上海「AIマトリックスストア」でAI製品を試す:アームロボット自販機からAI翻訳メガネまで

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概要

安野貴博氏が上海の「AIマトリックスストア」を訪れ、同行者と一緒に展示品を試しながら感想を話す動画である。店内には多様なAI製品が並ぶが、二人はAIを使う必然性があるものと、なぜAIを名乗るのか分からないものの両方があると率直に指摘する。最後には、どのジャンルがこれから広がりそうかについて安野氏が自分の見立てを述べている。

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AIマトリックスストアとは

安野氏によれば、このフロアでは複数の会社のAI新製品を展示しており、まだ商用販売されていない製品も含まれるという。周辺は上海のAIエリアになっていてAI企業も集まっており、この店は国も支援するAIの店だと紹介されている。

アームロボット自販機は必要なのか

入口付近にはアームロボット系のブースが並んでいた。コーヒーを淹れる機械やかき氷の機械らしきものもあったが、調整中で動いていないものが多く、実際に使えたのは「AI Beverages」と書かれたドリンクの機械だった。

人気順ではジャスミンミルクティーが上位だったが、直前に飲んだばかりだったため、安野氏はマンゴーらしきお茶を選んだ。値段は約200円だった。注文すると、ドリンクを作る工程は外から見えず、アームはできたカップを取って蓋をつける機械に入れ、上から蓋を押し込む。向きを変えたあと、カップは取り出し口から出てくる。取り出し口では強いファンが回っており、二人は風を当てる意味があるのか首をかしげていた。蓋はきちんと閉まっていて、味は少し甘めだったという。

動作の途中で蓋を押す仕草を「ちょっと可愛い」と言いつつも、二人は全体としてアームロボットである必要性を感じにくいと話している。カップを動かしているだけで、たとえばみかんを絞るような作業ならロボットにする意味も分かる、というのが二人の感想である。

AIぬいぐるみは「可愛く作れるか」の勝負

次に見たのは子ども向けの成長サポート用AIぬいぐるみで、パンダ型のものもあった。説明によれば4Gで通信し、AIモデルを使って返答したりいろいろ教えてくれたりするという。こうした製品がこの店に500個ほどあるらしい、という話も出た。

安野氏は、AIぬいぐるみは比較的作りやすい製品だとみる。モデルの性能の優劣が問題になるのではなく、可愛く作れるかどうかが勝負だからだ、という理由である。

AIとの五目並べとAI楽器

AIと対戦する五目並べでは、先に遊んでいた人が負けそうになっていた。そこで劣勢の局面から、ルール上ありえない位置に石を置く「人間の悪意」を試したところ、画面には「異常回復中」と表示され、盤面は元に戻された。結局そのまま負けが確定したが、二人は負けると分かっていても戦わなければならない時がある、と冗談交じりに話し、他人の負けなのに悔しいと笑っていた。

AI楽器コーナーでは電子ギターを試した。ビートルズの曲が選べたが、YouTubeでは使えないという話になる。実際に弾くと簡単に演奏できる一方、普通のギターとはまったく違う感覚だったという。曲が流れなかったおかげで逆にYouTubeで使える映像になった、というオチもついた。

「AIである意味」が見えにくい製品たち

店内には、AIとの関係がよく分からない製品も多かった。光るマグカップは温度を測ったり天気を表示したりできるが、飲みながら天気が分かって嬉しいのか、と二人は疑問を口にする。同行者は、光り方で「怒ってる」と伝えるようなコミュニケーションに使えるのではないかと冗談を言っていた。

一方、背面にディスプレイがついたリュックには二人とも関心を示した。これで「チームみらい」と表示しておけば、普通のロゴ入りリュックより目を留めてもらえるのではないか、という話である。

ほかにも次のような製品が並んでいた。

  • 頭がテレビになったロボット(同行者は「フリクリ」のようだと表現した)
  • ペット用の給餌器と給水器
  • 背後が透けるディスプレイ(ステージで使えそうだが、透けて嬉しい場面はまだ思いつかないという)
  • 最適な音を流して眠りやすくする「ルミスリープ」
  • VR機器やXREALのグラス型デバイス
  • AIをうたうインスタントカメラ
  • AI睡眠枕

