マルタイ「屋台ラーメン とんこつ味」を素のまま食べ、タンメン風に仕上げる

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概要

人によっては「うまかっちゃん」より美味しいと言われる袋麺がある。それがマルタイの「屋台ラーメン とんこつ味」だ。料理研究家のリュウジは、存在すら知らなかったこの袋麺を、同席したスタッフと一緒にまず素のまま食べた。その味を確かめたうえで、自分が最も美味しいと思うアレンジを組み立てていく。話はそこから、インスタントラーメンをアレンジすることの難しさや価値にまで広がった。

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誰も知らなかった九州の袋麺

リュウジによると、この商品は今も販売されているが、周囲に知っている人は1人もいなかったという。スタッフは九州限定ではないかと推測し、リュウジも「九州の人なら知っているらしい」と話す。5食入りの袋を開けると、ストレート系の麺と、粉末スープ、「味ラー油」が入っていた。

すぐにアレンジしなかった理由について、リュウジは「味を知らないとアレンジできない」と説明する。前情報がないので、まずは普通に作って確かめる。不味ければ動画はお蔵入りにするとも言った。美味しくないものはアレンジしても美味しくならない、というのがその理由である。袋麺は種類が多くカテゴリー分けが難しいので、袋麺選手権のような企画ではなく単独で検証することにした。

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素のままの屋台ラーメン

濃いめが好きなリュウジは、いつもどおり水450ccで作る。マルタイといえば棒ラーメンの印象が強いが、これは油揚げ麺だった。リュウジはそこに驚き、麺はサッポロ一番とほぼ変わらないと評した。スタッフの好みに合わせて固めに茹で、粉末スープと味ラー油を加える。スタッフは、スープを入れる前から油揚げ麺の香りがすると言い、スープはクリーミーで濃そうだと感想を述べた。リュウジは屋台ラーメンといえば醤油のイメージだったという。

実食での評価は高かった。リュウジは「めっちゃうまい」と言い、うまかっちゃんに張るくらい美味しいと話す。スタッフはオーソドックスな味だと感じた。うまかっちゃんは豚の香りがかなり出るのに対し、こちらは豚臭さがほぼなく、スーパークリアなスープだという。リュウジはここで「これは多分アレンジがめっちゃ生きるラーメンだ」と見立てた。

試しにガーリックパウダーを加えると、2人とも「めっちゃ合う」と反応した。リュウジは、もともとの香りが落ち着いているので、ガーリックの香りがよく合うのだろうと推測する。ガーリックパウダーがなければおろしにんにくでもよいとした。

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具材選び:なぜキャベツなのか

スタッフは、塩味の効いたクリアな豚骨に合い、栄養も取れるアレンジを求めた。それに対してリュウジは、袋麺はむしろアレンジ前提だと話す。サッポロ一番をはじめ、袋麺メーカーはアレンジを前提に作っていて、公式サイトにもアレンジレシピが載っているという。

野菜の候補には、炒めたキャベツとニラが挙がった。キノコは、キノコの味になってしまうので合わないと退けた。理由の説明に、リュウジは鶏の水炊きを例に出す。水炊きはクリアな動物性のスープが立っているので、キャベツしか合わないという。先日、試しに水炊きに白菜を入れたところ「白菜鍋」になってしまった。白菜は鍋っぽさを出して邪魔をする。だから野菜を入れるならキャベツかニラで、できればニンニクのパンチを効かせたい、というのがリュウジの考えだ。

手軽さを重視するなら、キャベツ・豚・ニラをラードとガーリックパウダーで炒めて麺に乗せるだけでも、めちゃくちゃ美味しいとリュウジは言う。見栄えを考えて挽き肉を乗せる台湾風の案も出た。それでも最終的には、もともとタンメンっぽい麺なのでタンメンらしさを出す方向が好きだとして、キャベツ中心のタンメン風に決めた。

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材料と下ごしらえ

キャベツは1人前80gくらいが美味しいとして、やや細かめのざく切りにする。肉は細切れでもよいが、炒めるならなおさら豚バラの薄切りがよいという。多すぎても美味しくないので60gにとどめ、3等分くらいに切る。基本はこれだけで、好みでニラやネギを足してもよいとした。

