東大理三の生態とキャリア選択:選抜の頂点に集まる学生の思考法と進路
PIVOT 公式チャンネル東京大学理科三類(通称「理三」)は、大学入試における国内最高峰の難関として知られている。定員は毎年およそ100人であり、東大合格者全体(約3,000人規模)の約3%にすぎない。2024年の入試データを例にとると、東大合格者全体約2,900人のうち理三の合格者はわずか99人であった。
2次試験の成績を見ると、合格者の最高点・平均点・最低点のいずれも理科各類の中で理三が最上位を占める。年によっては「理三の最低点が理一の最高点を上回る」ことさえある。この突出した学力差ゆえに、東大に入学しても理三生と同じクラスになる理二の学生以外は、学内でほとんど接点を持たないまま卒業することも少なくない。
教育ジャーナリストとして20年以上にわたり40名以上の理三生を取材してきた庄村敦子氏と、理三出身で在学中に司法試験合格、卒業後に医師国家試験や公認会計士試験を制覇した河野玄斗氏が、理三に集まる人々の実像、医師国家試験に対する特有の苦戦要因、独特の思考法、そして学内での恋愛・結婚事情や多彩なキャリアについて語り合った。
医師志望にとどまらない進路と「進学選択」の機能
理三に入学したからといって、全員が最初から医師になることを確固たる目標に据えているわけではない。他大学の医学部であれば入学時点で医学教育に直結するが、東大には教養課程(前期課程)を経て各学部に進学する「進学選択(進学振分け)」制度が存在する。理三の定員は医学部医学科の進学定員と基本的に同数に設定されており、極端に学業を放棄しない限り医学部に進学できる一方、希望すれば数学科や物理学科など、東大のあらゆる学部・学科への選択肢が開かれている。
そのため、研究職や他分野への関心を残したまま「まず一番難しいところに入る」という動機で理三を選ぶ学生も一定数存在する。河野氏自身も、高校1年生時点では理科一類志望だったと明かす。模試で偏差値85などを記録し、理一のA判定基準を大幅に上回っていたことから、母親の「どうせなら理三を目指したら」という勧めを受け、損はないと考えて理三に出願した経緯がある。また、プログラミング分野への関心や、家庭教師などのアルバイト時給が他類よりも格段に高いという噂を耳にしたことも後押しとなったという。
庄村氏によると、家庭教師の現場でも理三生の需要は突出している。一般的な学生が生徒からの難問に即答できずスマートフォンで調べるような場面でも、理三生はその場で即座に解法を提示できるため、高い時給に見合う価値が認められている。
卒業後の進路も多様である。河野氏の同級生や知人には、映画業界に進んで映画プロデューサーとして活動する者や、金融業界でファンドを立ち上げて起業する者などがいる。また、ゴールドマン・サックスなどの外資系投資銀行のインターンに参加して最優秀賞を獲得し、スカウトを受けながらも熟考の末に医師の道を選んだ人物もいたという。
庄村氏は、理三生のキャリア選択には年代ごとのブームがあると分析する。2006年前後は外資系金融機関の説明会に大挙して参加し就職する層が目立ち、その後は起業ブームが到来した。近年では、医学知識を基盤にしつつ起業や他分野のビジネスに展開する事例が増加している。
合格者の出身校の変遷と「環境」の格差
理三合格者の出身高校の内訳は、創設初期と現在で大きく変化している。
1962年の第1回試験当時の合格者は、東京教育大学附属(現・筑波大学附属)をはじめとする国公立高校の出身者が大半を占めており、私立高校は麻布、開成、灘、栄光学園などごく一部に限られていた。しかし現代では、合格者の多くが私立の中高一貫校や一部の国立中高一貫校(筑波大学附属駒場など)に集中している。
庄村氏は、地方から塾に頼らず独学で合格した学生を取材した経験を挙げ、自力で学習法を組み立てて突破する困難さに触れた。一方、灘や開成、桜蔭、筑波大学附属駒場といった多数の合格者を輩出する学校では、先輩の勉強量や教材の選び方などの具体的なロールモデルが存在し、入試情報が自然と共有される。さらに、周囲に同じ目標を持つ同級生が多数存在し、互いに教え合い励まし合う環境が整っていることが、合格の再現性を高める大きな要因となっている。
なぜ理三生は「医師国家試験」で苦戦するのか
入試偏差値で国内の頂点に立つ東大理三だが、医師国家試験(国試)の大学別合格率ランキングでは必ずしも最上位には位置しない。直近でも全国82大学中真ん中程度、過去には70位台に落ち込んだ年もある。この現象について、庄村氏と河野氏は構造的な要因と能力の性質の違いを指摘する。
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母数の少なさと単年変動の大きさ
東大医学部の国試受験者数は毎年100人前後である。受験者数が膨大な大学に比べ、理三は1人が不合格になるだけで全体の合格率が約1%下落するため、ランキングの順位が大きく振れやすい。 -
求められる試験適性の根本的な違い
