ミシェル・カーレ、1日のトレーニングで模擬殺人裁判の弁護に挑む

翻訳元 English

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概要

法律の素養がまったくない人が、たった1日で、経験豊富な検察官を相手に殺人裁判で依頼人を弁護できるだけの知識を身につけられるのでしょうか。『Challenge Accepted』の今回のエピソードで、ミシェル・カーレは、演出されたものではあるものの綿密に組み立てられた裁判で弁護人を務めます。法廷には本物の上級裁判所判事、12人の陪審員、被告人と証人を演じる俳優たちがそろい、相手側には数十年の経験を持つ州の検察官が控えています。ミシェルを指導するのは、現役の法廷弁護士でYouTubeチャンネル「LegalEagle」を運営するデヴィン・ストーンと、UCLAの模擬裁判チームのヘッドコーチであるゴンザロ・フレイシェスです。動画は準備の過程、裁判そのもの、そして陪審の評議と評決までを追っています。

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舞台設定:「実写版の法廷ビデオゲーム」

ミシェルはこの形式を、2人のプレイヤーによる実写版の法廷ビデオゲームだと説明します。プレイヤーは彼女自身と、検察官のスペンサー・Gです。スペンサーは太平洋岸北西部の州検察官だと自己紹介し、「ミシェルを打ち負かしに来た」と語ります。裁判長はベニー・オソリオ判事です。ミシェルは、法律について知っていることはすべて『キューティ・ブロンド』『ベター・コール・ソウル』『ア・フュー・グッドメン』から得たものだと言います。そして「お前に真実は扱えない」と言ってもいいのかと尋ねます。

デヴィン・ストーンは、優れた法廷弁護士はこのような事件を担当するまでに数十年の経験を積んでいるのに、ミシェルには1日しかないと指摘します。フレイシェスは、UCLAの模擬裁判チームを25年以上指導し、全米選手権で5回優勝してきたと話します。デヴィンは、自分もフレイシェスから学んだと言います。

事件「カリフォルニア州対アッシュ・ソーンヒル」は、米国模擬裁判協会のために書かれた事例に基づいており、全米の学生たちがこの事例で競い合ってきました。デヴィンによれば、ミシェルに実際の殺人被告人を弁護させるのは職務過誤になるため、依頼人と証人はプロの俳優が演じています。それでもミシェルにとって、この体験は落ち着かないものです。アッシュが役を演じている俳優だとわかってはいても、すべてが「正気じゃない」と彼女は言います。

3:09

アッシュ・ソーンヒルに対する訴追内容

2024年10月15日の夜、ウェンデル・タッカーがコブ郡動物園の管理棟で銃撃され、死亡しました。同園の哺乳類担当主任飼育員であるアッシュ・ソーンヒルは、上司であるタッカーとの口論の末に彼を殺害したとして起訴されています。

ミシェルとの最初の面会で、アッシュは自らの説明を語ります。遅くまで仕事をしていたところ、タッカーにオフィスへ呼ばれました。2人は動物たちの飼育環境をめぐって口論になりました。アッシュが立ち上がって帰ろうとすると、タッカーが彼をつかみました。アッシュが振り払うと、タッカーは少しよろめいたものの、倒れはしませんでした。アッシュによれば、その後は帰宅して寝床に就き、自分が去った後しばらくしてタッカーが撃たれたことを翌日知ったといいます。

弁護側の最大の武器はアリバイです。アッシュは、友人でルームメイトのドリューとドジャースの試合を観ながらビールを1本飲み、9時半ごろに寝たと言います。デヴィンの見立てでは、この事件には有利な面もあれば、不利な面もあります。

5:17

最初の冒頭陳述と、それがうまくいかなかった理由

デヴィンは裁判の流れを説明します。冒頭陳述、証人を通じた証拠の提示、最終弁論、そして陪審の評議と評決です。冒頭陳述とは、裁判の中で陪審が何を聞き、何を目にすることになるかを伝えるものです。デヴィンは心理学の研究を引き合いに出し、陪審員の3分の2が証拠を聞く前、冒頭陳述の段階で心を決めてしまうことが示されていると言います。だからこそ冒頭陳述は極めて重要なのです。

