「オフになれない」過緊張の正体と対処法 精神科医・産業医の奥田弘美さんに聞く
新R25チャンネル仕事が終わって家に帰っても頭が仕事から離れず、うまく眠れない。新R25のインタビューで、著書『それ、すべて過緊張です。』を持つ精神科医・産業医の奥田弘美さんが、この「過緊張」という状態について話した。過緊張とは何か、なぜ起きるのか、どう休めばよいのか。奥田さんは、過緊張は誰にでも起こるもので、それ自体は病気ではないと言う。そのうえで、長く続くことが問題であり、睡眠と食事を土台にして自分の状態を日頃から確かめることが大切だと説明した。
産業医は「働き続けてよいか」を判断する医師
最初に聞き手が尋ねたのは、「産業医」という仕事の中身だった。奥田さんによれば、産業医学を専門とする医師もいるが、現在は一定の研修を受ければどの医師でも産業医になれる。簡単に言うと、企業に出向いて従業員の心と体の健康をケアする「働く人のための内科」のような役割である。
普通の医師と違うのは、治療をしない点だ。ざっくりとした診断はつけるものの、医療機関ではないので、診断してすぐ治療するわけではない。産業医が判断するのは、その人がこのまま働いてよいか、残業や仕事量を減らして心身を休めながら働き続けられるか、それとも休む必要があるか、である。治療が必要な人は適切な医療機関に紹介し、受診を促す。健康診断の結果もすべて確認し、数値の悪い人は同じように医療機関につなぐ。奥田さんは現在、仕事の大半が産業医業務で、日々さまざまな会社を訪ねてビジネスパーソンの健康ケアにあたっているという。
過緊張とは「交感神経が過剰に緊張し続けている状態」
奥田さんによると、過緊張は正式には「交感神経系が過度に緊張している状態」を指し、病名ではない。
説明の前提は自律神経の仕組みだ。自律神経は、交感神経と副交感神経が車の両輪のようにバランスを取りながら、心拍、呼吸、血圧、気持ちの調整など、自分の意思では動かせない部分を調整している。交感神経は活動の神経で、「オンタイム」を担う。体も精神状態もほどよく緊張させ、脳を覚醒させて、仕事や活動に向いた状態をつくる。仕事中は筋肉がほどよく緊張し、血圧もやや上がるので、体がてきぱきと動く。副交感神経はその逆でリラックスを担い、夕方から夜にかけて優位になって眠りへ導く。
過緊張の人は、交感神経が異常に興奮したまま緊張が続く。本来なら夕方には副交感神経が優位になるはずなのに、交感神経が優位なままになり、オンとオフがうまく切り替わらない。
原因はストレス。問題は「続くこと」
切り替えがうまくいかなくなる原因を、奥田さんは一言で「ストレス」だと言う。日中に気になることやショックな出来事があった場合もあれば、ビジネスパーソンに多いのは、締め切りが迫っている、翌日にとても緊張する仕事が控えているといった状況である。家に帰っても仕事のことが頭から離れず、本来ならリラックスしたい時間にそわそわして、仕事のことばかり考えたり、場面が思い浮かんだりしてしまう。
聞き手も、インタビューの前日は翌日うまくいくか心配で、寝る前にいろいろ考えてしまい寝つきが悪くなると話した。大事な会議や商談の前日に眠れない人は多いのではないか、という問いに対して、奥田さんは、それは仕事のストレス度が高まっているからで、誰にでも起こることだと答えた。小さな子どもが明日の遠足が楽しみで眠れないのも一種の過緊張だという。
ただし、その状態が長く続くと、睡眠の質が落ちて短くなり、体の緊張が抜けないためにあちこちに不調が出てくる。疲れが取れず眠れない状態が続けば、メンタルにも影響が出ることが非常に多い。奥田さんは目安として「2週間前後」を挙げた。メンタルの病気では、眠れない状態や気分の落ち込みが2週間前後、あるいはそれ以上続いて日常生活に影響しているかどうかを判断の目安にすることが多い。そのくらいの期間過緊張が続くと、医療の手助けが必要になる人が一定数いるという。
チェックリストで分かった聞き手の「軽度の過緊張」
著書の26ページには、「本格的な過緊張」と「軽度の過緊張」の2種類のチェックリストが載っている。聞き手が実際に試したところ、本格的な過緊張の項目はあまり当てはまらなかったが、軽度の過緊張はほぼすべてにチェックがついた。とにかく忙しく時間に追われている気がしてそわそわする、以前より夢をよく見るようになり熟睡できない感じがする、家に帰っても仕事のことが浮かんでリラックスできない、といった項目である。
奥田さんはこの状態を体の面から説明した。緊張している状態は、体にとってエネルギーを使っている状態だ。一方、胃腸の動きは副交感神経が優位なときに活発になり、食欲が出て消化吸収も良くなる。リラックスできないと胃腸がしっかり働かない。そのため使うエネルギーのほうが多くなり、疲れが取れず、体がだるくなる。睡眠への影響も大きい。夢を見ること自体は悪くないが、頻繁に見て起きても覚えている、ふと目が覚めることが増えた、という場合は、睡眠が浅く質が落ちているサインだという。
奥田さんは、軽度の過緊張でも長く続いているなら要注意で、2週間前後続くようなら医療機関に行ってほしいと述べた。判断の分かれ目として挙げたのが週末の過ごし方である。平日はそうでも、土日にしっかり眠れてリラックスでき、疲れが取れているなら、まだよい。土日も眠れず、まったく疲れが取れずに疲労がたまっていくようなら要注意だという。
過緊張になりやすい5つのタイプ
過緊張になりやすい人の特徴として、奥田さんは著書で5つのタイプを挙げている。これは医学的な診断基準に基づくものではなく、精神科医・産業医としての経験から奥田さんが独自に考えた分類だと断ったうえで、次のように説明した。
