ゲームは時間の無駄なのか 星友啓校長に聞く「ゲームとの付き合い方」
新R25チャンネル幼い頃から20年ほどゲームを続けてきた聞き手のりんたろうは、「人生で最も吸収力の高い時期をゲームに使ってきたのはどうなのか」という引っかかりを抱えている。社会人になった今も毎晩帰宅後に何かしらのゲームをしており、楽しかったと思える日もあるが、「今日もやってしまった」という後悔が残る日も多い。その時間を仕事やインプットに使っていれば、もっと成長できたのではないかという気持ちもあるという。
この悩みを持ち込んだ相手は、スタンフォード大学オンラインハイスクール校長の星友啓である。星は著書『なぜゲームをすると頭が良くなるのか』で、ゲームの良い効果を科学的な研究から紹介している。対談で星は、ゲームは現代人の心のバランスを保つうえで必要なものになっていると述べ、問題は時間の長さよりも、生活の中にゲームをどう組み込むかにあると語った。
日本とアメリカでのゲームの受け止め方の違い
星によれば、この本を書いたきっかけは日米の認識の差にある。星は日本で生まれ育ち、大学院からアメリカに渡った。日本では世間のゲームへの印象がとてもネガティブだと感じていたが、アメリカでは受け止め方がかなり違ったという。やりすぎは困るという認識はアメリカでも共有されている。一方で、ある程度やる分には脳に良いという情報が雑誌や研究、ニュースメディアでも紹介されており、ゲームが脳に悪影響を与えると考える人は意外と少ないと星は感じた。
このギャップに疑問を持って科学的な知見を調べると、実際にさまざまな良い効果があった。星はそれを日本に伝えてゲームの印象を変えたいと考えた。また、りんたろうのようにゲームに罪悪感を持つ人に対して、そこまで感じなくてよいこと、そしてゲームとうまく付き合う方法を考えることが大事な時代だということも伝えたかったと話す。
ゲームの種類によって伸びる力が異なる
ゲームで鍛えられる力は、ゲームの種類によって異なると星は説明する。シューティングゲームのように素早く動くものを視界で捉えるゲームでは、情報処理の能力や素早く決断する能力が伸びることが分かっているという。ロールプレイングゲームでは問題解決能力が関わる。Minecraftのように、決められたミッションをこなすのではなく自分の思うようにものを作っていくサンドボックス型のゲームでは、発想力やクリエイティビティにつながるとした。
さらに、シューティングゲームやアクションゲームでは、最初はステージをクリアできなくても、練習するうちにできるようになる。星はこの体験が、能力は練習によって伸びるという「成長マインドセット」を持つことにつながると述べた。星は、脳の基礎的なレベルと心のレベルの両方で、ゲームの良い影響が確認されてきていると語る。
「全くやらない」より「やりすぎ」のほうが良い結果も
それでも、運動や勉強で同じ力が伸ばせるなら、ゲームでなくてもよいのではないかという疑問は残る。これに対して星は、最近の研究を紹介した。ゲームを全くやらない子、1日1〜2時間程度やる子、3時間以上やる子を比べ、成績や自己肯定感、メンタルの強さなどを調べたものだという。
どの指標でも最も良かったのは1〜2時間のグループだった。りんたろうは、次に良いのは「やりすぎ」よりも「やらない」グループだろうと予想した。しかし星によれば、研究にもよるものの、全くやらないグループとやりすぎのグループが同程度という結果や、別の研究ではやりすぎのグループのほうが良いという結果も出ているという。
星はこの結果について、現在の社会ではゲームをしていないことが不利になる状況があると解釈する。対象が学生の研究であり、学生はほとんどがゲームをしている。ゲームを通じてつながり、みんなで楽しい時間を過ごし、ゲームの話をする中で、全くやっていないとついていけない部分があるのではないか、というのが星の仮説である。
ゲームは心の三つの基礎的な欲求を満たす
星はもっと本質的な理由として、ゲームが人間の心の欲求を満たすことを挙げる。星が「心の三大欲求」として挙げたのは、人とのつながり、「できた」「できる」という有能感、そして自分の意思でやっているという感覚である。人はやらされている感覚を避けたいので、三つ目の欲求が生まれる。
ゲームは自分がやりたくてやるもので、やらされるものではない。クリアできれば嬉しく、ネットゲームなどで人と一緒に遊ぶこともできる。一人で遊んでいても、ゲームの中にはキャラクターなどさまざまな存在がいるため、つながりを感じられると星は言う。世の中や学生生活に悩みがある中で、人はこうした欲求を満たしてくれるものを求める。その機会がないとストレスがたまってしまう。星はゲームが社会のインフラの一部になってきており、完全に避けようとするとかなり大変だとも述べた。
やりすぎの基準は時間ではなく生活への影響
では、どこからが「やりすぎ」なのか。星は、何時間という基準は言いにくいと答える。人によってライフスタイルが違うからだ。星によれば、最近は医学的に依存症の定義が示されるようになっている。それに基づくと、やりすぎとはゲームに時間を取られすぎて、人生の中でやるべき他のことができなくなる状態を指す。楽しすぎてご飯を食べない、眠れない、仕事に行けないといった日常生活の問題が出始めたら、やりすぎだということになる。プレイ時間が長ければ他のことに影響は出やすくなるが、判断の基準は時間そのものではなく、他のことに影響が出ているかどうかだという。
星はさらに、ゲームが楽しいという理由だけでやりすぎる人は実は少ないと指摘する。人間関係の問題、仕事や勉強の不調など、生活の中に強い悩みがあり、そこから目を背けるために「逃避的に」ゲームをするときに、やりすぎに陥りやすい。つまりゲームが原因で悪影響が出るというより、もともとある悩みがやりすぎを生むという因果関係だと星は説明した。