大学入試の東大2次試験(数学、物理、化学、英語、国語)で求められるのは、「1を聞いて10を知る」ような応用力や論理的思考力である。初見の難問をパズルのように解き明かす思考力が評価されるため、厳密な暗記を省いて要領の良さで合格してきた学生が理三には少なくない。
対して、医師国家試験は広大な医学知識の網羅的な詰め込みが求められる。あらゆる臓器の疾患、診断基準、治療方針を記憶し、2日間で膨大なマークシート問題(約400問規模)を解き進める試験であり、大学入試とは「ゲームのルール」が根本から異なる。理三生が国試を「合格率9割の試験だから受かるだろう」と過小評価し、暗記の絶対量を軽視して対策不足に陥るケースが見られる。 -
カリキュラムと大学側のサポート姿勢
他大学の医学部では、入学直後から医学の専門教育を開始し、6年生の後期には過去問演習などの国試対策授業を集中的に行うことが多い。私立大学などでは合格率を維持するため、不合格が予想される学生を留年させて受験させない選抜を行う場合もある。
しかし東大は、最初の2年間が教養課程(前期課程)であり、専門教育に入る時期が他大学より遅い。また、大学側が国試に特化した手厚い試験対策授業を提供することや、合格率維持のための卒業保留を行うことはない。
さらに河野氏や庄村氏が指摘するように、在学中に起業したり、司法試験など他の難関試験に挑戦したりと、学業以外の活動に没頭する学生が多いことも学習時間の確保に影響を与えている。
理三的思考法:最短距離で攻略する「自頭力」の正体
理三に合格する層の勉強法について、庄村氏が取材した合格者は「勉強は時間ではない」と答えている。同じ問題量をこなすにしても解くスピードが圧倒的に速く、すでに理解している無駄なプロセスを省いて効率化を図るため、結果として余暇時間をゲームなどに充てる学生も多いという。
河野氏は、ゲームへの向き合い方を例に挙げ、理三生の思考プロセスを説明する。一般的なプレイヤーが道なりにストーリーを進めてクリアするのに対し、理三生は「敵の弱点は何か」「どうすれば最も効率よくコンプリートできるか」と戦略を練り、能動的に攻略法を構築する傾向がある。この能動的な姿勢が、そのまま学問や試験対策に反映される。
国家試験対策においても、河野氏自身は「最短で効率よく受かるための点取りゲーム」として捉え、過去問を徹底的に分析して1カ月程度の集中学習で合格点へ到達した。
教育の現場においても、この「本質(原理原則)を捉える姿勢」が学力の分水嶺になると河野氏は語る。オンライン予備校「河野塾」や対面指導の現場で伸び悩む生徒は、目の前の解法や公式を一つひとつ丸暗記しようとする傾向が強い。一方、伸びる生徒は、未知のパズルに直面した際にも「持っている知識を応用すれば必ず解けるはずだ」という前提で挑む。
河野氏は自身が10年以上触れていなかった物理のコンデンサー問題を例に挙げ、細部を忘れていても原理原則さえ把握していれば初見の問題でも論理的に導き出せると実演して見せることが、生徒のマインドセットを変える契機になると述べている。解法の暗記に先立ち、未知の課題に対する「本質からのアプローチ」を幼少期から身につけているかどうかが、長期的な学習成果に決定的な差を生むとしている。
恋愛・結婚事情:狭いコミュニティと独特の力学
理三生の恋愛や結婚には、特有の環境と男女比が強く影響している。
男子校・女子校出身者が多いため、大学入学以前は交際経験がなかった学生が大半を占める。しかし、東大入学後は急速に関係性が進むケースが多い。
99人の定員に対して女子学生は毎年10〜20人程度(2024年は21人)と約2割にとどまる。2006年に入学したある学年では女子が10人しかおらず、そのうち3人が同級生の医師と結婚したという事例もある。
理三の女子学生が学内や医学部内でパートナーを選ぶ背景には、学外での出会いに対する心理的障壁がある。河野氏や庄村氏によると、東大女子、とりわけ理三という肩書を学外で明かすと相手から距離を置かれたり気後れされたりする経験を持つ者が少なくない。さらに、医師としての過密なキャリア形成と出産・育児のタイミングを両立させる難しさを考慮し、学生時代や研修医期間など早期に理解のある同業者と結婚する傾向が強い。
一方、理三の男子学生の結婚相手は、同級生の医師だけでなく、看護師、他大学の学生、あるいはマッチングアプリや紹介を通じて出会った一般職の女性など多岐にわたる。
また、東大医学部の運動部(鉄門運動部)には、新入生勧誘の時期に他大学の女子学生がマネージャー希望として殺到する現象が見られる。春には物珍しさやステータスへの興味から多くの見学者が訪れ、新入部員よりマネージャー候補の数が多い年もあるが、過酷な練習環境や部員の真面目すぎる競技姿勢に直面し、秋にはごく少数に絞られるのが通例であるという。
結婚時期については、初期研修に入る前の学生時代に結婚する「早期層」と、専門医資格を取得してキャリアが安定する「30代以降」に二極化する傾向がある。
学部内「進学選択」の過酷さと再受験の選択
教養課程から他学部へ進む進学選択制度において、理一や理二から医学部医学科へ進学することは理論上可能である。しかし、そのハードルは極めて高い。