- 完璧主義タイプ:何でも自分の目指す100%までやらないと気が済まず、人に任せられない。自分で全部やらないと不安になる。
- 真面目・頑固タイプ:手を抜いてよいところや、周りが軽くこなしているところでも力を抜けない。決められたルール通りにやらなければと自分を縛る。
- NOと言えない自己犠牲タイプ:本当は嫌で休みたいのに、頼まれると引き受けてしまい、大切なリラックスの時間を犠牲にする。人のために無理をしてしまう。
- せっかち・負けず嫌いタイプ:バリバリ働くビジネスパーソンに多い、いわゆる意識の高いタイプ。どんどんステップアップしたいので、本来は疲れを取るべき時間を勉強やセミナーに当て、脳と体を休める時間を削ってしまう。
- 心配性・気疲れタイプ:先々のことを心配し、楽観的より悲観的に考えて頭が心配でいっぱいになり、リラックスできない。
聞き手は自分には「NOと言えない自己犠牲タイプ」と「心配性・気疲れタイプ」が当てはまると感じ、日本人にはこうしたタイプが多いのではないかと尋ねた。奥田さんは、民族性としてよく挙げられることだと応じた。和を大切にするということは自己犠牲をしているということでもあり、小さい頃から「わがままを言ってはいけない」と育てられた人が多いので、欧米人に比べて自己主張が少ないと言われる、という見方である。本を出してから、当てはまるのが1つだけという人は本当に少なく、たいてい2つか3つを掛け持ちしているという。どれにも当てはまらないと言ったのは、本当にのんびりしたおおらかな女性1人だけだったそうだ。
スマホとSNSが「オフの時間」を侵食している
いつも仕事のことを考えているのは熱心で良いことにも見えるが、行き過ぎは良くないのか。この問いに奥田さんは、オンとオフの切り替えが非常に大事だと答えた。特に現代は、スマートフォンやインターネットの発達で、本来オフであるべき時間にオンの時間が入り込んでいると指摘する。
奥田さんは昭和の時代を引き合いに出した。当時はスマホもインターネットもメールもなく、帰宅後に外部から連絡が来る手段は電話と、途中から加わったファクスの2つだけだった。よほどの緊急事態でなければ仕事先から連絡が来ることはなく、あまり親しくない人と家で話すこともなかった。情報もテレビくらいからしか入らず、帰宅した時点で仕事から切り離されていたので、自然にオフに入りやすかったという。
今はSNSが多数あり、帰宅後に名前も知らない人と交流したり、ゲームをしたり、アバターで交流したりしている。奥田さんによれば、人間が最もリラックスできるのは、いつも一緒に暮らす家族といるとき(仲が悪い場合は別)か、1人でぼーっとしているときである。親しい人となら平気な人が多いが、知らない度合いが高い相手ほど人は緊張する。夜にSNSでコメントのやりとりをすると、緊張しながら書き込み、届いたコメントにまた緊張したり気分を害したりして、眠れなくなる人もいるという。
仕事でもメールやチャットが夜に届く人は多い。コロナ禍以降はリモートワークも広がり、外資系企業では海外とつないで夜中に会議をすることもある。奥田さんは、人間の体は本来、日中は交感神経を優位にして活発に動いてほどよく疲れ、日の入りとともにリラックスモードに入るようにできていると説明する。副交感神経が優位になって食事をゆったり食べ、しっかり消化し、血糖値が上がって眠くなり、お風呂にゆっくり入って良い睡眠に入る。このリズムが人間にとって一番良いのに、現代社会ではそれが崩れている。そのため誰でも過緊張になりやすく、マスコミのようにイレギュラーな出来事が多い仕事や、翌日に緊張する予定が頻繁にある人は特になりやすいのではないか、と奥田さんは述べた。
3つのR:まずは「レスト」、睡眠と食事が土台
過緊張から抜け出す方法として、著書では「3つのR」、つまりレスト(休息)、リラクゼーション、レクリエーションを紹介している。奥田さんによると、3つのRはストレス解消法として書籍などでもよく紹介されるものだ。レストは休息、リラクゼーションはゆったりとリラックスできる心地よいことをすること、レクリエーションはコンサートやスポーツ観戦、テーマパーク、一泊旅行などの気晴らしの行動を指す。
チェックリストに当てはまる人は、まずしっかり休む必要があるという。緊張が続いてエネルギーを使いすぎ、リラックスが足りずに体が疲れ切っているからだ。奥田さんが特に強調したのは睡眠である。人によって最適な睡眠時間は違うが、睡眠学では平均的に7時間ほどが良いとされていると説明した。人口の5%ほどにはショートスリーパーやロングスリーパーがいて、ショートスリーパーは4〜5時間で平気、ロングスリーパーは10時間ほど寝ないとすっきりしない人もいる。そうした人は7時間にこだわる必要はなく、要は自分に合った睡眠時間をしっかり取ることだという。寝る時間帯も、日中ではなく夜に寝始めて午前中に起きるのが望ましい。
奥田さんは、睡眠をしっかり取らなければ、次のリラクゼーションをいくらやってもリラックスできないと述べた。脳は寝ているときにしか休めず、人間の司令塔である脳を休ませる必要があるからだ。
もう一つの柱が食事である。食事と過緊張は関係ないように思えるかもしれないが、奥田さんによれば、セロトニンやドーパミンといった感情に関わる脳内物質は、すべて食事を原料に作られている。タンパク質、炭水化物、ビタミン・ミネラルを含む野菜類という「3色」で表されるようなバランスの良い食事を、過不足なく、ゆったり取ってほしいという。睡眠と食事の2つがすべての土台になる、というのが奥田さんの立場だ。
