スーパーの豚肩ロースとオーブンで作る「テキサス風ローストポーク」とプルドポーク

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概要

アメリカの肉料理、特にテキサスのバーベキューがSNSで話題になっている。リュウジは以前からアメリカ料理が好きで研究してきたといい、今回は外側が真っ黒でほろほろに崩れる牛ブリスケットを、日本の家庭で再現することに挑む。本場のように燻製器で何十時間もかけるのではなく、スーパーの豚肩ロースと家庭用オーブンでどこまで近づけるかがこの回のテーマである。焼き上がった肉はそのまま切ってローストポークとして食べるほか、手で裂いてバーベキューソースと和え、パンに挟むプルドポークにもする。

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ブリスケットの代わりに豚肩ロースを選ぶ理由

テキサスのバーベキューで定番のブリスケットは、牛の胸のあたりの部位を使い、本来はスモークして仕上げる。薄切りにしてパンに挟んで食べることもある。ただ、日本ではブリスケット自体がまず売っていない。そこでリュウジが「一番近い食感になりそう」として選んだのが豚の肩ロースだ。日本では豚のほうが手に入りやすく、豚でやってもおいしいというのが本人の考えである。

今回用意したのはスーパーで買った豚肩ロース1kg。300gほどの塊に分かれていて、ピースが小さいのが難点だという。以前の動画ではスペアリブをほろほろに仕上げたが、今回は骨なしの肉でほろほろのローストポークを目指す。

部位の選び方には明確な基準がある。肩ロースのなかでも、真ん中に筋が入っているものでないとほろほろにならないとリュウジは説明し、バラっぽさの少ない塊については「もしかしたらほろほろにならないかもしれない」と留保をつけた。スタッフから「もっと脂身の少ない肉でもできるか」と聞かれると、はっきり「ダメです」と答えている。脂身がないとほろほろにならず、肩ロースが脂と赤身のバランスが一番よいからおいしい、というのがその理由だ。

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スパイスを混ぜ、マスタードを塗ってからまぶす

味付けは、スパイスを混ぜたもの(リュウジは「ミックスハーブ」と呼ぶ)を肉にすり込むだけだ。肉1kgに対して塩大さじ1、同量の砂糖大さじ1、チリパウダー大さじ1、ガーリックパウダー大さじ1、胡椒は大さじ半分を混ぜる。胡椒は「そんなにいっぱいいらない」という。生ニンニクを使う場合もあるが今回は使わない。スタッフはこの手のバーベキューを見たことがなく、仕上がりの想像がまったくつかない様子で、リュウジは「それだけみんながアメリカンバーベキューを知らないということ」と受け止めていた。厳密には本場とは少し違うが、家庭でできる範囲でやっている、とも断っている。

スパイスの前に、肉にはイエローマスタードを塗る。300gほどの塊ひとつにつき大さじ1杯程度が目安だ。マスタードでコーティングするのは、味が入りすぎるのを防ぐためだとリュウジは説明する。マスタードの香りも加わる。その上からスパイスをまぶすと、肉の表面がピンク色になる。

塩の量は1kgに大さじ1と多めだが、スパイスは層になり、後で拭ってしまうこともあるので問題ないという。肉の側面にもしっかりかけておくとよい。筋切りはしない。低温で長時間調理するので、最終的にはほろほろになるからだ。

うま味調味料についても触れている。染み込ませてもおいしいが、本場ではあまり使わないため、今回は肉の旨みだけで食べる。スパイスの旨み、塩、砂糖の味で食べる料理だという位置づけだ。

リュウジがこうした料理を知ったきっかけとして挙げたのが、YouTubeチャンネル「BBQ Pit Boys」である。おじさんたちがただバーベキューをしているだけの番組で、こういう料理ばかりが出てくる。リュウジはそれを毎回欠かさず見ていたという。

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150℃のオーブンで約2時間、30分ごとに霧吹き

下ごしらえが済んだら、あとはオーブンに入れるだけだ。好みでジャガイモや玉ねぎを一緒にローストしてもよいが、今回は肉だけを食べたいので入れない。

肩ロースは脂が多く、焼いているうちに脂が下に落ちて溜まる。そのままだと脂でべちゃべちゃになりそうなので、網を敷いて肉を上げておく。こうすると脂が下に落ちて、ヘルシーになるとリュウジはいう。予熱も不要で、温度は150℃、時間はおよそ2時間が目安だ。

焼いている間は、乾燥を防ぐために30分ごとに霧吹きで水を与える。これで仕上がりがかなり良くなるという。30分後はまだ見た目にあまり変化がないが、1時間20分のころには表面がだいぶ乾き、カリカリになってくる。途中でひっくり返してもよいが、やらなくても大丈夫だ。30分ごとに変化を見ていくのも楽しいとリュウジは話す。一方で、今回はオーブンの低温調理なので、本場のような真っ黒な見た目にはならないかもしれないと事前に断っていた。