りんたろうが「生活全体のバランスが大事だということか」と確かめると、星は同意した。そのうえで星は逆の見方も示した。ゲームをやりすぎないように生活全体のバランスを整えるという見方もあるが、逆にゲームによって生活全体のバランスが取れるのが現代の生き方でもある。手軽に心の欲求を満たせるからだ。現代を生きるうえでそれだけ必要なものだからこそ、少しやる人が最も良く、全くやらない人が下位に来るという研究結果が出るのだと星は結びつけた。
外発的動機づけの社会と、受験で削られるもの
星は本の終わりで今後のビジョンにも触れたと言う。現代社会では、物事そのものに満足する状態よりも、その結果として生まれるものに動機づけられる「外発的動機づけ」が中心になっている。仕事で数字を出せば給料や地位が上がる、といった仕組みである。お金も地位も生活に必要なので、これは社会の仕組みとして避けられない。しかし外発的動機づけをずっと続けていると、うつ病や不安症といったメンタルのリスクが上がり、体の病気のリスクもかなり上がると星は述べる。
そこで必要になるのが、やっていること自体で満足できる内発的な状態を生活に入れることである。趣味でも何でもよいが、その一つがゲームだと星は言う。多くの人がスマホにゲームを入れて少し遊ぶのは、外で仕事や資格の勉強に打ち込む現代人の心が、自然に内発的なバランスを求めているからではないか、というのが星の見方である。
星が怖い例として挙げたのが受験だ。星は受験を「外発的動機づけの親玉」と表現する。受験に取り組むとき、最初に削られるのは友達と遊ぶ時間、スポーツの習い事、ゲームなど、内発的な欲求を満たせるものだ。そうすると生活の中に内発的動機を満たす機会がなくなり、メンタルの不調につながる。短期間頑張って合格できても、その後に問題が出てくることがあると星は話した。りんたろうはこれを受けて、何かを頑張るためにも、内発的な動機でできることの余地を残しておくことが重要なのだと受け止めた。
没入感とフロー、別の場所での没入が本業に効く理由
りんたろうは、幼少期にゲームの世界へ入り込むように熱中していた感覚を振り返り、没入感を得る手段としてのゲームの評価を尋ねた。星は、それは非常に良いこととされていると答えた。心理学でこれに対応するのが「フロー」である。強く集中して周りが見えず、とても楽しい状態を指す。スポーツでいう「ゾーン」、つまりプロの選手がボールがゆっくり見えて何でもできるように感じる状態と同じものだという。星によれば、ゲームでも没入したときに同じような心理状態になるとされる。
没入体験によってストレスが解消されたり、日々の大変なことから一時的に解放されたりする。そのため心理学的には、フローを経験できている人はパフォーマンスが高いことがあると星は言う。りんたろうが「仕事とは関係ないところで没入しても仕事のパフォーマンスが上がるのか」と尋ねると、星は肯定した。
星はその理由として、ひらめきの例を挙げた。受験勉強で何時間考えても解けなかった問題が、翌日に回して風呂に入っているときに急に分かる。そうした経験は多くの人にあるだろう。仕事に没入しているときには、他の良い解決策になかなか気づけない。一度その作業から効果的に離れることで、元の作業にひらめきや創造的なアイデアが生まれることがあるという。
星は脳の働きについても説明した。休憩中はぼーっとして脳を使っていないように思われがちだが、実際には集中しているときとは別の部分を使っている。星によれば、創造的な考えが得意な人は、このオンとオフの脳の状態を行き来するのが得意だと分かっている。効率よく没入してからオフに切り替えたり、オンの状態でも別の部分の脳を使ったりする切り替えができると、創造的な発想が生まれやすい。りんたろうは、集中で使う部分、デフォルトモードネットワークのような部分、ゲームで使う部分など、脳を幅広く使うことが仕事にも生きるのだと整理し、星もその通りだと応じた。
ゲームをすると仕事の生産性が上がるのか
「ゲームをしたほうが仕事の生産性は上がるかもしれないのか」という問いに、星は、それを示唆する結果がたくさんあると答えた。断定ではなく「示唆する」という言い方である。さらに、いろいろなことを頑張っている人や第一線の人たちでゲームをしている人は少なくなく、むしろ多いくらいだと述べた。星自身が住むベイエリアでは、特にエンジニアはコンピューターを使うという事情もあるものの、ほぼ全員がゲーマーだという。りんたろうはマーク・ザッカーバーグもゲーマーだったと言っていたと付け加えた。
注意したいのは勝ち負け・点数・課金のあるゲーム
注意すべきゲームについて、星は勝ち負けや点数がつくものを挙げた。周囲との比較や評価に動機づけられ始めると、止まらなくなりやすいという。先に述べた現実の悩みからゲームに走るケースに加えて、ゲーム自体の性質としては、勝ち負けや点数のあるものは楽しい反面、やりすぎに傾きやすいので気をつけたほうがよいとした。りんたろうが挙げたランクマッチのような仕組みも、その傾向があるものに当たる。
判断材料の一つとして星が挙げたのが課金である。最近は課金のないゲームを探すほうが大変かもしれないと認めつつ、課金はビジネスなので、よりはまらせるように作られている。課金のあるゲームにはたいてい点数やランキングがあるので気をつけたい、というのが星の説明だ。りんたろうも最近ソーシャルゲームをしており、課金、ログインボーナス、デイリーミッションなどのはまらせる仕組みがとてもうまく作られていると感じていると話した。
逆説的な処方箋:ゲームを「習慣」にする
ゲームとうまく付き合うために星が勧めるのは、「ゲームの習慣を作ること」である。星自身も逆説的だと認めている。朝起きて顔を洗い歯を磨くように、習慣化された行動は、次に何をするか考えなくても、眠いまま自然に洗面台へ向かうような形で行われる。同じ状況と同じ時間が「トリガー」になって行動が起きる。
これをゲームに当てはめ、この部屋に来てここに座ったらこの時間はゲームをすると決める。1時間やったら次は何をするかも決めておく。逆に「時間が空いたからゲームをしよう」という形で始めると、はまってやりすぎてしまう。しっかりした時間の中に組み込むことが、やりすぎを防ぐうえで大事だとされていると星は言う。
