OpenAI・NVIDIA・Oracleの「循環投資」は何を意味するのか:安野貴博氏が解説するAI業界のレイヤー構造とバブル論
安野貴博の自由研究OpenAI、NVIDIA、OracleというAI関連の3社のあいだで、お金がぐるぐる回る「循環投資」が起きているのではないか。そうした指摘が相次いでいることを受けて、安野貴博氏がこの取引関係を調べ、解説している。論点は4つある。3社の循環投資とは何か、その背景に何があるのか、なぜこれほど複雑な構造になっているのか、そしてこれはバブルなのか、である。
循環投資とは何か
安野氏によれば、循環投資とは特定の集団の中で互いに投資し合い、資金を循環させることで、見かけ上の価値が釣り上がることを指す。今回問題にされているのは、OpenAI、NVIDIA、Oracleの3社の間で、この構図が成立しているのではないかという点である。
きっかけになったのは、2025年9月22日の発表だ。OpenAIとNVIDIAは、1000億ドル(日本円で約15兆円)規模の戦略的パートナーシップを結んだ。内容は、OpenAIがNVIDIA製のGPUでAIデータセンターを作り、その分NVIDIAがOpenAIに約15兆円を投資するというものである。
この発表の前から、3社の間には別の契約があった。発表の12日ほど前の2025年9月10日、OpenAIはOracleと3000億ドル(約44兆円)規模のインフラ構築契約を結んでいる。安野氏は「この規模自体がやばい」と述べたうえで、これはデータセンター、つまりコンピューターが大量に置かれた部屋を作るための投資とされていると説明する。
さらにOracleは、2025年5月24日にOpenAI向けのデータセンターのため、NVIDIAからGPUチップを40万基、約400億ドル(約6兆円)分購入すると発表していた。これらの点をつなぐと、NVIDIAからOpenAIへ1000億ドル、OpenAIからOracleへ3000億ドル、OracleからNVIDIAへ400億ドルという流れになる。資金が3社の間を循環しているのではないか、というのが今回の指摘の中身である。
3社それぞれの狙い
安野氏は、3社にはそれぞれ狙いがあると見ている。
OpenAIは、とにかく早く大量の計算能力を確保したい。最終的な目標である人間を超えるようなAIを作るには、膨大な計算能力が必要だからだ。
NVIDIAは、自社のGPUを世の中に普及させ、エコシステムを確立したいという狙いがあると安野氏は考えている。
Oracleについて、安野氏はクラウド市場での立場に注目する。データセンターの市場で、Oracleのシェアは2%程度しかない。AWS(Amazon Web Services)、Google Cloud、MicrosoftのAzureの3社と比べると、Oracleはクラウドサービスの領域で出遅れている。それでもAIインフラという非常に重要な領域では他社に勝たなければならないので、力を入れているのだろう、というのが安野氏の見方である。
3社がそれぞれの戦略目標に向けて巨額の契約を結び合った結果、この関係が成り立っている。
背後にあるスターゲート・プロジェクト
2つ目の論点は、3社間の取引の背後にあるさらに大きな計画である。3社の取引だけでも40兆円規模の契約が含まれ、普通の会社では想像できない額だ。しかしその後ろには、スターゲート・プロジェクトという、もっと大きな計画がある。
スターゲート・プロジェクトは2025年1月に発表された、アメリカ政府主導の超巨大AIインフラ構築計画である。初期の出資者は、ソフトバンクグループ、OpenAI、Oracle、そして中東のファンドであるMGXの4社だ。発表時にはトランプ大統領、サム・アルトマン氏、孫正義氏の3人が会見しており、安野氏は印象の強い光景だったので覚えている人もいるだろうと振り返る。
計画の規模は4年間で5000億ドル(約75兆円)の投資である。ソフトバンクが財務責任を、OpenAIが運営責任を負い、孫正義氏が会長に就いている。当初は4年間でアメリカに10GW級のAIインフラを作る予定だった。データセンターの大きさは電力消費量で表すことがある。ところが9月24日には、予定より早く2025年末に達成できるという見通しが発表された。
初期の技術パートナーには、ArmやMicrosoftのほか、NVIDIA、Oracle、OpenAIの名前も挙がっている。安野氏は、スターゲート・プロジェクトは調べても詳細が明らかになっていないと断ったうえで、今回表に出てきた参加各社の巨額投資は、このプロジェクトの一環か、何らかの関係があるのかもしれないと見られていると紹介している。