ミシェルの最初の草稿は、映画やテレビで見たものを下敷きにしています。彼女はそれを、エル・ウッズとキム・ウェクスラー、トム・クルーズを少しずつ混ぜたものだと表現します。彼女はアッシュを「10年以上にわたる献身的な飼育員」で、「動物福祉への絶え間ない情熱」を持つ人物だと呼びます。検察は緊張が高まっていく物語を語るだろうと陪審に警告し、アッシュが世話をしている動物たち(セレーナ、ジュディ、キク)の写真を掲げます。そして最後に、彼を「ただ母なる自然を愛する男」だと締めくくります。

コーチたちは彼女を止めます。冒頭陳述で触れたものはすべて証拠として提出されなければならないため、動物の写真が使えるのは、アッシュが証言台でその基礎づけをした場合に限られます。さらに根本的な問題として、草稿は「とっ散らかって」いました。フレイシェスは別の方法を提案します。最も強力な証拠を5つ選び、冒頭陳述でそれらを順に説明して「種をまく」のです。

8:23

弁護方針を見つける:ずさんな捜査と消えたロレックス

弁護側の最初の切り口は、現場に最初に到着し捜査を担当したテリー・ガーチ巡査部長が、十分に徹底した、あるいは詳細な捜査をしなかったという点です。ミシェルは指紋が採取されていないことを「信じられない」と感じます。デヴィンは、ほかに誰も捜査対象になっていないことを奇妙だと考えます。

タッカーとのやり取りで何か具体的に印象に残っていることはないかと尋ねられたアッシュは、タッカーがいつも大きくて派手な金のロレックスを着けていたことを思い出します。タッカーにつかまれたとき、それが目の前にはっきり見えたとアッシュは言いますが、事件資料には一切記載がありません。ミシェルはすぐに強盗の可能性を口にします。時計がなくなっているのなら、これは失敗に終わった強盗事件だったのかもしれない、と。

デヴィンはこれをきっかけに、基本的な誤解を正します。弁護側は誰が犯人なのかを証明する必要はなく、別の誰かが犯人だと証明する必要すらありません。合理的な疑いを超えて立証する責任を負うのは検察側であり、弁護側は合理的な疑いを生じさせればよいのです。ミシェルが「アッシュに対する証拠は状況証拠にすぎない」という一文を書くと、デヴィンはその言葉を使わないよう指示します。状況証拠でも人を有罪にすることはできるからです。彼は、彼女が以前使った「せいぜい決定的とは言えない」という表現のほうを好みます。最も強力な証拠を一つ挙げるよう求められると、彼はアッシュのアリバイを挙げます。そして、その示し方を実演します。検察は「間違った人物を指さしている」のであり、陪審は、殺人が起きたまさにその時刻に、自宅で友人とドジャースの試合を観ていた男の話を聞くことになる、と。

10:59

法廷での技術:礼儀作法、話し方、そして陪審

コーチたちは、説得とは法的な中身だけの問題ではないと強調します。フレイシェスは、表現面として話し方、テクニック、身ぶり、動き、声の抑揚を挙げ、それらすべてが一体となって、興味を引き、力強く、説得力のあるパフォーマンスにならなければならないと説明します。慣習もあります。弁護士は判事に話しかけるときは起立し、判事は常に「裁判長」と呼び、決して「判事」とは呼びません。フレイシェスによれば、テレビでは弁護士が法廷内を走り回るなど、実際の法廷の礼儀作法をひどく逸脱した場面がよく描かれるといいます。ミシェルは「裁判長、裁判官席に近づいてもよろしいでしょうか」を何度も練習します。

