「勝負しない」ひろゆきが語る、負けない状態を先につくる考え方

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概要

新R25の2人の編集部員が、ひろゆき氏に「AI時代の勝負論」というテーマでインタビューを申し込んだ。すると、ひろゆき氏から「勝負しない生き方をしているもので」という返事が来たという。そこで企画は「勝負しないひろゆきさんから学ぶ、負けないための思考法」に変わった。動画の前半では、2ちゃんねるの開設やYouTubeへの進出といった過去の経験をもとに、ひろゆき氏のリスクの考え方と「波」の読み方を聞いている。後半は、提供元である競輪・オートレース投票アプリ「WINTICKET」を使い、ひろゆき氏が初めて競輪のレースを最初から最後まで観戦する構成になっている。

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「負けがあるならやらない」という前提

ひろゆき氏は「勝負しない」の意味をこう説明する。ここでいう勝負とは、勝てるか負けるか分からないものを指す。自分はまず負けない状態でしかやらない、という。確率がきわめて低いものなら手を出すこともあるが、負けたらまずい状況であればやらない。それより先に、負けない体制を築くことを優先するのだと話す。

聞き手は、世の中には「挑戦しろ」「リスクを取らなければ意味がない」という言説や空気がある、と問いかけた。ひろゆき氏の答えは「騙して金を取ろうとしているじゃないですか」というものだった。ただし、厳しい条件や大変な状況を若いうちに経験したほうがいいという考えには同意している。

ここで氏が分けているのは、「大変な思いをすること・努力すること」と「負けること」である。例に挙げたのは筋トレだ。トレーニングが大変でも、筋肉がつけば負けではない。一方、ビジネスでの負けとは、お金が足りなくなる、パートナーがいなくなる、客の信頼を失うといった事態を指す。苦労すること自体は構わない。大事なのは負けにあたる事態が起きないようにすることだ、というのが氏の整理である。

2ちゃんねるは「リスクゼロ」で始まった

聞き手が「ひろゆき氏が勝負したのではないか」と考える瞬間として最初に挙げたのが、2ちゃんねるの開設である。当時ひろゆき氏はアメリカの大学生だった。

ひろゆき氏によれば、2ちゃんねるはリスクゼロで始めたものだ。当時は無料で使えるサーバーが世界中にかなりあった。氏はそこで自分でスクリプトを書き、ドメインも持たずにスタートしたので、初期費用はゼロだった。かかったのは自分の労力と、パソコンの電気代くらいだという。インターネット代も大学の寮で無料だった。失敗しても失うものがないので、これを勝負と感じる理由が分からない、と氏は話す。

聞き手は「大きく成功しているのだから、勝負に打って出なければできないのでは」と食い下がった。ひろゆき氏は、大きく成功したかどうかと、自分が金銭的リスクを負ったかどうかは関係ないと答える。サービスが面白いかどうかと、代表者が借金を負っているかどうかは無関係だ、という理屈である。

成功を分けるのは「波」があるかどうか

では当時、どんな流れを読んでいたのか。ひろゆき氏によると、当時遊んでいたあめぞう掲示板(字幕では「アゾ掲示板」)にはバグがあり、ちょくちょく止まっていた。掲示板を作るのはそんなに難しいのかと思って自分で試してみたら、できてしまった。結果として、そこのユーザーが2ちゃんねるに移ってきたという。

氏はこの経緯を「波」という言葉で説明する。ある程度のユーザーを抱えた場所があり、システムなどへの不満が溜まっている。そこへもう一段面白いサービスを出せば、人が来る。成功するかどうかは、こうした波があるかどうか、つまり状況が向いているかどうかの話であって、リスクを取ったかどうかの話ではない、というのが氏の見方である。

YouTubeに自ら出たのは「仮説の証明」のため

聞き手は次に、場やシステムを作る側だったひろゆき氏が、なぜ自分が前に出るようになったのかを尋ねた。

ひろゆき氏によれば、10年ほど前、YouTubeがチャンネルを統括する権限を渡している会社は5社ほどしかなく、氏の会社はそのうちの1社として事業を始めた。所属YouTuberは多かった。彼らは企画を考え、撮影し、編集して動画を出すが、それはすごく手間がかかる。しかも正直なところ、そんなに面白くない。お金がかかっている分テレビのほうが面白いし、予算があるNetflixのほうが面白い、と氏は言う。