少数企業による独占への賛否と電力の問題
国家規模の巨額プロジェクトを、ごく一部のAI企業が独占している状態については、いろいろな議論があると安野氏は言う。良い面としては、急成長を目指すなら、みんなで合意を取るより、少数のプレイヤーに巨額の資金を集めて一気に進めたほうが速いという意見がある。一方で、社会全体に関わる事柄をその人たちだけで決めてしまうのはガバナンス上の問題がないか、という意見もある。
特に問題になるのが電力だ。スターゲート・プロジェクトには10GWの電力調達が必要とされる。安野氏は、10GWは普通に暮らしていると感覚がつかめない数字だとしたうえで、1GWが原発1基分くらいの非常に大きな電力消費だと説明する。安野氏が調べた範囲では、プロジェクトではまだ原発は動いておらず、現在のデータセンターの電力は天然ガスで賄われているという。将来は原発や太陽光発電に切り替えることも視野に入れているようだが、少なくとも短期的には天然ガスが大量に使われているらしい、と安野氏は伝えている。
AI業界の4つのレイヤー
3つ目の論点は、なぜこれほど複雑な構造になっているのかである。安野氏は、ここまで多くのAI関連企業の名前が出てきたが、業界のレイヤー構造を把握すれば、各社が何をしたいのか理解しやすくなると言う。安野氏によれば、AI業界は大きく4つの層が積み重なってできていると捉えられる。
一番下は半導体のレイヤーで、計算用のチップを作る企業が並ぶ。NVIDIA、AMD、Broadcomなどである。NVIDIAが作るGPUは、もともとグラフィック計算用のチップだが、AI計算に非常に使えるため広く使われている。
その上がデータセンターのレイヤーである。大量のGPUを、電力を確保した場所に置いて動かし、インターネット越しに使えるようにするサービスだ。AWS、MicrosoftのAzure、GoogleのCloud、そしてOracleがここに入る。
3層目は、AIの基盤モデルを作る企業である。OpenAI、GoogleのGemini、Anthropic、中国ではDeepSeekなどが、フロンティアモデルや基盤モデルを開発している。
最上層はアプリケーションのレイヤーで、基盤モデルを使って実際にビジネスをする企業がいる。例としてCursor、Devin、Harvey AIが挙げられた。ChatGPTなどを使って法務や弁護士向けのサービスを提供するような会社が、この層に生まれている。
下の層への依存とNVIDIAの強さ
この4層では、上の層は下の層に依存している。アプリケーションを作る企業は基盤モデルに依存している。賢いアプリケーションを作るために、裏側でChatGPTのAPIを大量に呼び出しているといった具合だ。基盤モデルを作る企業はデータセンターに依存する。賢いモデルを作るには大量の計算が必要で、そのためには大きなデータセンターが要るからだ。そしてデータセンターはチップに依存する。大量の計算ができるデータセンターにはGPUが欠かせない。
安野氏はこの構造から、NVIDIAの強さを説明する。NVIDIAは現在、おそらく世界1位の時価総額で、600兆円ほどになる。これほど強いのは、AI業界の一番下の半導体レイヤーにいて絶対に必要とされ、しかもAI向け計算の分野をほぼ独占しているからだという。最近はGoogleのTPUやBroadcomなど新しい選択肢も出てきているが、シェアはNVIDIAが圧倒的に大きい。
層ごとの競争状況も異なる。半導体の層はNVIDIAがかなり独占している。データセンターと基盤モデルの層は数社による寡占で、アプリケーションの層にはさまざまな産業に多くの企業がいる。安野氏によれば、2〜4番目の層にいる企業は競争に勝つため、一つ上や一つ下の層の企業に次々と唾をつけ、関係を持とうとしている。それが積み重なった結果、冒頭で紹介した循環投資のような関係が生まれ始めている、というのが安野氏の整理である。
循環投資はなぜバブルと結びつくのか
4つ目の論点は、これがバブルかどうかである。循環投資のニュースが出たとき、これはAIバブルだと言う人が多かった。
安野氏は、循環投資がバブルにつながる理由を2つ挙げる。まず、互いが互いの価値を釣り上げるので、価格が上がりやすい。そして、どこか1社で製品が売れなくなる、資金が途絶えるといった問題が起きると、逆回転が始まって価値が急落する。これがバブル崩壊である。
