間違えがちなメンズコーデ8選:トレンドの変化で「合わなくなった」組み合わせ

YouTubeで開く ↗
概要

ファッションブロガーのMBは、この動画で、よくやってしまいがちだが実はうまく見えないメンズの着こなしを8つ挙げている。冒頭では「服はたくさん買っているのに、いい服を着ているとは言われても、おしゃれとは言われない」という悩みを想定し、原因はアイテムではなく組み合わせ方にあるのではないかと問いかける。

12分で読めます

MBによれば、ファッションは自由だが、かっこよく見せるには何らかの法則がある。しかもその法則はトレンドによって少しずつ変わる。業界が意図的に変えているわけではなく、みんなが同じ着こなしに飽きて新しいものを求めるうちに、着こなしの「正解」が移っていくのだという。そのため、セレクトショップや街に足を運んでいない人は、アイテムは新しくなっていても着こなしが古いままになりやすい。今回の8項目は、そうしたずれを具体的に指摘するものである。

2:20

① バレルレッグにプラットフォームシューズ

1つ目は、バレルレッグのパンツに厚底のプラットフォームシューズを合わせる組み合わせだ。MBは、アイテムによっては成立するので主語を大きくして語るのは良くないと前置きしたうえで、それでもかなりやりがちな失敗だとする。

話の入り口は、なぜ最近急にフラットシューズが流行っているのかという疑問である。身長も脚の長さも盛れる厚底が人気だったのに、去年の冬ごろからぺたんこのフラットソールが流行り出した。MBはこれにいくつかの説明を挙げる。1つは、厚底が流行りすぎて相対的に価値が落ちたという説明だ。最初はおしゃれな人だけが履いていたものを中学生もおじさんも履くようになると、服好きは同じものを履きたくないと感じて逆方向に向かう。太いパンツが流行れば細い方へ、ストリートが流行ればクラシックへ向かうのと同じ理屈だという。

ただしMBは、それだけでなく、バレルレッグが流行ったことでプラットフォームが廃れてきたという見方もできると話す。プラットフォーム自体がダメだと言っているわけではなく、MB自身も履く。ただ、全体に「盛り盛り」のソールは少しずつ廃れており、盛るにしてもヒールで盛る、あるいはシャークソールのように変化のあるソールを選ぶ方向に移っているという。

相性の理屈を説明するために、MBはスキニーパンツを例に出す。細いスキニーに厚底を合わせると靴だけが浮いて見えることは、多くの人が想像できるはずだ。スキニーにはシャープな靴か、盛るにしてもヒールだけを盛る靴を合わせる。一方、プラットフォームに合うのは基本的にワイドパンツやワイドテーパードで、ある程度の裾幅が靴を少し隠し、パンツと靴のボリューム感が一致するので違和感なくつながる。

そこに登場したのがバレルレッグである。上から下までずどんとしたワイドに飽きた人々が、もっと変わった形を求めた結果、ウエスト周りも裾周りも少し細く、脚のラインを隠しつつ大人っぽさも出せる形として、GUが火付け役となり多くのブランドやメゾンが作るようになったとMBは説明する。バレルレッグは裾に向かって急な角度で細くなる形なので、そこに大きな靴を合わせると、スキニーにでかい靴を合わせたのに近い雰囲気になってしまう。前側にねじれた形のバレルレッグも、脚にフィットしやすいのに足元だけが大きい、という同じ問題を抱える。

そのため、バレルレッグにはパンツの裾のラインに合わせて、小さめでフラットな靴、つまりローファーやフラットスニーカー、革靴のようなローシューズが合うという。MBは、ローファーやフラットスニーカーがトレンドになっているのは、バレルレッグの登場によって靴のボリュームを下げようとする流れが生まれたからだと見ている。去年までの感覚で厚底を合わせる人は多いと思うが、全部が合わないわけではないにせよ慎重に考えるべきで、バレルがきついほどフラットシューズの方が合わせやすいはずだという。分かりやすい例として、GUのスムーススウェットのバレルレッグの黒に、同じくGUが展開するナイロンコンビネーションのフラットソールスニーカーやローファーを合わせる組み合わせを挙げている。

② テーラードジャケットにハット

2つ目はテーラードジャケットにハットを合わせる着こなしである。ストリートのトレンドが終わってクラシックな流れになり、ダウンジャケットやブルゾンを着ていた人がジャケットに移るケースが増えている。特に肩パッドのしっかり入ったクラシカルなジャケットやダブルブレストが人気だという。同時に、キャップをかぶっていた人がハットに注目しており、MBは知り合いのブランドでハットの売上が伸びた話を聞き、自身のブランドでもハットを出したところ人気だったと話す。

