煮込まずに作る「やけくそルーロー飯」:焦がし玉ねぎと肉の切り方で手間を省く

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概要

料理研究家のリュウジが、台湾の屋台料理ルーロー飯(魯肉飯)を「やけくそ」シリーズとして作り直した回である。リュウジは以前にもルーロー飯の動画を出しており、再生回数は多かったが作り方がかなり難しかったという。そこで「もっと簡単に、もっとうまく作れないか」と最近ブラッシュアップを重ね、ようやくルーロー飯らしい味がしっかり出るところまでたどり着いたと話す。中心にあるのは、長時間煮込むのが前提の料理を、ほとんど煮込まずにどこまで本場に近づけられるかという問いである。

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本来のルーロー飯と、今回変えた点

リュウジの説明では、ルーロー飯は煮込んだ肉をご飯に乗せて食べる台湾料理で、屋台では大鍋で煮込んだものをご飯にかけて出すことが多い。昔は日本ではあまり見かけなかったが、最近はコンビニなどでも展開されているという。本来は豚バラ肉をよく煮込むが、リュウジ自身はロース肉のほうが好きだと述べる。

今回ロースを選んだ理由としてリュウジは、バラ肉は「俺の年になるときつくなってくる」と話し、脂の少ないルーロー飯を作ろうと思ったことが今回のきっかけだと説明した。同席したスタッフの一人もバラ肉が苦手で、リュウジは最近そのスタッフの好みに合わせて作ることが多く、あまり脂っこくないものを作る方向になっていると話している。

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材料と肉の選び方

材料は豚肉、玉ねぎ、にんにく、付け合わせのほうれん草、ご飯と少ない。豚肉は肩ロースが一番良いとリュウジは言う。筋が中に入っている肩ロースは柔らかくてとても美味しく、他の部位だとパサつくからだ。なければ普通のとんかつ用ロースでもよく、バラでも作れるが、バラだとかなりこってりするという。分量は2人前で豚ロース約250g、1人100g以上とたっぷり食べられる量である。玉ねぎは100g、ほうれん草は冷凍でよい。

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煮込みを省く鍵は肉の切り方

ルーロー飯は挽き肉で作ることもあるが、リュウジによれば基本は粗挽きの肉で、包丁で切って作る。そのほうが食べ応えがあるからだ。ここで今回のポイントになるのが切り方である。本来は肉がコロコロした状態になるまで煮込むが、最初から1cm角程度に細かく切ってしまえば煮込む必要がなくなる。スタッフが「煮込むのってそのために必要だったのか」と反応すると、リュウジはそうだと答えている。

挽き肉を使ってもよいが、挽き肉だと肉感が出ないので、肉感が残る程度の大きさに切るのがよいとリュウジは考えている。試食の場面でも、肩ロースを使うことで肉感が出て美味しくなると述べた。

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玉ねぎとにんにくを「焦がす」理由

調理はフライパンに米油を大さじ1ほど入れ、ダイス状に切った玉ねぎとにんにくを入れて強めの火で炒めるところから始まる。肉を切る前に火にかけておくと時短になるという。玉ねぎは最終的にご飯に乗せて食べやすい大きさに切る。

ここで重要なのは、しっかり焦がすことだ。リュウジによれば、本場ではフライドオニオンを入れるが、家庭には常備していないし作るのも面倒なので、ここで油で炒めてフライドオニオンの香りを作る。フライドオニオンはかなり焦げないと香りが出ないため、ところどころ黒っぽくなる程度まで深く炒める。スタッフが「結構焦がすんですね」「もう焦げていると思うけど」と言っても、リュウジは「まだ」「もうちょい」と続けた。後で煮込むと焦げ感が薄まり、ちょうどよいフライド感になるので、ここまでやらないとルーロー飯の香ばしい香りがつかないという。肉の手間を考えればこれだけやれば簡単で、フライドオニオンを買わなくて済むとリュウジは強調した。

焦げたら肉を入れて軽く炒め、塩こしょうを振る。この時点でご飯も温め始めてよいほど、ここから先の工程は短い。スタッフが「煮込むなら早くないですか」と尋ねると、リュウジは「煮込むんだけど煮込まない」と答え、大層な煮込み時間はいらないと説明した。

