、「多少の抵抗は見せつつ」というセティのまとめに、2人とも同意した。ブレイクは、お金のことは常に考えていて、自分のためにはあまり物を買わないので出費を抑えようとしていると言った。フレイヤは反論した。ブレイクはフレイヤを浪費家と呼ぶが、計画も、子どもに必要なものも、食料品の買い物も、すべてフレイヤがやっている。「あなたがお金を使っていないのは、やらなきゃいけないことを何もやっていないからだよ」。
セティは、異性愛のカップルでよく見られるこの構図が大嫌いだと言った。女性はすべてを把握し、数字が見えているから心配する。男性はほとんど注意を払わない。女性が「細部に埋もれて」感情労働を担い、男性が無頓着なままでいることで、その差は広がっていく。「それはパートナーシップとは言えない」とセティは言った。
フレイヤによれば、日々の生活は主にブレイクの不定期な収入に頼っている。フレイヤは子育てをしながらあまり働いていないからだ。毎月、どの穴を先にふさぐかで「てんやわんや」になる。遅れている家賃、いくつかの光熱費、そしてサマーキャンプ。「お金があるときは使う。ないときはパニックになる」。数百ドルが入ると、外食に行ったり、関係を保ちたい友人に会いに行ったりする。外食はお金のストレスから「ほんの少し逃避」できる時間だとフレイヤは言い、それが「完全に逆」だと認めた。ブレイクも同じだと言った。問題を先送りして、その瞬間を楽しみ、あとで必死に働いて取り戻す。それを「近視眼的」で「本当の意味での将来の計画がない」と表現し、1カ月で外食に1000ドル使っていたと気づいたときのことを振り返った。
最近の変化もいくつか語られた。サブスクリプションを解約し、フレイヤは1カ月ほど前に家計管理ソフトを購入して、すべてを記録している。ただ、記録することと貯金することは違う、とフレイヤは言った。毎週の話し合いとレシートの保管も始めたが、話し合いは2回しか開いておらず、この3週間は一度もない。セティの見立てでは、最近の取り組みでさえ、結局はフレイヤが仕事を増やしているだけだった。
フレイヤは、これまでにも試したことがあるが、全部一人でやっている気がして、結局諦めてしまうと言った。それで何を得ているのかと聞かれ、「少なくとも私は努力した、と言える」と答えた。それによって自分のせいではないと思え、責任の一部を転嫁できるのだという。同じ質問に、ブレイクは罪悪感と不安を得ていると答え、なぜ変わらないのかは説明できなかった。フレイヤの見方では、ブレイクは恵まれた環境で育ち、本当の責任を負ったことがなく、「完全な回避」を得ている。つまり、ほかの誰か、今はフレイヤが問題を処理してくれるのだ。フレイヤはブレイクをお金に関して「ダチョウ(現実から目を背ける人)」と呼んだことがあり、ブレイクは「100%」同意した。「とにかくもっと稼いで、それについては話さないようにしている」。そうすれば話し合いがなくなることを期待しているという。セティは、その説明でパターンはわかるが、どうすべきかはわからないと言い、数字の検討に移った。
数字を声に出して読む
フレイヤはCSPを一人で作成し、ブレイクにリンクを送っていた。セティはそれを「趣旨をちょっと取り違えている」と言った。2人はのちにソファで一緒に内容を確認した。ブレイクは、月750ドルのサブスクリプション、以前借りていたベニスの家の保険料がまだ支払われていたこと(自動車保険を解約した際にセット契約が外れていた)、そして食料品と外食を合わせた食費が月3000ドルを超えていたことに衝撃を受けた。フレイヤはシェフだ。ブレイクは、自分たちは「ほぼ毎晩レストランにいるような」食事をしていると言った。
純資産の数字を読み上げるよう言われ、フレイヤは「吐き気がする」と言った。ブレイクは「最悪の気分」だと言った。負債の大半はクレジットカードで、小さな事業の未納税金もある。2人とも数字を見て失敗したように感じると言い、フレイヤは「特に子どもがいるのに」と付け加えた。ブレイクは、何十年も振り返って、個人の資産管理についての話し合いにイエスと言うなど、どんな小さな変化ができただろうかと考えると言った。フレイヤは、子どもたちを愛しているが、あの時点で2人目を持てる状況ではなかったと思うと言った。もっと真剣に仕事を探せたはずだとも思うし、稼ぐのが楽だった年でさえお金の行き先に注意を払っていなかった。以前は、お金について何も教えてくれなかった両親のせいにしていたが、インターネットも本も講座もある今、それは言い訳だと言う。今は本を読み、スキルを身につけて仕事を増やそうとしているが、「ずいぶん遅くなってしまった気がする」と語った。