進学枠を勝ち取るためには、教養課程の成績で100点満点中平均91〜92点以上のスコアを維持し続ける必要がある。希望者は、高得点を狙える選択科目を上限枠いっぱいに履修し、低い点数を取った科目を評価対象から「追い出す」ために過密な履修登録を繰り返すなど、極めて苛烈な点取り競争を強いられる。
河野氏は、同級生から「東大の他類から進学選択で医学部に行きたい」と相談された場合、学内での点数競争に身を削るよりも、理三を一般入試で再受験する方が合格の確実性が高いと助言すると述べている。
天才・異能の群像
理三という環境には、単なる受験秀才にとどまらない特異な才能を持つ人物が集まる。
庄村氏は具体的な事例として以下の2名を挙げた。
- 和田秀樹氏
精神科医・受験アドバイザーとして膨大な著作を手がける一方、理三に入学した本来の動機であった「映画監督」の夢を果たし、これまでに5本の作品を制作している。「勉強法を確立したからこそ、どのような分野でも成果を出せる」という思想を体現している。 - 杉本真樹氏
幼少期から公認のプリント学習に没頭し、幼稚園での趣味が因数分解だったという経歴を持つ。筑波大学附属駒場高校時代に3DCGの医療応用に可能性を見出して理三へ進学。現在はMRIやCTの断層画像から瞬時に高精度の3DCGを生成するソフトウェアを開発し、医療現場やドラマの監修等にも活用されている。乳幼児の複雑な心臓手術の術式決定などに貢献し、臨床医療を技術面から大きく変革している。
河野氏自身の学生時代にも、突出した能力を持つ同級生の存在があった。自身が大学在学中に司法試験予備試験の受験を決意した際、同じ理三の同級生にも司法試験を目指している学生がいた。その同級生は河野氏よりも早いペースで学習を進めており、大きな刺激を受けるライバルとなっていたが、最終的に本試験の出願手続き期限を失念したことで受験を逃し、翌年には関心が他へ移って挑戦自体をやめてしまったという。
河野氏は、最強の理三生とは誰かという問いに対し、「大谷翔平と那須川天心のどちらが運動神経が良いかを測るのが不可能なのと同様に、理三生もそれぞれの才能のベクトルが全く異なる」と語る。臨床医学を究める者、基礎研究に没頭する者、数学科に進む者、あるいは映像業界やビジネスへ進出する者など、進む領域は違えど、どの業界でも一定の成果を残す異質な集団であると総括した。
理三という卓越した頭脳が集まる環境に身を置き、同水準の意識と知性を持つ同世代と競い合った経験は、その後のキャリアにおいても大きな基準値となり、自己の挑戦を支える動機付けになっていると河野氏は締めくくった。
最強の天才集団、東大理三とは。東大全体だと約3000人合格したうちのたった99人。年によっては理三の最低点が理一の最高点を上回った年もある。河野さんの周りで、実際同級生とか知り合いの方で他の職業に就いた方っていらっしゃいますか。実際にその他の職業にならなかったとしても、ゴールドマン・サックスでインターンに行ったら最優秀賞を取っちゃってスカウトされたけど、迷った挙句医師になるっていう人も。恋愛・結婚事情についても、男子校・女子校が多いのでいなかったって人が圧倒的に多くて、ただ東大に入ったらみんな彼氏彼女ができてるんですね。理一ですけど、イチョウが散るまでに彼氏ができなかったら一生彼氏ができないって言われてました。河野さんが実際理三の中にいて印象に残ってる同級生は?医学部に通いながら司法試験を受けたんですけど、同級生に1人ライバルがいたんです。
こんにちは。PIVOTの磯貝です。今回のテーマは東大理三の正体です。今回はゲストをお二方お招きしています。まずは教育ジャーナリストの庄村敦子さんです。よろしくお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。そしてタレントで起業家の河野玄斗さんです。よろしくお願いします。よろしくお願いいたします。お二人と一緒に東大理三、東京大学医学部のことを理三とよく言いますけれども、こちらについていろいろお伺いしていきたいと思います。まず庄村さんが7月に『東大理三の世界』を出版なさったということで、これまで理三生をかなり取材なさっているんですよね。
一番最初に取材させていただいたのが2005年なので、それから約20年間で40名以上は取材してるんじゃないかなって思うんですけれども。20年間、すごいですね。そして河野さんがまさに理三出身ということで、理三の卒業生の中でも有名人です。ちなみにどんな資格をお持ちかお伺いしてもいいですか?医師国家試験を通ってて、司法試験、公認会計士試験、あと宅建とか統計検定1級、数検1級、英検1級、世界遺産検定1級など、色々持っていて他もたくさん持ってるんですけど、ざっくりそういう感じですね。
というお二方と一緒に理三に迫っていきたいということで、テーマを大きく2つご用意しました。1つ目、「定員はおよそ100人 最強の天才集団 東大理三とは」。そして「天才・奇人・変人揃い 東大理三のマネー・恋愛・人生事情」ということで、まず理三とはというところをご説明いただいていいですか?