いつでもできるスマホゲームは最もはまりやすいが、スマホの場合も場所を決めておけばよい。りんたろうが「帰りの電車で」と例を挙げると、星は同意した。反対に避けたいのは、仕事をするデスクでゲームも仕事もするような使い方である。そうするとトリガーがうまく働かない。ここに座ったらゲーム、立ったら仕事と状況を分けておくと、脳もその行動に入りやすいという。
場所の選び方について星は、リビングや自分の部屋など普段よくいる場所は避けたほうがよいと述べた。そこがトリガーになると、長くいる場所なのでずっとやりたい状態になってしまうからだ。電車やトイレのように、ずっといるわけではないがちょくちょく行く場所を選ぶのがよいという。りんたろうが、社会人ならゲーム機を使い、仕事が終わったらこの場所でゲームをするという習慣が良さそうかと尋ねると、星は同意し、スマホはどこでもできるうえSNSとの相性も良く、SNSからそのままゲームに流れてしまうこともあると付け加えた。
「アフォーダンス」とハードルの上げ方
星は「アフォーダンス」という言葉も紹介した。スマホが目の前にあると、触っていなくても、気にしていないつもりでも、測ってみると実は気にしている。スマホがそばにあるだけで、使っていなくても仕事の効率が下がるという話もある。一方で人間の脳は、何かをするときに少しでも障害があると、やる気がかなり下がるという性質も持つ。
そのため、寝るときにスマホを枕元に置くとつい見てしまうが、寝る場所から離し、できれば部屋の中に置かないようにすると、取りに行くのが面倒でそれだけでやる気が下がる。ゲームをやる部屋を決め、寝るときにはコンソールやスマホを自分から離しておく。ゲームへのハードルを少しでも上げることが大事だと星は述べた。りんたろうはこれを、日中の仕事を頑張ってゲームをし、寝るときは離れるという形で、生活の良い位置にゲームを配置する考え方だとまとめた。
星自身も、スマホにパズルゲームを入れると本当にやってしまうと打ち明けた。最近はオンラインのミーティング中にやっていても誰にも気づかれないので、ずっとやってしまい「やばい」となることがあるという。だからスマホにゲームを入れるなら覚悟しておいたほうがよく、入れないなら入れないと決めることだと星は話した。
逃避としてのゲームとの向き合い方
りんたろうは、意図的に仕事から離れて生産性を上げるためのゲームと、逃避としてのゲームはどう違うのかを尋ねた。星は、逃避的にやるとやりすぎになりやすいとしつつ、逃避が絶対にだめなわけではないと答えた。「これは逃避的だな」と感じたら、自分は疲れているのだと気づける。疲れているなら休めばよい。仕事の側に問題があるなら、心を癒す逃避の時間は必要だが、元の問題も解決しなければならない。そういう意識を持つことが大事だという。
ずっと逃避的なままだとやりすぎになるので、なぜこんなにやってしまうのかを考え、その背後にある悩みに気づいて、そちらもしっかり考える。そう思えるようになるための逃避であり、ゲームをしながらも根本の問題に働きかけることが大切だと星は述べた。りんたろうは、本当の目的を解決するために一時的に逃避するのはよいが、逃避そのものが目的になると危ない、と言い換え、星も同意した。
1日2時間は問題なし、長時間プレイは身体に注意
本では1日平均2時間程度が最も良さそうだとされている。社会人でもそのくらいは大丈夫かと問われた星は、大丈夫そうだと答えた。どの研究を見ても、2時間で悪影響が出ているものは見たことがないという。脳や心に悪影響が出るほどのやりすぎは、週7日平均で毎日5〜6時間を超えるような水準だと星は説明する。ゲームが好きな人なら、仕事や睡眠に大きな影響が出ていなければ3〜4時間でも問題はないだろうという見方も示した。
普段はやらないが週末にまとめてやるという遊び方もあり、それもそれでよいと星は言う。1日8時間やったからといってそれだけでだめということはない。ただ長時間続けてプレイすると、メンタルよりも身体に負担がかかる。eスポーツ選手に関するさまざまな研究を見ると、前屈みの姿勢やずっと座っていることで血流が悪くなるといった問題があるという。休日に長くやるときは休憩時間を決めること、アプリなどが立つように促してきたら従うことが勧められた。没入すると呼吸がいつもと変わったり、食事を取らなかったりすることもあるからだ。りんたろうも、呼吸が変わっているかもしれない、目が異常に疲れることもあると応じた。
本への反響と「やらせていない家庭」への答え
対談の最後に、りんたろうはゲーマーとして救われた気持ちになったと述べた。星は、本を書いてからゲーム好きの人にそう言われるのは嬉しいと話す一方で、親から「なぜこんな本を書いたのか」と怒られることもあると明かした。逆に「うちはゲームをやらせていないが大丈夫か」「やらせなければいけないのか」と不安を受け取る親もいるという。
これに対して星は、全くやらない子が下位に来るという研究結果は、ゲームをしないこと自体が悪いという意味ではないと説明した。ゲーム以外の方法で心の欲求を満たせていれば問題はない。そのうえで、ゲームに罪悪感を持っている人は多いので、そうではないと思ってもらえると嬉しいと語った。りんたろうは、ある程度ゲームをする習慣を自分の生活に取り入れてみたいと述べ、対談を終えた。
皆さんどうでしょう? ゲーム好きでしょうか? 僕はゲームが大好きで。
そうなんだ。
毎晩仕事から帰って、ゲームは絶対何かしらやりますね。社会人になってからもやってるんですね。
やってますね。
多いよね。
男の子は多いと思う。俺、振り返ると、中二に任天堂買ってもらって、ポケットモンスター、パール。
一緒、一緒。
一緒なんだ。
一緒にやったゲーム、パールでした。ダイヤ。そこからのめり込んで、ゲームに。イナズマイレブンっていうサッカーゲームとか。
あるな。
Minecraft、ドラゴンクエスト。大体メインタイトルはやって、ゼルダとかもやったし、モンハンとか。
モンハンとかね。
一通りやって。
やった。