過去のバブルを見ても、循環投資や循環取引のスキームが現れることが、バブル末期のサインだったケースが多いらしい、と安野氏は言う。例として挙げたのが、ITバブル期のエンロンの不正会計である。エネルギー企業のエンロンは、ある会社に電力を売ると同時に同じ会社から買うといった2社間の循環取引を行い、実際の取引量はゼロのまま、売上と仕入れの量を調整していた。こうしたサインを見ると、多くの人がこの業界はバブルだと考える。
ベゾス氏の「産業バブル」論
こうした中で安野氏が「結構面白い」として紹介したのが、Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏の見解である。ベゾス氏はこれがバブルであることは認めつつ、2008年のリーマンショックのときのバブルとは違うと主張している。リーマンショックは金融バブルだったが、今回は産業のバブルだという。
産業バブルの例として、ベゾス氏は1990年代のバイオテックバブルを挙げる。製薬会社やスタートアップに投資が集中し、実際にバブルが弾けてお金が失われた。それでも、人の命を救う薬は数多く生まれたという。2000年のインターネットバブルでも、バブルは弾けたが光ファイバー網は地球上に残り、その後の高速インターネットが実現した。
金融バブルと違って、産業バブルでは評価額が下がっても社会は恩恵を受けるのではないか、というのがこの議論の要点だ。安野氏の説明によれば、ベゾス氏が言いたいのは、実際にすごいAIはできるだろうし、データセンターも残るということである。それはバブルが弾けた後も世の中にとって恩恵になる。だから、バブルはバブルでも、インフラが残る良いタイプのバブルなのではないか、というのがベゾス氏の見方だ。
判断は保留したまま
安野氏は最後に、バブルではないと言う人も大勢いると付け加えている。バブルかどうかは視聴者それぞれが冷静に判断してほしいとし、ベゾス氏の産業バブル論は、あくまで一つの面白い見解として紹介したと位置づけた。安野氏自身は、今回の循環投資がバブルかどうかについて結論を示していない。
どうもこんにちは。安野貴博です。本日は今話題となっている3者の取引についてお話ししたいと思います。その3者というのはOracle、NVIDIA、そしてOpenAI。このAIにまつわる3者が循環取引みたいな投資の関係、循環投資をしているんじゃないかっていう、そういう話が出ているのでちょっと深掘って調べてみました。
大きくポイント4つ紹介したいと思います。まず1つ目はこの3者の循環取引って何ですか?という話が1つ目で、2つ目がこの動きの背景には何があるのかという話。そして3つ目は、なんでこんな複雑な構造になってしまっているのか。そして4つ目が、これはバブルなのか。この4つについてお話ししていきたいと思います。
まず第1のポイントとしてこのOpenAI、Oracle、NVIDIAの間の循環投資のスキームについて見ていきたいと思います。循環投資っていうのは何かと言うと、特定の集団内で投資をし合ってですね、循環させて、見かけ上の価値が釣り上がること、これを循環投資と呼ぶらしいです。この3つを図にするとこれですね、このOpenAI、NVIDIA、Oracleの間でどういう取引があるのか順番に見ていきたいと思います。
25年の9月22日にまずOpenAIとNVIDIAは1000億ドル規模、大体日本円にして15兆円の規模の戦略的なパートナーシップを発表いたしました。この時OpenAIはNVIDIA製GPUでAIデータセンターを作りますよと。で、その分NVIDIAがOpenAIに15兆円投資をしますよと。そういう内容になっております。この発表で、過去の契約関係がすでにあるので、OpenAI、Oracle、NVIDIAの3者の間で循環投資になっているのではないかという指摘が相次いでいます。
実はその2025年の9月10日、そのOpenAIとNVIDIAの関係が出る12日前くらいに、OpenAIはOracleと3000億ドル、44兆円規模の、これすごい規模でこれ自体がやばいんですけど、44兆円規模のインフラ構築契約を結んでいました。これはそのデータセンター、そのパソコンがいっぱいある部屋ですね。ざっくり言うと、データセンターの構築のための投資とされていますと。さらにOracleは、2025年の5月24日、半年前くらいにOpenAI向けのデータセンターのためにNVIDIAからGPUのチップを40万基、大体約400億ドルくらいですね。これも6兆円くらいですかね。6兆円くらいの購入をすることを発表していました。
