「時間がない」から抜け出す方法:朝活の伝道師・5時こーじが語る、やる気に頼らない時間術

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概要

フルマラソン完走と英語でのインタビューを年始に宣言したものの、ランニングも英語学習もまったく続いていない。新R25のりんたろうが抱えるこの悩みを、朝活の伝道師として知られる5時こーじに相談したのがこの動画である。忙しい社会人が、仕事の成果を落とさずに自分のやりたいことの時間をどう確保するのか。5時こーじは、時間の作り方以前に「自分への期待値」「時間の区切り方」「習慣の目的」「最初の10分」を見直すべきだと答えた。

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週3で走りたいのに、時間がない

冒頭の雑談で、りんたろうは悩みを具体的に説明する。フルマラソンに向けて週3回ほど走りたいが、仕事が忙しく、練習時間をどこで捻出すればよいかわからない。ほかにも、英語インタビューのための英語学習、ゲーム、サッカー観戦とやりたいことは多い。

りんたろう自身も、使える時間がまったくないわけではないと認めている。電車でポケポケをやり、帰宅後も気づけば1時間ほど続けていることがある。一方で、仕事が本当に忙しい日や会食がある日もある。翌朝に大きなタスクが控えていると、夜9時に帰宅して1時間走れる状況でも「今日はやめておこう」となり、結局仕事を優先してしまう。

同席者からは、仮に走ったとしても翌日の仕事がちらついて集中できず、「体は走っているのに頭は走れていない」状態になるのではないか、という指摘が出た。時間がないというより心に隙間がない、という見方である。りんたろうは、自分のリズムで生きている感覚、つまり時間をコントロールしている感覚があまりなく、仕事に動かされていると話す。ただし、仕事の時間を減らして成果が出なくなるのは嫌で、仕事と自分のやりたいことを両立したいというのが相談の核心だった。

りんたろうは、2年ほど前に売れた三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』にも触れ、仕事や忙しさのせいでやりたいことができなくなる問題が、5時こーじの新刊『最初の「10分」がすべて』の裏テーマでもあると感じたと述べている。

4時半起きの「時間持ち」

5時こーじは、現在は4時半ごろに起きている。朝活を広める活動は8年目を迎え、早寝早起きを軸に前年5月に起業した。本人は、抑えきれなくなって会社を始めたと表現している。

5時こーじは自分を、お金持ちならぬ「時間持ち」と呼ぶ。収録は夕方だったが、仕事はほぼ終わった状態で来ており、「あれが終わっていない」「取材の後に予定が詰まっている」ということがほとんどない。だから今日はいつまででも話せるつもりで来た、というのが本人の説明する時間持ちの良さである。

自分への期待値が高すぎる

りんたろうの話を聞いた5時こーじの最初の指摘は、「自分に対する期待値が高すぎる」というものだった。頑張り屋や完璧主義の人が陥りがちなパターンとして、予定を詰め込み、5つのうち3つできても、できなかった2つに目が向いて「なぜできなかったのか」と考えてしまう。加点法ではなく減点法ですべてを捉えるこのスタンスが、生きづらさに直結していると5時こーじは見ている。

5時こーじ自身は自分への期待値がかなり低いという。できなくて当然とまでは言わないが、できたことが素晴らしいと考え、10個のうち2個できたなら「今日は2個できた」と加点法で捉える。10個できても2個でも「そんな日もある」として、くよくよしない。

これに対してりんたろうは、目標がなかったころは加点法で生きられていた気がするが、目標を立てて逆算でロードマップを作ると、できなかったときの「できなかった感」が生まれてしまうと反論した。

目標は3つのパターンで用意する

この問いに5時こーじは、仕事でも使う目標設定の方法を紹介した。ロードマップを一本にせず、普通にやれば達成できる版、少し頑張った版、めちゃくちゃ頑張ればここまで行ける版、そして最低限ここまでは行こうという版を用意し、松竹梅のように角度を調整していく。これが期待値のコントロールとして大事だという。

フルマラソンと英語インタビューに当てはめるなら、最もミニマムな目標は何かを考える。たとえばトイレにいる間だけは英語をやる、5分でもいいから毎日続ける。それだけでも1年前のりんたろうよりは良くなっており、「最低限やった」という「できた」になる。

5時こーじによれば、多くの人はこの最低限に丸をつけるのが厳しすぎる。1時間できなかった、週5回のつもりが週3回になった、と考えてしまうが、週3回でもだいぶやっているし、ゼロよりは確実に進んでいる。仕事では達成が前提になっているので、その感覚を持ち込みすぎている。自分のやりたいことは仕事ではないのだから、期待度の置き方を調整する必要がある、というのが5時こーじの見方である。