ちっちゃい頃から、親はあんまり言わない方の親だったけど、その親ですら「ちょっとゲームやりすぎじゃない?」っていうくらいはやってたと思うんですよね。平気で1日3から5時間はやったなと。
多い、多い。
相当な時間をゲームにつぎ込んでるんですよ、僕って。人生の最も吸収力が高い若い時間を。
いいじゃん。
ゲームに使ってるってどうなん、みたいな。
そういう人、多そうですね。
社会人になった今もゲームを楽しみに帰るんですけど、やったら「楽しかった」って終わる時もあるけど、「今日もやっちゃったな」みたいな。
効果の金。
そう、そう。が多くて、正直。この時間を、例えば仕事でもインプットでも何でも使えてたら、もっとすごくなれたんじゃないか、みたいな気持ちもなくはない。
なるほど。
でも、楽しいからやっちゃう、みたいな感じなんですよ。
星先生、本日よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
先生はPIVOTの一番再生されてる動画にご出演されてて、当時僕、大学4年生とかだったんですけど、「これ、中学の時とか知りたかったな」っていう。
ありがとうございます。
勉強の仕方とかを、すごい興味深く拝見して。その星さんに、今回『なぜゲームをすると頭が良くなるのか』。これ、去年の6月頃ですかね。
そうですね。
この本なんですけど、書店で見かけて。僕、結構ゲーマーというか、20年くらいずっとゲームをやり続けた感じで、結構幼少期からかなりゲームに時間を使っていたなと。あの時間を他のことに使っていたら、もしかしたら自分はもっとすごい人間になれていたんじゃないか、みたいな思いがありまして、ゲームに対してポジティブな印象を持っていなかったんですけど、このタイトルの本があって、まさかいい側面がかなりあったのかもしれないなと思って、興味深く読ませていただきまして。それについて色々お伺いできればと思っております。よろしくお願いします。
まず最初になんですが、『なぜゲームをすると頭が良くなるのか』、この意味についてお伺いしてもいいですか? ざっくりになっちゃうんですが。
意味で言うとそのままっていうところはあるんですけども、このタイトルをつけさせていただいた理由としては、やっぱりおっしゃられたように、結構日本だとって言っていいと思うんですけども、世間でゲームへの印象っていうのがすごいネガティブだな。
そうですよ。
僕も日本で生まれ育ったので、自然なことだったんですけども、僕、大学院からアメリカに行ってるので、アメリカに行ってみると、だいぶ世間がゲームに持ってる印象っていうのは違うなと。
なるほど。
もちろん、やりすぎたら困るなっていうのはみんな思ってるんですけども、ある程度やる分には、だいぶ脳にいいっていうことが、結構いろんな雑誌とか、研究とか、ニュースメディアなんかにも出ていて。ゲームをやったら脳に影響が悪いみたいに思ってる人たちが、意外と少ないなと思ってですね。
なるほどね。
このギャップは何なんだろうなと思って、科学的なところを調べていくと、本当にいろんないい効果があるので、それは日本でちょっと伝えていきたい。ゲームの印象をよくしていきたいなと思って。あとは、おっしゃられたように、ゲームをやっていて罪悪感があったりとか。でも、そこまで感じなくていい。どうやってうまくゲームと付き合っていくかっていうのが大事な時代なんじゃないかなと思って、この本を書かせていただきました。
なるほど。そういう経緯だったんですね。この本の中にもたくさん、こういういいことがあるよってことは書いてあると思うんですけど、まずゲームによって鍛えられる力みたいなことで言うと、どういったものが大きなところでありますか?
様々なんですけど、ゲームによってなんですね。例えばシューティングゲームみたいなもの。速く動くものとかを視界で捉えて情報処理する能力であるとか、そこから速い決断能力、そういったところが伸びてくるっていうのは分かってますし、ロールプレイングゲームみたいなものだと、問題解決能力であるとか。
あと最近、ミッションがあってやるというよりも、Minecraftとかですね。自分で自分の思うようにものを作っていくみたいな、サンドボックスゲームみたいなものだと、やっぱり発想をして、クリエイティビティにつながるとかですね。
あとはゲームって最初、それこそシューティングゲームとかアクションゲームとか、最初はできないんだけど、面をクリアできないんだけど、練習してるうちにできるようになるっていう。やっぱり人間の能力って、できないことがあるんだけど、練習することによって改善していく。それは成長マインドセットって言ったりしますけども、ゲームでそういう「やればできるな、練習していけば」っていうようなマインドセットを持てるみたいなところもあってですね。心のレベルとか、さらに脳の基礎的なレベル、両方、ゲームのいい影響っていうのが確認されてきているというところですね。
めちゃくちゃいいことばっかりなんですね、結構。
だから、もうめちゃくちゃいい影響は、お子さんの時やられてたと思いますね。
そうなんですね。結構僕、スポーツもそこそこやってたんですけど、ゲームもかなりやってたなと思うんですが、こういう経験は必ずしも評価されてない感じがするんですけど、そこはもっと評価された方がいいんじゃないかっていうのは思われてるところってことですよね。
まさにですね。さらに言うと、ゲームでいいところ、脳が変化したりとか、心がいい形で変化したりっていうのはあるにしても、他のことは、運動とかも体に良かったりしますよね。勉強だって認知能力を伸ばせるし、みたいなもので。別にゲームやらなくてもいいんじゃないかと、他のものでやってればいいんじゃないかっていうふうに思うこともできると思うんですけども。
実際は最近の研究で、ゲームを全然やらない子たちと、ちょっとやる子たち、大体1時間、2時間ぐらいですよね、1日。それ以上、3時間とかそれ以上ですね、やる子たちを比べてみたんですね。成績とか、自己肯定感とか、メンタルの強さとかですね。その指標において、一番良かったグループはどのグループだと思いますか?