なので、1個1個点をつないでいくと、NVIDIAからOpenAIに1000億、そしてOpenAIからOracleに3000億、OracleからNVIDIAに400億って形でどんどんどんどん資金が循環しているじゃないかという、そういう指摘でございます。
これもちろん3者ともそれぞれ狙いがあります。OpenAIはとにかく早く大量の計算能力を確保したい。なぜかと言うと、彼らが最終的に目標としている人間を超えるようなAIを作るためにはとにかくたくさんの計算能力が必要だからです。で、2つ目にNVIDIAとしてはやっぱり自社のGPUをしっかりと世の中に普及してエコシステムを確立させていきたいと、そういう狙いがあると思っています。で、3つ目にOracleはですね、クラウド市場、そのデータセンターの市場があるわけですけれども、その中でシェアは実はですね、Oracle負けててシェア2%くらいしかありません。AWS、Amazonですね。Amazon Web Services、Google Cloud、そしてAzureですね。Microsoft Azureのこの3つと比べるとクラウドサービスと呼ばれる領域においてOracleはすごく出遅れているんですけど、ただAIインフラという超重要領域においては他に勝たないといけないということで気合を入れていると、そういうことかなと思ってます。このように3者がそれぞれの自分たちの戦略的な目標に向けて巨額の契約を結び合っているという、そういう関係が成立しています。
第2のポイントはこの一連の3者間の取引の背後にあるより大きなプロジェクトについて紹介したいと思います。もちろんこの3者の取引だけでも例えば40兆円くらいの契約があったりとか、もう普通の会社では計り知れないくらいでかい、そんな契約が結び合わっているわけですけれども、その後ろにですね、もっと大きい計画がございます。それがスターゲート・プロジェクトというものです。
で、このスターゲート・プロジェクト何かと言うと、2025年の1月に発表されたアメリカ政府が主導する超巨大なAIインフラを構築するためのプロジェクトになっています。で、初期の出資者として4社、ソフトバンクグループ、OpenAI、Oracle、MGX、これ中東のファンドの名前ですけれども、MGXの4社が入っています。で、トランプ大統領とサム・アルトマンさんと、そして孫正義さんの3人が会見をしていたっていうの、結構強烈な絵があったので覚えてらっしゃる方もいると思うんですけれども、この計画はですね、4年間で5000億ドル、75兆円を投資する計画になってまして、ソフトバンクが財務責任を負って、そしてOpenAIが運営責任を負う、そしてソフトバンクグループの孫正義さんがチェアマンということで就任をされています。
で、このですね、計画当初は4年間でアメリカに10GWクラス、この電力の消費量によってデータセンターの大きさを示したりするんですけど、4年間でアメリカに10GWクラスのAIインフラを構築する予定とされていたんですが、9月24日には4年間とも言わずにね、予定よりも早く2025年末に実はこれが達成できるんだっていう見通しまで発表されています。
このスターゲート・プロジェクトの初期の技術パートナーとして例えばArm、Microsoftの他に、先ほど言ったですね、NVIDIA、Oracle、OpenAIの名前も上がっています。このスターゲート・プロジェクト色々調べてみてもなかなか詳細までは明らかにされていないんですけれども、今回表に出てきているいろんなスターゲート参加者の巨額な投資っていうのは、もしかするとこのスターゲート・プロジェクトの一環、あるいは関係があるのかもしれないと、そういう風に見られております。
で、これは本当いろんな議論があって、少なくとも国家規模のこれだけ巨額なプロジェクトをごく一部のAI企業が独占してる状態。これはいい面も悪い面もあるよね。といい面としては、急成長するっていうことに関して言うと、やっぱりなんかこう色々みんなで合意を取ってっていうよりかは、ガーっとこの少ないプレイヤーたちに巨額のお金を集めて進めた方が早いんじゃないかという、そういう意見もありますし、いやいやもうみんながかかることなのにその人たちだけでみんな決めてるのってガバナンス上の問題はないですかという、そういった意見もあります。
で、特にスターゲート・プロジェクト、これ10GWの電力の調達っていうのが必要とされていますが、この10GWって、私含め普通に生きてると感覚が分からない数字だと思いますが、1GWっていうのは原発1基分くらいのめちゃめちゃ大きな電力消費です。で、このスターゲート・プロジェクトでは、原発はまだ動かしていないらしくて、今はそのデータセンターの電力っていうのは天然ガスによって賄われているらしいです。これを将来的に原発であるとか太陽光発電にしていこうってことは視野に入れてるらしいんですけども、少なくとも短期的には天然ガスがすごく使われているということらしいです。