24時間を7つに分ける

では、そもそも時間をどう作るのか。5時こーじが本の大前提として挙げるのが、24時間を7つに分けるという考え方だ。

普通に生きていると、24時間は「起きる」「会社に行って仕事をする」「家に帰る」「寝る」の4つのブロックで終わってしまう。りんたろうも自分はだいたいそんな感じだと認めた。5時こーじはこれを、スリープ、ウェイク、集中時間であるフォーカス、ワークタイム、そこからグラデーションのように続くフリータイム、最後に寝る前のダウンタイムといった7つに分けて、意識的に時間を区切っていくことを勧める。これが時間持ちへのファーストステップだという。

5時こーじが重視するのは、毎日同じリズムで生きることが最も省エネだという点である。起きて何をするか、ご飯を食べるか何をするか、今日は飲み会に行くか行かないか。こうした意思決定が自由すぎると選択疲れを起こし、かえって不自由になる。帰宅したら荷物を置いてすぐ走りに行くことがルーティンとして決まっていれば毎日必ず走れるはずだが、そこに飲み会や残業などの揺らぎが入り、「残業があったらこうしよう」といった条件分岐が増えすぎると対応しきれなくなる。りんたろうは、自分がまさにその状態だと認めた。

やることを減らして勝つ:飲み会1回で12時間

5時こーじは、不確実性はゼロにはできないとしつつ、それを減らしていく戦略を説く。やることを増やすのではなく、やることを減らし、省いて勝つという全体思想である。

その例が飲み会だ。飲み会に行かなければ、移動1時間と飲み会2時間などで約4時間が手に入る。翌日の不調による睡眠の質の低下も加えると8時間ほどの損失になり、合計すると飲み会を1回断るだけで12時間ほど手に入る、と5時こーじは概算する。7つのブロックをうまく使いながらこうした選択をしていけば、自然と時間持ちになっていくという。

会食に行かずに関係を築く

りんたろうは、若手ビジネスパーソンにとって会食に行かないのは難しく、実際にそこから仕事のチャンスが広がることもあると問いかけた。

5時こーじの答えは、会食に行かずに、会食と同じ効用のあることに切り替えるというものだった。例に挙げたのは、りんたろうとの関係そのものである。二人は今回で4、5回目の顔合わせになるが、会食をしたことは一度もない。それでも連絡は取り合っており、会食1回よりも近い関係になっている可能性がある、と5時こーじは話す。実際にしているのは、モーニングを一緒にしたり、ときどきメッセンジャーで「こんなイベントがあるから来て」と連絡したりして、10分でも20分でも話す機会を作ることだ。そうした機会をこまめに入れれば会食より勝る、という考えである。

プライベートでも同じ発想をとる。年に2回会う大学の友人と夜に飲みに行くくらいなら、どこかの週末に旅行にしてしまう。その方が2回の飲み会よりもいい思い出になりそうだ、という代替案を常に考えるのだという。

ここで5時こーじが強調したのが自己決定である。まず自分のリズムをベースにし、そこに他人の予定が入ってくるときは、パズルゲームのように来たものをすべて受け入れるのではなく、打ち返していく。人から言われたことに対応するのではなく、行く・行かない、やる・やらないを自分で決めて行動する。これを繰り返すと、「行きたくもない飲み会に行ってランニングができなかった自分はなんてやつだ」と感じる回数が減っていく、と5時こーじは説明した。

やる気に頼らず、大事なことは朝に前倒しする

りんたろうは次に、仮に飲み会が週5回から週2回に減って時間ができたとしても、それでも走れない問題があると切り出した。意志力が足りないのではないかと感じる場面があるが、本には意志力は必要ないと書かれている、という問いである。

5時こーじは、やる気やモチベーションのような意志力は基本的にないものだと言う。歯を磨くような行動にやる気は必要ない。だから、意志力に頼らずに自分の時間割の中にどう入れ込むか、自分のリズムや仕組みをどう作るかが大事で、それも戦略だという。

5時こーじは例として、朝にランニングを終えているりんたろうと、夜23時になってもランニングができていないりんたろうの、どちらがストレスを抱えていそうかと問いかけた。後者は、朝起きて「走らなきゃ」と思い、ランチを食べながら「今日も走っていない」と思い、夕方に残業が決まって「今日は走れるかな」と気にし、帰宅してやめる、という一日を過ごすことになる。だから、絶対にやりたいことは前倒しし、起きた瞬間に近いほど早く終わらせてしまう方が心のストレスは少ない、というのが5時こーじの考えである。本人も雨の日は外に出たくないと思うことはあるが、やれば「今日もやれた」といい気持ちになる。その状態をどう作るかが大事だという。

