大葉とすりごまで作る「至高の大葉ジェノベーゼ」 リュウジが語る作り方の要点とイタリアンの日本化

YouTubeで開く ↗
概要

料理研究家のリュウジが、手に入りにくいバジルの代わりに大葉を使ったジェノベーゼを作る回である。リュウジは今回のパスタを「本気のパスタ」と位置づけ、大葉、すりごま、チーズでソースを作り、焼いたじゃがいもとカリカリのベーコンを合わせる。調理の合間には、ミキサーを使うかどうかでスタッフと意見が分かれたほか、失敗の大切さ、日本におけるイタリアンの今後、家庭料理の塩加減についても話している。

11分で読めます
0:29

なぜバジルではなく大葉なのか

リュウジはまず、ジェノベーゼは普通バジルで作るが、バジルはあまり売っておらず、家庭で買うこともほとんどないだろうと指摘する。そこで手に入りやすい大葉を使うことにした。大葉はバジルと同じシソ科だという。季節を尋ねられると、大葉は基本的に夏のものだが、雑草のようによく生えるので季節はあまり関係ないと答えている。

本来のジェノベーゼでは、くるみや松の実をバジルと一緒にペーストにする。リュウジによると、以前はスーパーで松の実が見つからなかったときにくるみで代用していた。今回は和風に仕上げるので、すりごまで十分だと判断した。くるみや松の実は高いという理由もある。松の実が何かとスタッフに聞かれると、松ぼっくりの種のようなものだったと思うと答え、間違っていたら教えてほしいと付け加えた。

1:27

ソース作り:ミキサーかブンブンチョッパーか

材料は2人分で大葉約20枚。これをちぎってブンブンチョッパーに入れ、にんにく、すりごま、塩2つまみ、オリーブオイル大さじ3を加える。にんにくは丁寧に作るならすりおろした方がよいという。理由として、にんにくも大葉もチョッパーでは細かくなるだけでペースト状にはならないと説明している。

この点でリュウジは、本当はミキサーの方が絶対によいと繰り返した。チョッパーでは食感が残り、色も出にくい。高みを目指したい人や本当の味を求める人はミキサーで作ってほしいと言う。ただし、チョッパーでも十分おいしいとも述べている。

スタッフは、多くの視聴者は手軽な方法を選ぶだろうと返した。ミキサーは上の棚から出し、使ったら片付けるのが面倒で、自分は使わなくなってしまうという。一人暮らしだとミキサーを持つハードルは高いという話も出た。これに対してリュウジは、ミキサーの方がずっと手軽だと反論する。そのうえで、そういう視聴者がいるから自分は本格的な料理をずっとできない、もう簡単な料理はやり尽くしたので視聴者のハードルを上げたい、もっとちゃんとしたイタリアンをやりたい、と本音をこぼした。スタッフが「たまにやりましょう」と言うと、今日がその「たまに」だったと返し、今からミキサーでやろうという提案は意味がわからないと笑って断っている。

チョッパーでも細かくする方法として、リュウジは水を大さじ1ほど加えた。水分があると攪拌しやすくなる。どうせ後で茹で汁を入れるので水を入れても問題ない。オリーブオイルでも水分は足せるが、使いすぎるとくどくなるので水にしたという。水を加えると、最初よりペーストに近い状態になった。

3:23

チーズが見つからずチェダーで代用

ソースにはチーズを入れる予定だったが、ピザ用チーズがなく、急遽チェダーチーズを使うことになった。リュウジは、チェダーだと黄色っぽくなるのであまり好きではないという。緑色に仕上げたいのに色が変わる、という懸念である。実際に混ぜてみると、スタッフは「そんな黄色くない」と感想を述べ、なんとかなりそうだという結論になった。

本来のジェノベーゼはパルミジャーノ・レッジャーノで作るが、家にはない。視聴者にはとろけるチーズを勧め、パルミジャーノがあればそれを使ってもよいと話している。終盤では、パルミジャーノは高いので、とろけるチーズやチェダーにすると安く仕上がると改めて述べた。チーズの量は1人前20gだという。

6:51

具材:カリカリのベーコンと細切りのじゃがいも

具材はベーコンとじゃがいもである。ベーコンはタコに置き換えてもよいが、一番使いやすいのはベーコンだという。リュウジによると、具が入った方がジェノベーゼパスタはおいしい。厚切りベーコンを1人前40gほど切り、油をひかないフライパンでカリカリに炒める。ジェノベーゼパスタはそれ自体に食感がないので、カリッとさせた方がおいしいという理由である。