次3つ目にAI業界のレイヤー構造についてお話ししたいと思います。今までもその3者の循環取引であるとか、そういうところで大量のAI関連の企業の名前を挙げてきたと思うんですけれども、これ実はそのレイヤー構造を把握するともうちょっと理解が楽になって、それぞれの人が何をしたいか分かりやすくなるので、これについてお話ししたいと思います。このAI業界、ざっくり言うと大きく4つの層、レイヤーの積み重ねでできていると捉えることができます。
まず1番下のレイヤー。これ何かと言うと、半導体のレイヤーです。計算するためのチップを作る人たちですね。ここにはですね、NVIDIAやAMDやBroadcom、こういった会社が並んでいます。NVIDIAはこのGPUというAI計算用のチップで、グラフィック計算用のチップなんですが、これがAI計算用にすごい使えるということで、GPUがよく使われてますが、これを作ってるのがNVIDIAという会社です。
で、その1つ上に何があるかというと、データセンターというものがあります。この大量のGPUを実際にその電力を調達してある場所に置いて動かして、インターネット越しに接続して使えるようにする。このデータセンターというサービス、これはですね、いわゆるAWSであるとかMicrosoftのAzure、GoogleのCloud、そしてOracle、こういったデータセンターのビジネスをしている人たちがいます。
で、その上にあるのがAIの基盤モデルを作っている人たちです。で、この基盤モデルですが、OpenAIであるとか、GoogleのGeminiもそうです。そしてAnthropicもそうで、中国で言うと例えばDeepSeekもそうです。こういったフロンティアモデル、基盤モデルというものを作っている人たちがいます。
で、さらに上に4つ目にアプリケーションのレイヤーがございまして、その基盤モデルを使って実際にビジネスをしている人たちがいます。例えばCursorであるとかDevinであるとか、あるいはHarvey AIみたいな、そのChatGPTを使って法務のサービスをする、弁護士用のサービスをする、そういった会社とかがその上に出てきているわけですね。
で、この4つのレイヤーっていうものを意識すると、そのAI業界で起きてることが分かりやすくなります。この4つのレイヤー、上のレイヤーにいる人は下のレイヤーに依存してるんですよね。例えば上から順番に説明すると、アプリケーションを作っている人たちは基盤モデルに依存してます。賢いアプリケーションを作るためにはChatGPTのAPIを裏側で叩きまくっているとか、そういったことがありますね。で、この賢いモデルを作ってる人たちは次何に依存してるかって言うと、データセンターに依存してます。賢いモデルを作るためには大量に実際に計算を回さなくちゃいけなくて、その大量の計算をするためには大きなデータセンターが必要だからです。で、このデータセンターの人たちはチップに依存してます。その大量の計算ができるデータセンターを作るためにはこのGPUが必要であると、チップが必要なので、この4つっていうのは下の人、下の人にどんどん依存しているわけですね。
で、今NVIDIAってめちゃめちゃ強い会社であると、多分現在世界1位の時価総額なわけですけども、600兆円とかなわけですよね。600兆円ってものすごい額ですが、なんでこんなにNVIDIAが強いかと言うと、このAI業界の1番下の半導体のレイヤーにいて、この人が絶対に必要になると。で、その半導体の領域でAIに向けた計算ではほとんど独占しているわけですよね。最近GoogleのTPUとかBroadcomとか色々新しいのも出てきていますけれども、ただNVIDIAが圧倒的にシェアは大きいので、なのでこのNVIDIAの時価総額がめちゃめちゃ高くなってる理由っていうのはそういうことになります。
この4つのレイヤー、1番下のチップセットのレイヤー、半導体のレイヤーはNVIDIAが結構独占をしていますが、例えばデータセンターのレイヤーは数社で寡占、そして基盤モデルのレイヤーも数社で寡占、そしてアプリケーションのレイヤーはいろんな産業にいろんな会社がいるので、もうたくさんあるという感じです。で、この2、3、4番目のレイヤーの人たちは、自分たちがしっかりと競争で勝てるように、1個上のレイヤーとか1個下のレイヤーとかにどんどんどんどん唾をつけて関わり合いを持とうとしてるわけですよね。で、そういったことが続いた上で、冒頭で紹介した循環投資の関係になっていたりとか、そういったことが発生し始めているということだと思います。