今の話だと、1、2時間くらいなんですかね?
そうなんですよね。1、2時間ぐらいのグループが、やっぱりどの指標でもトップ。
そうなんだ。
次はどっちだと思いますか? 全然やらないのと、やりすぎぐらいの感じ。
でも、やりすぎよりはやってない方がいいんじゃないですかね。
と思いますよね。実は研究にもよるんですけども、同じような研究で、全然やってないのとやりすぎが同じぐらいか、もしくはもう1個の研究だと、やりすぎの方がいいっていう結果が出ちゃったりしてるんですよね。
やんない方がむしろ損っていうか。
今の社会の状況が、ゲームをやってないといけないような状況になってるっていうふうにも言えるんですよね。仮説としては、その結果が出てきた時の、若い人たち対象の、学生対象の研究だったんですけども、やっぱり学生たちってもうみんなやってるので。
そうか。
だから、それこそゲームでつながって、みんなで楽しい時間を過ごしたりとか、ゲームの話をしたりとかっていうので、全くやってないとある種ついていけないみたいなところもあったりするんじゃないかとか。あと、もっと本質的なところで、ゲームっていうのは、この本にも書いてあると思うんですけども、人間の心の持ってる欲求を本質的に満たしてくれるっていうのがあるんですね。
心の三大欲求って呼ばれてるものですけども、人とのつながりとか、あと「できた」とか「できる」っていう有能感みたいな感覚。あとは、やらされてる感ですよね。それを避けたいので、自分の意思でやってるっていう感覚ですよね。この3つが人間の心が欲してる基礎的な欲求なんですけども、ゲームってやっぱりやりたくてやってるから、やらされてやるわけじゃなくて。
確かに。
何かできたら嬉しい。あと、人と一緒にやったりとか、最近だったらネットゲームとかですね。人と一緒にやってない時でも、キャラクターとかいろんなものが中にあるので、いろんなつながりを感じられる。この3つの基礎的な欲求を満たしてくれるので、要は世知辛い世の中、学生の悩みがあったりとかしてる中で、そういう心の欲求を真に満たしてくれるものを求めるし、そういう機会がない場合っていうのは、ストレスがたまってしまったりとかするっていうことなんですよね。
なるほど。単に能力とか脳の機能が上がるっていうこと以外にも、ウェルビーイング的な要素にもゲームが大きく絡んでるっていうのが今あるってことですね。
その通りですね。ゲームを完全に避けようと思ったら、まあまあ大変で、社会のある種インフラの一部になってきているみたいなところが現れてるのかなと思いますね。ただ、やはり皆さん、やりすぎは良くないと理解されてるので、それはどういうところでやりすぎかっていう定義にもよるんですけども。
そのやりすぎっていうのは、具体的に言うとどの辺がやりすぎのラインになってくるんですか?
そうですね。何時間でかってことは、なかなか言いにくくて。というのも、それぞれの人でライフスタイルみたいなのが違うので。でも、依存症と言われるものの定義みたいなのが、やっぱり最近出てきていて、医学的にですね。それで言うところのものは、基本的に言ってしまえば、ゲームやりすぎというのは、ゲームに時間を取られすぎて、他のやるべき人生の中のことができなくなっちゃう。
ゲームやりすぎて、もう集中して楽しすぎるのでご飯を食べないとか、寝れないとか、仕事に行けないとかですね。そういった日常生活の中での問題が出始めると、やりすぎっていうことなんですね。だから、やってる時間っていうよりも、もちろんやってる時間が長いから他のことに影響が出るんですけども、他のことに影響が出てるかどうかで決められてるというところですね。
実は、ゲームが楽しいからやりすぎるようになるっていう人は少なくてですね。それ以外の生活の中で問題を抱えてて、逃避的にって言いますけども、例えば人間関係の問題があったりとか、仕事がうまくいってないとか、勉強がうまくいってないとか。何かしらそういう強い悩みがあるから、それから目を背けたいから、みたいな感じですよね。逃避的にゲームをやる。そういった場合にやりすぎてしまうっていう傾向があったりするっていうんですね。だから、ゲームが原因で悪い影響が出るっていうよりも、元々悩みとかがあった時にゲームやりすぎになってしまうっていう、その因果関係みたいな。
なるほど。本当にすごい安易な結論になっちゃうかもしれないですけど、やっぱり全体としての生活におけるバランスみたいなのが取れてるってことが、より大事にはなってくるっていうことですよね。
その通りですね。もちろんゲームをやりすぎないように全体のバランスを整えるっていう見方もできるし、逆に言うと、ゲームをやることによって全体のバランスが取れるっていう現代のあり方。手軽に自分の心の欲求を満たすことができるってことですよね。それぐらいやっぱり現代に生きてると、ある種必要なもので。必要なものだからこそ、さっきのちょっとやってる人たちが一番いいみたいな結果が出てきちゃうってやつですよね。やってない人が一番下みたいな。
そっか。結構ライフスタイルが変わっていってるかもしれないですね。
その通りですね。
なるほど。
この本の終わりにも今後のビジョンみたいなところを書いてたんですけども、現代社会ってどうしても外発的な動機づけって言うんですけども、物事をやっていて、それ自体で満足できる、楽しいっていうことではなくて、やったことによって発生するものに動機づけられてる状態。仕事して数字出せとかですね。数字が出たら給料上がって、地位が上がってとか。だから、やってること自体で満足というよりも、やってることから出てきた結果を求めてるっていうことですよね。