疲れているときはレクリエーションより「疲れないリラクゼーション」から
リラクゼーションやレクリエーションは休日に観光地へ出かけるような気晴らしのイメージだが、奥田さんは注意点を挙げた。過緊張の症状が出ているときは、レクリエーションでかえって疲れてしまうことがある。すでに疲れ気味でイエローサインが出ている状態なので、しっかり寝た翌日にいきなり一日中遠出すると、若い人なら出かけている間は楽しくても、帰宅後にどっと疲れが出る。
そこで、しっかり寝て食べてエネルギーが少し戻ってきたと感じたら、心身が疲れないリラクゼーションから始めてほしいという。好きな音楽を聴く、ソファにもたれて頭を使わない軽い本をぱらぱら読む、人混みより自然の多い場所をゆっくり散歩する、ヨガが好きならゆっくりやる。自分が慣れ親しんでいること、ふと「これをやりたい」と思い浮かんだことを、何にも縛られずにやるのがよいという。
慣れているかどうかは大事な基準だ。たとえば近くに行きつけのマッサージ店があるならおすすめだが、遠くの新しいサロンに行くのは、どちらかというとレクリエーションに近くなる。初めての人に会えばやはり緊張するからだ。疲れ具合に応じて決めればよく、レストだけで十分な人もいる。ソファでひたすらぼーっとしたいなら、それでもよい。3つのRといっても、1つだけでも構わないと奥田さんは言う。まずはレストが基本で、睡眠と食事を整え、ソファでごろごろしたり、日向ぼっこをしたり、ペットを抱いてくつろいだりするのでもよい。かなり元気になって気分転換したくなったら、体が疲れず翌日の仕事に響かない範囲で、アクティブに過ごしてもまったく問題ないという。
若いビジネスパーソンほど無理がきく落とし穴
奥田さんは、若いビジネスパーソンと話していると、体力があって無理がきくため、睡眠や食事をおろそかにしがちな人が多いと話す。1人暮らしだと、栄養バランスの悪い食事をしていることも多い。だからまず食事と睡眠を意識してほしいという。若ければ1日2日の無理は大丈夫だとしても、無理をしたら3日目はしっかり寝るなど、自分の体力に合わせて調整する。最低でも休日にはしっかり睡眠を取ってほしいと奥田さんは言う。週休1日の人もいるが、週1日の休みは法律で定められているので、その前日はしっかり寝る、食事を整えるなど、休日を疲れを取る日として使ってほしい。1週間のうち1〜2日きちんとリセットする日を設ければ、回復しやすいという。
奥田さんはこれを「健康リテラシー」の問題としても語った。若い頃から健康習慣を身につけておけば、年齢を重ねても体力が大きく落ちることはない。一方で健康リテラシーが低い人は、若い頃は持ちこたえても、40歳近くになって大きな病気をしたりメンタルを病んだりすることがあるという。
もう一つ大切なのが、過緊張を自覚することだ。自分を叩いて頑張り続けるのではなく、自分と対話し、「重い案件を任されて少し無理をしたから、今週末は予定を入れずに休もう」というふうに、疲労を調整できるようになるとよいと奥田さんは述べた。
過緊張は年齢を問わない。責任の重さや職場の人間関係も原因に
若い人のほうが過緊張を感じやすいのか、という問いに、奥田さんは年齢を問わないと答えた。30代・40代のいわゆる中間管理職は、プレッシャーがかかるうえに部下の面倒も見なければならず、非常に多い。その層を過ぎた人も、重責を担って頭を悩ませる対応を常に迫られていれば、なりやすい。現代人で過緊張になりにくいのは、本当に引退したシニア世代くらいではないか、と奥田さんは話した。
責任の重さや仕事量の多さに加えて、奥田さんは人間関係の悪い職場も挙げた。残業はそれほどなくても、精神的なストレスを常に受けてリラックスできず、びくびくしながら毎日を過ごしている人は、家に帰っても安心できない。パワハラやセクハラなどのハラスメントを受けている人も同じで、家でもそのことを考え続けてしまう。結局は一言で言えばストレスだという。
原因そのものに手を打つことと、ストレスチェック制度
奥田さんは、ストレスの原因が続いている限り、家でいくらリラックスしようとしても、職場に行けばまた過緊張になることの繰り返しになると指摘した。そのため、ある程度エネルギーが回復したら、原因を解消するための行動も必要だという。過度な責任や仕事量を慢性的に抱えている人なら、上司に相談して担当を減らしてもらう。フリーランスなら仕事を少し減らす期間を設ける。締め切りが迫っていて一時的に忙しいというのではなく、だらだらと続いている場合は、仕事のやり方や環境を見直したほうがよいかもしれないと述べた。
聞き手が、会社で定期的にプレッシャーの度合いを問うアンケートに答えていると話すと、奥田さんはストレスチェック制度について説明した。現在はストレスチェックが義務で、年に1回受ける必要がある。従業員50人以上の会社には、奥田さんのような産業医が月に1〜2回訪問しており、高ストレスと判定された人は希望すれば産業医と面談できる。50人未満の会社ではまだ努力義務だが、数年のうちに義務化される予定なので、奥田さんの見立てでは、数年後には働く人全員がストレスチェックを受けることになるという。
産業医に相談しなくても、ストレスチェックを自分のバロメーターとして活用すればよい。高ストレスで症状が続いているなら、メンタルクリニックなど適切な医療機関に相談して構わないし、いきなり医療機関に行くほどではないと感じるなら、カウンセリングを利用してもよいと奥田さんは述べた。
