福島県産のきゅうりとトマトで作る「きゅうりそぼろ丼」と「トマトのごま和え」

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概要

料理研究家のリュウジが、福島県からの依頼で同県産の食材を使った夏野菜レシピを紹介した回である。テーマは「きゅうりとご飯は合う」。きゅうりは生で食べるもの、漬物で添えるものという扱いが多いが、リュウジは火を通すことで主菜の具材になると考えている。今回は、油を使わずに作る「きゅうりそぼろ丼」と、副菜の「トマトのごま和え」の2品を作った。

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提供された食材と素材の試食

福島県から届いた食材は、米、きゅうり、トマトの3つである。米は福島県のブランド米「福、笑い」。リュウジは事前に試食していて、甘みがあり、粒に張りがあるスタンダードなおいしさだと評価した。おにぎりにしてもおいしいが、今回は丼にする。自分は米にうるさいと前置きしたうえで、甘みと硬さのバランスが良く、いろいろな食材に合う万能な米だと話した。一般にはあまり手に入らないようだが、購入先のリンクを概要欄に載せると補足している。

きゅうりについては、福島県は全国でも生産量1位だとリュウジは紹介した。以前にも福島県のきゅうりの案件を担当したことがあり、そのときから香りが良くみずみずしいと認識していたという。新鮮なきゅうりはトゲが鋭いと説明し、実際に触って確かめたうえで、味噌をつけて生のまま試食した。スタッフとのやりとりでは、今の時期は出始めで新鮮なものが出回るため、塩をつけなくてもおいしいという話も出た。トマトは福島県のイメージがあまりなかったが、実際には多く生産されているという。こちらも張りがあり、甘くてみずみずしく、できるだけシンプルに食べたいと評した。

おまけとして、リュウジ宛てに福島県の大吟醸も届いていた。ラベルには令和8年の全国新酒鑑評会での金賞受賞が記されていると読み上げている。米どころなので福島県の酒はおいしい、というのがリュウジの見方だ。試飲すると、少し甘みがあるが後味がすっきりしていてべたつかず、食事に合うと述べた。

7:07

トマトのごま和え:種を残し、水分をごまと鰹節に吸わせる

最初に作るのは副菜のトマトのごま和えである。リュウジによれば、自分のレシピは主菜ばかりで、副菜に何を作るかは普段から迷うところなので、こうした副菜の動画には意味があるという。

トマトは乱切りに近い形にする。手順としては八つ切りにしてから、それぞれを3等分する。トマト自体がおいしいので本当はあまり手を加える必要はないが、それでは料理研究家としての存在意義がなくなる、と冗談を交えていた。種は取らない。イタリアンでは種を外すことがあるが、日本のトマトは種の周りのジュースの部分が甘くておいしいので、外す必要はないとリュウジは考えている。

種を残すとトマトから水分がたくさん出る。そこでごまを合わせる。水分の多いトマトにはごまがとても合い、すりごまがその水分を吸ってくれるからだ。分量はトマト2個(約400g)に対し、砂糖小さじ1と1/2、すりごま大さじ3(大さじ2〜3とたっぷり)、醤油小さじ2、塩2つまみ。鰹節があれば2つまみ(約2g)加える。鰹節も乾燥しているので水気を吸い、トマトの味がはっきりするという。混ぜると、トマトから出た水分がごまと鰹節によってまとまり、少しとろっとした状態になる。

味見したリュウジは、酒飲みなので塩をもう1つまみ足したほうが良いと調整した。概要欄のレシピでも塩は3つまみになっている。仕上げのポイントは、冷蔵庫でしっかり冷やすこと。冷えているほうがおいしいからだ。盛り付けのときに刻んだ大葉を加えてもいいが、材料が増えるので今回はこのままにした。ご飯にも酒にも合う一品としている。

10:50

きゅうりに火を入れる理由

主菜のきゅうりそぼろ丼では、きゅうりに火を通す。生で食べるのはみんなやっているから、というのがその理由だ。スタッフから、きゅうりに火を入れる料理には何があるのかと聞かれると、リュウジは「あまりない」と答えた。自分は昔からきゅうりに肉を巻いてオーブンで焼くなど、加熱する料理を作ってきたが、そうしたレシピは少ないという。だからきゅうりは夏にしか食べられないし、ご飯と合わせるのも漬物くらいだ。リュウジは、きゅうりはもっといろいろな方法で食べてほしい、こんなものではない、と強調した。

きゅうりは2本(280g)を使う。ヘタは食べないと言われるが、リュウジは食べる。縦に8等分程度に切ってから、1cm角くらいのさいの目にする。切り方は任せるという。種は取らない。取った種の使い道がないからだ。この大きさなら、加熱してもきゅうりの食感が残る。分量は3人前なので、1人前なら1/3、2人前なら2/3にすればいい。

にんにくも加える。大きめのにんにく約15gをみじん切りにした。リュウジの説明では、にんにくはきゅうりの青臭さをマスキングする。青臭さを覆い隠すことで、ご飯との相性が良くなるという。下ごしらえはこれだけで、とても簡単だと述べた。

