リュウジが語る「本当のポン酢」で食べる湯豆腐と、旨味を足しすぎない引き算の料理

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概要

料理研究家のリュウジが、「虚無でもうまいものが食べたい」「虚無でも痩せたい」シリーズとして湯豆腐を作る回である。以前に卵だれを使う「究極の湯豆腐」を紹介しているが、今回は自分が一番うまいと思う湯豆腐を作るという。材料は豆腐、長ネギ、水、顆粒の昆布だしだけで、柑橘の「本当のポン酢」と塩で食べる。後半では残った汁で雑炊を作り、最後に普通の塩とアジシオを食べ比べる。そこから、旨味は多ければよいわけではないという主張につなげていく。

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「味ぽん」と「本当のポン酢」は別物だという話

冒頭でリュウジは、同席者に湯豆腐を何で食べるかを尋ねる。「味ぽん」という答えに対して、それは少し違うと言い、多くの人が味ぽんのことをポン酢と呼んでいるが、もともとのポン酢はこちらだと瓶を示す。

リュウジの説明では、本来のポン酢は柑橘果汁と酢、酸味料でできている。これに醤油を混ぜたものがポン酢醤油である。味ぽんはその混ぜたものにあたるが、味ぽんの味は「味の素の味」、つまり旨味が加えられた味だという。裏の表示に「アミノ酸」と書いてあるから見てみろと言い、手元の本当のポン酢にはそうしたものが入っていないと対比する。同席者は「うちの家にはなかった」と反応し、このポン酢を知らなかった。

リュウジによると、このポン酢は最近「ポンサワー」として流行っているという。普段はこのシリーズであまり酒を飲まないが、今回は飲むと言って試す。銘柄についてのやりとりは字幕から聞き取りにくいが、安い焼酎を使うのがよいという趣旨の発言があり、焼酎にポン酢を入れてホップ系の炭酸で割った。リュウジはこれを、柑橘を搾ったようなサワーになると説明する。試飲した同席者は「意外とうまい」「ありかも」と言い、酸っぱいのでもう少し入れてもよかったという声も出た。

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材料と、湯豆腐と旨味の発見をめぐる話

豆腐は木綿でも絹でもよく、同席者の希望で今回は絹にした。概要欄のレシピは、絹豆腐1丁(350g)、長ネギ1本(120g)、水250cc、昆布だし小さじ1と1/3である。リュウジは、春菊やキノコ、タラなどの魚を入れてもよいと付け加える。

同席者から「湯豆腐にはふつう昆布が入るのでは」と聞かれ、リュウジは湯豆腐と味の素の関係を話す。リュウジの説明では、昔から昆布を入れていた湯豆腐がうまいのはなぜかと考えたことが、味の素の開発者が旨味の研究に着手するきっかけになった。それだけ昆布は大事だが、昆布は高い。そこで今回はほんだしの顆粒「昆布だし」を使う。リュウジは最近この調味料がないと料理ができないほど気に入っていると話す。昆布は水に浸けておかないと味が出にくいが、顆粒なのでそのまま入れてよいという。

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豆腐とネギの切り方

まず土鍋に水250ccを入れる。豆腐は好みで切ってよいが、リュウジは半分に切るだけにしている。手の上で豆腐を切るのを怖がる人もいるが、刃物は押しても切れず、引いたときに切れるのだと説明し、手の上で刃を押し当てても切れない様子を見せた。もっと細かく切ってもよいが、今回は見た目を優先してこの大きさにした。早く食べたい人は4つほどに切ればよいという。

昆布だしを小さじ1と1/3入れれば、正直これで完成だとリュウジは言う。それでは少し寂しいので長ネギを加える。ネギは斜めにざくざく切り、古くて乾いた部分は落とす。ネギがなければ春菊などを浮かべてもよい。最初は鍋に乗りきらなくても、煮るとしんなりして縮むので1本分をまるごと入れ、蓋をする。水から煮始めて構わず、温まれば食べられる。酒を少し入れると旨味と香りがつくが、酒好きな人が入れればよい程度で、基本は昆布だしだけでよいとしている。

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ネギが鍋の味を変える理由

リュウジは、ネギは「鍋の味を変える野菜ランキング」でかなり上位だと言い、ネギを入れた鍋と入れない鍋はまったく味が違うと話す。ネギの匂いはニンニク並みに強いという。煮ている途中で同席者に鍋の匂いを嗅がせると、答えは「ネギ」だった。リュウジはこれを受けて、匂いが変わるということは味が変わるということで、ネギを入れると湯豆腐がおいしくなると説明した。