自分の状態を数字で確かめる「心の充電チェック」
最後に奥田さんが紹介したのは、以前から提案している「心の充電チェック」である。心が最高に元気なときを100%、疲れ果てて家から一歩も出られずベッドから起き上がれない状態を0%として、今の自分が何%かを常に確かめる方法だ。
奥田さんによると、疲れ気味の人は60%や50%と答えることが多い。100%のうち6割以下しか使えないのなら、どこかで疲れていたりストレスがかかっていたりするということなので、どうすれば上げられるかを考える。充電を上げるには、エネルギーを奪っているストレスの「蛇口」を締めるか、エネルギーを入れるしかない。まず睡眠と食事でエネルギーを十分に補いながら、ストレスの原因を突き止め、完全には締められなくても少しでも締める努力をする。そして充電の残量を自分で確かめて減らさないようにし、大きく減ってしまったときは休んだり、自分に優しくする時間を増やしたりする。こうしたメリハリをつけて心と体と対話し、自分で調整できるようになれば、ストレスに強いビジネスパーソンになれる、というのが奥田さんの結論だった。
聞き手は、自分も軽度とはいえ当てはまる部分が多かったとして、週に1回は自分の過緊張の状態と向き合う時間を取りたいと話し、インタビューを締めくくった。
過緊張っていう状態。交感神経系が過度に緊張している状態なんですね。病名ではありません。ビジネスパーソンの方に多いのは、仕事の締め切りが迫ってきたりとか、翌日にすごい緊張する仕事が控えていたりとかして、お家に帰っても仕事のことが頭から離れない。
本の中にも、過緊張のチェックリストっていう。そうです。軽度の過緊張が長く続いているのであれば、ちょっと要注意。オンとオフっていうのがすごく大事で、お食事をゆったり食べて、消化をしっかりして、そのうち血糖値が上がるので眠くなって、お風呂にゆったり入って眠くなって、いい睡眠っていう、そういうリズムが一番人間っていいんですけど、それがどんどん現代社会は乱れてるんですよね。
皆さんこんにちは。新R25の実です。早速、今回のゲストの方にご登場いただきます。今回は、精神科医、そして産業医をされています先生にお越しいただきました。本日はよろしくお願いします。よろしくお願いいたします。
いろんなビジネスメディアに出られてるのを拝見させていただきまして、精神科医と産業医っていうご紹介をさせていただいたんですけども、産業医っていう、私もあまり聞き馴染みがない言葉でして、どういうご職業というか、ご専門なのかっていうのをお伺いしたいんですけど。
正式な専門で言うと産業医学という分野があるんですけど、そちらだけ専門にやってて産業医っていう先生ももちろんいらっしゃるんですけど、今は産業医自体が、どのドクターでも、一定の研修を受ければなれるんです。簡単に言うと、会社さんの方に私たちが伺って、その会社さんの従業員の方の健康ケアですね。メンタルも体も含めた健康ケアを行うという、働く人のための内科医ですね。内科医っていうか、ただ普通の医師と違うのは治療しない。
診断もざっくりはつけますけど、基本的には、そこで診断をつけて治療をするっていう医療機関ではないので、働く人がこのまま働いていいのかどうか、もしくは少しお仕事を減らしたり、残業を減らしたりして、ちょっと体の休養とかメンタルの休養を入れながら働き続けられるのかどうか、もしくはもう休まなければいけないのか。その辺りの判定をして、治療が必要な人には、しかるべき治療機関に紹介したり、治療を促したりするっていう、そういう仕事ですね。
もちろん健康診断も全部チェックしますので、そこで体の調子が悪い方、データが悪い方の場合は、同じように医療機関に紹介したりしていただいたり、ということをします。
ということは、本当、我々みたいなビジネスパーソンに日々接されてるというか、多いですか?
そうですね。今は産業医の方が私の仕事の比重が圧倒的に高いので、日々いろんな会社さんにお伺いして、そういったビジネスパーソンの方の健康のケアに携わらせていただいております。
なるほど。今回、奥田さんに今日お越しいただいたのが、こちらに置かせていただいてる本なんですけども。『それ、すべて過緊張です。』というご著書で、ちょうど今、こちらの方に書かれているような、僕にすごい当てはまってるような、症状というのはちょっとあれですけど、ことがありまして。読ませていただいて、うわ、確かに今そういうの悩んでるな、みたいなのがあってですね。今日、ぜひここから過緊張についていろいろと奥田先生にお話をお伺いできたらと思いますので、本日はよろしくお願いします。よろしくお願いいたします。
今回のテーマにもなっている過緊張っていう、状態、症状を指すのかっていうのを、簡単にお伺いしたいんですけども。
これは正式に言うと、交感神経系が過度に緊張している状態なんですね。病名ではありません。自律神経っていう、お聞きになったことを皆さんおありになると思うんですけど、自律神経っていうのは交感神経と副交感神経が車の両輪のようにバランスを取って、例えば心臓の拍動ですとか呼吸ですとか血圧ですとか、あと気持ち、メンタルの調整ですとか、そういう自分で動かせない部分って人間っていっぱい持ってますよね。そういった、いろんな自分の意思で動かせないようなところを、ほぼ調整してくれてる神経で。
交感神経っていうのは、どっちかというと活動の神経なんですね。オンの神経、いわゆるオンタイムを司ってる神経で、程よく緊張させて、精神状態も程よく緊張させて、脳も程よく覚醒させて、お仕事とか活動に適した状態を作ってくれてる神経で。副交感神経はその逆で、リラックスを司る神経で、夕方から夜になって優位になっていって、皆さんがリラックスしていい睡眠に入っていくっていう、そういうことをしてくれる神経なんですけど。