ここにニンニクとキクラゲを足すかどうかで、リュウジは少し迷いを見せた。入れれば美味しいのは決まっているが、インスタントラーメンは凝れば凝るほどアンチが湧く、という。スタッフも「そんなふうに食うものじゃない」と言う人がいることに同意した。それでもリュウジは、自分が思うめちゃくちゃ美味しいレシピを見せたいと言い、家にあったキクラゲも使うことにした。キクラゲは味にはあまり影響しないので抜いてもよい。ただ食感がよくなり、豪華さも増すという。

スタッフはローストしたニンニクを入れたいと提案した。リュウジはこれを「熊本ラーメンを引っ張ってるでしょ」と受け止める。スタッフは焦がしネギのラーメンの話も持ち出し、2人はそれを鹿児島だったかと確かめ合った。リュウジは、以前マルタイの工場で作った自身のアレンジもローストガーリックを使ったものだったと振り返る。ローストするとこんなに美味しくなるのかと思えた、と話した。今回はやれるところまでやると決め、生ニンニクを焦がして使う。家にない場合はガーリックパウダーで構わないと補足した。

炒め油には、先日角煮を作ったときに出たラードを使った。メイラード反応で色が付いているが、普通のラードで構わないという。この凝りようについてリュウジは「けんた食堂みたいだね」と言った。けんた食堂は半日かけるほど凝り、鶏の骨を外すところからインスタントラーメンを使った料理を作る。リュウジはそれを憧れだと語る一方、自分のレシピは家で作るので作りやすさを重視していると話した。

収録はマルタイの選手権企画の翌日だった。スタッフは、そこで食べた辛い麺が忘れられないという。パッケージに卵とニラが描かれていたことに触れ、あれをアレンジするならどうするかと尋ねた。リュウジの答えは、ニラ・卵・ニンニクを炒めて乗せる程度でよく、特に味付けもいらないというものだった。

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調理の手順と「ほんだし」の裏技

まずラードでみじん切りのニンニクをローストする。黒くなるまで焦がすと美味しくなくなるので、色づいたところで止める。取り出さずにそのまま豚バラを加えて炒める。後で水を加えるので、豚はまだ赤くても問題ない。戻して細かく切ったキクラゲも一緒に炒め、続いてキャベツを炒める。キャベツは油を吸わせると美味しくなるので、炒める工程がとても大事だとリュウジは強調した。

ここでリュウジが「裏技」として加えたのが、ほんだし小さじ1/3である。スタッフは鶏ガラを入れるのかと思ったという。リュウジの説明はこうだ。具材を入れた分だけラーメンの味は薄くなるので、味の補強は必ず要る。多くの人は鶏ガラや中華だしに行きそうだが、豚には魚介を合わせたほうがラーメンらしくなる。リュウジはこれを「ダブルスープ理論」と呼んだ。たいていのラーメンは魚介と豚骨などの動物系の合わせ技なので、豚に豚を重ねるより別のものを入れたほうが味わいが深くなる。自身が長年インスタントラーメンやラーメンを研究してきた結果だ、とも語った。ただし元の豚骨スープが美味しいので、入れすぎてはいけない。量はあくまで気持ち程度で、ここに軽く塩胡椒をする。リュウジは、出汁感は少し効いているが豚骨を阻害していないと確かめた。

そこへ水450ccを直接注ぎ、同じフライパンで麺を煮る。具材を一度取り出して後で乗せる手間はいらない。麺は3分ほどで茹で上がるうえ、キャベツが煮えて柔らかくなり美味しくなるという。リュウジは、これ以上手をかけるとインスタントラーメンの良さがなくなるので「これが限界」だと線を引いた。

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挑戦を続けることと、レビューの意味

煮込みを待つあいだ、リュウジは自分の姿勢について語った。インスタントラーメンという題材をどこまで美味しくできるかは挑戦であり、自分は挑戦が大好きだ。思考停止すると新しいものは生み出せない。年を取って料理研究家として落ちていく時期があるかもしれないが、それでも挑戦し、勉強し続けたいという。

リュウジは、企業が出した味をきちんと食べることも修行の一環だと位置づけ、だからレビュー動画をやっていると説明した。知らない味を知れるので、食べることはとても勉強になる。味を守り続けることも大事だが、新しい味を生まないと新しいものは生まれない。リュウジは自分を「生むタイプ」だと考えており、伝統を守る方には守ってもらい、自分は新しい料理を探していくと述べた。