陪審との信頼関係は、口調、声、身ぶりに左右されます。コーチの一人は、彼が「麻痺した腕」と呼ぶ技法を紹介します。片方の腕は、たとえば背中に回すなどして動かさず、もう片方の腕で身ぶりをするというものです。彼によれば、カマラ・ハリスやヒラリー・クリントンもこの技法を使っているといいます。ミシェルは、彼女たちは洗練されて見えるようにジャケットを押さえているだけだと思っていたと言います。

裁判前日の午後5時、ミシェルは、ようやく裁判の仕組みがわかったばかりで、準備に何か月もあればよかったのにと言います。そして、だからこそ普通は裁判の準備に何か月もかけるのだろうと付け加えます。デヴィンは、彼女はその日の朝から劇的に上達していると伝えます。ミシェルはこの職業について印象に残ったことを口にします。確信を持って依頼人を代理し、最善の可能性を与えるけれど、真実を知ることは決してないかもしれない、ということです。彼女はアッシュに、ウェンデル・タッカーを殺したのかと直接尋ねます。動画では彼の答えは映されていません。

13:54

法廷での冒頭陳述

開廷すると、デヴィンは共同弁護人として自己紹介します。自分の役割は主に精神的な支えだと彼は言います。ミシェルに戦術と戦略は教えたが、今は「この小さな法曹のひな鳥を巣立たせる」ときだ、と。

スペンサーは自分の戦略を、アッシュ・ソーンヒルをあらゆる機会と動機を持った、怒りと恨みを抱えた男に見せることだと説明します。彼は陪審に対し、愛、強欲、怒りが殺人の三大動機であり、この事件は怒りをめぐるものだと語ります。スペンサーによれば、アッシュは動物たちの福祉が脅かされていると考え、何か月もかけて怒りを募らせた末、ついに我を失ったのです。スペンサーは証拠を予告します。その夜アッシュとタッカーが口論しているのを聞いた獣医師、モナーク医師による解剖、タッカーの爪の間から見つかったアッシュのDNA、そしてアッシュがかつて9mm拳銃を所有しており、それがタッカーを殺した弾丸と同じ口径だったというガーチ巡査部長の証言です。ミシェルは、スペンサーがあまりにうまいので自分の依頼人が有罪なのではないかと思い始めてしまった、自分がそう思うなら陪審もきっとそう思っているはずだ、と認めます。

フレイシェスは、学生たちと冒頭陳述に取り組んでいた頃、陳述の残り全体よりも最初の一文に多くの時間を費やしたと言います。最初の一文で陪審の心をつかまなければならないからです。ミシェルが動物園にちなんだ駄洒落を提案すると、コーチたちは悲劇を軽く扱わないよう注意します。彼女の最終的な冒頭陳述は、「野生のジャングルでは、最初に傷つけられるのはしばしば最もおとなしい動物です」という言葉で始まります。彼女は、絶滅危惧種の世話に人生を捧げてきたアッシュこそが弱い立場にある存在、つまり最初に目をつけられた、最も都合のよい容疑者なのだと位置づけます。

続いて彼女は、空白となっている点を並べます。凶器がないこと、アッシュと犯行を結びつける物的証拠がないこと、指紋がないこと、射撃残渣がないこと、そして被害者の高価な金のロレックスについての説明がないことです。ロレックスは遺体から失われていたと報告されている、と彼女は言います。こうした空白が生じたのは、検察が徹底した捜査をする代わりに彼女の依頼人ばかりに焦点を当てたからだと彼女は主張します。悲劇が起きていたとき、アッシュは自宅でドジャースがメッツに負けるのを観ていたこと、そして怒りではなく強盗こそが事の真相を説明するという明白な証拠があるにもかかわらず、検察は他の容疑者や動機を無視したことを陪審に伝えます。そして最後に、ジャングルで最も静かな動物のように、アッシュは犯してもいない罪のために狩り立てられるべきではない、と締めくくります。