4つ目に重要なポイントとして、これはバブルなんですか?バブルじゃないんですか?という話です。循環投資のニュースが出た時に結構多くの人が、いやこれってAIバブルだよねということを言っていました。なんで循環投資がバブルにつながるかと言うと、まず循環投資ってお互いがお互いの価値を釣り上げてるので、どんどんどんどん価格が上がりやすいと。しかもこれどっかで何か問題が起きた瞬間に、例えば製品が売れなくなった、資金が途絶えた、そういったことがあった瞬間に逆回転が始まってめっちゃ価値が落ちるわけですよね。でバブルが崩壊するということです。
で、いろんな過去のバブルなんか見てても、こういう循環投資的なスキーム、循環取引のスキームが見えてくると、それがそのバブルの末期のサインだったよねっていうことが結構あるらしくてですね。例えばよくある事例だと、ITバブル、エンロンという会社が不正会計をやったんですが、エネルギーの会社のエンロン社なんですが、A社に電力を売ると同時に買うみたいなことをして2社間でこう循環取引をしててですね。で、実際に取引が行われた量ってのは0のまま、売上と仕入れ量っていうのを調整するみたいなことをやっていました。こういうサインを見ると、いやこの業界バブルだろうっていう、そういう風にみんな思うということです。
で、そんな中でAmazonの創業者のジェフ・ベゾスさんっていう方がいますが、この方は結構面白いことを言っていました。何かと言うと、まずベゾスはこれはバブルですよと認めつつ、ただ2008年のリーマンショックのバブルの時とは違うよっていうことを主張しています。リーマンショックのバブルっていうのは金融バブルだったと。でも今回は産業のバブルだということを言っていて、で産業のバブルって、例えば90年代にバイオテックバブルというものがあって、多くの製薬会社、スタートアップの企業に投資が集中して、で実際にバブルが弾けてお金が失われましたと。ただその90年代のバイオテックバブルでも人の命を救うような薬っていうのは結構数多く生み出されたんだということらしいです。で、2000年のインターネットバブルの時もそうで、こう色々盛り上がってバブルは弾けたんだけども、光ファイバーのネットワークっていうものは地球上に残ったと。なのでその後高速なインターネットっていうのが実現できましたよねという話です。
で、金融バブルと違ってその産業のバブルっていうのは、評価額自体は下がったりするんだけれども、社会としては恩恵を受けるんじゃないか。で、ベゾスが言いたいのは何かと言うと、なんだかんだ言って実際にすごいAIはできると思うと。で、データセンターも残る。で、これはバブルが弾けた後も世の中にとって恩恵があることだから、そのバブルはバブルなんだけれども、インフラが残るいいタイプのバブルなんじゃないのっていうことをベゾスはおっしゃっていました。
はい、ということで本日のポイント4つ整理いたします。まず1つ目のポイントは循環投資とは何だったのかという話。NVIDIAとOracleとOpenAIがそれぞれどういう契約をしていたのかという話で、その背後にはスターゲート・プロジェクトという、アメリカ政府も関わっているめちゃめちゃ巨額のプロジェクトがあるっぽいという話をしました。で、3つ目は、そのAI業界っていろんなところがいろんな風に絡み合ってるけど、大きく言うと4つの層、レイヤーがあって、それを見ると分かりやすいよという話で、4つ目として、この循環取引ってバブルなの?バブルじゃないのっていう話で、ジェフ・ベゾスさんの、1つのこれは産業バブルなんじゃないか。バブルはバブルなんだけれども後には残るものがあるから、社会にとってはいいんじゃないのっていう、そういう見方をご紹介いたしました。
これね、結構そのバブルじゃないと言ってる人もいっぱいいらっしゃいますし、バブルなのかバブルじゃないのかっていうのは皆さん冷静に判断していただきたいなと思いますが、1つ面白い見解だなと思って紹介をさせていただきました。色々思われた方いらっしゃると思いますが、是非コメントをしていただければと思います。面白いなと思った方は引き続きチャンネル登録と高評価をよろしくお願いいたします。では、では。
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