まず、あちらにありますように定員が約100人ぐらいで、今年の入試で言えば東大全体だと約3000人合格したうちのたった99人ということで、大体3%ぐらいですね。それで2次試験の合格者の成績なんですけれども、最高点も最低点も平均点も理三が一番上なんですけれども、年によっては理三の最低点が理一の最高点を上回った年もあるんです。それぐらい差がありまして、理二の方は理三の方と同じクラスなんですけれども、それ以外の方は4年間いても理三の人と接点がなかったっていう方も結構お話を聞きまして、皆さんやっぱり成績もずば抜けてるのを知ってますから、東大生の間でも尊敬してますね。
確かに、入学しても東大模試って成績優秀者が冊子に載るじゃないですか。その冊子に載ってる名前の人がうろうろたくさんいたんで、すごい有名人がそこら中にいるじゃんっていう気分でしたね。でも河野さんもその有名人の中の1人です。だからお互い知ってるみたいな、名前だけ知ってるんですよね。しょっちゅう冊子で見てる名前だなという人が「あ、こんな人なんだ」っていう楽しさもありましたね。
理三に集まるのはまず成績が良くなくちゃいけないんですけれども、例えば医師になりたい場合に他の大学でしたら医学部に入るんですけれども、東大は特殊で文科も理科も3類まであって、サボらない限り理三に入ると医学部には行けますし、基本的に定員の数と進学選択制度で行ける人数が一緒なので、全ての学部学科に行けるんですね。だから医師になりたいって言って入る人がほとんどだと思うんですけれども、中には数学科や物理学科に行きたいとか他の科も考えていて、とりあえず入ってその進学選択の時に決めればいいやって思って入ってる人も一部います。
医者になりたいから理三というわけではない人もいるというお話でしたけど、河野さんの周りで理三の同級生とか知り合いの方で他の職業に就いた方はいらっしゃいますか?結構いて、それこそ映画業界に行って映画プロデューサーとして作品をたくさん作ってる人もいたり、金融業界で起業してファンド的な感じでお金を稼いでる人もいれば、実際にその他の職業にならなかったとしても迷ってる人はたくさんいたんですよね。例えばゴールドマン・サックスにインターンに行ったら最優秀賞を取っちゃって、スカウトされたけど医師とどうしようかなって迷った挙句、医師になるっていう人もいたりとか。他でも成功できるんだろうなっていうのを見て、「いや、でもやっぱり医師だな」っていう人はたくさんいますね。
年代によってブームみたいなのがあるみたいで、2006年に卒業した方たちは外資系の会社説明会にものすごくみんな行って実際に就職した人もいて、その後ちょっと起業ブームが来ていろいろ起業された方がいて。開業医さんで頑張ってらっしゃる方もいるんですけれども、最近の方々は医師の知識を生かして他の仕事をしてるって方もいらっしゃるなって思います。
そもそも河野さんは理三を目指したのはいつかっていうのと、どうしてかっていうのをお聞きしてもいいですか?元々僕、理一志望で、高校1年生ぐらいの時に理一志望だったんですけど、東大模試とかでも偏差値85とか取ると理一のA判定プラス15点とかだったりして、もう入れるからいいやって思ってたんですけど、母親から「どうせなら理三目指しなよ」って言われて、「まあ確かに理三でも損はないか」っていう気持ちで理三を受けたんですよね。だから最初は全然医師を目指してなかったんですけど、蓋を開けてみたら大学1、2年でいろいろ勉強していく中で「やっぱり医師でいいかも」とか、あるいは東大理三の同級生がみんな医師を志望してるから、その人たちと話してる中で「じゃあ自分も医師を目指してみようかな」っていう心変わりの中で、結果的に医師になる人は多いと思うんですけど、最初の時点から医師志望かと言われると意外とそうじゃないと思うんですよね。
目指したというより自然とっていう感じですね。大学3年からの進振り制度でいろんな学部に行けるじゃないですか。僕自身もそっちだったんですよね。元々プログラミングとかそっちの方が自分は向いてるだろうなって思ってて。でも理三に入るとバイトの時給が高い、噂によると時給1万円とかもらえるみたいのを聞いて、「これ理三に入らない理由ないよな」っていうので僕も理三を受けることを決めたんですよね。
実際バイトの時給が高いみたいな話もありましたか?やっぱり理三とそれ以外の科類で違いますね。1万円は割と普通でもっともらえる人とかもいますので。実際やっぱり頭がいいので、生徒さんが家庭教師とかで聞いた質問に即答できるんですね。理三の方は。個別指導塾とかも取材に行ったことあるんですけれども、他の科類の方が生徒さんの質問に即答できなくてスマホで調べてたことがあるので、それも時給って考えると、即答してくれる理三の人がありがたいですよね。
どういう高校から理三に人が来ているのかみたいなところなんですけど、お話しいただいてもいいですか?1962年が第1回の試験なんですね。その時はほとんどが国立の学校なんですね。それで私立が本当に麻布とか灘とか愛光、栄光学園、そのぐらいだったんですけれども、今年を見ていただくと逆にほとんどが私立の中高一貫校です。取材でご自宅まで行ったことがあるんですけど、地方から1人で頑張っていた方は大きな予備校もないので、自分で勉強方法の工夫をして合格したような感じなので、1人で入るのは確かにすごいですよね。