過緊張というのは、その交感神経系が異常に興奮してしまって緊張が続くために、本来なら夕方になったら副交感神経優位にならなければいけないのに、過緊張の方というのは交感神経がまだ優位に続くっていう、そういう状態です。オンタイムを司る神経が、ちょっと緊張、興奮が続いてる状態。
なるほど。だからオンとオフがうまく切り替えられないという状態って感じですね。普段だと仕事中であれば、この交感神経ですかね。これがうまく機能すると、いい具合の緊張感で仕事にも臨めるので、機能してれば仕事でも成果が出せるし、みたいな。
そうですね。仕事の方だと筋肉が程よく緊張して血圧も上がり気味なので、サクサクと体が動いたりとかっていう、そういう感じですね。
なるほど。これ、ちなみにうまく切り替えができないっていうような状態ってお話でしたけども、その原因というか、なんでうまく機能しなくなってしまうのかっていうのをお伺いしたいんですけど。
一言で言うとストレスで、日中に少し気になるようなことがあったり、ショッキングなことがあったり。あとはビジネスパーソンの方に多いのは、仕事の締め切りが迫ってきたりとか、翌日にすごい緊張する仕事が控えていたりとかして、夕方になっても、お家に帰っても仕事のことが頭から離れないとか。本当ならリラックスしてゆったりしたいのに、そわそわして、仕事のことばっかり考えてしまったり、イメージが浮かんでしまったりとか、そういう状態ですね。
なるほど。僕もこういう仕事をしているんですけども、インタビューする前日とかは、次の日うまくいくかな、みたいなので、寝る前とかいろいろ考えちゃって、すごい心配になって寝つきが悪くなったりとか。いろんなビジネスパーソンの方とかも、すごい大事な会議であったりとか、お客さんのアポがある前日とかは、結構いろいろ考えすぎちゃってうまく寝つけないみたいな、そういう悩み抱えてる人とかも結構多いのかなっていう。
それは仕事というストレスが、ちょっとストレス度合いが高まっているからだと思うんですけど、誰でもそういう状態にはなるんですね。例えば、ちっちゃい子が明日遠足だから興奮して寝れないっていうのも一種の過緊張ですから、過緊張イコール病気ではないんですけど。
そういう状態が長く続いてしまうと、当然睡眠も質が悪くて短くなりますし、体の緊張が続くために、リラックスできないために、いろんなところが、体の方もちょっと不調が起こってきたりとか。あと、そういった疲労が取れない、しっかり寝れてないってなると、やっぱりメンタルにも影響が出てくることがすごく多いですね。
なるほど。続いてしまうのが良くないんですね。
病気の判断っていうのが、2週間前後そういう状態が、メンタルの時によくあるんですけど、寝れない状態が2週間前後続いてるとか、気持ちの落ち込みが2週間以上続いていて日常生活に影響があるとか。大体2週間前後を目安にすることが多いんですけど、それぐらいのスパンで過緊張状態が続いてしまうと、ちょっと医療の手助けが必要になる方が一定いらっしゃいますね。
なるほど。本の中にも過緊張のチェックリストっていう。ちょっと手に取らせていただきますけど。どうぞ。26ページ。ありがとうございます。2つですね。本格的な過緊張っていうのと、軽度の過緊張ですね、っていうのがあって。いろいろ項目があるんですけども、僕これ実際チェックリストつけてみたんですけど、本格的な過緊張はそんなに気にならなかったんですけど、軽度の過緊張はもうほぼ全部チェックがついてるみたいな。あら、そうですか。はい。
気分が休まらない、とにかく忙しくて時間に追われてる気がして気持ちがそわそわしてる、であったりとか、以前より夢を結構見るようになって、あんまり熟睡できないように感じる、であったりとか。家に帰ってからも仕事であったりとか、そういうのが頭に浮かんできて、なかなかリラックスできないみたいな状態であったりとか、軽度の過緊張っていうのが自分の中でもいろいろ検出されてるっていう状況でして。
こういう状態が続きますと、緊張するっていうのはエネルギーを使っているんですね、体としては。ですので、リラックスしている時に胃腸の動きが活発になって、食欲が出て、食べたものの消化吸収が良くなる。胃腸の動きに関しては副交感神経優位なので、リラックスしないとしっかり動いてくれないんですね。
ですので、エネルギーがどうしても使う方が増えてしまって、疲れが取れなくなって、体のだるさとか。あと睡眠にすごく影響が出てきて、おっしゃったように夢を見るっていうのは悪くはないんですけど、それがしょっちゅう起こっているのを起きても覚えていて、ふっと目が覚めることも増えてきたりすると、これはもう睡眠が浅く、質が悪くなっている状態ですね。
ですので、軽度の過緊張が長く続いているのであれば、ちょっと要注意。2週間前後も継続しているようだったら、該当する医療機関に行っていただきたいなっていう症状なんですよ。
なるほど。平日はそうだけど、土日でしっかり寝れてるし、リラックスして土日で疲労が取れてるっていうんだったら、いいとは思いますけど。土日もそういう状態でしっかり寝れないし、全然疲れが取れないで、どんどん疲れが溜まってきてるっていうんだったら、要注意かなと思います。
なるほど。過緊張の中でも、過緊張を感じやすい人ですね。こういう人は結構過緊張を感じやすいみたいな、そういう特徴みたいなのってあったりはするんですか?