じゃがいもは小さいものを1人1個程度、最終的には1人70gほどにした。量が少ないのは、多すぎると「じゃがいも料理」になってしまうからだという。ジャガイモをパスタに使うのは珍しいとスタッフが言うと、リュウジは、ジェノベーゼにはじゃがいもがよく合い、お店でもじゃがいもを使うところが多いと説明した。

切り方はリュウジの好みで、フライドポテトのような細切りにする。こうするとパスタと一緒に食べやすい。こうした料理では茹でたりレンジで蒸したりすることが多いが、今回はフライパンで焼く。焼き目がつくくらいに炒めたあと、水を大さじ3ほど加えて蒸す。こうすればじゃがいもが蒸され、レンジも要らない。軽く蒸すととろみが出て、少しシャキッとした食感が残る。グズグズになるまで火を通すとパスタと一体化してしまうので、このくらいがよいという。リュウジは「テクニックがいっぱい入っている」と話している。

7:38

じゃがいもの皮が緑なら全部むく

じゃがいもの皮をむく途中で、少し緑色になっている部分が見つかった。リュウジは、皮が緑のときは全部むいてほしいと注意する。そこで、知人が最近、大丈夫だろうと思って緑のじゃがいもを食べたら、すぐに具合が悪くなったという話が出た。その人はバズレシピの手伝いをしていたのに、少しくらいなら平気だと考えて信じていなかったという。

リュウジはこの話から、人は体でしか覚えないので失敗することはとても大事だと話を広げた。最近の人は失敗を恐れて何もしないが、失敗しないと成長しない。自分もほとんど失敗してきたと語る。料理研究家を始めた頃は、ホテルマン、少しのコック経験、介護事務しかしておらず、何もわからなかった。そのため、しなくてもよい苦労をかなりし、いろいろな人に騙されもした。それでも今となっては良かったと思うという。本当は騙されない方がよいが、自分で痛い目を見ないとわからない、というのがリュウジの考えである。

9:50

パスタは1.8mmの太麺で

パスタは1.8mmの太いものを使う。リュウジは、ジェノベーゼには太いパスタが絶対に合うと強調する。細いパスタで出す店も多いが、自分は太い方が合うと考えている。スタッフが、しっかりした味のソースには太めが合うのではと言うと、リュウジは同意した。ペンネでもおいしいという。

この料理は昔から作っているもので、もとは3年前のレシピだという。基本的にはタコと合わせるが、タコは高いので今回はベーコンにした。お湯は塩分濃度1%ほどにする。使うのは11分茹での1.8mmパスタで、ソースと合わせる時間を考えて1分ほど早めに引き上げる。

13:08

ソースには火を入れない

仕上げの段階で、リュウジは絶対に覚えておいてほしい点として、ソースに火を入れないことを挙げた。火を入れると大葉が茶色に変色するからだ。バジルも同じで、すぐに色が変わるという。

手順は次のとおりである。具材を炒めたら火を止め、そこにソースを乗せておく。茹で汁をお玉2杯ほど加える。茹で汁を入れると一気にソースらしくなり、チーズも溶ける。茹で上がったパスタを入れたら、パスタの熱と少しの加熱でとろみをつけ、チーズを溶かす程度にとどめる。

リュウジは、自分のパスタには後で旨味が必要になると言い、うま味調味料を8振り加えた(説明欄のレシピでは味の素)。さらに茹で汁で少し伸ばす。量は感覚でよいが、ソースがなめらかな方がおいしいという。最後にオリーブオイルを軽くかけて完成。リュウジはこれを大葉で作ったが、バジルで作ってもおいしいとも話している。

13:57

イタリアンは日本でまだ「浅い」

調理中、リュウジは本場どおりのジェノベーゼが食べたい人は他のチャンネル、特にシェフのチャンネルを見た方がいいと話した。シェフはイタリアの作り方どおりに作ってくれる。自分は昔から勉強しているのでそれは見飽きているし、シェフはアレンジしないので、自分は邪道な方をやるのだという。