しかしMBは、ハットとジャケットの組み合わせには注意が必要だとする。ハットにはブルゾン、ジャケットにはキャップの方がスムーズに決まるという。素材感やシルエットによって合う合わないはあり、絶対ダメではないが、主語を大きくすればジャケットにハットは難しい。理由は、どちらもかなりドレスライクなアイテムだからだ。サファリハットならまだ分かるが、ウールフェルトのきっちりしたハットにクラシックなジャケットを合わせると、冠婚葬祭の服装やミュージカルの衣装のようになり、「決めているジャケットに決めているハット」という印象になってしまう。

合わせるなら、ジャケットをオーバーサイズにするなど、どこかで崩す必要がある。MBは、ヨウジヤマモトのように全体をオーバーサイズにしてハットをかぶるからかっこいいのであって、普通のサイズのクラシックなダブルブレストにハットをかぶると難しくなると説明する。特にメンズでは、ドレスのアイテムにはカジュアルなアイテムを合わせるという考え方をセットで持っておくとよい。ジャケットのセットアップには意外とキャップが似合い、鏡の前で試せばちょうどよく崩れるのが分かるはずだという。逆に、ジャケットにスラックス、ハット、革靴とすべてを決めてしまうとやりすぎになる。トレンドのアイテムをトレンドで全部合わせてもおしゃれになるわけではない、というのがMBの主張だ。

ハットが一番似合う例として、MBは上下デニムを挙げる。デニムジャケットにジーンズを合わせ、そこにハットをかぶると非常にかっこよく、全盛期のキムタクがそうした着こなしをしていたという。自身のブランドでもこの着こなしを提案するアイテムを作っており、インスタグラムでも上下デニムにハットを合わせた年配男性をよく見かけると話す。カジュアルなものにはフォーマルなものを、フォーマルなものにはカジュアルなものを、というのが初心者向けの覚え方として示されている。

③ シャツセットアップのボタンを全部留める

3つ目は、シャツとパンツのセットアップでボタンを一番上まで留めることだ。この時期はシャツのセットアップを選ぶ人が多く、GUなどがテトロンとレーヨンのTR素材でシャツジャケットとテーパードスラックスをセットで提案している。これを馬鹿正直に一番上まで全部留めると、人民服になってしまうとMBは言う。特にカーキ系やベージュ系でやると「マジで人民服」になり、黒ならまだ大丈夫だがカーキやベージュは危ないという。

ファッション関係者や服に詳しい人はそうした着こなしはしないが、何も知らない人が「セットで着られるからコーディネートを考えなくていい」と買い、いつものドレスシャツの感覚で上まで留めると、この問題が起きる。MBは、少なくとも上から2つほどボタンを開けるよう勧める。1つよりは2つ開けた方がいいという。

MBはまた、以前ブログか何かで「GUのセットアップはかっこいいと言われているが人民服ではないか」と書いていた人がいたことに触れ、それは着こなしの問題であり、それをもって服自体がダメだというレビューを書くと混乱を生むと述べる。シャツセットアップは上を開ける、というのを鉄則として覚えておくとよいという。

14:27

④ シャツやニットのインナーにTシャツ

4つ目は、シャツやニットのインナーにTシャツを着ることである。首元から白Tをのぞかせてあえてレイヤードするのもおしゃれだが、MBはそれを「中級ぐらい」と見ており、初心者ならインナーは問答無用でタンクトップにするよう勧める。

タンクトップは首元が大きく開いているので、トップスの首元に干渉せず、中のものが見えない。首元が開いていると顔が少し小さく見え、スタイルが良く見え、色っぽい印象も出る。首が詰まっているよりも開いている方がかっこいいというのがMBの考えだ。白を狙ってのぞかせられないなら、レイヤードで失敗するよりタンクトップの方が簡単でかっこよく見える。MB自身も考えるのが面倒なので基本的にレイヤードはせず、タンクトップを合わせているという。

注意点として、ノースリーブとタンクトップは別物だとMBは強調する。ノースリーブはTシャツの袖を切った形で首が詰まっているが、タンクトップは肩がストラップになっていて首元が大きく開いているものを指す。GUなどの安いタンクトップで十分だという。これからニットを着る時期には、中のTシャツがちらっと見えると、だらしない、やぼったい印象になりかねない。色や素材まで考えられる人なら別だが、初心者はタンクトップを入れるべきだという。

タンクトップにニットではチクチクしないかという疑問に対しては、今のニットはそれほどチクチクしないと答える。どうしても気になるなら、エアリズムの長袖か半袖を買ってきて、首元をハサミで大きく切り開けばよいという。エアリズムは切ってもほつれないためだ。ただ、ほとんどの人はタンクトップで違和感もチクチクもないだろうとMBは見ている。

⑤ スカーフを全部外に出す

5つ目はスカーフの扱いだ。最近はスカーフがトレンドになり、男性でもスカーフやネッカチーフを巻く人が増えている。カットソーやニットにスカーフを巻き、それを思い切り表に出す着こなしについて、MBは「悪いわけではないが難易度がかなり高い」とする。