それは社会の仕組みなので、もちろんお金もなきゃ生きていけないし、地位だってある程度あった方が生活にいろんな幅ができるしっていうところでしょうがないんですけども、そういった外発的な動機づけをずっと続けてると、いろんなメンタルのリスクが上がってしまう。うつ病のリスクも上がるし、不安症になったりとか、あと体の病気のリスクもかなり上がるんですね。
そうなんですね。
だから現代社会に生きてたら、そういうものばっかりなので。じゃあ、どういうふうに内発的な、これをやってるだけでこれで満足できるっていう心の状態を入れてあげられるかっていうと、いろんな趣味をやるでも何でもいいんですけども、1つは先ほど申し上げたようにゲーム。その内発的な自分の基礎的な欲求が満たせるっていうことですよね。なので、やっぱり皆さんやるし、スマホにゲームを落としてちょっとやったりとかですね。そういうのって、現代社会を生きる人間であるからこそ求めちゃうっていうところが現れてるのかなと思いますよね。
そうか。
だから、外的に頑張らなきゃいけないので、仕事やってガリガリやって、資格もやってとかですね。やってる時の、じゃあ内発的な心のバランスも取らなきゃいけないのでっていうのは、自然に心が求めてやってると。
そっか。
ある種怖いのが、例えば親から子供に対して、受験なんていうのはもうまさに外発的動機づけの親玉みたいな。じゃあ受験やるって言った時に、一番最初に削られるのって、その内発的な動機づけを満たせるようなものから削られちゃうんですよ。友達と遊んだりとか、スポーツの習い事をやめさせられたりとか、もちろんゲームもやめろとかっていう話になって。そうすると、内発的な動機づけを満たせるようなチャンスが生活の中にないので、やっぱりいろんなメンタルの不調に至ってしまう。受験である程度短期に頑張って受かったとしても、その後に問題が出てきちゃうとかですね。そういうことになってくるってことですね。
じゃあ、本当にそこはむしろバランスを取るためにも、ゲームだったり、内発的な動機からできるようなものの余地を残しておくっていうのは、何かを頑張るためにも重要になってくるってことですよね。
ゲームでも1個特徴として、内発的な動機からやるっていうのもあると思うんですけど、没入感っていうのも1個あるなと思ってまして。特に幼少期、ゲームをやってかなり没入していたなと。もう熱中して、この世界に入り込んでいくみたいな感覚があったなと思ったんですけど、この没入感みたいなものを得られる手段として、ゲームってどう評価されてますか?
それが非常にいいことだとされていて、その没入感って言われるところの、心理学的な用語で対応するものがフローって言われるやつ。すごい集中して他のものも見えないで、むっちゃ楽しいし、みたいな状況ですよね。スポーツとかでもあるんですよね。よくプロフェッショナルな方々で、球がゆっくりに見えて、やることなすこと全部できるみたいな状態であるって言うじゃないですか。
ゾーンみたいな。
ゾーンですね。だから、ゾーンって言われてるやつが心理学で言うとフローって言われてるみたいな。ゲームでも同じような心理状態になるって言われてて、没入した時は。やっぱりそういった没入するっていう体験を持ってたりすると、そこである種ストレスが解消されたり、日々のストレスがたまることとか大変なこととかから一旦解放されるっていうことがあるので、心理学的には、フローを体験できてる人たちっていうのはパフォーマンスが高いこともあるんですね。
それは、仕事とかとは関係ないところで没入してても、仕事のパフォーマンスが上がるみたいなことが起こるんですか?
その通りですね。
要は、日々の仕事で大変っていうところから解放されて、そこで例えばストレスが発散できるとか。あと、やっぱり物事って、ずっとそれこそ仕事に没入してる時って、他のいい解法があったりするのもなかなか気づけなかったりするんですね。
なるほど、なるほど。
例えば受験勉強とかの時に、「この問題難しいな。もう何時間も考えても分からない」という時に、できなかったから「明日だな」みたいな感じで、お風呂に入ってる時とかに「あ、こういうことか」みたいな、急にひらめくみたいなの、あるあるじゃないですか。だから、ある種今やってることから効果的に隔離されることによって、今やってたことにいい影響が出てくるっていう。ひらめいたりとか、創造的な、クリエイティブな考え方のアイデアが生まれるとか、そういったことがあるので。
じゃあ、むしろ別の場所に没入していくっていうのは、本業の方とかにもいい影響があるって。
そうです。
そうなんだ。
特にクリエイティビティとかっていうのは、脳のどういう働きかっていうのも最近結構分かってきていて。例えば休憩してる時って、ぼーっとして脳を使ってないかのようなイメージを僕らは持ちがちなんですけども、そういったぼーっとリラックスしてる時って、実は集中してる時に使ってる脳じゃない部分の脳を使ってるんですよ。だから、脳は起きてる限り、寝てる間だってもちろんずっと使ってるわけなんですけども、単に違う場所を使ってるだけで。
クリエイティブな考えが出てきてる時の脳の働きとか、クリエイティブな考え方がよくできる人たちっていうのは、このある種オンとオフの脳の状態を行き来するのが得意な人っていうのが分かってるんですね。だから、効率よく没入できて、オンの部分からオフになるとか、あとオンなんだけど違う部分の脳を使ってるとかっていう、脳のところを行き来できると、クリエイティブな考え方をしやすいっていう。
なるほど。そうか。脳の中でも集中のために使ってる部分と、よくデフォルトモードネットワークみたいな部分だったりとか、逆に言うとゲームで使うような全く違う部分だったりとかで、幅広く鍛えていくっていうのが、結果的に仕事の部分だったりとかっていうところにも生きていくっていうことなんですね。
その通りですね。
そっか。じゃあ、ゲームした方が仕事の生産性は上がるかもしれないんですか?