休廷中、ミシェルは冒頭陳述の前、テーブルの下で体が震えていたと打ち明けます。スペンサーがメモを一切使わず、仕立てのいいスーツを着ていたことにも動揺していました。彼女は、自分のスーツは安全ピンで留めてあり、前の週にAmazonで買ったものだと認めます。

23:37

証拠法のルールを学ぶ

次は証人尋問の段階です。スペンサーは自らの主張を固め、アッシュの印象を悪くするために証人を呼びます。ミシェルの仕事は、防御とダメージコントロールです。証拠はすべてすでに認められているのかと彼女が尋ねると、コーチたちはそうではないと答えます。一部の証拠を排除するために戦わなければならないかもしれないし、スペンサーも彼女の証拠に異議を唱えてくるかもしれない、と。デヴィンは、スペンサーが自分に有利な状況を作るために、通常なら出さないような証拠を紛れ込ませようとしてくるかもしれないと警告し、スペンサーが正々堂々と戦うとは信用できないと言います。

フレイシェスは、出てくる可能性の高い、互いに関連する一連の異議を教えます。基礎の欠如、推測、そして不適切な意見です。根底にある原則は、専門家でない限り、証人は自分自身が見たり聞いたりしたことしか証言できないということです。彼の例はこうです。もし彼が、アシスタントのマディがスターバックスでコーヒーを買っていたと証言したら、彼はそれを見ていないので基礎の欠如になります。もしマディがスターバックスに行くと言っていたと証言したら、それは伝聞になります。ミシェルは伝聞についての自分の理解を「うわさ話は法廷に持ち込めない」とまとめます。

24:41

ガーチ巡査部長とカードキー

州側の最初の証人はテリー・ガーチ巡査部長です。彼はコブ郡警察に16年間勤務し、高校卒業後は海兵隊に8年間在籍していたと述べます。彼は、10月15日午後8時55分に通報が入ったと証言します。動物園の正面入口にある警備拠点でブルック・シルズと合流し、管理棟に向かったところ、男性が血だまりの中で机にうつぶせになっているのを発見しました。脈を確かめた以外は何にも触れていないと彼は言います。

ガーチが警備担当者から聞いた内容を説明し始めると、ミシェルは伝聞を理由に異議を申し立てます。スペンサーは、この証言は聞き手への影響、つまり巡査部長が次に取った捜査行動を説明するためのものだと反論し、判事は異議を却下します。デヴィンの評価は、ミシェルの異議自体は正しかったが、「あまり力がこもっていなかった」というものです。

動物園のカードキーシステムが争点の中心になります。ミシェルはこれをホテルにたとえて説明します。従業員には本人に紐づけられた個人用カードがあり、来客や訪問者には同一の汎用カードが渡されます。午後8時30分、アッシュのカードが、彼が退出する際にガレージで読み取られていました。その8分後、汎用カードが管理棟への入館に使われていました。おそらく犯人によるものです。ガーチは、警察が令状に基づいてアッシュのアパートを捜索した際、台所の引き出しから汎用カードキーが見つかったと証言します。アッシュは、まずい状況に見えるのはわかっているが、自分はやっていないと言います。

26:30

捜査担当者への反対尋問

デヴィンは、より攻撃的に攻められる反対尋問が一番好きな部分だと言います。彼はミシェルに、検察側の証人は心からアッシュが有罪だと信じており、敵対的である可能性があると想定するよう指示します。ガーチに対しては、捜査がずさんだったと攻めるのが作戦です。結論を急ぎ、別の容疑者を無視し、科学捜査を省略した、と。弁護側はさらに、こうした失態の原因を、ガーチと動物園の警備責任者ブルック・シルズとの因縁に求めたいと考えます。2人の関係が悪かったために判断が曇ったのだと主張するのです。