どのぐらい頑張ればいいのかとか、ペースメーカーがあまりないですからね。人数が多い学校でしたら、ロールモデルとして先輩がこのぐらい勉強して理三に入ったからこんな感じで、というのも分かりますし情報も来ますし、周りで理三を目指してる人がいっぱいいると教え合ったり励まし合ったりできるので。いっぱい入ってる学校は周りがみんな受けるので、受かりやすいかなって思います。医学部志望の人の割合によって東大合格者数が変わるっていう話も聞きますよね。医学部に行く人が多い年はずば抜けて東大合格者数が減るし、でも出来が悪かったわけじゃない、みたいな。
理三は基本医者になる人がもちろん多いというところで、医師国家試験を受けてらっしゃると思いますけど、これの成績って理三生は他の医学部と比べてどうなんですか?入学の時の偏差値を考えたら全国1位でもおかしくないんですけれども、実際どうかって言いますと、国立大学ってあんまり国試の対策をやらないんですよね。私立大学はすごく対策してますので、その合格率を見て受けようっていう受験生が多いですもんね。ですから去年は真ん中ぐらいだったんですね。今年はちょっと良かったんですけど、82大学ある中で70番台の年もあったり。受ける人数が少ないので、1人落ちると1%近く落ちちゃうんですよ。すごい数が受ければ1人2人落ちても関係ないんですけど、100人前後で受けてますので、1人の合否が大きくなってしまって。
医師国家試験は90%ぐらいが合格率なんですよ。「基本受かるよね」っていうのがあって、逆に理三生は舐めちゃう。でも大学受験で求められている能力と医師国家試験は全然違って、理三に受かるために必要な力って「1を聞いて10を知る能力」だと僕は思うんですけど、数学、物理、化学、英語、国語、これが2次試験で、暗記じゃなくて応用させて解いていくところがあるから、全然覚えてないけど要領よく理三に受かっちゃったよって人がゴロゴロいるんですよ。東大の問題は初見でも解ける、初見が楽しいみたいなのがありますよね。パズルだと思って解いてるっていう人がたくさんいる中、医師国家試験はもう知識をとにかく詰め込まなきゃいけないんで、ゲームが違うんですよね。全部の臓器の全部の疾患に対するどういう治療があって、どういう診断をしなきゃいけなくて、を全部覚えていかなきゃいけない要素があるんで、ゲームが違うのに舐めちゃって対策不足で落ちるとかが結構発生します。
落ちる理由に舐めてっていうのもあるんですけれども、河野さんもそうですけど在学中に起業される方もいらっしゃるんですよ。5年の時に起業して1年目で1億売り上げた方は、もうそっちの方が忙しくて勉強する時間がないと。それでも今までは順調に来てるからって言うんですけど、おっしゃった通りで覚えることがまず多いのと、最近医師国家試験も変わりまして臨床の問題が増えたんですよね。あと問題数がめちゃくちゃ多いですね。2日間ひたすらマーク式の問題を解き続けるのが医師国家試験で、2000問ぐらい解くのかな。それを1年分解くだけでも相当大変っていう感じです。
普通、医学部に入ると1年生の時からがっつり医学の勉強をするじゃないですか。でも東大って理二と同じクラスで教養科目の必修が結構あるじゃないですか。それもハンデになるといえばハンデですかね。かなり影響あると思ってて。医学部って基本的に最初の4年間で勉強して、最後の2年間は臨床実習で実際に実習を回るんですけど、東大理三の場合って最初の2年は教養課程だから、2年間医学を学んでそこから実習に回るので、その実習に入ったタイミングでの知識量が下がって、そうすると実習を回ってても吸収量も違うよねっていうのもありますし。他の大学って合格率を大事にするんで、国試に受からなさそうな人を卒業させない、留年させるというのをしてるんですけど、東大はそれをしない。
全くないですね。大学6年の後期とかは過去問をひたすらやらせる授業があったりとか、とにかく医師国家試験の合格率を高めるための授業があるんですけど、東大にはない。そういうバックアップがある学校とない学校で、理三生が「今まで頑張ってきたし自分はできる方だから大丈夫」って思っているとちょっと違う結果になってしまう。でも医師国家試験は過去問を3、4年やり込めば意外と戦えるようにはなっていて、理三生とかはテストを点取りゲームだと思ってやってる人も結構いて、僕自身もどっちかっていうとその部類で、どうやったらこの試験に最短で効率よく受かるかなっていうのを考えて、「過去問だ」っていうので1ヶ月詰め込みました。
理三といえば天才集団みたいなところがありますけど、どのくらい勉強してらっしゃる方が多いという印象ですか?一番最初に取材させていただいた方に、定番の質問で「どのくらい勉強しましたか?」っていうのを合格した方に伺ってたんですけど、「勉強は時間じゃないですよ」って言われて。例えば同じ2ページ分の問題を解く時に、理三を受けようと思ってる人たちは解くスピードも早いんですよね。それともう分かりきってることとか無駄を省いて効率よく勉強しているので時間じゃないって言われて、なるほどそうだなと思いまして。同じ量をやるとしても早く終わるので、結構ゲームをやってる方とかも多いのにびっくりしたんですね。