朝のフォーカスタイム90分は、そのための時間にあてる。仕事をしてもよいが、自分の中で優先順位の高いものをこの時間にやっておく。5時こーじの場合、朝に散歩し、最近始めた英語をやり、自分のルーティンが終わった状態で朝7時を迎える。そうすれば、仮にその日の残りがすべて不調でも「いい日だった」と思える状態が作れており、メンタル的に整うという。

5時こーじはこれを電池にたとえる。睡眠が足りていればという前提で、朝一番がコンディションとして充電100%で、そこから消費していき最後に寝る。消費した後で頑張っても、残った電池量でしか活動できない。だから重いものや大事なものほど前に持っていく方がよく、瓶に大きな石から詰める話は正しいと思う、と語った。本人も、今の夕方の時間から何かやれと言われても、もう電池を使い切っているのでやりたくないという。

「午前だけ働く」宣言と、あえて作るバッファー

5時こーじは2026年に「午前だけ働く」と宣言し、12時には仕事を終えている。ただし午後にまったく仕事をしないわけではなく、午後は「延長戦」と呼んでいる。

背景には子育てがある。18時に保育園のお迎えがあるため、「今日は仕事が乗っているから夜まで頑張ろう」「20時からミーティングでも大丈夫です」といった延長ができない。子育て中は余白やバッファーの時間が基本的になく、延長が許されない窮屈な世界で生きなければならず、それが結構きつい。そこで、12時以降は仕事をしてもよいし休んでもよい時間として、あえてバッファーを設けた。午後は取材を受けてもいいし、本を読んでもいいし、疲れたら寝てもいい。そうするために、午前中は集中して頑張るのだという。

5時こーじは、制約を適度に入れることも勧める。たとえば水曜20時からのランニングクラブに入り、会社の人に「水曜の20時からはランニングクラブに行きます」と伝えておけば、それが仕事より優先度の高いものになる。英語やランニングが仕事より優先される状態を作ることが大事だという。

生産性のゲームから降りる

5時こーじは、生産性のゲームからは早く降りた方がいいと話す。生産性はラットレースであり、生産性を上げればその分また新しいタスクが来る。仕事が終わるということは基本的にない。生産性は大事だが、生産性ファーストで朝から夜まで過ごせば機械のようになってしまう。

具体例として、5つのプロジェクトを抱えている人が生産性を上げると「6つ目もいけますか」と言われ、無理をしてこなせるようになると7つ目が来る。「あの人に任せれば全部終わる」という評判が立ち、さらに仕事が入ってくる。5時こーじ自身は、6つ目が入りそうなときには何か1つを外すなど、やらないことを決め、仕事のキャパシティを100から120に広げない努力をしているという。

りんたろうは、自分の年代ならキャパシティを広げることも一定程度は大事かもしれないと返した。5時こーじはそれを否定せず、無限にやれば仕事でパンパンの30代になってしまうので、量から質へとフェーズを変えていくことが大事だと答えた。

習慣の目的が弱い

話の途中で、5時こーじは「脱線すると」と前置きし、りんたろうのフルマラソンと英語インタビューは目的が弱いと指摘した。

5時こーじは早寝早起きを人に教える仕事をしているが、最初の1か月ほどは早寝早起きのやり方をあまり教えないという。代わりに、なぜ早寝早起きしたいのか、できた時間で何をしたいのかを問いただすことばかりする。「なんとなく早起きしたい」「早起きした方が気持ちいいと思うから」程度では納得感が弱すぎて、習慣化できないからだ。心の内側から出てくるやりたいことかどうかがはっきりすれば、頑張らなくても習慣化できる。今は意志力がないと走りに行けないと思っているかもしれないが、そこが変われば丸がつきやすくなる、と5時こーじは話す。

5時こーじはこれを、行動する前のセットの問題だと表現する。行動前の準備が弱すぎるから、多くの人は目標を達成できない。飲み会を1つ断るにしても、納得感がなければ結局行ってしまう。より大きな話としては、生きている目的や仕事をしている理由の解像度が上がるほど、習慣化や継続、目標達成は近づくと考えている。1日24時間、あるいは週168時間という限られた時間を何に使うかが明確になれば、1時間1時間が意味のあるものになる。りんたろうは、それはできていないと認めた。