そこで氏は「届いたものを読んで喋るだけでも成立する」と多くの人に話していた。しかし、みな半信半疑で、うまくいくわけがないという反応だった。誰かが「できる」と証明しないと始まらないので、自分でやってみせた。「ほら、できたでしょ」と示した結果、同じやり方をする人がちょこちょこ増えた、というのが氏の説明だ。

聞き手が「素直に1歩目を出せるのはかっこいい」と言うと、ひろゆき氏は「多分暇だからだと思う」と返した。忙しいと、仮説を検証するより日頃の仕事を続けてしまう。氏は日頃の仕事から基本的に逃げ出すようにしているので時間がある。さらに、40代である程度仕事ができる人は平日ほぼ毎晩会食が入るが、自分は日本に住んでいないのでそれが一切ない。だから自由時間が多いのだという。

現在の本業を聞かれると、いろいろな会社のサポートをしていること、YouTube事務所的な事業は今も続いていて、所属YouTuberの切り抜き管理などはスタッフが担当していることを挙げた。自分は基本的に何もしていない、と氏は言う。次のアイデアを仕込んでいるのかと聞かれても、そういうわけではなく普通に漫画を読んでいると答え、最近読んだものとしてゴルフ漫画の名前を挙げている。

流れは読まなくていい、やりながら数字を見る

「流れを読む」力は一般に勝負勘のように言われるが、どう身につけたのか。この問いにひろゆき氏は、そんなものはなくてもいいと答えた。やってみて伸びれば波に乗っているし、伸びなければ乗っていない。やりながら数字を見るだけでいい、というのが氏の考えである。

小さく試すことの価値については、やってみると情報が増えるからだと説明する。失敗しても「こういうやり方があるのか」と分かるし、参加した人にしか分からない情報がある。氏は料理を例に挙げた。料理をしたことがある人はレシピを見れば作れるが、作ったことがない人はレシピを見てもその通りにはならない。実際に手を動かしたり事業を立ち上げたりして、「ああいうところで引っかかるのか」「ここは難しい」という知見が増えるほど、成功率は上がるのではないか、と氏は話す。

動けない人は「そのまま埋もれていけばいい」

聞き手は、失敗しないための方法論があふれ、小さな挑戦でも怖がる人が多いのではないかと問い、そういう人はどうすれば1歩目を踏み出せるかを尋ねた。ひろゆき氏の答えは「いいんじゃないですか、そのまま埋もれていけば」だった。

理由は競争の構造にある。100人いて20人が頑張ると競争は大変だが、99人が動かなければ動いた1人が得をする。だから埋もれる人は埋もれていてもらい、動かなければと思う人が動けばいい、というのが氏の考えである。氏は、漫画を描きたいと思った日本人はおそらく10万人以上いるが、実際に描くところまで行くのは毎年1000人くらいだろうと見積もる。手を動かす人と、思っているだけの人には差がある、という。

聞き手はこれを受けて、情報や予測が増えるほど動けない人が増えるので、あえて動くことの価値は上がっていくかもしれない、と感想を述べた。

競輪の基本:当たりやすさと開催頻度

ここから動画は提供元のWINTICKETの紹介に移る。まず、普段から利用しているという藤野氏が競輪の魅力を説明した。以下の数字は藤野氏の説明によるものである。

藤野氏によれば、競輪は日本発祥の公営競技だ。1つ目の魅力は当たりやすさにある。出走する選手は5人から9人で、単勝はなく、最低でも2人を当てる賭け方になる。1着と2着の順番が入れ替わってもよい投票方法もある。ひろゆき氏は、5人立てなら1・2着に絡む確率は40%になるので、かなり簡単だと反応した。

2つ目の魅力は開催頻度だ。競輪はほぼ365日、朝8時半から夜11時半まで開催されている。選手は全国に2000人以上、競輪場は全国に40か所以上ある。1つの開催は3日連続で、選手は月に2回ほど出場し、残りの日は練習しているという。

選手の収入についてひろゆき氏が質問すると、藤野氏は、トップ選手は年間2億円ほど、勝てていない選手でもレースに出れば最低限600万円ほどになると答えた。選手は専門の学校を卒業すればなれるので、基本的には誰でもなれる。ただし学校の練習は相当きつく、途中でやめる人もいるという。2026年3月の卒業生は男子70人、女子20人だった。選手寿命については、藤野氏が最近見たレースに61歳の選手がいて、前日にその選手に投票したら勝ったという話が出た。