同じゲームをするにしても、ゲームをする方向性がちょっと違う気がしてて。例えば普通にRPGをやるとしても、ただ道なりに沿ってラスボスを倒して終わりじゃなくて、敵の弱点は何だとか、どうやってやり込めるか、どうやってコンプリートできるかとか、いろいろ戦略を練って考えてゲームをプレイしてるかが結構違う気がしてるんですよね。だから同じゲームを100時間やっても、なぜか理三に受かってた人たちはゲームの中で地頭力みたいなものが鍛えられていく感覚はありますね。
さっきのテストとか試験に向けて準備するのと同じようなマインドでゲームをやってるみたいな。そうですね。受動と能動の違いだと思ってて。ゲームの一本道に沿って動かされてるのか、自分で動いて「ここの部分に宝箱があるかもしれない」とか考えながら効率よくゴールを目指すっていうのを、常にやってるのが理三生のイメージにありますね。それはきっとゲームだけじゃなくて何に対してもそうなんでしょうね。
見てらっしゃる方でお子さんを例えば理三に入れたいと思ってらっしゃる方もいると思うんですけど、その辺りっていかがですか?鉄緑会っていう塾が大阪と東京にあるんですけれども、東京校の場合は指定校制度があって、例えば開成とか筑駒とか桜蔭に合格したら、合格発表日におめでとう、次は東大だって書いたチラシを配っていて。教材もすごくよくできてると思いますし、行って合格する方も多いんですけど、とにかくスピードが早くて量も多いので、それについていけるお子さんはそこで頑張ればいいと思うんですけれども、ついていけないのに無理に行かせるのはちょっとかわいそうかなっていうのがありまして。やっぱりお子さんに合った塾を選ぶのが一番大事だと思います。
今、河野塾という塾をオンラインでやってるんですけれども、同じ講座でも東大に受かっていく子とあんまり伸びない子で差が結構あるなって思ってて、それは勉強のスタンスが違うんですよね。本来であれば核さえ押さえれば要領よくいろんな問題が解けるようになるはずなんだけど、1個1個全部覚えちゃうとか、そういう風に勉強に向き合っちゃうとなかなか伸びていかないなって思ってて。例えば『レイトン教授』っていうゲームがあるじゃないですか。あのゲームを面白がってやれるかどうかって結構差があると思うんですよね。
見たことないようなパズルの問題で、「こんなの難しくて解けないよ」ってほっぽり投げちゃう子供だったら、きっと見たことないものに対して能動的に取り組んでいかないし、逆に「わかんないけど多分子解けるんだろうな」と思って、何時間でも考えて1日で気づいたらクリアしてるっていう子だったら、おそらく見たことない問題でもこれまでの知識体系を用いれば攻略できるんじゃないかと思って挑めると思ってて。ゲームで言うとそこですけど、それ以外の細かいところで未知のものに自分の持ってる武器でどうにか対応しようとしてみる、その積み重ねが差を生んでるんじゃないかなって思うんですよね。
分からないものを面白がれるかどうかに分岐点があるというのはすごく納得するんですけど、途中で変わることってありますか?「もうこの子は面白がってない」となったら、そこから挽回は難しいですか?これは実際に僕、対面で「赤門道場」っていう企画で東大受験生を教えたりしてるんですけど、無理やりその考え方をインプットしようとしてて。僕自身、物理とかって10何年ぐらい触ってないんですよね。でもコンデンサーの問題とか見せてもらって、解けるんですよね。別に公式を忘れてても。生徒の子とかはパッと見て難しそうだから「解けませんでした」ってなるんですけど、「いや、俺10何年ぶりだけど、本質を押さえてれば見たことない問題だけどどうせ解けると思ってるよ」と。「原理原則がこれだから、こうなるよね」っていうのをずっと横で見せてあげて。「だからそういうマインドで日々学習に取り組むことが重要で、こういう能力こそ東大が求めてるんだよ」っていうのを伝えて、そこから成長の兆しが見えてきた子もいるんで、それを実際にやって見せる矯正は必要かなって思います。
目の前に参考書を積んでというところより、その考え方の枠組みをインストールする方が先にやった方が良さそうですね。それが小さい頃からインプットされてるかどうかで、例えば5歳でインプットされてたら受験まで13年ぐらいあって、その13年間ずっと小さい積み重ねをいろんなところで差を生んでしまうと思うので。早い段階でその考え方をいかに入れるかとか、勉強を好きにさせるかとか、そのマインド自体をどう整えるかっていうところが、親が理三に入れたい場合に重要になってくると思いますね。
理三の人の生態がなんとなく分かってきたところで、今度「天才・奇人・変人揃い」なのかというところに移っていきたいんですけれども、庄村さんが理三の方の恋愛・結婚事情についても取材なさってるんですよね。まず受験の時に彼氏・彼女がいたかどうかを聞いたんですね。共学の人はいたって答えた人もいるんですけど、データにありますように私立の中高一貫校とか筑駒のような国立の男子校・女子校が多いので、「いなかった」っていう人が圧倒的に多くて。ただ、やっぱり東大に入ったらみんな彼氏・彼女ができてるんですね。理一ですけど、イチョウが散るまでに彼氏ができなかったら一生彼氏ができないって言われてました。そのぐらい東大の環境で半年でできないならできないだろうって言われるぐらい、みんなすごくて。