2人の世帯の月収(税引き前)は1万1933ドルだった。ブレイクは、望んでいる水準ではなく、この7年間の暮らしぶりと比べると決して良い収入ではないと言った。2人とも、年収25万ドルほどの世帯のような暮らしをしてきたと見積もった。ブレイクはかつて約22万5000ドルにボーナスを加えた額を稼いでおり、世帯としてもおおよそその水準だった。その後、収入は約14万ドルに落ち、子どもが2人増えたのに、ほとんど何も変えなかった。フレイヤは、そのことを「一度も話し合わなかった」「ただ避けていた」と言い、友人たちはみな自分たちよりずっと稼いでいたので、フレイヤが働いていない時期でさえ、その生活スタイルに「寄せていった」と話した。
セティは、25万ドルから14万ドルに下がることがどれほど大変か、そしてどれほど長く決断を避けてしまうかは理解できると言った。理解できないのは、なぜ今になっても抜本的な変化がないのかだった。フレイヤは反論した。サブスクリプションは約250ドルまで削った(仕事に必要なものもある)し、調べてスーパーも変えたし、ベビーシッターにも辞めてもらった。セティは、人が「小手先の調整」をやめ、静かに「誰も助けに来てくれない」と悟る瞬間があると説明した。フレイヤは最初、自分はそこに到達していると言ったが、すぐに言い直した。「到達していないと思う。何も変えていないから」。
「それは破綻しているということ」
フレイヤは固定費の数字、102%を読み上げた。「冗談みたい」と言い、続けて、身の丈に合わない暮らしをしているということだと言った。セティはもっと率直に言った。それは破綻しているということで、明かりをつけておくだけのために毎月収入以上のお金を使っているということだ。周辺をいじっても解決しない。貯金ゼロと合わせれば、「家賃を払えなくなるまであと数週間」だとセティは言った。
セティは解説で、これは番組で見てきた中でも最悪の財務状況の一つだと述べた。高金利の借金が9万ドル近くあり、見た目どおりに受け取れば抜け出すのはほぼ不可能だと思える上に、固定費が収入を上回り、貯金もない。セティは、こうした家庭の子どもたちが30年後に番組に出てきて、親はお金について何も教えてくれず、借金を隠していたと言うのではないかと考えると話し、そうした世代間の連鎖を断ち切りたいと述べた。さらに、秘密の数式があるわけではないと付け加えた。番組の価値は、人々が堂々巡りをやめ、本当の問題を見られるようになることにあるという。
その問題を挙げるよう言われ、ブレイクは、回避、主体性の欠如、「収入を増やせば解決する」という考え方で「ネガティブな状態」から動いていること、そしてフレイヤにとって本来あるべきパートナーになれていないことを挙げた。そして、「言葉ではなく行動」でなければならないと付け加えた。フレイヤは、パートナーシップではなく孤立していると感じると言った。一人でやらなければならないと感じ、でもできなくて、やめてしまう。無力で、途方に暮れ、圧倒されている。話し合いを強く求めないのは、あまりにも頻繁に喧嘩に終わるからだ。「パートナーが必要だと感じる」。
フレイヤの生い立ちと、決してノーと言わない習慣
裁量支出は、2人の見積もりで少なくとも月1200ドルに上った。月3回ほどの外食と、子どもへの多くの出費が含まれていた。成長期の子どもの服、1人のテニスのレッスン、もう1人のダンス。セティは、10万ドル近いクレジットカード債務を抱える家庭の子どもがテニスのレッスンを受けるべきなのかと問うた。フレイヤは「うちの子は受けていて、たぶん受けるべきじゃない」と答え、それを自分の育ちと結びつけた。