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調味料と味の素の話

水120ccを加え、醤油大さじ1、オイスターソース大さじ1、砂糖大さじ1/2を入れる。うま味調味料は少し入れたほうが美味しいとして、味の素を8振り加えた。台湾でも屋台などでうま味調味料を使うことがあり、不可欠な場合もあるとリュウジは話す。

ここでリュウジは味の素にまつわる話を挟んだ。台湾では味の素の売上が大きく、台湾に工場があるのは売れるからだという。味の素の会社では偉くなると台湾に行くという話をし、自分と仕事をすると物が売れるらしく、一緒に仕事をした担当者が出世コースのようになると冗談めかして語った。

唐辛子は炒めずに煮込む。リュウジは辛めが好きなので2本ほど入れたが、この程度入れてもそれほど辛くはならず、唐辛子自体にうま味があるので入れたほうがうまいと考えている。黒こしょうも「結構ガリッと」入れる。

1人前で作る場合は調味料も水もすべて半分でよいが、1人前だと煮詰まる速度が速いので、水は少し多めにしてもいいとリュウジは補足した。あとは煮詰めれば完成である。

五香粉は好みで後がけ

スパイスについては、本当はウーシャンフェン(五香粉)があるとよいとリュウジは言う。台湾料理でよく使われるが好き嫌いが分かれるため、好みで入れればよく、なくても十分に味は決まるという。香りも味のうちなので、かければやはり現地に近づく。2人前に対して2振り程度でもかなり香りがつき、リュウジ自身は3振りでもよいと話す。後がけにすれば各自の好みに合わせられるのが利点だとした。

味見の場面では五香粉の匂いについて同席者の間で意見が分かれた。リュウジは特定の匂いを連想させると言い、苦手な人もいると話したが、そう感じたことはないという同席者もいた。後の試食ではスタッフの一人が「マッサージ屋さんの匂い」に近いと表現し、そういう香りの店があると話していた。

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とろみはどこから来るのか

煮詰まった肉は、片栗粉などを一切入れていないのにとろっとしていた。とろみの理由についてリュウジは、野菜を焦がしてから煮ていることと、豚から出る脂などが煮詰まって乳化していることを挙げた。また、スパイスを使っていないのにそれらしい香りがするのは、玉ねぎとにんにくを焦がすことでオリエンタルな香りが出るからで、これが「スパイス的な香りを生み出すテクニック」だと説明している。手間をかけて美味しいのは当たり前だが、自分が知る限り一番手間をかけずに本場にかなり近づけた作り方だとリュウジは述べた。

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盛り付け

ご飯を盛り、肉をたっぷり乗せる。台湾ではゆで卵を添えることもあるが、今回は「やけくそ」なのでなくてもよいとした。リュウジはタレが染みたご飯がうまいと話す。付け合わせには電子レンジで温めた冷凍ほうれん草を添える。本場では小松菜やチンゲン菜のような青菜が添えられることが多く、青いものを横に置くだけでルーロー飯らしい雰囲気が出るという。

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試食の反応

試食では同席者から「めっちゃうまい」という声が続いた。スタッフの一人はルーロー飯を作ったことも食べたこともほとんどなかったが、「こんな簡単にこれできるんだ」と驚いていた。ロース肉なので脂っこさがあまりないこと、玉ねぎの焦げた感じがちゃんと出ていること、タレが美味しいことが挙げられた。

タレについてリュウジは、以前は中華スープの素などいろいろ入れていたが、醤油と味の素とオイスターソースだけでやったほうがむしろ美味しいと振り返った。唐辛子のピリッとした辛さも好評で、これから暑くなって汁物がきつくなる時期には、食欲が進むこういうご飯が重宝するのではないかとリュウジは話す。

五香粉はスタッフが1振り、リュウジはもう少し多めにかけて食べ、後がけでも十分うまいという感想だった。リュウジは「やけくそシリーズの中では最近一番好き」と語り、同席者からは「15分で作ったとはわからない」「本格的に煮出したもののようだ」という声が上がった。

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締めくくり

リュウジは材料費もあまりかからないことに触れ、肉も野菜も取れるので、サラダやスープを添えるだけでランチにもディナーにもなる満足感があると述べて、視聴者に作ってみるよう呼びかけた。