練習ではデヴィンがガーチを演じますが、ミシェルの質問はうまくいきません。彼女は、その関係が現場に到着したときの彼の気持ちに影響したかと尋ねます。デヴィンは彼女を止めます。ガーチは絶対にそれを認めないので、その質問はすべきではない、と。役になりきったデヴィンは、シルズを「水準以下の海兵隊員」と呼びます。ミシェルは、途中で追い詰められたように感じ、自分がどこへ向かおうとしているのか彼に見透かされていると感じたと言います。デヴィンの助言は、一緒に軍務に就いていた頃に意見が合わなかったという一点だけを認めさせて、次に進むことです。

法廷でミシェルは、ガーチがシルズを知っていること、2人が一緒に軍務に就いていたこと、そして意見が合わなかったことを確認します。スペンサーは関連性を理由に異議を申し立てますが、却下されます。ガーチは、その関係が自分の仕事や判断に影響したことを否定し、他の事件と同じように捜査を行ったと述べます。続いてミシェルは、少なくとも彼の知る限りでは、指紋分析も射撃残渣の分析も行われていないことを彼に確認させます。彼女が、同じく汎用カードキーを持っていた業者たちを彼は真剣に追及しなかったと言うと、ガーチは、事情聴取が必要な人には全員話を聞き、彼らの証言は互いに裏づけ合っていたと述べます。

再主尋問でスペンサーは、人が出入りする管理棟に被告人の指紋があるのは当然のことであり、そのため指紋分析は不要と判断されたとガーチに説明させます。ミシェルがあと2つ質問する許可を求めると、判事はこれを認めます。彼女は、分析が行われなかった以上、現場に身元不明の別の指紋があったかどうかは誰にも永遠にわからないということを、ガーチに認めさせます。その後、ガーチ役の俳優は彼女に、怖かったと言い、「共感はどこへ行ったの?」と尋ねます。

31:44

ウィルソン、シルズ、モナーク:口論、DNA、そしてマネークリップ

獣医師のキャロル・ウィルソン医師は、その夜管理棟を出ようとしていたときに大声の口論を耳にし、その声がタッカーとアッシュのものだとわかったと証言します。反対尋問でミシェルは、疑いを他の人にも分散させようとします。ウィルソンは、タッカーがウィルソン自身を含む多くのスタッフと緊張した関係にあったことを認めます。彼女は、かつて彼に怒鳴りつけてクズ呼ばわりしたことがあると言い、タッカーを嫌っていた人は「山ほど」いたと述べます。

これは再主尋問で裏目に出ます。スペンサーは、タッカーと最も敵対的な関係にあったのは誰かと尋ねます。ミシェルは推測を理由に異議を申し立て、さらに畳みかけます。敵対の度合いを数値化することは不可能であり、伝聞かもしれず、ウィルソンは心理学者ではないので素人の意見だ、と。判事は異議を却下し、そこまで言う必要はなかったと彼女に告げます。ウィルソンはアッシュの名を挙げ、アッシュが彼女に、タッカーが憎い、タッカーがこの場所にしていることは許しがたいと言っていたと付け加えます。スペンサーは、自分は弁護側が切り開いた質問の流れを追っただけだと主張します。

動物園の警備主任であるブルック・シルズは、ウィルソンが銃声のような音を聞いたと言って彼女のもとに来たこと、そして監視カメラの映像には、ウィルソンがその音を聞いた瞬間が映っていることを証言します。

解剖を行ったローレンス・モナーク医師は、頭蓋骨の射入口から、弾丸は9mmかそれ以下のものだと考えられると証言します。アッシュは9mm銃の登録所有者ですが、8か月前に盗難届を出していました。アッシュは、車から盗まれたと言います。モナークはまた、タッカーの爪の間から採取された皮膚細胞のDNAが分析されたと証言します。デヴィンは、これがおそらくこの事件で最も不利な事実だと言います。アッシュは、タッカーにつかまれたときのものに違いないと言います。

反対尋問でミシェルは、DNAプロファイルが3つ、つまり被害者のもの、アッシュのもの、そして身元不明の第三者のものがあったことをモナークに確認させます。彼はまた、金のロレックスを含め、遺体からは宝飾品が一切見つからなかったことも認めます。強盗だったと思うかと彼女が尋ねると、モナークはその可能性はあると答えます。