フレイヤは「筋金入り」のエホバの証人の家庭で、5人きょうだいの一人として育った。10歳で学校をやめさせられ、17歳まで正規の教育を受けなかった。習い事も、遊びも、休暇も許されず、お金がないといつも言われていた。冬のコートを分割取り置き(レイアウェイ)で買っていたことを覚えている。今では、家族は実は中流家庭で、宗教と、教会に多くのお金が流れていたことが、いつも「そんな余裕はない」と言われていた理由だと考えている。将来の仕事の話をすると、昼間に布教して夜に働けるよう、鍵屋になれと言われた。17歳で独り立ちし、長い間「その日暮らし」をし、初めてニューヨークに出てきたときは電車の中で寝泊まりした。ホームスクーリングで卒業資格を取り、自力でファッションの学校に入り、そこからキャリアを築いた。きょうだいはもう誰も信仰を持っておらず、父親も同じだ。きょうだいのうち1人を除く全員が、同じような経済的困難を抱えている。
それほどの欠乏の中で育ち、完全に自分だけを頼りにしなければならないと早くから学んだことが、「自分が気分よくいるためなら何でもする」という姿勢につながった、とフレイヤは言う。それは貯金をしないこと、自分に我慢させないことを意味した。ブレイクの中に、自分にノーと言わないという点での「ソウルメイト」を見つけた。2人は「生きられるうちに人生を楽しもう」という共通の考え方と、強いハッスル(がむしゃらに稼ぐ)精神で意気投合した。セティの返答は、ハッスルはうまくいかなくなるまではうまくいく、というものだった。固定費が低いとき、あるいはフレイヤが付け加えたように「25歳のとき」ならうまくいくが、固定費が高く、9万ドルの借金と2人の子どもがいる状況では通用しない。フレイヤは、今それに気づきつつあると言った。
セティは解説で、フレイヤに同情すると述べ、17歳で家を追い出された人が、今度は母親として、再び追い出されるまであと数週間という状況にあることは「非常に示唆的」だと語った。育ち方は、多くの場合「大きな変化を起こさない限り逃れられない」ものであり続けるという。
ブレイクの生い立ち、隠していたロスIRA、そして寄宿学校
ブレイクはバイブル・ベルトに位置するテネシー州東部で育った。「お金の話はしない。南部の人間だから」。感情についても話さなかった。父親は小さな町の医者だった。レイアウェイとは無縁で、毎年夏には旅行があった。恵まれていると感じていて、お金についてはほとんど考えなかったという。最近、番組に出ることを父親に話すと、父親は「そういうことを誰かに相談できるなんて、うらやましい」と言った。ブレイクは、20年前にもっと質問しておけばよかったと思った。
ブレイクはまた、以前、立ち退き寸前になったとき、フレイヤと2人で両親から「5000ドルだったか1万ドルだったか」を借りなければならなかったことも明かした。両親は助けてくれた。それは応急処置でありがたかったとブレイクは言う。そしてそのとき両親は、自分たちも住宅ローンの支払いに苦労した時期があったと打ち明けた。ブレイクはそれをまったく知らなかった。両親から教わったことで唯一覚えているのは「投資しなさい。ロスIRAだ」だった。
そこで意外な事実が出てきた。ブレイクには約1万8000ドルが入ったロスIRAがあり、解約したくなかったため、誰にも話していなかったのだ。ほかに持っていたものはすでにすべてなくなっていたことを知っていた。セティは、それが今の2人の関係性の中に入れば、あっさり使い果たされていただろうと指摘した。フレイヤは、怒ると思っていたが怒らなかったと言った。自分もかつて説得されて401(k)を解約したことがあるので理解できたし、何より「どこかに何かがある」ことに安堵したという。
するとフレイヤは、ブレイクが生い立ちについて「少しとぼけている」と言った。ブレイクは寄宿学校に通い、家族の毎年の休暇は何週間にもわたるヨーロッパ旅行だった。セティは、それは「小さな町の医者」とは格の違う豊かさだと言った。セティは解説で、この2つの省略は話の筋を変えてしまう秘密だと述べた。気づいたのは、たまたまフレイヤの表情を見たからだという(「パートナーが一番よくわかっている」)。助けを求めて来ているのにゲストが隠し事をするのは容認できないし、こうした省略は、表面的で曖昧なままでいるというブレイクのパターンの繰り返しだとセティは語った。