ここからリュウジは、日本におけるイタリアンについての持論を述べた。リュウジによると、イタリアンは日本で流行ってから30年ほどしか経っておらず、100年ほど親しまれているフレンチに比べて歴史が浅い。フレンチには創作フレンチが多くある。イタリアンもこれから日本に浸透し、魔改造されていくはずだという。

例に挙げたのはラーメンである。リュウジによると、中国では汁そばというより焼きそばのようなものが主流で、ラーメン自体は中国で生まれたが、進化したのは日本だと言われている。中国人も日本のラーメンをおいしいと言うほどだという。だからイタリアンも日本の魔改造でもっとおいしくなる可能性が高い、とリュウジは考えている。

一方でリュウジは、イタリアの人は保守的なのでイタリアンはあまり進化していないとも話した。日本人がイタリアに料理を習いに行くと、あまり変えるなと言われるという。日本独自に進化した例としてナポリタンを挙げた。イタリア人はパスタにケチャップを入れると激怒するが、ナポリタンは焼きパスタとして日本で独自に発展し、今ではナポリタンのチェーン店まである。伝統的なイタリアンも必要だが、自分は変えていった方がよいと思う、というのがリュウジの立場である。日本は魔改造の国で、中華料理も本場とは違うものが多いと話し、麻婆豆腐の例も出した。その流れで以前の撮影の話題になったが、スタッフは撮影中はカメラに集中していて話をあまり聞いていないと謝っていた。

19:37

試食:じゃがいもが欠かせない理由

完成した「至高の大葉ジェノベーゼ」を試食すると、スタッフはじゃがいもが入っているのがおいしいと評価した。じゃがいも入りのパスタを食べることがまずない、とも話している。リュウジは、じゃがいもがなければこのレシピは作らなくていいと言うほどじゃがいもを重視している。理由として、バジルのポテトサラダがあるように、ジェノベーゼとポテトの相性はとてもよいと説明した。

スタッフはまた、レンジで加熱したじゃがいもではこの食感にならないので、細切りにして炒めたのがよかったのかもしれないと述べた。リュウジも、絶対にその方がおいしいと同意している。

量について聞かれると、リュウジは、バジルで作るなら大葉と同じくらい、1パックあれば全部使う量が要ると答えた。本場のジェノベーゼはもっとたくさん入れて緑色にするという。今回のものでも少ない方だということである。

23:07

にんにくの量は好みで調整

スタッフは、少しピリッとする辛みがあると指摘した。リュウジは、生のにんにくを入れたためだと答えている。試食後、にんにく10gは少し多かった、刺激が強いと振り返り、5gくらいでよいかもしれないと話した。にんにくを入れると二郎系のようなガツンとした味になり、スタッフは昼向きではないがスタミナがつきそうだと感想を述べた。リュウジは、普通のジェノベーゼもにんにくがかなり効いているもので、これはこれでおいしいと言う。にんにくを入れなくてもそれはそれでおいしいとも付け加えた。本来のジェノベーゼは松の実もオリーブオイルもかなり使うので、これくらいずっしりと重いパスタだという。

20:57

塩加減は「一皿で食べるか」で変わる

味変として、リュウジは塩を足すことを勧めた。じゃがいもが入っているので、少し塩を強くした方が味が締まるという。スタッフも、塩を足した方が好きかもしれないと話している。

ここからリュウジは、塩加減の考え方を説明した。レストランのコース料理なら塩分は控えめがよいが、一皿だけで食べるなら、塩がしっかり入っていてもおいしい。カルパッチョやスープなどと一緒に食べるなら、追加の塩は要らない。自分たちはだいたい一皿で食べる前提で作っているという。

スタッフは、コメントで「しょっぱい」と書かれることがたまにあると話し、そうしたバランスまできちんと伝えた方がよいのではと提案した。リュウジは、他におかずがたくさんあるときのパスタなら塩の追加は要らない、そういう部分を自分好みに調整していくことがとても大事だと答えた。毎日のことなので、他のチャンネルではなかなか教えてくれないと思う、とも話している。茹で汁についても注意があった。パスタを茹ですぎると茹で汁を多く入れることになり、しょっぱくなりすぎるので、硬さを茹で汁で調整する加減が大事だという。

試食はリュウジもスタッフもほぼ完食で終わった。最後にスタッフは、レンジで加熱したじゃがいもと炒めたじゃがいもは食感が違うので、今回は細切りにして炒めたのがよかったのだろうと改めて振り返っている。