途中、きゅうりにはカリウムが豊富だという話もした。カリウムは水分を排出する働きがあるので、むくみに悩む人にすすめられる、とリュウジは説明している。

14:28

油を使わずに炒める:鶏ももミンチと二段階のきゅうり

肉は鶏ももミンチ300gを使う。なければ豚ひき肉でもいい。鶏むね肉なら、カロリーや脂質を抑えられる。今回は油を使わない。夏は脂っこいとたくさん食べられないので、あっさりしたものにしたいからだ。鶏ももや豚のミンチなら肉から脂が出るので油はいらない。むね肉の場合は脂があまり出ないため、少しだけ油を足すといい。肉の量は、きゅうりとほぼ同量が目安になる。

フライパンに火をつけてミンチを入れ、塩1つまみで下味をつけながら炒める。脂が出てきたらにんにくを加える。にんにくがシュワッと炒まると香りが良くなる。

ここからが、このレシピの工夫である。リュウジによれば、きゅうりの炒め方には2種類ある。よく炒めると、じゅわっとした食感になる。最後のほうで入れると、コリコリした食感を楽しめる。今回は好みとしたうえで半々にした。前半のきゅうりは肉のうま味を吸わせ、後半のきゅうりで食感を残す。まず、きゅうりの半量を入れて炒める。

味付けは鶏がらスープの素を小さじ1と1/2。鶏がらときゅうりは相性がいいという。さらに、リュウジが「隠し味」と呼ぶオイスターソースを小さじ1と1/2加える。味に深みを出すために重要な材料だと説明した。味の構成は中華に近い。それでも油を使っていないのでヘルシーだという。炒めたきゅうりについて、福島県産のものは加熱してもみずみずしさが抜けない、と評価している。

この時点でもご飯に合う。それでもリュウジは、残り半分の生のきゅうりを加えて二段階に仕上げた。普段なら、きゅうりはごま油と合わせることが多い。今回はきゅうり自体の香りを感じてほしいので、ごま油も使わない。火が通ったきゅうりと通っていないきゅうりのコントラストがおいしい、とリュウジは強調した。

18:25

卵を落として蒸し焼きにする

最後に卵を3個割り入れる。これで栄養バランスが完璧になるという。3人前で量が多いため、卵を割る間はいったん火を止めてもいいと補足した。再び火をつけて卵の下側を焼き、下が固まってきたら蓋をして蒸す。半熟のまま食べてもいいし、もっと火を入れてもいい。今回はもう少し蒸してから、黒胡椒をふった。にんにく、胡椒、鶏がらで味をつけるのは中華の手法だとリュウジは説明している。

見た目について、リュウジは「かわいい」と何度も話題にした。もうすぐ40歳になるがかわいいものもいける、と冗談も言っていた。蒸している間には日本酒の話もした。日本酒がいちばん好きだが、飲み始めると止まらないので普段は飲まない。旅行に行くと必ず地酒を飲むという。

21:28

料理系YouTuberの見せ方:卵白の膜をはがす

仕上げに、リュウジは「YouTubeのテクニック」を披露した。蒸し焼きにした目玉焼きの黄身の上は白っぽく見える。これは卵白の膜が固まって白く見えているだけなので、そっとはがすと黄色い黄身が見えるようになる。白い膜がかかっていると美味しくなさそうに見えるので、黄身を見せたほうがサムネイル映えする、という料理系YouTuberならではのコツだ。膜をはがした部分は黒胡椒も取れてしまうので、少し足しておく。

盛り付けでは、炊きたての「福、笑い」を丼によそい、具をのせる。きゅうりの爽やかな香りがよく立つという。炒めたきゅうりでご飯を食べる喜びを日本人は知らない、とリュウジは述べた。味付けはやや控えめにしてあり、最後に粗塩をパラパラとかけて完成させる。粗塩だと味にばらつきが出て、塩気のコントラストを楽しめるからだ。普通の塩でもかまわないと補足している。

24:50

試食:二段階のきゅうりとトマト苦手のスタッフ

試食では、まず届いた日本酒で乾杯した。スタッフも、甘いがすっきりしていると同意した。

トマトのごま和えを食べたスタッフの一人は、トマトが苦手だった。苦手な理由は、ぐじゅぐじゅした食感だという。しかし、このトマトは新鮮でパキッとしていて、ごまと鰹節も合うので食べられた。トマト苦手キャラを福島県のおかげで卒業するか、と話していた。切って和えただけなのにおいしい、という声も出た。リュウジは、自分にしては珍しくうま味調味料を使っていないと振り返っている。

きゅうりそぼろ丼については、きゅうりがご飯に合うという感想が相次いだ。きゅうりを2回に分けて入れたのは正解だったという声も多かった。シャキッとしたきゅうりと、味が染みたきゅうりが二段階で来る食感のアクセントが好評だった。食べたことのない料理だという感想に続いて、ガパオに少し似ているという指摘も出て、その場で同意された。リュウジは自ら「結構傑作だと思う」と述べている。

スタッフからは、こうした料理は無理やりきゅうりを使ったような印象になりがちだが、これはきゅうりでなければ成り立たず、他の野菜では代わりにならない、という評価が出た。普段あまり料理をしない自分でも作れそうな難易度だという声もあった。

27:48

結び:加熱したきゅうりの可能性

リュウジは、きゅうりは生でもおいしいが、火を通すことで新しい可能性が出て、日々の食卓に取り入れやすい野菜になるとまとめた。トマトはごま和えにすることでうま味がまとまり、ご飯にも酒にも合うおかずになるという。最後に、手に入るなら福島県の米「福、笑い」と合わせて、福島県の夏野菜を味わってほしいと呼びかけた。