セティはさらに、自分が見たブレイクの歩みを説明した。お金について何も教わらないまま裕福な家庭で育ち、30代で6桁の収入を得て、それをすべて使い、突然9万ドルの借金と立ち退きの可能性に直面し、収入さえ増えれば育った頃の生活が戻ってくると思い込んでいる。ブレイクは「非常に、非常に的確」だと言った。自分は「まさにピーター・パンのよう」で、給料はずっと上がり続けると無邪気に思い込み、安全網のない最悪の事態など想像もしなかったという。その頃はクレジットカードの支払いを一度も滞らせたことがなく、それがカード払いへの抵抗感をなくしていた。また、生涯にわたる対立を避ける傾向も認めた。「悪いアイデアでもそれに乗って、あとで対処するほうがいい」。
セティはブレイクに、お金で成功するためには、あるいは「率直に言えば立ち退かされないためには」、生涯避けてきたもの、つまり対立そのものに向き合わなければならないと告げた。ブレイクは感極まりながら、そう言われると思っていたと言い、フレイヤと子どもたちのためにやらなければならないと語った。自分の家族が問題を隠していたように隠すよりも、子どもたちには自分たちの問題を知ってほしいという。子どもたちはいずれこのエピソードを見ることになる。ブレイクは、子どもたちや誰かが自分の過ちから学べるよう、「裸になって真実を話す」ほうがいいと言った。セティは、これこそ一日中見られなかったエネルギーだと言い、子どもたちへの「贈り物」だと評した。セティは解説で、ブレイクがこうして認めたことが希望を与えてくれたと述べた。悪い状況にある人の多くは、それを正当化することに時間を費やすからだ。
1行ずつ:債権回収、成人した子どもの携帯電話、そして「その他」
家賃は3480ドルで、手取りの29%。セティは、それ自体は悪くないが、余裕がまったくないと言った。フレイヤによれば、この家を選んだのはフレイヤがもっと稼いでいた頃だった。今のフレイヤの収入は税引き前で月約2200ドルで、以前のおよそ半分だ。光熱費は450ドル、保険は488ドル、車のローンは636ドル。リースの電気自動車で、ほかに完済済みのガソリン車がもう1台ある。車について聞かれてブレイクがため息をつくと、セティは、あと12分はその車を楽しんでおくといいと冗談を言った。
借金の返済は290ドルと記載されていたが、2人はここ2〜3カ月クレジットカードの支払いを止めていたことを認め、その債権はちょうど回収業者に回ったところだった。2人の反応は、破産弁護士に電話し、費用に驚き、「お金をかき集め」ようとしながら待つというものだった。セティは、これがパターンの縮図だと言った。非常に表面的な関わり方で、問題が気分の悪いものだから一番手っ取り早い表面的な出口に手を伸ばし、数字にはまったく向き合わない。「人に任せてこの状況から抜け出すことはできない」とセティは言った。一番大変なのは細部に取り組むことで、それが唯一の出口だという。
食料品は3000ドル超から1200ドルに下がっていた。衣類は50ドル、携帯電話代は260ドル、サブスクリプションは375ドル。フレイヤはちょうど、10歳の頃から料金を払ってきた成人した子どもたちと、以前のオペア(住み込みのベビーシッター)の携帯電話を家族プランから外したところだった。セティは、クレジットカードの借金を抱えた親が成人した子どもの携帯電話代を払っていることに信じられないという様子で、親に家賃を払ってもらっているニューヨークの若者たちの話に脱線した。フレイヤは、罪悪感からだと言った。自分の親から与えられたのは「マイナス」だったので、携帯電話代を払うことは、与えられる最低限のことのように感じていたのだ。セティは、なぜ立ち退き寸前であることには罪悪感を覚えないのかと問うた。自分がフレイヤの立場なら、自分自身に、育ちに、お互いに、この関係性に怒りを感じるだろうと言い、その怒りを「虫眼鏡みたいに一点に集めて、この問題に火をつけるまで」集中させるよう促した。フレイヤは、生活のほかの部分ではそのくらい集中していると言った。お金に関しては、人から奪われることにも、持たないことにも、何とか埋め合わせることにも慣れていて、「それがもう通用しなくなっている」。セティは積み重なった決断を列挙した。メキシコ旅行、成人した子どもへの支払い、ノーと言わないこと、話し合いを開かないこと、食費を把握していないこと、収入が落ちたときに支出を削らなかったこと。