一応、5つにタイプを分けているんですが、これも私が考えた分類なので、医学的な診断基準に基づいてってわけではないんですけど、今までの精神科医、産業医としての経験から、こういう方がなりやすいのではないかっていう感じで分けたんですけど。
まず1つは完璧主義ですね。何でも自分の目指す100%をやらないと気が済まないし、人に任せたくない、自分で全部やっちゃわないと不安みたいな、完璧主義タイプの方。
あとは真面目頑固タイプの方で、ちょっと手を抜いていいところあるじゃんとか、みんなここは軽くやってるから、ここはいい加減でいいじゃんっていうようなことができない方ですね。もう決められたルール通りしっかりやらないと駄目、みたいに自分で自分を縛っていて。
あとはノーと言えない自己犠牲タイプで、こちらも日本人にすごく多いですけど、頼まれたりとかすると、自分は本当は嫌なのに、本当は休みたいのに受けちゃって、自分の大切なリラックス時間を犠牲にしてしまったりとか、無理をしてしまう。人のために無理をしてしまうっていう感じの方ですね。
あとはせっかち負けず嫌いタイプって、こちらもビジネスパーソンでバリバリやってる方に多いんですけど、意識が高い系というか、どんどんステップアップしていきたいっていうような方だと、本当ならちょっと疲れを取ってリラックスしてほしい時間も勉強に当ててしまったりとか、セミナーに行ってしまったりとか、本来なくていいような活動を入れてしまって、脳とか体を休ませる時間をどんどん削ってしまうんですね。
あとは心配性気疲れタイプと言いまして、ちょっと先々心配してしまったり、楽観的っていうよりはちょっと悲観的に考えて、心配が頭をよぎってしまって、リラックスできなくなる方ですかね。この5つのタイプに分けてみました。
なるほど。これ、ちなみに僕の場合だと2つ当てはまってるなと思って。1つがノーと言えない自己犠牲タイプと、心配性気疲れタイプの2つが結構当てはまってるなって、聞いてて思ったんですけど、日本人って、この5つのカテゴリーに当てはまる人多いんじゃないかなっていうのはすごい思ったんですけど。
民族性としてもよく挙げられますよね。和を大切にということは自己犠牲をしているってことなんですよね。わがままを言っちゃ駄目っていうふうに、ちっちゃい頃から育てられている方が非常に多いので、欧米人に比べて自己主張がすごく少ないって言われてますよね。
ですので皆さん、3つぐらい掛け持ちで当てはまってたりとか、1個だけっていう方、私、この本出してから本当に少ないです。1人だけ、本当にのんびりされてる、おおらかな女性の方が『どれも当てはまりません』っておっしゃってました方がいらっしゃいましたけど、大抵皆さん2つとか3つは当てはまってる方が多いと思います。
なるほど。一見、仕事のことを考えてますみたいなのって、仕事熱心ですごいいいことなのかな、みたいなふうに思われがちですけど、やっぱり度が過ぎると良くないのかなっていう感じなんですよ。
そうですね。やっぱりオンとオフっていうのがすごく大事で、特に現代はスマホとかインターネットが発達しすぎて、どんどんオンの時間が、本来ならオフにならなければいけない時間を侵食してるんですよね。
私なんか昭和の時代もすごく覚えてますけど、昭和の時代だとスマホもインターネット、メールもないですから、お家に帰ったら外部からの連絡って電話か、途中からファックスが入ってきましたけど、その2つだったんですよ。だから、よほど緊急事態じゃないと、お仕事の方から接触があったりとか、あんまり親しくないような人とお家に帰ってから会話するっていうことがないし、情報も入ってこないので。そこでもう切り離されてたので、自然にオフに入りやすかったんですね。テレビぐらいしかないですよね。
確かに。ただ今はもうSNSとかもいっぱいあるし、皆さん帰ってから名前も知らない人と交流してたりとか、ゲームしてたりとか、アバターですごく密接な交流されてるって聞いたことがあって、もうびっくりする世界なので。
人間って一番リラックスできる関係が、いつも暮らしてる家族なんですよね。もしも仲が悪かったら別ですけど、普通の仲の家族、良好な関係の家族ですと、家族といる時が一番リラックスしている。もしくは1人でぼーっとしてる時です。そこが最高にリラックスしてて、すごく知ってる親しい人とだと、会ってても平気っていう方が多いですけど、知らない度が高くなればなるほど緊張してるんですよ。
そうなんですね。だからSNSなんかでコメントのやり取りをしてるっていう方も、夜にやっちゃうと、緊張しながら書き込んでるし、入ってきたコメントによってまた緊張が。気分が悪くなったり、気になったりっていって寝れなくなる方も聞きますし。本当にオンの時間がどんどん増えちゃって、お仕事もメールとか入ってきたり、チャットが入ってくるっていう方も多いですし。
特にリモートワークがコロナ以降になりましたから、外資系の方だと夜中でも会議されてたり、海外とつないでしてますので。本来は人間の体の構造としては、日中は交感神経優位にして活発に活動して、程よく疲れて、夕方になったらだんだん日の入りとともにリラックスモードに入る。副交感神経優位にして、お食事をゆったり食べて、消化をしっかりして、そのうち血糖値が上がるので眠くなって、お風呂にゆったり入って眠くなって、いい睡眠っていう、そういうリズムが一番人間にとっていいんですけど、それがどんどん現代社会は乱れてるんですよね。
確かに。誰でも過緊張になりやすいし、まして、そういったマスコミの仕事とかされてて、しょっちゅうイレギュラーなことがあったりとか、次の日に緊張する出来事が多々ある方は、過緊張にすごくなりやすいんじゃないかなと思います。
確かにな。だから、そういう時代の流れとして、オン・オフを切り替えづらくなってしまってるっていう状況があるってことですよね。本の中で3つのRっていうご紹介がされてたと思うんですけども、レスト、リラクゼーション、レクリエーションですね。この過緊張状態から解放するための対処方法っていう、この3点についてお伺いさせていただきたいんですけども。
3つのRは、ストレスの解消としてよく書籍でも紹介されてまして、レストは休息で、リラクゼーションはゆったりとリラックスするような心地いいことをしていただく。あとはレクリエーションという気晴らし行動ですよね。コンサートに行ったりとか、若い方だったらスポーツしに行ったりとか、テーマパークに行ったりとか、1泊で旅行に行ったり、そういういろんなレクリエーションって言われるものです。