初恋の年齢も聞いたんですけれども、初恋が18とか19っていう方が数人いたので、東大に入って初めて女性に恋をしたっていう人がいて。先ほどの合格者の内訳であったと思うんですけれども、99人のうち女性が21人しかいないので約2割なんですけれども、2006年に入学した女性に伺ったんですけれども、その時は10人しかいなかったということで。100人中10人なので結構モテるみたいで、その10人の女性のうち3人が同級生のお医者さんと結婚したっていう。
理三の人って、理三内でくっつくことが多いですよね。同級生も結構結婚してる人いますよね。僕のイメージなんですけど、理三女子側が外の世界で結婚しようとあんまりしない。「理三」って言っちゃうと相手が引いちゃうみたいな話を結構聞いて、だから「私たちは理三の中で結婚するしかないんだ」って端から思ってる人が多い印象はありましたね。医師自体がキャリアを作るのが難しくて、それこそ出産とかも考えるとどのタイミングで医師の世界から1年、2年離れようかっていうところが難しいので、学生のうちに結婚する人も多いです。するならもう内部で早めにか、もうしないでキャリアに突き進むか、みたいな。
これ、東大理三に限らず東大女子全般に言えることじゃないですか?他大の人と交流すると「あ、東大女子なんだ」って距離を置かれちゃう経験をしたことが多分1、2回はあって、「じゃあやっぱり自分は学内の中で付き合うのがいいんだ」って思ってる東大女子が多いイメージはあるんです。女子の場合は理三内で結婚するか、あるいは研修が終わる頃にお医者さんと結婚する方が多くて。一方で男性の場合はもう結婚相手は様々で、お医者さんと結婚する方もいれば看護師さんとか、お見合いやマッチングアプリ、友達の紹介など、女性の職業は様々なんですけど、理三女子の場合はやっぱり相手はお医者さんが多いイメージですね。
でも男女比を考えたらしょうがないですね。21人全員取っても50何人余っちゃうわけですから。鉄門運動部の話も結構ありましたよね。他大の女子学生が結構マネージャーで入ってたりして、その中で付き合ったりもあるんですよね。サポートしてくれる女子マネージャーを募集しに女子大にチラシ配りに行って入ってもらったりした時に、やっぱり「東大医学部」「東大理三」っていうのが目を引いて、新人の部員よりマネージャーが集まった年もあるっていうくらい。
春とかは他大の女子の子とか「東大医学部どんな人か見に行こうよ」って友達を誘って、友達何人かで入ってくるみたいな。物珍しさで一旦行ってみようと。で、最初の4月5月を過ごして、結局秋ぐらいになるとみんなごっそりいなくなって、秋には3、4人になってるっていうのは結構聞くんで、多分最初だけだと思うんですよね。本当に好きじゃないとその競技のサポートを続けられないですよね。ハードでしょうし。東大理三の人たちとキャッキャ遊ぶのかなって期待して入ってくる人が、「めっちゃ真面目に競技に取り組んでるじゃん」って期待外れで辞めていく人もいます。
理三の人って、結婚する人は早いイメージです。先日行った結婚式が私以外みんな理三だったんですけど、みんな結婚は当然済んでいるものみたいな感じで。業界によるんだなってびっくりした覚えがあって。周りは早かったですか?二極化してるイメージがありますね。医師になる前に結婚しちゃう人と、1回医師になるとキャリアの形成にあたってなかなか結婚に時間は割けない時期が続くので、専門医を取って一旦落ち着いた30代後半とかに「結婚そろそろしようかな」って考える人もいるかなっていう。
38歳の方は、他の大学を卒業した後に東大理三の入試にチャレンジして、3回ダメで4回目に合格して結婚されましたね。合格が決まったら結婚しようと。他の学部を出た後に「やっぱり医者になろう」で理三っていう方もいらっしゃいますね。理学部の数学科を卒業した後に受験された方とか、理二に入って仮面浪人して理三を受けてっていう方も。学内の進学選択で医学部に行くのって、理論上は可能ですけど相当ハードル高いですよね。
僕の年は女子1人で男子が結構多かったんですけど、進振りってゲームが違って、東大で100点満点中平均91、2点ぐらい必要になるのですごい大変なんですよ。必修で真面目に点数を取るのはもちろん、選択科目で高い点数を狙っていくんですけど、取れなかったらどうするかというと、たくさん選択科目を受けるんですよ。選択科目の枠が例えば30個あるとして、これで平均点90点いかないと思ったら、90点乗せられそうな選択科目をたくさん取って、下の点数の科目を枠から追い出すっていうことをしていて。たくさん授業を受けるという狂気的な点取りゲームに参加して進振りをパスしていくので、同級生が医学部に行きたいって言ったら再受験を勧めると思います。そっちの方が確実なんじゃないって思っちゃいますね。