残りの項目は、保育料1400ドル(下の子はプレスクールに通っていて、住んでいる地域には無償のプレキンダーがない。8月で終わる)、子どもの習い事173ドル、そしてその他1320ドルだった。ほかに何にお金を使っているのかとセティが聞くと、フレイヤは本と画材を挙げた。フレイヤは作品の一部を販売している。「下限ではなく上限を」と迫られ、ブレイクは、ロス、マイケルズ、本、「ものを作る機械」を合わせて月約300ドルと見積もった。ブレイクは、一番驚いたのはどの数字でもなく「自分たちが何もしてこなかったこと」だと言った。フレイヤは、まるでほかの誰かに起きていることのようで、自分と数字の間に深い溝があるように感じたと言い、自分自身にいら立ち、それから「腹が立った」と語った。
今いる場所からリッチ・ライフを定義する
セティは、あちこちで200ドルずつ削っても何も変わらないと言った。2人は白紙から始め、早期リタイアではなく、今日の状況に基づいてリッチ・ライフ(豊かな人生)を定義しなければならなかった。ブレイクは、子どもたちにいくつかの習い事を続けさせることや、キャンプなどの家族旅行を挙げた。借金に触れたのは、セティが借金はどういう位置づけかと聞いたときだけだった。セティがその順番を指摘すると、ブレイクは、まだ借金から目を背けている表れだと認めた。フレイヤは、ブレイクはまず借金返済を挙げると思っていたと言った。フレイヤのリッチ・ライフは、借金を返し、収入の少ない月に備えた貯金を持ち、より多くの収入をもたらす充実したキャリアを築くことだった。何より、「起きている間ずっと」心配しなくて済むようになりたかった。セティは、その不安はプランを立てることで薄れていくものであり、2人にはプランがなかったと言った。10年分の決断がここまで導いたのだから、変化は大きく、速くなければならない。2人とも同意した。
その場で固定費を削る
CSPでの固定費の目安は通常60%だが、2人の場合は借金の返済があるため、それより高くなるとセティは言った。セティは2人に、交代で大胆な削減案を出させた。
最初はブレイクで、住居を挙げた。ブレイクは以前にも引っ越しを提案したことがあったが、フレイヤは引っ越し費用で1年分の節約が帳消しになると心配していた。セティはその懸念を「どんな変化にもブレーキをかける手段」と呼び、自分たちで引っ越せば、月1000ドル前後の節約と比べて安く済むと言った。フレイヤは、物件を探していて、同じ学区内にとどまれると言った。控えめに見積もって800ドルの節約とし、固定費は102%から94%に下がった。フレイヤは車を1台にすることを提案し、保険料を含めて約484ドルの節約になる。500ドルに丸めて89%になったが、フレイヤはガソリン代は増えると指摘した。8月に保育料がゼロになることで75%になり、セティは手を止めて喜んだ。フレイヤの携帯電話代はすでに80ドルまで下がっていた。ブレイクを家族プランに移せば合計120ドルになり、73%になる。
次にフレイヤは、子どもの習い事をゼロにすると申し出た。セティは、家族が借金を抱えている場合、普段は子どもの習い事を削ることに賛成するが、その前にもっと明らかなものがあると言った。その他の支出1320ドルだ。セティによれば、カップルはこれを、記録しないゆるい緩衝材として使う。これほどの借金を抱えたカップルは、子どもが泣いているからといって外食に30ドル余計に使わないところまで、徹底しなければならない。フレイヤは、外食しているのは子どもではなく自分たちだと言った(「私たちはおやつをしっかり持って行くタイプなので」)。フレイヤは、もう外食はせず、代わりに友人を家に招いて料理をすると約束した。その他の支出は本を含めて200ドルになり、セティは公立図書館を勧めた。これで固定費は62%になった。
最も難航したのは食料品だった。フレイヤは900ドル、次に850ドルを提案した。セティは、シェフならもっとできるはずだと押し返し、フレイヤのやり方は、以前本人が語っていた「どこまでなら許されるか」という姿勢と同じだと言った。ブレイクが食費にワインは含まれるのかと尋ね、セティはそれをこのセッションの笑いどころとして扱った。フレイヤは、食費にはグラスフェッドビーフも含まれていたと言った。今はWinCoで買い物をしている。フレイヤはこの変化を、高級ホテルから「ただの清潔な部屋」に移るようなものだと例え、2人は750ドルを目標ではなく上限とすることで合意した。フレイヤは、次の買い物までパントリーの食材だけでどれだけ暮らせるか試してみようと提案した。セティは、それを3〜4週間続ければ、借金返済のために数千ドルを浮かせられると言った。固定費は57%になった。