この3つ、過緊張の症状のチェックリストに当てはまる方っていうのは、まずはしっかり休まないといけないですね。緊張状態が続いてエネルギーを使いすぎて、あとリラックスが足らなくて、体も疲れ果ててきているので、レストをしっかりしていただく。もう本当に睡眠は大事なんですよ。
間違いないですね。だから、まずはしっかり夜に寝ていただく。それぞれの方のベストの睡眠時間があると思うんですけど、平均的には7時間ぐらい、今、しっかり寝たらいいって睡眠学上は言われてるんですね。
ごく一部に、人口の5%ぐらいにショートスリーパーの方やロングスリーパーの方が。ショートスリーパーの方は4、5時間で全然平気。ロングスリーパーの方は10時間ぐらい寝ないと体がシャキッとしないっていう方もいらっしゃるので、そういう方は無理に7時間って決めなくていいんですけど、要は自分のベストな睡眠時間はしっかり寝ていただきたいんですね。
ですので、寝る時間も変な日中じゃなくて、ちゃんと夜に寝始めて、午前中に起きていただくっていう感じで、しっかり睡眠をまず取っていただく。まず睡眠をしっかり取らないと、次のリラクゼーションをいくらやってもリラックスできないんですね。やっぱり脳は寝てる時しか休めないので、人間の全ての指令塔である脳をしっかり休ませてあげないといけないので、しっかり睡眠を取っていただいて。もう1つ大事なのはお食事です。
食事と関係ないと思われるかもしれないですけど、セロトニンとかドーパミンとか、感情を司る物質が脳から出てますけど、それも全部食事が原料になって作られているんですよね。ですので、バランスのいい、一汁三菜って言われたりとか、タンパク質と炭水化物と、ビタミン、ミネラルの野菜類っていう、その3つの色で表されたりもしますけど、そういうバランスのいい食事を欠食なく、ゆったり取っていただきたいな。この2つが土台なんですね、全ての。
なるほど。まずはこのレストをしっかりとする、日常の中で実践していくっていうのは大事で。レクリエーションとかリラクゼーションっていうのは、休みの日に、例えばどこか観光地に行ったりとかっていう、気晴らし的なイメージになるんです。
そうなんですよ。ただ注意していただきたいのが、過緊張の症状が出てる時は、レクリエーションはちょっと疲れちゃうんですよ。要は、もう疲れ気味でイエローサインが出てる状態ですから、いきなりしっかり寝たから次の日もフルで遠出しちゃうってなると、行ってる時は若い人だと楽しいと思うんですけど、帰ってきたらまたどっと疲れてですね。また交感神経優位になっちゃったりってなるので。
過緊張が出てる時は、しっかり寝て食べて、ちょっとエネルギーが戻ったなと思ったら、あまり体も心も疲れないリラクゼーションからしていただきたいんですね。これは別に、もう馴染みのこと。お好きな音楽をゆったり聴くのもいいですし、本とかお好きな方は、あんまり頭を使わないような気軽な本を、ソファーにもたれながらペラペラ読んでいただくのもいいし、散歩もいいかと思います。
ちょっと外でいい空気を吸いたいなって思って、できたら人混みより自然の多いところを、ゆっくりぶらぶら散歩もいいと思いますし、ヨガとかお好きな方は、ヨガとかゆっくりやっていただいたり、そういうのもいいと思います。とにかく自分が馴染んでることを、これやりたいなってふっと浮かんだことを、何にも縛られずにやっていただくのがいいと思うんです。
なるほど。気軽にできるようなことであったりとか。そうです。心身がリラックスして緊張しない。マッサージとか、近くで行きつけのところがある方は全然おすすめですけど、逆に新しいマッサージサロンに、ちょっと遠くに行ってみるってなると、どっちかというともうレクリエーション。やっぱり緊張しちゃいますね。初めての人に会ったりというね。
ですので、お疲れに応じて、その辺を決めていただいて、レストだけでいいっていう人もいます。中には、もうレクリエーションまでするより、ソファーでぼーっとひたすらしたいとか、そういう時はそれでもいいと思います。
なるほど。3つのRとは言いますけど、1つだけでも全然大丈夫です。そうです。まずレストが基本ですので、しっかり睡眠、しっかり食事を整えていただいて、ソファーでゴロゴロ、日向ぼっこ。ペットがいる方はペットを抱っこしてゴロゴロでもいいと思います。
もうかなり元気になってきて、ちょっと気分をリフレッシュしたいなっていう方は、体が疲れない程度に、次の日の仕事に影響しない程度に、アクティブに過ごしていただいても全くいいと思います。
なるほど。若いビジネスパーソンの方は、話していると無理が利くんですよね。体力があるから、睡眠とか食事をすごくおろそかにしがちな方が多いんですね。1人暮らしだったりすると、本当にお食事もバランスの悪いものを食べていたりとかされるので、まずは食事と睡眠に対する意識をしっかり持っていただいて。
1日、2日無理しても若いから大丈夫だと思うんですけど、1日、2日ちょっと無理しちゃったら3日目はしっかり寝るとか、ご自分の体力に合わせてでもいいですけども、最低でもお休みの日はしっかり睡眠を取ってほしいですね。週1日のお休みの人もまだいらっしゃいますけど、1日はお休み、それは法律で決まっていますので、そのお休みの日は、前の日はしっかり寝るとか、あとは食事を整えるですとか、その休みの日をしっかり疲れを取るっていうふうに使っていただきたいなと思うんですね。
なるほど。若いから、きちっとリセットをする日を1週間のうちに1日、2日取っていただくと、戻りやすいと思います。まず意識づけですよね。レストをしっかり取って、自分を大切にしてあげてるかっていうのを常に自分にチェックしていただいて、あんまり無理させないっていうことですよね。
なるほど。確かに、若いからいけるだろうと思って、例えば睡眠時間とかも多少短くても大丈夫だろうと思ったりとか、食事とかも別に1日3食取らなくても大丈夫、みたいな。思っちゃう人は確かに多そうではありますよね。
やっぱり、その辺しっかり健康リテラシーを若い頃からつけていくと、ちょっと年を召してきても、大幅に体力を落としたり、ガクッとこないんですけどね。健康リテラシーの低い方は、若い時は何とか持ちこたえても、もう40近くになると大きな病気になったり、メンタルを病んだりっていう方もいらっしゃいますので、若い時からしっかりと体のケアをするっていう。