せっかく巻いたのだから見せたいと思うのは当然だが、スカーフは首元にあるのでどうやっても目立つ。人が最もよく見るのは顔や首回りだからだ。そこで、スカーフは中に入れ、ほんの少しだけ見える程度にすれば十分アクセントになるという。コーディネートに自信がないなら特に中に入れるべきで、少し見えているだけでも、普通にカットソーやニット1枚で着た場合と比べて印象は大きく変わるとMBは話す。

スカーフの選び方については、GUでも構わないという。GUはレディースでスカーフを展開しており、黒のドット柄やチェック柄など、どれでも問題ない。どうせ首元の一部しか見えないので、レディースかメンズかはあまり気にしなくてよく、イチゴ柄のようなものでなければ大丈夫だという。巻き方も、中に入れるので首に引っかける程度で構わない。形を固定したいなら、500円程度で買える安いピンキーリングにスカーフを通すと固定できる、という方法も紹介している。

18:51

⑥ きっちりタックイン

6つ目は、トップスをパンツにきっちりタックインすることだ。タックインは再び復活しつつあるが、MBは長年言っているとおり、ぴったり入れるのではなく、少し緩めて垂らす「ブラウジング」をするべきだとする。ベルトループやウエスト周りを隠すくらいの感覚でゆとりを持たせるという。

その具体的な方法としてMBが紹介するのが「万歳」だ。まずトップスを思い切りきっちりタックインし、そのあと思い切り万歳をして腕を戻すと、ちょうどよいブラウジングになる。MBはこれをタックインの裏技と呼び、程よくブラウジングするには万歳が一番だとしている。

⑦ シンプルな指輪を1つだけ

7つ目はアクセサリーの話である。最近はシルバーアクセサリーがメンズにもかなり浸透し、MB自身もシルバーのブランドを手がけて百貨店でポップアップを行っている。そこで初心者からよく「最初に何を選べばいいか」と聞かれ、目立ちにくいものから始めたいという理由で指輪を選ぶ人が多いという。

ここでMBが推奨しないのは、あまりにシンプルな細い指輪を1つだけつけることだ。どうしてもそうしたいなら止めはしないが、おしゃれに見せたいならやめた方がいいという。理由は、別の意味に受け取られるからである。記念品のリングなのか、何か意味のあるリングなのかと見られ、おしゃれとしては認識されにくい。あらぬ誤解を生むこともある。特に時計もブレスレットもネックレスもつけず、リングだけという場合は、何かの意味があるリングとしか思われないだろうとMBは言う。

1つしかつけないなら、少しボリュームのある太めのものか、デザインの入ったものを選ぶのがセオリーだという。もう1つの選択肢がピンキーリングである。ピンキーリングは意味のあるリングとして見られにくく、男性が小指にだけつけていると妙に色気が出る。MBはむしろ時計とピンキーリングの組み合わせを勧めており、シルバー初心者がピンキーリングから入るのも十分ありだとしている。

22:00

⑧ きれいめにしようとしてビジネスコーデになる

最後は、きれいめにまとめようとして結果的にビジネスコーデになってしまうケースである。MBは、30代・40代以上になりTPOが求められる世代になると、普段のカジュアルもある程度きっちりまとめたい人が多いと見る。そこでポロシャツをタックインし、スラックスに革靴っぽいスニーカーを合わせると、普段着までビジネスウェアのようになってしまう。

MBは、昔ならこの現象は起きなかったと考える。以前はネクタイにジャケットが鉄則だったので、オンとオフの区別がひと目でついた。しかし最近はオンとオフの境界が曖昧になり、ポロシャツにスラックス、革靴っぽいスニーカーで出社する人がかなり増えている。その結果、中途半端なきれいめコーディネートがビジネスカジュアルに見えてしまうのだという。

ビジネスカジュアルに見せないためのポイントとして、MBは色使いと靴を挙げる。靴はあまりシンプルなものにせず、ビットローファーやタッセルローファーのように金具や飾りの付いたものを選ぶと、遊びが生まれ、大人っぽさを保ったままカジュアル感が出しやすい。

色については、黒を使うとビジネス感が消えやすいという。ビジネスではネイビー、サックスブルー、白などは使うが、真っ黒はあまり使わない。スーツでも黒のシャドーストライプのようなものなら使うが、基本的に真っ黒は少ない。だから、いつものポロシャツにスラックスでも、上下とも黒にするだけで意外とカジュアル感が出るとMBは話す。黒はフォーマルな色だが、それは冠婚葬祭の意味でのフォーマルであり、ビジネスシーンの色ではない。決めすぎになる恐れはあるものの、ビジネスから離れたいなら黒を積極的に使うことを覚えるとよい、というのがMBの最後の提案である。