するとフレイヤは、本当は引っ越したくないと言った。これまで何度も引っ越してきて、フレイヤ自身は約20回引っ越しているからだ。家賃を元に戻すと65%に戻った。フレイヤは代わりに自分の収入を増やすと申し出た。週10時間から20時間に増やし、月約1000ドル上乗せして約3200ドルにする。ただし新しい仕事先を見つける必要がある。セティは収入を1万800ドルに固定して入力し、正確ではないがおおよその数字だと言った。固定費は60%に落ち着いた。セティは判断のルールを提案した。フレイヤが4週間以内に税引き前で丸々月1000ドルを生む仕事を見つけたら、引っ越さない。見つからなければ引っ越す。2人とも同意した。
フレイヤはまた、食料品が自分だけの仕事にならないよう、ブレイクに一緒に献立を考えてほしいと頼んだ。2人は献立を一緒に作り、デジタルカレンダーのSkylightに入れることにした。買い物はフレイヤが担当し、予定外にお店へ行くことはもうしない。
借金より貯金を先に、そしてブレイクの「消火ホース」
修正後のプランでは、月約4000ドルが未配分のまま残り、ブレイクはほとんど信じられない様子だった。何を優先すべきかと聞かれ、フレイヤは最初は借金と答えたが、子どもがいる以上、家を失うリスクには耐えられないとして、貯金に変えた。セティは同意したが、6桁近いクレジットカード債務を抱えたカップルにそう言うのは珍しいことだとも述べた。セティはスピードを求めた。パントリーの食材で暮らし、できるだけ早く車を売り、サブスクリプションを再確認し、たとえ100ドルの余剰でも貯金に回す。「猛烈な勢いで取り組め」とセティは言った。
借金については、カード会社に電話して苦境を説明し、セティの著書の第1章にある交渉スクリプトを使うよう指示した。ブレイクの信用はすでに債権回収によって傷ついており、引っ越しの妨げになる可能性がある。一方、フレイヤの信用は良好で、2人はそれを守りたいと考えている。セティは、借金返済に月2000ドルほど充てる必要があるだろうと見積もり、自身のウェブサイトにある借金返済計算ツールを使うよう伝えた。セティは解説で、借金の返済額を正確に決めなかったのは意図的だと説明した。自宅で焼く持ち帰りピザのように、自分たちで計算し、返済にどれだけかかるか、繰り上げ返済でそれがどれだけ短くなるかを自分の目で確かめたほうが、プランはより意味を持つという。
そこでブレイクが、本当のゲームチェンジャーだというものを挙げた。ブレイクは現在、パートナーと自分の会社を経営しており、良い月もあれば悪い月もある。インハウスのクリエイティブディレクターになれば、通常20万〜25万ドルの給与に加えて401(k)も得られるという。可能性は75〜80%、時期は3〜6カ月と見込んだ。セティは驚き、今すぐメッセージを送って確保するよう言った。2人とも、それが進むべき道だと同意した。
セティは解説で、そのような飛躍はほとんどの人には起こらないが、誰にとっても当てはまる教訓は別にあると述べた。多くの人は「家が燃えていて、すぐそこに消火ホースがある」のに、それを手に取らない。セティは、解決志向の人は5%に満たないと見積もり、お金は、人が解決策を試さずに問題について思い悩むことが最も多い分野だと語った。
セティは、このプランが失敗するとすれば、収入が増えたときだろうと警告した。普段は、収入が増えたカップルにはもう少しお金を使っていいと伝える。だがこの2人の場合は、たとえ理屈に合わないように思えても、「自分たちはもうそういう人間ではない」と決めて、すべてを借金返済と貯金に回したほうがいいという。