年長の選手が勝てる理由:「ライン」

ひろゆき氏は、61歳の選手が20代の選手に勝てるのか、結局は筋力と体力の問題ではないのかと疑問を示した。藤野氏はここで競輪の「ライン」を説明する。

競輪では最後の1周半までは隊列を組んで走る。空気抵抗を避けるため他の選手の後ろにつく、とひろゆき氏が補足すると、藤野氏はその通りだと応じた。さらにこの並び順にはチーム分けのような面がある。たとえば同じ東京都出身の先輩と後輩が同じレースに出たとき、後輩が前に出て風を受け、先輩に勝たせる、というやり取りがあるという。最後の1周半は個人競技になる。ひろゆき氏は、それでもずっと風を防いでもらえれば楽だろうと指摘した。

初めての観戦:AI予想に乗るか、年齢で選ぶか

実際のレース観戦では、藤野氏がアプリのAI予想を紹介した。ラインの仕組みや直近の勝ち方を踏まえて予想を出すので、初心者はこれを参考に乗ってみればいい、という説明である。これに対しひろゆき氏は「AI予想の自信度が欲しい」と言った。最初のレースでは予想の自信度が低く表示されていたらしく、藤野氏も最後までかなり分からないレースだと認めた。

ひろゆき氏は「自信のないAIは信用したくない」とAI予想には乗らず、年齢を見て20代の2人、熊崎選手と遠藤選手の4-7を選んだ。一方の聞き手はAI予想に乗った。

このレースは、WINTICKETでしか見られない、選手の体力を「ヒットポイント」として可視化する機能に対応していた。レース中、ひろゆき氏が選んだ7番が早めにスパートをかけて前に出た。しかし熊崎選手のヒットポイントは18%ほどまで落ちて持たず、外からまくってきた選手が勝った。着順は3-4-1とみられ、ひろゆき氏も聞き手も外れた。実況の中で「ヒットポイントの要素は結構当たる」という感想が出ている。

2レース目ではAI予想の自信度が3と表示された。ひろゆき氏は「それならAIに乗ったほうがいいのか」と言いつつ、ここでも選手の年齢を確認し、2-5のワイドを選んだ。配当は1.2倍だった。レースでは若い選手が先頭に立つ展開になり、ひろゆき氏は4番の選手について「完全に風よけに使われてそうだ」とコメントしている。結果についてひろゆき氏は「惜しいところまでは行く」と話した。一方、AI予想に沿った1・2・4・5のボックス投票は当たった。ひろゆき氏は「何も考えずにAIの言った通りにしただけでしょ」と言い、聞き手はAI予想の精度が高いと感想を述べた。

ひろゆき氏の感想:頻度、データ、分かりやすさ

使ってみた感想としてひろゆき氏がまず挙げたのは、試合の頻度だった。1試合終わったら次まで1時間ほど空くと思っていたが、実際には5分や10分単位で次のレースがある。藤野氏は、投票からレースを見終わるまで15分ほどあれば楽しめるので、友人と家で飲みながらでも楽しめると補足した。

予想のしやすさについて、ひろゆき氏は、人間が走るものなので年齢や出身地からある程度展開を予想しやすいと話した。天候別の成績など、選手の特性が数字で見られる点も、データを知りたい派として面白いと述べている。観戦画面については、ヒットポイントに加え「作戦考え中」「場所取り中」といった表示があって分かりやすかったという。ヒットポイントが減っているから最後に伸びないと分かることもあれば、風圧がきついのに最後まで行ったという場面もある。エンタメ性は高まっている、というのが氏の評価だ。

ビジネスパーソンに競輪を広めるにはどうすればいいかと聞かれると、ひろゆき氏は、人と仲良くなるツールとしてはすごく便利だと思うと答えた。

最後の助言:やりたいと思わないならやらなくていい

締めくくりに聞き手は、勝負が怖い、失敗したくないと思って1歩目を踏み出せない人への助言を求めた。ひろゆき氏は、自分はサービスを作るにしても何にしても、やりたいと思うまではやらないと答えた。「今はチャンスだ」「やりたい」と思わないのなら、やらなくていいのではないか、というのが氏の答えである。この動画を見て競輪が面白そうだと思ったらやってみればいいし、思わないなら無理にやらなくていい、と氏は話を結んだ。

前半で語った「負けない状態でしかやらない」「動かない人がいるから動く人が得をする」という考え方と同じく、最後の助言も、挑戦を勧めるものではない。自分に向いた状況が来たときに動けばいい、という立場で締めくくられている。