大将が釣ったキハダマグロを一尾さばき、刺身・ガーリックステーキ・皮ポン酢・冷製パスタにする

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概要

料理研究家のリュウジが、知り合いの店の「大将」が沖縄の島で釣ってきたキハダマグロを一尾使い、その場で献立を考えながら料理していく回である。大将が解体を教え、リュウジは素材を見ながら即興でレシピを組み立てる。脂の少ないキハダをどう食べればおいしいかが、全体を通した関心になっている。リュウジ自身は「家庭で再現できる回ではない」と認めつつ、知らない食材に出会ったときの楽しさを前面に出している。

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熟成させた17kgのキハダマグロ

大将によると、このマグロは沖縄の島で釣ったもので、重さはおそらく17kgほどある。それでもキハダとしては「まだちっちゃい」という。釣ってから1週間以上たっており、熟成で身はだいぶ柔らかくなった。釣った直後は身が硬かったそうだ。

大将は島で、釣ったその日のマグロも食べている。おいしくないだろうと思っていたが、意外と食べられたという。それを受けてリュウジは「マグロは熟成させてなんぼ」と応じた。

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解体:頭を落とし、中骨の真ん中に包丁を入れる

解体は大将の指示でリュウジが包丁を握った。まず頭を落とす。頭まわりの部分は店のまかないに使うので残しておく。リュウジは刃を入れながら「硬い」と漏らしたが、大将は「これでも柔らかい方」だと言う。

おろし方は普通の魚と同じ三枚おろしが基本だ。骨に当たる感触を確かめながら背側を外し、反対側は肛門のあたりから包丁を入れる。ただしマグロは大きいので、魚屋のやり方では中骨の真ん中に包丁を入れて身を外していく。外したあとの中骨と骨の間には身が残る。これがいわゆる中落ちで、大将はこれを掻き取って全部きれいに掃除するのだと説明した。大将は「マグロは全部食べられる」と言い、今回は鮮度がいいので血合いも使えるという。

背側をリュウジが自分でおろすと、大将は「力が入るでしょ」と声をかけた。リュウジは体験の楽しさを「キッザニアみたい」と表現している。大将の店には、そこに就職したばかりの若いせいや君もいて、解体や調理を手伝った。

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刺身:脂は少ないが、熟成で味が乗る

最初は刺身にした。大将は皮を外しながら、自分のやり方ではなく家庭向けのやり方を考えるべきかとリュウジに尋ねた。リュウジの答えは「今日は家庭のことはあまり考えない。家庭ではこれは手に入らないので」というもの。外した皮も捨てずに後で使う。

身は大トロにあたる部分でも脂がほとんどない。リュウジによると、スーパーで売っているマグロは基本的にキハダで、値段も安い。本マグロもたまにあるが、キハダのほうが多いという。

食べてみると、リュウジは「全然違う」「味がめっちゃ乗ってる」と評した。スーパーのマグロとは比べものにならない、とも言う。大将も、釣りたてより全然うまいと振り返った。

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島の漁労長から届いた長命草と自家製の酢

大将は、島で食べた長命草を持ってきていた。島の漁労長が送ってくれたもので、刻んで刺身と一緒に食べるらしい。ヤギ汁にも入れることがあるという。リュウジは「日本のハーブみたいなもの」と表現し、刺身と一緒に食べて「合いますね」と言った。

同じ漁労長が仕込んだ自家製の調味料も届いていた。リュウジは最初コーレーグースのようだと見たが、実際には味付きの酢らしい。島の人は何にでもこれを入れていたと大将は話す。大将が島で食べたときは、とても辛かったという。刺身にかけたリュウジは、甘さもあって「カンタン酢のグレードをすごく上げたような味」だと感想を述べた。二人は「販売したら売れる」と言い合っている。

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マグロのガーリックステーキ:脂の少なさをバターとニンニクで補う

続いて、皮目の部分を焼いてステーキにした。リュウジの考えはこうだ。トロや本マグロなら網焼きのほうがいい。しかしキハダはこの脂の乗り方だとステーキには淡白すぎる。だからバターで焼き、ガーリックを乗せたほうが絶対おいしい。淡白な食材にはニンニクや油を足す、という考え方である。

手順は次の通り。

  1. オリーブオイルでニンニクを揚げ焼きし、ガーリックチップを作る
  2. マグロに塩を振る
  3. ニンニクの香りが移った油にバターを加え、皮目から焼く

焼き加減について、リュウジは「刺身で食べられる鮮度なので、しっかり火を入れないほうがいい」と考えている。表面を焼いたら余熱で仕上げてレアにし、厚い一切れだけ少し長く焼いた。大将は「マグロにバターなんて考えたことがなかった」と言い、リュウジは「キハダなら合うと思う」と答えている。

ソースはフライパンを洗わずに作る。バターのうま味が残っているからだ。醤油を大さじ2ほど入れて焦がし、みりんを加える。さらに味の素を2振り入れて、出汁醤油に近い味にする。ガーリックチップはソースに溶かすとパリパリ感がなくなるので、最後に乗せる。仕上げに長命草を刻んで散らした。手に入らなければ、イタリアンパセリなど他のハーブでもかまわないという。