続いてスペンサーが自ら質問します。モナークは、現金320ドルが挟まったマネークリップと、クレジットカード2枚が入った財布を発見したことを認めます。ミシェルは自分のミスを認めます。準備の段階でこの点を完全に見落としていたのです。これは強盗説に打撃を与えます。金時計を盗んで320ドルを置いていく人がいるでしょうか。その後、州側は立証を終えます。

35:45

被告人を証言台に立たせる

弁護側はアッシュを証人として呼びます。デヴィンは、現実には刑事被告人が証言するのは珍しいことだと指摘します。多くのことがうまくいかなくなる可能性があり、腕のいい検察官なら不利な質問で被告人をつまずかせることができるからです。それでもこの場面では、陪審との絆を築き、弁護を強化する方法として理にかなっていると彼は言います。アッシュとドリューの証言におけるミシェルの目標は、アリバイが真実であり、アッシュは現場の近くにすらいなかったという情景を描き出すことです。フレイシェスは、「情景を描く」というのはまさにその通りだと言います。主尋問とは、自分側の証人に自らの物語を語らせるものだからです。

主尋問には重要な制約があります。誘導尋問、つまり答えを暗示する質問は禁止されています。フレイシェスが実演します。「あなたはプラム色のブレザーを着ていますね?」は誘導尋問です。「あなたのブレザーは何色ですか?」が適切な質問です。どちらでも同じ情報を引き出せますが、弁護士がどう受け取られるか、そしてどのような証言が引き出されるかが変わってきます。フレイシェスは、これがおそらく初心者にとって最も習得が難しい点だと言います。練習では、ミシェルの最初の質問「あなたはコブ郡動物園で働いていますね?」に、すぐさま誘導だという異議が飛びます。デヴィンは異議への対応の仕方も指導します。彼が「細かい」基礎の異議と呼ぶものを出した際、「裁判長、言い直します」と言うときに少し気迫を込めるよう彼女に伝えます。最初の試みは気迫が強すぎ、2回目でちょうどよくなります。

法廷でアッシュは、動物への愛情、保全学の大学奨学金、そして動物園で働く前に2つの野生動物保護施設で働いていたことを語ります。彼は、残業代なしで週70時間働くのが普通だと言います。周囲の多くの人が、自分ほど動物たちのことを第一に考えているとは思えないからです。彼は、帰ろうと振り向いたときにタッカーが彼の手首をつかみ、それを振り払ったと証言します。タッカーは動物園内でいつも見せびらかしていた大きな金のロレックスを着けており、それがはっきりとアッシュの視界に入っていたと彼は言います。ミシェルの追加質問には再び誘導だという異議が出て認められ、彼女は質問を言い直します。最後に彼女はアッシュに、タッカーを殺したのかと直接尋ね、彼は殺していないと答えます。

41:00

スペンサーによるアッシュへの反対尋問:「憎んでいた」か「嫌っていた」か

スペンサーはまずロレックスを攻めます。時計について証言したのはアッシュだけであり、しかも彼は証言台に立つ前に、宝飾品の記載がない解剖報告書を読んでいました。アッシュはその両方を認めます。続いてスペンサーは、アッシュの台所にあった汎用カードキーについて尋ねます。アッシュは、何か月も前に個人用カードが使えなくなったときに受け取り、そのまま忘れていたと言います。スペンサーは盗まれたグロック17についても尋ねます。アッシュは、8か月前に盗難届を出し、見つかることを期待して買い替えはしなかったと認めます。

