呉の料理長が推す「本家鳥好」と「中華そば モリス」で、リュウジが食べ続けた一日

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概要

料理研究家のリュウジが広島県呉市を訪れ、クレイトンベイホテルの料理長に勧められた鳥料理の店「本家鳥好」と、老舗ラーメン店「中華そば モリス」を回った。動画を通して語られるのは、東京では食べられない呉の店の工夫と、それを支える店主の考え方である。後半では、リュウジがくれ観光特使に任命される場面もある。

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味噌だき発祥の店「本家鳥好」へ

一軒目の本家鳥好について、同行者は呉名物「味噌だき」の発祥の店だと紹介し、大将の人柄も面白いと話す。リュウジは料理より先に、この店で出しているという「牡蠣酒」を頼んだ。

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冷めるほど味が出る「牡蠣酒」

牡蠣酒は、牡蠣の串を熱い酒に入れて出すもので、器の中では牡蠣の汁が泡立っている。大将によると、飲み始めは酒の味だが、時間が経って冷めるにつれて焦げの色と出汁が出てくる。最後に底へ沈んだ牡蠣は、旨みを酒に出しながら酒の良い部分だけを吸い込んでいて、大将はこれを牡蠣を「育てる」と表現する。育った牡蠣はこの店でしか食べられないという。

リュウジは「こんな飲み方全然知らなかった」と驚き、酒との相性の良さをほめた。しばらくすると酒の色が変わり、「もうほぼ牡蠣のスープ」と言うほどになった。リュウジは「なんで他やってないんすかね」と首をかしげ、呉名物にした方がいいと何度も勧めている。乾杯には、リュウジの地元・千葉の日本酒が出された。

リュウジは焼き鳥が世界で一番好きだと話し、知らない調理法に出会うとすぐ惚れてしまう、と期待を口にした。

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継ぎ足しで守る味噌だき

次は、大将がずっと炊いていた味噌だきが出た。リュウジは調理場で炊いている様子をずっと見ていたという。大将は、継ぎ足しを続けてこの味を守っていると説明した。

リュウジは甘い味を想像していたが、実際には甘さがまったくなく、「想像してる味じゃない。むしろこれ超好き」と話す。継ぎ足しによる深みに加え、口の中に旨みがずっと残る余韻もあるという。「なんでこの味になるんだろう」と考え込み、継ぎ足しだけではない何かがあるはずだとも言う。作り方は「絶対教えない」と返された。

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鹿児島の鶏刺しと、胸肉への驚き

鶏刺しは、白い方が胸肉、赤い方がもも肉で、生姜かニンニクを好みで付けて食べる。最初はニンニクが勧められた。鶏は鹿児島のもので、表面に脂が浮くのが見える。

もも肉については、噛むほど鳥の味が出て、脂が甘いという感想が出た。特に驚いていたのは胸肉で、「胸こんなうまいんすか? 衝撃」と話している。生姜とニンニクを混ぜる食べ方も試した。リュウジは満足しすぎてコメントが追いつかない様子だった。

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牡蠣の天ぷら、山クラゲ、牡蠣フライ

揚げたての牡蠣の天ぷらは、味付けをしたのかと思うほど味が強く、リュウジは声が裏返るほど驚いた。同行者によると、大将はこの牡蠣にかなりの自信を持っているという。リュウジも語彙力をなくした、と笑われている。

山クラゲを使った小鉢は、ザクザクとした食感が酒に合う。リュウジは「お土産で持って帰りたい」と話し、同行者たちと「売れる」と言い合った。

牡蠣フライはソースを使わず、レモンを搾ってそのまま食べるよう勧められた。牡蠣が良いからソースに頼らないのだろう、とリュウジたちは受け取っている。店側は、最初はなるべくそのまま食べてほしいと話す。リュウジは旨みの強さとパン粉の密度をほめ、レモンは必須だと言う。塩とレモンの組み合わせも試していた。

撮影は牡蠣のシーズンがほぼ終わる時期だった。同行者は、動画が公開される頃には牡蠣はもう食べられないと視聴者に断ったうえで、鳥料理はあると付け加えている。

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ネギマの天ぷらという発想

次の一品は、ネギマを天ぷらにしたものだった。リュウジは「ネギを天ぷらにする」発想に驚き、鳥の旨みが閉じ込められて甘さが残る、と感想を述べた。鶏とネギを一緒に食べると鶏白湯のような味がするとも言い、「とんでもないことが起きてます」と繰り返している。家で作りたくなるが、この味にはたどり着けないかもしれないとも話す。

酒は途中から「ちえびじん」のレモンティー酒に変わった。ブランデーをブレンドした酒で、リュウジは酒が入っていることを忘れそうな味だと話す。紅茶の梅酒もあり、同行者たちは店が自分たちを永遠に飲ませようとしている、と冗談を言った。