AI睡眠枕を前に、同行者は「もう何でもAIってつければいいの」とこぼし、安野氏もそういうものはあると同意している。足型を取って足に合うサンダルを作る製品は800元、約1万6000円だった。これらを見たうえで二人は、AIがうまく活かされている製品と、なぜAIなのか分からない製品の両方があるとまとめている。

3Dプリンターと削り出し機

3Dプリンターのコーナーでは、多色対応のモデルが約10万円、3色対応のものが約20万円だった。安野氏は、昔は3Dプリンターを持っていることに憧れたが、いまひとつ使い道が分からない、よほどものづくりへの意欲がないと難しいと話す。それでも使えるようになりたい、少し欲しいという気持ちもあるという。大型機の中には材料を削り出すタイプもあり、仏像のような造形もできそうだと話していた。

ロボット、外骨格、ガジェット

この数日で「親の顔より見た」というほどロボットを目にしてきたという話に続いて、外骨格による歩行補助の製品が紹介された。同行者によれば、上海には外骨格の店が複数あり、利用者に合わせてフィッティングしてくれるという。坂道がきつくなった人や歩行が大変な人に向けて、足を上げる動作を補助するのではないかと二人は推測している。

宇宙服を着た子どものようなロボットは、背中にディスプレイがある構造で、安野氏は初めて見たという。そのほかにも、Anker製品、GoProに近いInsta360、白いロボット犬、デザイン性の高いスピーカー、時計とスピーカーを兼ねたデザイン重視の機器が並んでいた。アート作品を表示する壁掛けディスプレイは4000元、約8万円である。カラオケボックスは文字どおり箱型の製品だった。

スマート天体望遠鏡とペンダント型デバイス

二人が特に感心したのはスマート天体望遠鏡である。重さは1.3kgで、接眼レンズを覗き込まずにスマホで映像を見る方式になっている。天体だけでなく鳥を追跡することもでき、録画もできるため、バードウォッチングをする人にもよさそうだと話していた。

マイクを搭載したペンダント型デバイスについて、安野氏は自身の小説『松岡まどか、起業します』でこうしたデバイスを描いたと紹介した。同行者は、こうした製品が世に出る数年前にそれを書いていたことを評価し、安野氏も先を行っていたと応じている。

ほかにもスキー用のアシスタントや、水泳用ゴーグル型の製品が展示されていた。ゴーグルは息継ぎのタイミングを知らせるもので、「息継ぎしないと死にます」という表示に二人は笑っていた。安野氏は、製品がそれぞれ独自の方向に進化しており、完全防水をうたうような個別の工夫が進んでいると感じたと話す。

AI翻訳メガネ(Rokid)を試す

終盤では、Rokidのスマートグラスでリアルタイム翻訳を試した。音声を拾うと翻訳が表示され、写真も撮れるようだった。価格は4000元、約8万円である。

ただし日本語の表示には問題があった。訳文がすべてカタカナで表示されるうえ、漢字が含まれる部分は中国語読みで再生されてしまうという。それでも安野氏は面白いと評価し、スマホと連携して字幕を重ねて表示するこの種の製品は、すでにコモディティ化が始まっていると述べている。

巡り終えての感想

最後に安野氏は、印象に残ったジャンルを挙げている。ぬいぐるみ系のAI製品は今後どんどん出てくるだろうとみており、日本でもIPビジネスとして大きなチャンスがあるのではないかと話す。メガネ型デバイスも普及していっておかしくないという見方である。犬型ロボットや人型ロボットは、見てのとおりすでに始まっている段階だとした。

自動販売機については、自分が買ったものはアームロボットである意味がまったく分からなかったと振り返る。そのうえで、今後はアームならではのことができるようになるかもしれない、と含みを残して締めくくっている。