フレイヤは子どもたちを巻き込みたいと考えた。6歳の息子は銀行口座を欲しがっていて、小銭をノートに記録している。フレイヤは、子どもたちに献立作りと買い物を手伝ってもらい、なぜ時にはノーなのかを見せ、小さな貯蓄口座を持たせることを提案した。親がお金を使わなかったときに子どもたちが金色のシールを贈るシール表の話も出た。セティは、子どもたちに「変わらなきゃいけないから、手伝ってほしい」と伝えることは、親を新しい自分たちに縛りつけることにもなると言った。「そうしたら、後戻りなんてできないでしょう?」
例として、セティは月2500ドルを貯金に回した。ギルトフリー支出がどれくらい必要か個別に聞かれると、2人とも月250ドルと答え、セティはそれを素晴らしい答えだと言った。子どもたちと何か一つ、2人で何か一つをするのに十分な額だ。それでもなお、借金返済と貯金に回せるお金が月約1500ドル残った。「どうして今までこれをやらなかったんだろう」とフレイヤは言った。セティは、ほとんどの人は一歩引いて全体を俯瞰することをしないし、そうするにはまず心理、感情、関係性の問題に取り組む必要があると言った。
フレイヤは、明確な目標があることが大切だと言った。以前貯金しようとしたときは、意味がないように感じたからだ。「何のために?」と。ブレイクは、番組に出るよう後押ししてくれたことをフレイヤに感謝し、涙ぐみながら、2人がなれるとわかっている「未来の自分たち」になりたいと語った。フレイヤは、「希望もなく、無力な」状態で来たが、今はやれると感じると言った。ブレイクは、孤立しているのは「楽しい場所ではない」と言い、パートナーシップという考えは「ある意味で美しいもの」に感じられると語った。セティは締めくくりの解説で、状況の深刻さからすると予想していなかったが、この夫婦には非常に自信を持っていると述べた。2人とも固定費を大胆に削り、2人ともより多く稼ぐと申し出た。それはこの番組でも珍しいことだという。2人は孤立した状態で来て、互いを励まし合って帰っていった。
その後の報告
自宅からの最初の動画で、ブレイクは、一番驚いたのは、すべてを上から下まで見渡したときにプランがとても現実的に感じられたことだと言った。フレイヤは、1行ずつ見ていくことで、とても取り組みやすく感じられたことだと言った。「トンネルの先に光が見える」。2人ともプランは実行可能だが「楽勝ではない」と言い、一人が取り組んでもう一人が回避するのではなく、チームで取り組めるかどうかにかかっていると語った。フレイヤは「近づいてきている」と言った。ブレイクは、お金だけでなく人生全体に同じ行動パターンが見えるようになり、根本的な変化が必要だと語った。
その時点での決定事項は、1〜2カ月以内に車を1台にすること、フレイヤが食費をほぼ半分に削る努力をすること、そして20ドル、30ドルといった、いつの間にか忍び込む細かなその他の出費を抑えることだった。フレイヤは、衝動買いしたものは返品するか、同じ額を瓶に入れるという「瓶」のアイデアを出した。2人は当面は引っ越さないことにしたが、Zillowは今も「しょっちゅう」見ている。フレイヤはポートフォリオ、LinkedIn、履歴書を更新した。ブレイクは、こっそり「様子を探る」のではなく、積極的にチャンスを探していると人々に声に出して伝え始めたと言った。
2回目の報告で、ブレイクは最近多くの仕事を獲得し、収入が入ってきていると伝えた。フレイヤは翌週、2人のスケジュールに合う仕事の面接を控えていた。食費は750ドルではなく約817ドルまで下げられたが、フレイヤにとってはほぼ不可能だと思っていた数字だった。高金利の普通預金口座に1500ドルを入れ、手をつけずにいる。電気自動車のリースは10月までで、その後は車1台の家族になる。2人は練習してきたが、思っていたより大変だった。プレスクールの最後の支払いも済んだところだった。
未解決の項目は2つあった。借金については、関連する章を読み、ネットで調べ、弁護士に相談し、電話すべき相手のリストを作った。電話は「明日の朝8時」に予定されており、2人は視聴者に「守るかどうか見ていてほしい」と呼びかけた。番組出演前にうまくいかなかった毎週のお金の話し合いは、まだ定期的には行われていなかった。2人は、スケジュール調整が難しかったが、取り組んでいるところだと語った。
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