さらに、もともと美味しい袋麺をアレンジで美味しくするのは、普通の料理より難しいと主張した。最初のインスタントラーメンの味を超えなければ「普通のほうがうまい」と言われてしまう。だから「たかがインスタントラーメンのアレンジ」と言う人は浅い、というのがリュウジの言い分である。

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仕上げと盛り付け

麺がほぐれたら、固めが好きなスタッフに合わせて2分ほどで火を止める。付属の粉末スープを溶かし、味ラー油も全量入れる。リュウジは、このスープがタンメン風の味付けによく合うと言う。器には先に麺を入れ、野菜を上に乗せてコントラストをつけると料理らしく見えるという。リュウジはここで「たかがインスタントラーメン、されどインスタントラーメン」と言い、これをバカにする人とは友達になれないと続けた。最後に豆板醤を添えて完成となる。

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実食:素の状態との比較

スタッフには、まず豆板醤を混ぜずに食べてもらった。スタッフは香りがさっきと全然違うと言い、「3倍くらい」美味しいと評した。リュウジは「想像の5倍うまい」と言う。スープに焦がしニンニクを入れたのは正解で、キャベツもよく合い、具材は全部入れたほうがいいと2人の意見は一致した。スタッフは普段は豚バラが好きではないが、このラーメンの豚バラは美味しいと話した。リュウジは、豚バラを使うと決めたときスタッフが何の反応も示さなかったのはそのせいだろうと笑った。

豆板醤を溶かした辛いバージョンも、2人とも「どっちもいい」と評価した。後から加えれば味変に使えるという。リュウジはスープについて「店レベルで深くない?」と言い、スタッフは「一手間加えてこうなるのはすごい」と感心した。食べ進めるうちに、味には関係ないと言っていたキクラゲも、食感が生まれるので入れたほうがいいと評価が変わった。キャベツの甘みも全体のバランスに効いているという。

リュウジによると、深みを生んでいるのは小さじ1/3のほんだしだ。少し入れるだけで店のような複雑な味に近づく。ほんだしやかつおだしならどこの家庭にもあるだろう、とも付け加えた。

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「余白」のある袋麺、ない袋麺

リュウジは、インスタントラーメンはアレンジできるように「余白」を残して作られていると話す。屋台ラーメンにはその余白がある。一方、余白がない例として挙げたのが「みそきん」だ。みそきんは決められたアレンジしかできないので、美味しいけれど料理研究家としては少しつまらないという。スタッフは、それはある意味すごいことだと応じた。リュウジはインスタントラーメンのアレンジレシピを100ほど持っている。今回のアレンジについては、その中でもトップレベルだと自己評価した。

話題はチキンラーメンの雑炊アレンジにも及んだ。リュウジによれば、この動画はHIKAKINさんの動画よりずっと再生が伸びたという。そこから、みんな料理を知りたいのだと感じたと話し、料理動画が伸びるのが一番嬉しいと続けた。インスタントラーメンのアレンジは料理ではない、手抜きだと言う人もいる。それでもリュウジは、ここまでやればちゃんと料理として成立すると考えている。インスタントラーメンを一つの食材として捉えるべきで、料理は広い意味で捉えたほうが楽しいという。

うまかっちゃんとの比較についてもリュウジは見解を示した。うまかっちゃんもアレンジで美味しくできる。ただ、うまかっちゃんはかなり豚が強いので、今回のアレンジならおそらく屋台ラーメンのほうが向いているという。今回のアレンジは岐阜タンメンをベースにしているので、スーパークリアなスープのほうが美味しくなる、という理由だった。

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結び:袋麺アレンジを見直してほしい

2人はスープまで飲んで完食した。リュウジは最後に、インスタントラーメンは小さい頃から食べてきた立派な食事だと語った。サッポロ一番にも公式のアレンジレシピがあるように、アレンジはメーカーも望んでいることで、栄養も取りやすくなる。だから「アレンジしたら意味がない」という意見には同意しない、という立場だ。そのうえで、みんなで切磋琢磨して色々なアレンジを生み出したほうがいいと述べた。視聴者には、サッポロ一番の食べ方でもいいので、自分が一番美味しいと思った袋麺とそのアレンジをコメント欄で教えてほしいと呼びかけて、動画は締めくくられた。