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煮詰めて仕上げるバーベキューソース

肉を焼いている間にバーベキューソースを作る。パンに挟むとおいしいソースで、余っても保存できるので多めに作る。分量は醤油大さじ4、ウスターソース大さじ4、ケチャップ大さじ6、蜂蜜、レモン汁大さじ1、タバスコ14振りほど、ガーリックパウダー18振りほど。リュウジはこれを「鉄板のバーベキューソース」と呼び、普通のバーベキューにも使えるし、塗って焼くだけでもおいしいという。

普段のリュウジは、このソースを肉にまぶしてそのまま焼いてしまうことが多い。今回は肉とソースを別々に仕上げるので、ソースは一度沸かして少し煮詰める。ガーリックパウダーがうまく混ざりきっていないこともあり、加熱しながら溶かしていく。煮詰めるととろみが出て、燻製っぽい深い香りが立ってくる。うま味調味料は入れていないが、甘さがあるので必要ないという。ご飯にそのままかけてもおいしいそうだ。

スタッフにとって「バーベキューソース」といえば、マクドナルドのナゲットにつけるソースのイメージだった。リュウジによれば、アメリカではバーベキューソースが定番の調味料と並ぶくらい普通に売られていて、チキンに塗って焼いたり、サンドイッチに入れたりと、何にでも使われる。塗って焼く使い方が主流らしい、というのが本人の説明である。

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焼き上がりと、まずはスパイスだけで試食

およそ2時間10分で取り出すと、肉はかなり柔らかくなっていた。脂は下に落ちて溜まり、肉はぷるぷると揺れる。表面はぱりっと乾いているが、中には水分がじゅわっと溜まっている。リュウジはこれを、低温150℃で2時間焼いた結果として見せた。

切ってみると、脂の少ない部分はほろっと崩れるというより、しっかりした肉質だった。リュウジもその部分は「まだ柔らかくない部分」と認めている。それでも食べたスタッフは柔らかさに驚き、リュウジは「絶対全員作った方がいい」と勧めた。あまりのおいしさに、撮影中にワインやビールまで出てきた。

最初はバーベキューソースをかけず、スパイスだけの肉を手づかみで食べる。リュウジはこれを「家庭でできる最大限のアメリカンバーベキュー」と表現した。スタッフからは「アメリカンだけど上品」「このスパイスの配合がすごい」という感想が出て、脂っぽさも感じないという声があった。リュウジは、調味料をすり込んでオーブンに入れて放っておいただけで、途中で水を打った程度だと強調する。肉も高級な豚ではなく、スーパーで買ったものだ。

続いてバーベキューソースをかけると、味の印象がまた変わる。スタッフはレモンによるフルーティーさを感じ取り、リュウジもレモン汁をたっぷり使っていることを理由に挙げていた。

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手で裂いてプルドポークに

ここまではローストポークとしての食べ方で、残りの肉はプルドポークにする。プルドポークは、長時間調理した肉を引き裂いたもので、ハンバーガーに挟んで食べるのが流行っているとリュウジは説明する。

焼き上がった肉は熱いうちに手で裂ける。リュウジの見立てでは、もう30分ほど長く焼けばもっとほろっと崩れる。今回の状態でも肉質が残っていておいしいが、オーブンでやるなら3時間くらいが目安だという。時間はかかるものの、ほったらかしにするだけなので、休みの日に向いている。

裂いた肉にバーベキューソースを大さじ3ほど絡めれば、プルドポークの完成だ。こういう料理は家ではなかなか作らないが、たまにはこういうものを食べたい、とリュウジは話す。

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プルドポークのサンドイッチ

食パンを焼き、プルドポークをたっぷりのせ、チェダーチーズを重ねて挟む。チーズを入れることで「アメリカンだろう」とリュウジは笑う。これをみんなで分けて食べた。

スタッフは、最初に食べたローストポークより柔らかいと評した。筋もまったく感じない。リュウジは、筋は2時間かけて加熱することでゼラチン質に変わると説明し、化学調味料も使っていないことを付け加えた。食べたリュウジ自身も「口の中にアメリカを感じる」と満足げだった。誰がこれを作るのかと思っていたが、意外とみんなやるかもしれない、とも話している。

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焼き時間の調整と、最後に切った肉

焼き時間は豚の大きさで変わる。リュウジ自身は今回くらいの、肉の食感が残るプルドポークが好みだという。もっととろとろにしたい場合は、150℃で2時間半から3時間焼けばほろほろになる。プルドポークにしてサンドイッチにしても、スライスしてローストポークとして食べてもよく、どんな食べ方にも使えるとして、視聴者に作ってみるよう勧めた。

撮影の最後に、まだ切っていなかった塊を急遽切り分けた。最初に食べた肉も十分おいしかったが、この塊は脂が多く、ぷるぷるで格段に柔らかかった。スタッフも「レベチ」と評している。同じ1kgの肉でも、脂の多い塊ほど柔らかく仕上がることが、最後の試食でもはっきり表れた。リュウジは、時間をかけるほど柔らかくなると話し、試食を締めくくった。