そういったことを示唆するような結果っていうのが、いっぱいあるんですよね。だから、それこそ渡辺さんもしっかり色々頑張ってる方とか、あとやっぱり分野の方たちで結構ゲームをやってるような人としては、少なくない。
そうなんですね。
むしろ多いぐらいですよね。私、ベイエリアにいますけど、ベイエリアの、それこそエンジニアとか、特にコンピューター使うからっていうのはありますけど、もうほぼゲーマーですよね。
マーク・ザッカーバーグもゲーマーだったって言ってましたね。
やった方がいいゲームと、これは注意した方がいいぞっていうゲームがあれば、ぜひお伺いしたいなって思ったんですけど。
なるほどですね。勝ち負けであるとか、点数がどんどんついてくるみたいなところ。その辺っていうのは、周りとの比較であるとか、評価みたいなところ、そっちの方に動機づけられ始めちゃうと、なかなか止まらなくなっちゃったりするので。先ほど、元々のリアルな部分で問題がある時にゲームに走るって申し上げましたけども、ゲームの中でやっぱりやりすぎに走りやすい傾向としては、そういったいろんな比較。勝ち負けとか、点数みたいなのがついてるものっていうのは、楽しい一方でやりすぎに走りがちになっちゃったりするので、気をつけた方がいい。
なるほど。ランクマッチみたいなのがあるとか、ああいうのはちょっとやりすぎになる傾向があるってことですね。
そうですね。1つ判断として、最近それがないゲームを探す方が大変かもしれないですけど、課金的なもの。課金的なものっていうのはビジネスなので、よりはまらせるようにっていうのは作ってるわけですよね。なので、課金してたら大体点数とか、いろんなランキングが出てきたりとかっていうのはあるので、その辺は気をつけていくってことですよね。
まさにそこをお聞きしたくて。ソーシャルゲームとか、僕も最近結構やってまして。課金だったりログインボーナスがあるとか、デイリーミッションがあるとかって、沼らせるじゃないですけど、はまらせる仕組みがあるゲームが、もう本当にうまく作られてるなっていうものが多い気がするんですけど。やっぱりそういうものであればあるほど、やりすぎちゃう、はまりすぎちゃうっていうのはあるんですけど、ここはちょっと気をつけた方がいいポイントなんですね。
そうですね。だから、ある種ゲームとうまく付き合うためには、ゲームの習慣を作るっていうのが大事で。ちょっと逆説的なんですけども。例えば朝起きて最初に顔を洗って歯磨きしてみたいな、それぞれみんなルーティンが違いますけど、習慣ですよね。「次はこうするな」と考えてるというよりも、「眠いな」とかやって起きても自然に洗面台のところに歩いていくみたいな形。なので、同じような状況と同じような時間と、トリガーって言われてるやつですよね。
だから、ゲームをやる時はこの部屋に来て、ここに座って、この時間みたいな感じで、そこはゲームにするみたいな。それ以外のところは、ゲームで1時間終わったら次は何する、みたいな形で。ある種「時間空いてる時にゲームやっちゃおうかな」みたいにしてると、やり始めてはまっちゃって、やりすぎちゃったりするので。しっかりとした習慣の中に組み込んでおいて、やりすぎないようにするっていうのが大事って言われてるんですね。
じゃあ、結構スマホゲームとかだと、割といつでもできちゃうじゃないですか。そういう意味では、あんまりお勧めされないって感じですか?
一番はまりやすいんですけども、スマホゲームをやる場合も、どこの場所でやるとかを決めておくと。
帰りの電車でとか。
そうですね。
なるほど、なるほど。
だから、仕事をやるデスクのところでゲームとか、あと仕事もやるみたいにすると、そのトリガーがうまく効かないので。ここに座ったらゲームと、そこから立ったら他のこと、仕事とかですね。そういう、やる時は同じような状況っていうのを作っておくと、脳もその行動に入りやすいという。
そういうことですね。ゲームをやる場所とかシチュエーションみたいなのをある程度決めて、もう習慣化しちゃった方が、逆に依存しすぎないっていう。
そうですね。あとは、アフォーダンスって言うんですけど、ここにスマホがあったら、触ってなくても、気にしてないつもりでも、実は色々測ってみると気にしちゃってるっていうのが。それこそスマホの、とか言って本もですね。ここに携帯があるだけで仕事の効率が下がるみたいな、使ってなくてもっていうのがあるんですけど。
人間の脳って、何かをやろうとする時に、ちょっと障害があるだけで、かなりやりたくなくなるっていうのがあって。だからスマホとかゲームだったら、「じゃあ寝るぞ」ってなったら、枕元に置いてたら「ちょっと見ちゃおうかな」みたいな、すぐできちゃうんですけど、例えば寝てるところから離れて、なんなら自分の部屋の中に携帯がないみたいにしておくと、なかなか取りに行けない。それだけでかなりやる気が下がっちゃう。
ハードルが上がっちゃうっていうのがあるので、なるべくゲームをやる部屋はこことかで、寝る時はゲームをやるもの、コンソールとかスマホみたいなものを自分から離しておくみたいなところ。あえてゲームへのハードルを少しでもいいから上げてあげるっていうのが大事なんですね。
なるほど。そっか。確かに、ハードルが高いところにちょっとあれば、それを超えるために日中の仕事を頑張って、「やったからゲームやるぞ」ってゲームをやって、寝る時はそこから離れる。うまくいいところにゲームを自分の生活の中に配置するみたいなのは、考え方として大事なんですね。
よくいるところとかではやらない方がいいですね。リビングとか、自分のデスクとか。さっきおっしゃった電車とか、決まった時間に。あとトイレとか、座りながらやったりする人も、スマホとかができるので。そういう感じで、あんまりいつもいないような場所で、でもちょくちょくは行くけどもっていうところを選んでやるみたいな感じ。
確かに。となると、自室でやるとかリビングでやるとかは、ちょっと依存につながりやすい場所かもしれないですね。
そうですね。リビングとか自分の部屋だと、それがトリガーになっちゃったら、そこに自分たちがすごいいるので、ずっとやりたい状態みたいになっちゃう。
確かに。そっか。社会人で言うと、やっぱり仕事が終わったらゲーム機で、ここに行ってゲームするみたいな習慣があった方が良さそうですかね。
その通りだと思いますね。やっぱりスマホだとどこでもできちゃうので。
そうですよね。あと、SNSとかとの相性も結構いいので。SNSをやった後、そのまま流れるようにゲームに行っちゃうとかもあるから、ゲーム機でやるとかがやっぱりいいのかもしれないですね。
そうですね。やっぱりあるとやっちゃうので。私も今もそうですけど、パズルゲームみたいなのを携帯に入れちゃうと、もう本当にやっちゃうので。ミーティングとかも最近オンラインとかだったら、別にやってても誰も気づかないです。ずっとやってるみたいになっちゃって、「やばい」ってなるんですけど。
そうですよね。
だから携帯にダウンロードするのは、本当にちょっと覚悟してた方がいいし、しないんだったらしないっていうところですよね。
そうですよね。ちなみに、いわゆる意図的に自分から隔離されて、生産性を上げるためにやるゲームみたいなものと、逃避でやっちゃうゲームって、どういう違いがあると思いますか?