天才・奇人・変人というテーマもありましたけど、多いですか?やっぱり多いと思います。2人ぐらい挙げるとしたら、まず和田秀樹さんが、勉強のやり方を考えられてる方で受験の本もいっぱい出していらっしゃって、今も精神科医として働いていらっしゃって。実は理三に入ったのが映画監督になりたかったからということで、映画も今まで5作品撮られて、本当に素晴らしいなと思ったんですけれども、勉強のやり方を身につけたから何でもできるんだっておっしゃってましたね。
それからもう1人は瀬尾拡史さんという方なんですけれども、3歳から公文をやっていて、プリントをやるのが楽しくて仕方なくて、幼稚園の頃の趣味が因数分解だったということで。筑駒に行かれたんですけれども、筑駒時代に3DCGの番組を見て「医学部に入って3DCGを作りたい」ということで理三に行かれたんです。現在はMRIとかCTの画像を瞬時に3DCGにするソフトウェアを作って、『ブラックペアン』でも使われていたんですけれども。早稲田の講義に行って実際に見た時の画像がすごすぎて印象に残ってるんですけれども、それを作ったことによって赤ちゃんの心臓の手術の術式を何を選んだらいいかっていうのが3DCGを見て決められたので、赤ちゃんの命を救うことができたと。そういう話を聞いた時すごい感動しまして。いろんな施設にそのソフトが導入されているので、そういう3DCGが当たり前の世の中になってくれたらいいなって思いました。
河野さんも天才と言われてきた人生だと思うんですけど、天才エピソードを聞いてもいいですか?小3の時には公文で高校数学の課程までは終わらせていて、高2の終わりの時にはもう東大理三に受かるなっていう実力でした。入試当日、先輩が受けてるものを後輩も受けて実力を知ってみようっていう東大同日体験受験があって、みんな「来年にはこれ解けなきゃいけないのか」って絶望する試験で、理三の合格点プラス30点ぐらい取って、「今受けても余裕だな」って思ったっていうのはありますね。
中3の時に学校で東大模試を受けさせられて、そしたら成績優秀者として「特待でうちに来ませんか」って塾から電話がかかってきて、タダだったらいいかって思って通いました。でも高1の授業は別にそんな刺激がなくて、高1の模試を受けても全部簡単だったんで、1回ちょっと上の模試を受けてみようかなと思って高1ながらに高2の東大模試を受けてみたら、そこで冊子に載って成績優秀者で「高2の授業をタダで受けませんか」って電話がかかってきて。そこから1個上の授業をずっと受けてたんですけど、高2の時も高3模試を受けて冊子に載って、理三はずっとA判定キープして、みたいな感じでしたね。
河野さんが実際理三の中にいて印象に残ってる同級生や先輩後輩はいらっしゃいますか?僕、医学部に通いながら司法試験を受けてたんですけど、同級生に1人ライバルがいたんですね。僕が司法試験を受けるって決めて「8ヶ月後が試験だ」と思った時に、ちょうど同級生に「実はこの人も司法試験を受けるらしいよ」っていう噂を聞きつけて。どうやらその人はちょっと早めに勉強してたから、僕よりずっと進度が前だったんですよ。「あの人に負けたくない」と思ってずっと勉強してて、でもやっぱりその人の方が先に始めてるっていうのもあってどんどん前に進んでいって、その人も理三だから進度も早いし、「頑張って追いつかないとな」と思ってたんですけど、蓋を開けてみたら申し込み期限が過ぎちゃったらしくて。
ずっと追いかける立場だったのに、急にその追っかけてた人が「今年、俺受けられなかったわ」ってなって、結果的に僕1人になったんですけど。翌年はその人もう受けるのをやめて、興味がコロコロ変わる人で。大学3年の時に予備試験、大学4年で司法試験を受ける年だったんですけど、1年ずれ込むと司法試験と病院実習が被っちゃうんですね。だからこそ今年で受からないと、というのがあって。1年先延ばしにしたら単純に2年間司法試験の勉強になっちゃうし、興味も薄れたのかなとは思います。だから結果的に受かったのは僕1人だったんですけど、もしかしたら幻の2人目で、2人で受かってたかもしれないですね。
河野さんからご覧になって、今まで出会った最強の理三生ってどんな人ですか?例えば大谷翔平さんと那須川天心さん、どっちが運動神経いいですかって言われても難しくないですか?運動神経というのもいろんなジャンルがあるじゃないですか。だから理三生の中でも全員ベクトルが違うんですよね。医師になってその中で研究してる人もいれば、数学科に進む人もいれば、映像業界に進まれた人もいて。基本どの業界でも一定の成果を全員残してると思ってるんで、この人っていうよりかは理三という集団全体が特異的で、日本における外れ値集団な印象はありますね。
ご自身の人生を振り返って、理三に行ったことはよかったと思いますか?めちゃくちゃ良かったですね。意識が高い優秀な人たちの環境に身を置けたっていうのもそうですし、自分自身やっぱり理三卒、東大医学部卒として「同級生に負けない結果を残していきたい」という良いモチベーションにもなるので、優秀な人たちと横並びでこれからの人生を歩めるっていうのは、僕としてもすごく良かったかなと思いますね。面白かったです。お二方、本日は貴重なお話をどうもありがとうございました。ありがとうございました。
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