締めの前に、もう一度「柚なめこ」が出た。同行者が特に気に入った一品で、売ってほしい、リュウジに再現レシピを作ってほしい、という声が上がる。柚子の仕込みに何かありそうだ、という推測も出ていた。

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砂ずりの素揚げと、品数を増やす工夫

砂ずりは串焼きではなく素揚げにし、味塩で食べる。リュウジは、硬くなりがちな部位なのに硬さがなく、ジューシーで旨みが詰まっていると話す。添えたネギの甘さも引き立っているという。

この素揚げについて、大将は理由をはっきり話した。昭和の頃のように会社帰りの客が毎日来ることが少なくなり、食材のロスが出るようになった。回転が悪くなれば味も落ちる。そこで、普通なら串に刺して焼くだけの砂ずりを素揚げにし、味塩を付けて出すことにした。同じ食材を二つの料理に使えば回転が上がり、品切れにもなりやすい。

ネギマも同じ考え方で、もとは串焼き、パン粉を付ければ串カツ、さらに天ぷらにして三通りに使っている。少ない仕込みで品数を増やすという説明だ。リュウジがここまで正直に話すのかと驚くと、大将は「なんぼ教えても同じ味は作れん」と答えた。味噌だきについては、今作れるのは大将本人と奥さんだけだという。

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鳥だけに絞った理由

大将は、人と同じことをするのが嫌だと言う。今の呉には鳥料理の店が多く、それぞれの分野で頑張っているが、最初に味噌だきを出したのは自分の店なので、よそに負けるわけにはいかない。手を抜かず、余計なことをせず、その状態を保つのが一番難しいとも話した。

かつては店に生け簀を置き、魚も出していた。しかし魚の方が単価が高いため、店がそちらに偏りがちになった。すると戦前生まれの年配客から「鳥が残念じゃ」と言われ、魚をやめて鳥だけにしたという。刺身を求める声には、鹿児島の食文化である鶏刺しで応え、今の鳥にたどり着いた。リュウジは、これまで食べた鶏刺しで一番うまいと話している。

関東の客は1月と2月に牡蠣目当てで予約が殺到するという。それでも同行者とリュウジは、鳥だけを目当てに来てほしいと語った。最後にリュウジが柚なめこの作り方を尋ねると、やはり教えてもらえなかった。

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最終日は「中華そば モリス」

最終日の店は中華そば モリスで、同行のミトさんが行きたがっていた店だ。ミトさんによると、関東で人気の「ちゃん系」ラーメンにはいくつかのルーツがあり、ここもその一つらしい。以前訪れたときは食べられず、念願の訪問になった。呉の人は、ラーメンを稲荷寿司やゆで卵と一緒に食べるという。

運ばれてきたラーメンは透き通ったスープに、もやしとネギが載ったシンプルなもので、一見うどんのようにも見える。スープに色はほとんどないが、味はしっかりしている。油も多く浮いていない。チャーシューもシンプルで、麺の太さや硬さもちょうどいい。卓上の粗挽き胡椒をかけ、ゆで卵には置いてある味塩を付けて食べた。

リュウジは、スープはおそらく豚でとっていて、わずかに煮干しが入っているかもしれないと推測する。ちゃん系も、こういう味を目指したかったのではと感じるという。途中で唐辛子入りの酢をレンゲ半分ほど入れるのが地元流で、味が締まると好評だった。塩むすびや稲荷寿司も含め、毎日でも食べられる料理として作っている点も、ちゃん系に通じるという見方が示された。

27:33

「東京は多分この味を知らない」

リュウジは、癖のなさこそ皆が並んで食べたがる理由かもしれないと話す。大盛りもすいすい食べられるという。スープを惜しみなく使うところも、今の流行とはかけ離れているとの指摘があった。

リュウジは、関東、特に東京ではこの味はほとんど知られていないだろうと話し、この味のカップラーメンを出してほしい、食品メーカーはオファーした方がいいと冗談まじりに勧めている。自分で再現するのは難しいとも認めた。店の歴史は78年。店の女性は、リュウジのレシピをいつも作っていて夫も好きだと話し、サインを頼んだ。リュウジは、呉の締めくくりにぴったりの店だったと語っている。

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くれ観光特使の任命

最後に、リュウジはくれ観光特使に任命され、委嘱状を受け取った。呉の関係者は、呉には東京では食べられない、昔から変わらない地元に根付いた店が多いと話す。リュウジは屋台がある街は多くないと述べた。また、焼き鳥屋に生け簀があり、鳥も魚もうまいという話も出た。東京では焼き鳥と魚の店は別々で、両方が一緒になっているのは呉の特色だという。関係者は、多くの人に呉へ来てもらえれば、この食文化がもっと続くのではないかと期待を語った。

特使の名刺には特典が付いていて、持っていると呉の施設に入れるという。大和ミュージアムにも入れると聞き取れる場面があり、リュウジは「すげえ名刺」と喜びつつ、「大丈夫か、これ?」と笑って動画は終わる。