ミシェルは、スペンサーが反対尋問ではまったく別人になり、腕を組み、彼女いわく感心できない得意げな表情を浮かべていたと述べます。スペンサーは、アッシュが主尋問の証言で、自分とタッカーが声を荒らげたことに触れなかったと指摘します。アッシュは、聞かれた質問に答えただけだと言い、その後、2人が怒鳴り合っていたこと、タッカーの動物園の運営方法に激怒していたこと、そして一部の動物(書き起こしでは「ボンゴとオカピ」と表記)が永久に囲いの中に閉じ込められることに腹を立てていたことを認めます。タッカーを憎んでいたかと尋ねられたアッシュは、「嫌っていた」と答えます。スペンサーは、強い嫌悪と憎しみの区別が彼にとって重要なのかと尋ねます。ミシェルは議論にわたる質問だとして異議を申し立てますが、却下されます。アッシュは、その瞬間まで違いについて考えたことはなかったと言い、タッカーを強く嫌っていたと述べます。準備の段階では、アッシュはミシェルに、タッカーを憎んでいたと話しており、「ウェンデル・タッカーを憎んでいる人は山ほどいる」と付け加え、ドリューには「上司が大嫌い」といった調子で愚痴をこぼしていたと語っていました。

44:02

ドリュー・マーサー:アリバイ、居眠りする陪審、そして重罪をめぐる攻防

ドリューはアリバイを裏づける重要証人です。ミシェルは、陪審が彼を信頼できると判断すれば、弁護側は基本的に勝てると考えています。ドリューは、自分とアッシュは一緒に育ち、ドリューが地元に戻ってきたときに再会し、一緒に暮らしていると証言します。アッシュは8時40分ごろに帰宅し、特に変わった様子はなく(「いつもの火曜日って感じ」)、ドリューがビールを放って渡し、アッシュはその後寝たと彼は言います。

この証言の最中、ミシェルは陪審員が居眠りしていることに気づきます。デヴィンは、実際の裁判でもよくあることで、対処法は注意を引く何かをすることだと言います。彼は、1回の尋問につき1、2回使うサスペンスの技法を教えます。ペースを落とし、核心となる質問を劇的に演出するのです。ミシェルはドリューに、8時30分から9時30分までの間に、アッシュが家を出るのを一度でも見たかどうかを陪審員の皆さんに伝えてほしいと求めます。ドリューは見ていないと答えます。デヴィンは、こうして関心を高めることは、優れた法的技術と同じくらい重要だと言います。ミシェルは、8時45分から9時30分までについて同じ趣旨の質問をもう一度投げかけ、ドリューは同じように答えます。

スペンサーは、ドリューがアリバイである以上、自分が絶対にやらなければならないのは彼の信用性を打ち砕くことだと言います。彼は冒頭から、ドリューが重罪犯かどうかを尋ねます。ミシェルが異議を申し立て、弁護士たちは裁判官席に近づきます。コーチたちはこれを予想しており、この質問を排除するための3つの根拠を彼女に与えていました。その出来事は10年以上前のことであり、ドリューは当時未成年で、起訴はされたものの有罪判決は受けていない、というものです。ミシェルは規則609とこれらの根拠を挙げます。スペンサーは、これは有罪判決による弾劾だと主張します。ドリューは武装強盗の共犯者で、犯行に及んだ者たちをかばうために嘘をついたのであり、ドリューが再び他人の犯罪をかばっていることになるのだから「完全に一致する」と彼は言います。判事は、この規則のもとでは証拠の価値が偏見を生む影響を大幅に上回るという認定が必要だと述べ、そうはならないと判断して異議を認めます。判事は陪審に、その質問を無視するよう指示します。

デヴィンは、この勝利の限界を指摘します。「鳴らした鐘は元に戻せない」のです。陪審はその質問を聞いてしまっており、判事が無視するよう指示することはできても、聞いたという事実は変わりません。

続いてスペンサーは、その夜のアッシュの様子についてのドリューの説明を変えさせます。ドリューは最初、アッシュが仕事が大変だと愚痴をこぼしていたと言います。スペンサーは、アッシュがどう見えたかを説明するよう迫ります。ドリューは、アッシュはつらい一日を過ごしたように見えたと言い、最終的には、アッシュがいつもより緊張していて、じっとりと汗ばんでいるように見えたかという質問に「はい」と答えます。