同席者がネギの甘みに触れると、リュウジは、ネギ類は加熱すると甘みが出ると答える。そして顆粒だし同士を比べる。昆布だしは意外と甘みがなく、少ししょっぱめなのでネギとよく合う。ほんだしには砂糖が入っていて甘い。昆布だしにも少しは入っているはずだが、甘さはほんだしほどではないという。そのうえで、この汁の味を豆腐に移していくのだと説明する。煮込み時間は10〜15分で、豆腐が温まればいい状態になる。

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ハレの料理とケの料理、そして「味が濃い」という批判への反論

煮込みを待つあいだ、リュウジは料理の考え方について話す。料理にはハレの日の料理とケの日の料理がある。ハレの日の料理は、何時間も煮込むビーフシチューのような豪華なもの、ケの日の料理は普段の料理である。リュウジは両方作るが、基本的には生活に根づいたものを作っているという。今回の湯豆腐は昆布だししか入れていないので、塩分の調整がとても楽だと話す。

ここからリュウジは、自分への批判に反論する。味つけが濃いと言う人は動画を見ていない。自分は酒飲みなので「ここで塩をひとつまみ入れる」と動画で言っており、それを抜けば薄めの味になる。味の調整の仕方も教えている。バターを多く使うと言われる件については、たしかに多いこともあるが、バターを使った料理がバズっているだけだという。めんつゆばかり使うという指摘には、めんつゆを使ったレシピは10ほどしかないと答えた。そう言う人はイメージで語っていて料理をしていない、と述べる。また、シェフの料理をかじっている人の多くは自分を否定するが、否定してもかまわないとも話した。自分は手軽な料理も作るし、味の素をかけるような料理も作る。料理のレパートリーが増えることが一番大事だという。

約10分煮込んで完成とした。とても簡単で、これでご飯も食べられる。豆腐なので食費が安く、2日酔いの日などにも助かるという。ネギは少し高いので、半分の量でもよいとしている。

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塩と本当のポン酢で食べる

食べ方は塩と醤油の2通りである。まず豆腐を塊のまま取り分け、とろとろのネギをのせる。昆布だしの味は少しついているが、そこへ塩をかけ、本当のポン酢を好きなだけかける。

最初に試食した同席者は「え、こんな美味しいんですか」と驚き、豆腐が引き立つ味だと言った。リュウジが「豆の味がするでしょ」と聞き、「これが本当の湯豆腐です」と続ける。リュウジによると、この豆腐は60円ほどの安いスーパーの豆腐で、いくら食べてもカロリーは豆腐の分だけである。同席者は、もっと酸味がきついと思っていたがやわらかく食べやすい、塩だけで完結しているのがすごいと話した。

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醤油で食べると「醤油の味」がわかる

塩に飽きたら、次は醤油をかける。リュウジは、醤油にはグルタミン酸の旨味が入っていると説明し、ポン酢と醤油を少しずつかけて食べるよう勧めた。これが昔ながらのポン酢の使い方だという。味ぽんが出る前は、このポン酢と醤油を混ぜてポン酢醤油を作るのが普通で、リュウジの祖母もそうしていたそうだ。

リュウジは、味ぽんは好きだが少し味がわざとらしいとも言う。何にかけてもおいしくなるように作られているからだ。一方で、昆布だしで煮た湯豆腐は、旨味が少なめのタレで食べるのがうまいという。同席者から、だし醤油ではなく普通の醤油なのかと聞かれ、リュウジは、豆腐がすでに昆布の味を吸っているので普通の醤油でよいと答えた。自分にしては旨味が少なめの料理だが、少ないからこそ醤油の味がよくわかるという。同席者は醤油の香りがとてもいいと感想を述べた。

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二人目の試食と「引き算料理」

もう一人の同席者(概要欄の章立てでは「A子」)も試食し、豆の味がわかる、昆布の旨味もしっかりついていると言い、「料亭の味ですね」と評した。リュウジは、油を一切使っていないのでカロリーはほとんどないと説明する。軽いので1人で1丁食べられてしまうが、意外と腹にたまるので、ダイエット中ならこれで済ませればよいという。醤油を試した同席者が醤油のうまさがわかると言うと、リュウジは「俺っぽくないでしょ」と応じ、食への理解も深まる料理だと述べた。