最初の10分がすべて

その上で、1時間の過ごし方を10分まで落とし込めば基本的に何でもできるようになる、というのが本のタイトルにもなっている「最初の10分」の話である。

時間を区切って終わりではなく、たとえばウェイクタイムが終わってフォーカスタイム90分に入るとき、その最初の10分をどう過ごすかが重要だと5時こーじは言う。フォーカスタイムに入ったのに、届いたメールを返したり、机を片付けたりと違うことを始めると、「そういえば」と別の方向に時間が流れていく。最初の10分を制すればスタートダッシュが切れて、残りの時間は回っていく。だから、すべてのブロックの最初の10分を、ストップウォッチで測りながら意識的に、やりたいことにコミットする。あとの時間はジョグのように、余韻で進めるという。

仕事でのよくある例として、5時こーじは次のような一日を挙げた。出社してメールを返し、別の連絡を思い出して返信し、話しかけられて頼まれたことを、今日でなくてもよかったかもしれないのにすぐやってしまい、気づけば昼になっている。そうではなく、今日のタスクを見て企画書作りが最優先なら、それを最初の10分でやりきる、あるいは10分向き合う。マルチタスクになっているタブはすべて消して、それだけをやる。10分考えたらその流れでジョグのように続けて20分で終わる。10時に一番大事な仕事が終わっていない人と、10時10分に終わっている人とでは、その積み重ねが仕事のパフォーマンスの差になると5時こーじは見ている。

りんたろうが、その10分すら集中できないことが多いかもしれないと言うと、5時こーじは、それは時間の区切りがないため、自分が今どのレーンを走っているのかわからないからだと答えた。5時こーじには時間帯が色で見えており、午前中は真っ赤、午後は青くなっていく。赤のゾーンに会食やお店の予約を入れがちだが、それは赤でない時間にやればいい。今日何をやっておけばオッケーかを決め、その10分でスイッチが入れば、スイッチは切れずにそのまま続くという。

りんたろうは、10分と聞いたときは「10分で何ができるのか」と思ったが、スタートダッシュを切って余韻で走るための10分なのだと理解した。5時こーじは水泳にたとえ、スタートで壁を蹴ってぐいっと進む人と、壁を蹴らずにスタートする人とではかなり差が開くと説明する。この壁を蹴る動作が10分のスイッチであり、それを1日7回できれば勝ちだという。

これは仕事以外にも当てはまる。寝る1時間前からのダウンタイムでも、「あと1時間で寝る」と意識してノートを書く、読書する、パートナーと過ごすといった時間にするのか、スマホからスイッチが入ってしまうのかで、まったく違うダウンタイムになる。1時間スマホを触らないと思うときついが、最初の10分だけスマホを触らずに本から入ろうと思えばできそうに感じる。10分本から入れば30分は読んでいるはずで、30分後にどちらが豊かだったかといえば本を読んだ方だろう、と5時こーじは話す。多くの人は逆で、最初の10分を緩く過ごしてから後の時間で頑張ろうとするため、力が入って疲れてしまう。スイッチの入れ方を間違えなければ一日に丸がつきやすくなる。りんたろうはこれを「ぬるっと入るのをやめよう」という話だとまとめた。5時こーじは、自分はしていないがと断った上で、始める前に儀式のようなことをしてもいいかもしれないと付け加えた。

最初の一歩は、1週間を記録すること

最後に、習慣形成の一歩目は何かという話になった。5時こーじが指導の最初に行うのは、1週間の過ごし方をすべて洗い出してもらうことだ。朝何時に起きて、どんな仕事をして、ランチに何を食べたかまで書き出してもらい、「この3時間はいらないですね」とパズルゲームのように組み替えていく。今この場でりんたろうにアドバイスしても、生活リズムを知らないので一般的なことしか言えないが、1週間の記録があれば「ここですね」とわかるという。

記録はマストだと5時こーじは言う。記録を始める前に毎日何時に寝ているかを尋ねると、すぐに答えられる人は半分ほどで、残りの半分は「確か24時だった気がする」といった具合で、時計を意識していない。まず時計を意識して1週間を書き出してもらうと、「飲み会が週4回入っている」といったことが見えてくる。そこから自分と向き合い、内省し、これを続けたいのか、どう変えたいのかを話していく。記録すると自分の癖がわかり、その癖に合わせて「ランニングはここに入れよう」と、その人のリズムに無理なく習慣を組み込める。

5時こーじは、今はその記録がない状態でランニングの習慣をどうつけるかを話しているから難しいのだと指摘し、りんたろうも「それは無理だ」と納得した。りんたろうは、そもそも自分がどう生きているのかを多くの人がわかっていないのではないかと述べ、5時こーじも「そこからですね」と応じた。

いろいろ話したが、やることはシンプルだとりんたろうはまとめる。納得度を上げた人生にし、時間割を作り、10分を制していく。りんたろうはまず1週間の記録から始め、次回に経過を報告すると約束して対談は終わった。