試食すると、大将は「パサついてない」と評価した。リュウジによれば、これ以上火を入れるとパサつく。大将が「この素材は俺の力」と冗談を言う場面もあった。漁労長の酢を味変としてかけると、これも合うという結論になった。

14:56

皮ポン酢:ふぐ皮のようにする

次は大将の提案で、外した皮を使う。ふぐ皮ポン酢のようにするという案だ。皮には鱗が残っているので、まずそれを取る。取らないと口に残るからだと大将は説明した。そのあと湯でさっと茹でこぼす。

茹でた皮は手で触ってわかるほど柔らかくなった。大将は「定番ならポン酢」と言ったが、ここでも漁労長の酢を使った。塩をひとつまみと小ネギを加えている。

食べたリュウジは、キハダにこんな濃い部分があったのかと驚いた。大将も「乗ってるよね、脂」と応じている。酢がいいアクセントになっていると、二人とも評価した。

この流れでリュウジは、最近は出会ったことのない食材に出会うと興奮するようになったと話した。視聴者からすれば「作れない」という企画になるのはわかっている。それでも、たまにはこういう動画を出させてほしいという。大将は「でもマグロがあればできるから」と返した。

18:23

冷製パスタ:すき身をネギトロパスタの要領で

最後は、中落ちから取ったすき身(100g以上あった)でパスタを作った。リュウジによると、得意料理に「ネギトロパスタ」がある。今回はすき身でそれをやる。家庭ならネギトロで代用できるという。大将はネギトロパスタを食べたことがなかった。

すき身は脂のない赤身なので、包丁で叩いてボウルに入れ、オリーブオイルで油分を補う。量は1人前に大さじ1ほどと、多めだ。塩を2つまみ加え、さらにおろしニンニクを10gほど入れる。リュウジは「イタリアンではニンニクを合わせることが多い」と言い、生ニンニクを入れるとすごくおいしいが、あまりやっている人はいないと話す。今回は冷製にし、四つ割りのミニトマトも加えた。

パスタ自体の味付けには、最近リュウジがはまっている出汁醤油を大さじ2ほど使う。サバ節やカツオが入った商品で、オリーブオイルとの相性がいいという。麺は細いものを選ぶ。冷製で太い麺を使うとゴリゴリになるからだ。茹でたら氷水で手が冷たくなるまで冷やすと、身が締まっておいしいという。水気をよく切って塩をひとつまみ加え、すき身を乗せる。せいや君が千切りにした長命草を散らして、「マグロ叩きの冷製パスタ」が完成した。

試食では、トマトが「めっちゃ正解」だという話になった。リュウジは、夏バテのときにも食べられる味だと言う。大将は長命草について「パセリ感がある」と述べた。漁労長の酢をかけると味が締まった。リュウジはこれを食べて、千葉のなめろうを思い出したという。なめろうは酢で食べるのだそうだ。

22:56

即興で料理することについて

パスタを作りながら、リュウジは「こうやって料理を作るのが一番好き」と話した。何も決まっていない状態で作るのが好きなのだという。素材を見て「これはうまいんじゃないか」と決めるので、レシピは事前に考えてこない。仕事柄レシピを考えることはあるが、本来は何も考えずにあるもので作るのが好きだという。そして、それは普段からかなり料理していないとできない、と付け加えた。

大将も同じだという。客に「前に作ってくれたあれをまた作って」と頼まれても、その場で考えて作っているので何のことか忘れていることがある。リュウジは、リアルタイムで料理する感覚は二人で似ていると言った。

20:31

まかないの手間と、せいや君の話

大将はリュウジの動画をよく見ているという。その影響で、まかないを作るときは包丁の代わりにハサミを使ったり、パッケージを皿代わりにして食べたら捨てたりするようになった。少しでも早くせいや君を休ませたいからだ。リュウジはそれに賛成し、まかないなら顆粒だしを使ってもいいと応じた。

大将はほんだし工場を見学してから、作る人たちの苦労がわかり、ほんだしを積極的に使っているという。まかないのチャーハンにほんだしを入れたら、せいや君に好評だったそうだ。リュウジは、それは自分の祖母もやっていたと返した。

せいや君については、前日に「釣りがしたい」と言うので一緒に行ったと大将が話した。うちの子どもたちと変わらない接し方をしているという。リュウジは、最初の就職先が大将の店ならどこでも通用する、とせいや君に声をかけた。調理中、言われる前にゴムベラやザルを出し、氷の場所もわかっているせいや君の動きを、大将とリュウジは何度もほめている。

26:44

結び:知らない食材でもフルコースになる

刺身から皮まで食べ終えたあと、リュウジは「知らない食材でも、調理次第でフルコースになる」と振り返った。大将がまた何か釣ったら来てもらい、自分も各地へ出向いて、大将と一緒においしいものを探していきたいと話して回を締めくくった。