同席者が「究極の引き算料理」と表現すると、リュウジもそれを受け入れた。昆布と塩だけで煮てもまったく問題ないが、昆布は高く、毎日用意するものではないので、顆粒の昆布だしを使えばよい。ただし昆布だしがないと全然違うとも念を押した。そして、自分の動画を見ている人ならここでアジシオをかけたくなるだろうが、実はこの料理はアジシオだとおいしくない、と予告して後半の検証につなげた。

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残り汁の雑炊と、加熱しないパックご飯を洗う方法

残った汁には、ネギと昆布の旨味が出ている。足りなければ少し水を足してもよいが、今回はそのままで雑炊にする。リュウジはここで「みんな知らない」というやり方を紹介する。加熱していないサトウのごはんを、そのまま水で洗って使う方法である。

リュウジの説明はこうだ。雑炊を作るときはご飯を洗うことが多い。パックご飯は鍋で結局加熱するので、事前に温める必要はなく、表面のでんぷんを洗い落とせばよい。洗うことでぬめりが出ず、おじやではなくさらさらの雑炊になる。ご飯は200gで、卵は入れても入れなくてもよい。ご飯を入れて混ぜ、温まったら卵を加え、弱火で蓋をすればすぐにできる。リュウジは、不測の事態にすべて対応できるのが料理がうまいということだと話し、鍋のシメのためにご飯を炊いておかなくてよいのはいい情報だと強調した。

味つけは醤油でもよいが、ここでも塩をひとつまみ入れ、ポン酢をちょんと垂らす。試食した同席者は「出汁とポン酢合いますね」「こんな合うんですね、雑炊ポン酢って」と反応した。リュウジは、これはプロモーションではなく勝手にやっているのだと断っている。同席者からは、これ1セットで夜ご飯になる、豆腐だけだとあとで何か食べたくなるが米を入れれば満足できる、といった感想が出た。ご飯は100g程度で済ませてもよい。リュウジは、楽で安く、太らないと利点を挙げ、2人で小鍋をつついてもよく、安いのに満足感が高いと述べた。雑炊については、ポン酢よりも塩だけのほうが自分は好きかもしれないとも話している。

リュウジは、この湯豆腐は油ギトギトの中華ばかり作っている人にも覚えてほしいと言い、若いころは自分もそうだったと振り返る。調味料が少ないこういう料理もやったほうがいいという。同席者に、引き算の料理ももっとやってほしいと言われると、やっていないだけでできると答えた。最初は分かりやすい味で行きたかったのでそうしてきたが、もともとは自分もそちら側だと話している。

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アジシオ検証:旨味は足すほどおいしくなるわけではない

最後に、残った湯豆腐で普通の塩とアジシオを食べ比べた。リュウジは、アジシオをけなしているわけではない、まずいわけではないと何度か断ったうえで、ポン酢を少し垂らしてアジシオをかけたものを同席者に食べさせる。同席者は普通の塩との違いを感じ、アジシオのほうは「くどい」と答えた。

リュウジはこの違いを次のように説明する。ポン酢と昆布だしにはすでに旨味が入っている。そこにただしょっぱいだけの塩をかけると、塩気と旨味がコントラストを生む。アジシオをかけると「旨味のある豆腐プラス旨味のある塩」になってしまい、コントラストが出ず、のっぺりした味になる。だからこの料理では普通の塩のほうがおいしいという。同席者は、普通の塩のほうがアジシオよりうまいことがあるのかと驚き、最初はアジシオではないのかと一瞬思ったと話した。リュウジは、何でもアジシオを使えばいいわけではなく、自分はそこまで計算していると述べた。

同席者が、リュウジのよく言う「うますぎる」になってしまうということかと尋ねると、リュウジはそうだと答えた。さっきは塩と醤油だけで食べ、タレに旨味調味料は入っていなかったが、それでもうまかったはずだという。旨味は入れれば入れるだけうまくなるものではなく、入れすぎると味がのっぺりしておいしくない。だから味の素は入れればおいしくなるというものではなく、量が大事なのだとリュウジは言う。料理は緻密な計算のうえに作られているのであって、味の素を入れたというだけで否定する人は味の素の味を分かっていない、とも述べた。旨味は入れすぎてもだめだというコントラストが分かるようになると、料理の幅がとても広がる。リュウジは視聴者にも実験的に試してみてほしいと呼びかけ、動画を締めくくった。