49:41

最終弁論

ミシェルは、最終弁論を事前にすべて書き上げておくことはしないと説明します。裁判の間、彼女はスペンサーが持ち出した点をメモしておき、それを最終弁論に盛り込んで、土壇場で出てきた論点にも反論できるようにします。

スペンサーの最終弁論は怒りに立ち返ります。アッシュは怒っていて、タッカーを殺した、と。彼は、爪の間のアッシュのDNA、アッシュが比較的最近まで9mm銃を所有していたこと、そしてアッシュの台所のがらくた入れの引き出しにあった汎用カードキーを挙げます。アッシュは「証言台で口にする気があったかどうかにかかわらず」タッカーを憎んでいたと彼は言います。彼はマネークリップの現金を使って強盗説を攻撃しますが、その金額を350ドルとしており、モナークの証言では320ドルでした。たった一つの特定の品物を狙った、ずいぶんと特殊な強盗でなければならないことになると彼は主張します。彼は陪審にドリューを信じないよう求め、州が合理的な疑いを超えて立証しなければならないことを認めた上で、有罪の評決を求めます。

ミシェルの最終弁論の前に、デヴィンは、弁護側に有利な重要な証拠に焦点を絞る必要があると言います。そうすれば、合理的な疑いを生じさせるのに十分な状態になれると彼は考えており、必要なのはそれだけです。ミシェルは野球のたとえ、つまり三振でアウトという考え方を軸に最終弁論を組み立てます。ストライク1:ガーチ巡査部長の捜査は不完全で、指紋分析も射撃残渣の分析も行われず、アッシュだけに焦点が当てられていた。ストライク2:ウィルソン医師の証言により、タッカーを嫌っていた人が複数いたことが確認された。ストライク3:ドリュー・マーサーは、殺人が起きた時刻、アッシュは長い一日を終えて自宅でくつろぎ、メッツがドジャースを破るのを観ていたと証言した。彼女は陪審に、検察は合理的な疑いを超えて立証しなければならないことを思い出させ、疑う余地は十分にあると述べ、「この無実の男性を家に帰らせてあげてください」と求めます。

53:57

評議と評決

陪審員たちの評議からは、双方の主張がそれぞれ響いていたことがうかがえます。何人かの陪審員は捜査がずさんだったと言い、証拠の乏しさに悩んでいると語ります。ある陪審員は、州は被告人がタッカーを嫌っていたという理由で最初から彼に狙いを定めていたと言い、「私だって嫌いな人はたくさんいる。でも殺したりはしない」と付け加えます。反論する人もいます。ある陪審員は、タッカーの財布に残されていたお金が強盗説にとって問題だと指摘します。別の陪審員は、ドリューが本当のことを言っているのか確信が持てないと言い、彼が最初は普段どおりの夜だったと説明していたのに、質問されるうちに、アッシュが動揺していて、つらい一日を過ごし、汗ばんでいるように見えたと認めたことを挙げます。ある陪審員は、タッカーがアッシュと口論したのと同じ日に誰かが彼から強盗を働く可能性はどれほどあるのかと問いかけます。別の陪審員は、自分たちの仕事は犯人を見つけることではなく、動機についてはある程度までしか推測できないことを一同に思い出させます。

陪審長である1番陪審員が評決を読み上げます。殺人について無罪です。アッシュ役の俳優は、本気で刑務所に行くことになると思っていたと言います。

スペンサーは、この評決に驚きはなかったと言います。ミシェルは非常に効果的な仕事をし、法律経験24時間の人としては驚くほどの適応力を見せたと彼は述べます。フレイシェスは、ミシェルが伝聞を理解しているようであることを特に誇りに思うと言います。伝聞は法学生や弁護士でさえ手こずるものだと彼は言います。ミシェルが、これで自分はパートナーになれるのかと尋ねると、「それについてはまた後で話そう」という答えが返ってきます。