あと、過緊張を意識するのがすごく大事なんですね。ご自身で過緊張の症状が出てたら、普段より休みとか睡眠をしっかり取ろうとか、そういう調整ができる。お尻をいつも叩いて頑張るんじゃなくて、自分と対話して、『ちょっと自分、今過緊張気味になってきてるな。重要案件任されちゃって、ちょっと無理しちゃったな』と思ったら、次の土日はもう予定を入れないで休息に当てようとか、そういう疲労の調整がうまくできるようになるといいと思います。
なるほど。こういう過緊張状態を感じてるビジネスパーソンって、多分少なくはないと思うので、やっぱり若い人の方が感じやすいものなんですかね。
いや、これはもう何歳でも。中間管理職と言われる30代、40代の方もすごく多いですね。プレッシャーがかかってくるし、下の面倒を見なきゃいけないし、そういう方もすごく多いですし。それを抜けた方も、重責を担われている方とか、責任の重い、頭を悩ますような対応を常に迫られてる方なんかも、やっぱりなりやすいですし。今の現代人、何歳がなりにくいかって言われたら、本当、引退したご老人、シニア世代になったら、多分緊張……過緊張、いつもなりやすいと思います。
そうか。やっぱり責任の重い仕事であったりとか、仕事量が多い仕事は、結構過緊張を感じやすいっていうことですよね。
そうですね。あとは人間関係の悪い職場ですね。そんな残業はないんだけども、精神的に常にストレスを受けてたりとか、リラックスできなくて、戦々恐々としたような毎日を過ごしてらっしゃる方は、家に帰っても安心できない。もちろんパワハラ、セクハラとか、そういうハラスメントを受けてる方もそういう状態ですから、そういう方も家に帰ってずっとそういうことを考えてしまったり、リラックスできないってこともありますので。
なるほど。ストレスですね、一言で言うとね。そうですよね。原因がずっと続いてると、回避したくても回避できないので、ある程度エネルギーを充電できたら、原因を解消するために行動も必要かなと思いますよね。
なるほど、確かに。だから、そういった過度な責任とか量をずっと慢性的に背負ってる方は、仕事の上司の人に相談して担当を減らしてもらったりとか、フリーランス的に働いてる方だったら、仕事を少し減らす期間を設けてみたりとか。原因がずっとあると、いくら家でリラックスしようと思っても、また仕事に行ったら過緊張になるっていう繰り返しになるので。今、納期が迫ってて一時的にっていうのでなくて、だらだら続いてる人は、ちょっと仕事のやり方、環境とか、いろいろ考え直した方がいいかもしれないです。
確かに。今でも企業とかでも、割とそういうストレスチェックみたいなのを導入してるところが多いなっていう。僕も定期的に人事側から、これ回答してください、みたいなので、過度のプレッシャーを感じてませんか、みたいなアンケートを取られて、みたいなのもあるので。そういうふうに企業側が考えてるところであればいいと思うんですけども、なかなかそういうのが実践されてないとなると、結構大変なのかなっていうのもすごい思います。
そうですね。ストレスチェックが義務になってて、年に1回受けなきゃいけないんですね。50人以上の会社さんは、産業医が私のように月に1回とか2回とか訪問してますので、高ストレス者の方は希望すれば産業医と面談もできます。50人未満の会社さんは、まだストレスチェックが義務化されてなくて努力義務になってるんですが、もう数年のうちに義務化される予定なので、おそらく働いてる人全て、数年の後はストレスチェックを受けることになると思います。
なるほど。産業医に相談しなくても、自分でストレスのバロメーターとして取っていただいて、高ストレスだったら、その症状が続いてるようだったら、メンタルクリニックですとか、しかるべき医療機関に相談に行かれても全くいいですし、いきなり医療機関に行くほどじゃないけどっていう方は、そういうカウンセリングを利用されてもいいとは思いますね。
なるほど。やっぱり自分の心と体と常に対話していただいて、この本でもご提案してるように、心の充電チェックっていうのを、私は以前からご提案してまして。
今、自分の心が最高で元気な時を100としたら、最悪で、もう家から一歩も出れない、疲れ果ててベッドから起きれないぐらいを0としたら、今何%かなって、自分で常にチェックしていただいて。ちょっと疲れ気味の方って、60とか50とか言われる方が多いんですよ。
そういう時は、自分で100%のうち6割以下しか使えないってことは、やっぱりどこか疲れていたり、ストレスがかかってるんだなと思って、上げるにはどうしたらいいかなって考えていただく。エネルギーを奪ってるストレスの蛇口の元を閉めるか、エネルギーを入れてあげないと充電って上がらないじゃないですか。
だから、まずは睡眠と食事をしっかり取ることで、エネルギーをちゃんと潤沢に入れながら、ストレスの原因を探り当てて、閉める努力。完全に閉まらなくても少しでも閉める努力をして、できるだけ心の充電、エネルギーを自分でチェックをして、減らさないように。どんと減ってしまったら、その時はもうちょっと休んであげたりとか、自分に優しくする時間を増やしてあげる。
そういうメリハリをつけて、自分で常に心と体をチェックしていただいて、対話していただいて、調整できるようになったら、すごくストレスに強いビジネスパーソンになれると思います。
なるほど。やっぱり定期的に自分と向き合ってあげて、メンテナンスというか、チェックしてあげるってすごい大事ってことですね。ありがとうございます。
今日、本当に過緊張についていろいろとお伺いしてきましたけども、僕自身も、軽度ではありますけども、すごい当てはまってるなって感じる部分があったので、奥田先生のお話を聞いて、1週間に1回は、そういう自分の過緊張状態と向き合うような時間を取れたらなっていうふうに思いました。とても勉強になりました。ありがとうございます。
ということで、今回は『それ、すべて過緊張です。』の著者でありまして、精神科医、そして産業医の奥田弘美さんにお越しいただきました。本日はありがとうございました。ありがとうございました。ありがとうございました。
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