逃避的にやっちゃうと、やりすぎになりやすいっていう。ただ、逃避的にやるのが絶対にダメかっていうと、そうでもなくて。「これ逃避的だな」みたいにちょっと思った時があったら、「疲れてるんだな」って思うじゃないですか。疲れてるんだなと思ったら、休んだりとか、あと仕事の方で問題があるんだったら、逃避的な時間は必要なので、心を癒してはいるんですけど、こっちの方の問題も解決しなきゃいけない。だから、そのマインドを持つことは大事ですよね。
ずっと逃避的なままで、やりすぎになっちゃうので、「何でこんなにやっちゃってるのかな。やっぱりあそこのこういう悩みがあるからだな。じゃあ、そっちの方もしっかり考えよう」と。そういう、しっかり考えようって思えるために逃避してるので、それをちょっとやりながらも、しっかり根本にある問題は何かって考えたり、そっちを解決するように働きかけるっていうのは。
なるほど。目的から一旦逃れて、この目的を解決する、本当の目的を解決するために逃避するのはいいけど、逃避が目的になる逃避になっちゃうと、もう結構危なくなってくるという感じ。
そうですね。っていう感じですね。
時間で言うと、この本の中では大体平均2時間くらいが一番良さそうじゃないかっていう話をされてたと思うんですけど、社会人でもやっぱりそのくらいはやって大丈夫そうなんですかね。
大丈夫そうですね。やっぱりどの研究を見ても、2時間でやりすぎで悪影響が出てるみたいなのは見たことがないので。大体、脳とか心に悪い影響が出るぐらいのやりすぎの時間って、やっぱりもう5時間を超えたりとか6時間、毎日ですね。週の7日で平均してそれぐらいっていうところなので、2時間、好きな人だったら3、4時間やっても、仕事とか睡眠に大きな影響が出てないのであれば、問題はないかなっていうのが。
じゃあ、帰って2時間ゲームをやって、また次の日朝とかでも全然問題なく。
2ですね。
あと、こうやりみたいなのもあるんですよね。
やりは。
要は、普段はやらないけど週末時間があるからやるとか。その場合もそれはそれでいいんですね。だから、急に1日8時間やっちゃったから、それだけでダメってことはないんですけど。ただ、長い時間ずっとやるっていうのは、メンタルっていうことよりも体の支障をきたすっていう。例えば、ゲームをやったら腰が痛くなるとかみたいな話なんですけど。
特に最近のeスポーツ、コンペティティブにゲームをやってる人たちの、eスポーツプレイヤーのいろんなリサーチをしてみると、やっぱり急に突然死してたりとか、ずっと座ってたりするので血流が悪くなってみたいなこととかあるので。休みの日に、普段やらないので長くやるって時は、やっぱりちゃんと今度は休み時間を決めてやるみたいなことは、やった方がいいっていうふうに言われてますね。
なるほど。Apple Watchとかが言ってくる、「今立ちましょう」みたいなのはちゃんと聞いた方が。
例えば没入しちゃうので、呼吸とかもいつもと変わってたりとか、あとご飯を食べないとかですね。色々あるので、その辺は気をつけてやるっていう感じですよね。
でも確かに呼吸は変わってるかもしれないですね。目が異常に疲れるとか。
そうですね。
そういう身体の影響が出ない程度には。
そうですね。休憩をしっかり取っていくっていうのですね。
なるほど。ありがとうございます。今日は本当に、僕、ゲーマーとしては救われた気持ちで。
ありがとうございます。この本を書いてから、ゲームが好きな人にそう言っていただけるのは嬉しくて。一方で、親とかが「何でこんなのを書いた」なんて怒る時があるんですけどね。逆に、「うちゲームやらせてないんですけど、大丈夫ですかね」。逆に真に受けてくださって、「やらせなきゃいけないですかね」とかって言うんですけど、例えばさっきの、やってない子たちが一番下に来るみたいな話があるので。
でも、やってない子たちが一番下に来るって、そのやってないことが悪いっていうよりも、それ以外の心の欲求の満たし方みたいなのができてれば大丈夫なので。いろんな反応をいただいてですね。でも、ゲームに罪悪感を感じてる方が多いので、それはそうじゃないよって思っていただけると嬉しいですね。
ありがとうございます。すごい自分としても心が救われましたし、ある程度ゲームをやるっていうことの習慣みたいなのも1個取り入れていきたいなと思いました。ありがとうございました。では、先生にゲームについて色々お伺いしました。本日はありがとうございました。
ありがとうございます。
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