生成AIが変える役者の価値と映画『ちいかわ』に見るコンテンツの受容構造
堀江貴文 ホリエモン堀江貴文氏と対話相手が、話題のAI動画作品『デブ上等』と劇場で鑑賞した映画『ちいかわ』を題材に、映像コンテンツの現在地と作品の受容について語り合った。生身のキャストを介さない制作手法が実用レベルに達するなかで、表現者や舞台の価値がどこへ向かうのか、また『ちいかわ』という作品がどのような物語構造とファン心理によって支えられているのかについて、堀江氏が自身の見解を述べている。
AI動画の進化と「生身の舞台」への価値回帰
対話の冒頭では、AIを活用して制作された動画コンテンツ『デブ上等』のクオリティが話題に上った。堀江氏は、生身の人間のキャストを起用しなくても、視聴者が次回の展開を楽しみに待てる水準の映像作品が十分に成立するようになったと評価する。
対話相手からは、動画生成AIによる制作が一般化した場合、集客力を持つ一部の俳優に仕事が集中していくのではないかという懸念が示された。これに対して堀江氏は、映像制作のAI化が進むほど、俳優の活動の主軸は実空間の舞台やリアルの芝居へと向かうのではないかとの見立てを示した。映像作品がAIで作られることが当たり前になれば、劇場に足を運んで人間が目の前で演じている姿を見ること自体の希少性や情緒的価値が高まるという考えに基づく。AIを通じて作品や演者を知り、その後に実際の舞台を見に行くという動線が生まれることで、実物の舞台の価値が大きく上がると論じた。
映画『ちいかわ』の物語構造とファンの消費心理
続いて話題は、劇場で鑑賞したという映画『ちいかわ』の内容へと移った。堀江氏は本作のストーリーについて、人魚の肉を食べると永遠の命が得られるという伝統的な人魚伝説を『ちいかわ』の世界観に落とし込んだ構造であると解釈している。
作品内における「顔のない島の原住民」の存在や、言葉を話すキャラクターと話さないキャラクターが混在している点など、独特の演出や設定には戸惑いを示しつつも、堀江氏は熱狂的なファン層が形成されている背景を分析した。劇場で配布される週替わりの限定グッズ(島の秘密に関する調査資料風の冊子など)を目当てに、何度も映画館へ足を運ぶファンが存在することに言及している。
また、堀江氏は同作のキャラクターの広がりについて『ONE PIECE』に近い雰囲気を覚えたと述べる。主人公だけでなく多様な仲間や敵キャラクターが次々に登場し、観客がそれぞれ自分の「推し」を見つけて応援する「推し活」の対象として機能している点が、作品が広く受け入れられている要因ではないかと指摘した。
作中のギミック解釈と考察コンテンツとしての側面
物語の終盤やディテールに関する具体的な描写についても意見が交わされた。劇中でハバネロが効かず、最終的に「キャロライナ・リーパー」が用いられた場面について、堀江氏は自身が関わるブランドのホットソースで使用している経験から、世界で2番目に辛いとされる唐辛子であることを知っていたため思わず笑ってしまったと語る。辛さの指標であるスコヴィル値においてハバネロの約300倍とされる数値のインパクトが、作中のギミックとして使われていた点に触れた。
また、人魚の肉を食べた夫婦の周囲に落ちていた光る物体が人魚の鱗であることや、永遠の命を得た存在の象徴としてお尻に「電池」が埋め込まれている描写についても言及された。堀江氏は、電池さえ入れ替えれば電気エネルギーで生き続けられるという設定を『ちいかわ』らしいシュールな表現として納得したと述べ、鑑賞者が行間を読み解いて楽しむ「考察系」の側面を持った作品であると総括した。
最近流行りの、堀江さんもハマってる『デブ上等』について聞きたいんですけど。「『デブ上等』。お前出ればいいじゃん」「出れますかね? 僕ちょっとデブ具合足りなくないですか?」「わからないけど」「自分で言うのもなんですけど、デブ界隈の中ではちょっと痩せてる側かなみたいな」「『デブ上等』に出てる人はもうガチでデブな人というか、あれだから」「まあそうですね。あれマジで面白いですね」「人間のキャストがいなくてもそれなりの作品を作れるようになったよねっていう。次が楽しみなレベルでちゃんと作れるようになったのはすごいよね」「動画AIでああやって作るのが一般化していったら、役者さんも集客力がある人に仕事が集中するのかなって。実演させるってなったら」「そこじゃなくて、多分舞台とかリアルな芝居のほうに行くんだよ。映像作品はAIだけど、シアターに行ったら人間がやってます、みたいなのがエモいって話に絶対になると思うんですよ。実物の舞台とかにすごく価値が上がってくると思う。AIで知って実際の舞台を見に行くっていう流れになる。そういうこと」
「この前一緒に映画行きましたけど、『ちいかわ』」「一緒に行ったとかって言うなよ。一緒に行ったわけじゃねえよ。お前が一緒にいただけなんだけど」「率直にどうでした?」「あれはただの人魚伝説でしょ。人魚の肉を食べたら永遠に生きられるみたいな話のちいかわ版って感じじゃない?」「観てみて、ちょっとあんまり理解が追いつかなかったです」「全然理解はできるんだけど、南の島の原住民みたいな人たちはなんで顔がないんだとか、ちいかわも喋るやつと喋らないやつがいるじゃん。あの世界観が好きな人は好きなんじゃないの? 俺は別にそんな感じじゃなかったからさ。でも好きな人たちからすると、毎回限定グッズをもらえて嬉しいらしいよ。週替わりで限定グッズ、俺たちの時は人魚の島の秘密みたいな調査誌がもらえたじゃん。あれが嬉しいらしくて、それ狙いで毎週行っている人とか、もう5回観に行ったとかそういう人もいるよ。だから全体的な世界観なんだろうね」「コナンの歴代最高興行収入も超えたらしいですからね」「雰囲気的に言うと『ONE PIECE』とかそっち系の雰囲気を感じる。いろんなキャラクターが出てくるじゃん。ルフィだけじゃなくてサンジとかナミとか、敵キャラもいっぱい出てきて、ああいうのにみんな一人一人推しを見つけるみたいよ。ちいかわのキャラに推し活してるみたいな。ストーリー自体はみんなが知ってる人魚の伝説のちいかわ版。『なんだ、人魚の話じゃんこれ』みたいな」
でも、ネタバレになりますけど、必殺技がキャロライナ・リーパーだったっていう。キャロライナ・リーパーってうちのWAGYUMAFIAの「ワギュスコ」っていう、一番辛い唐辛子のホットソースに使われてるんだけど、俺それで覚えたんだ。世界で2番目に辛い唐辛子なんですよ。最近まで1番辛かったんですけど、今2番になったらしいんですよ。スコビル値っていう辛さの指標みたいなのがあって、うちのワギュスコのキャロライナ・リーパー版は300倍くらい。辛さの数値がスコビル値で数値化されていて、普通のハバネロの300倍辛いってことですね。「ハバネロの300倍、本当にやばいですね。映画と一緒だ」「ハバネロじゃ効かなかったじゃん」「全然効かなかったですね」
キャロライナ・リーパーなんだと思って、ちょっとそこだけクスッと笑いましたけど。辛いのを提供してくれた、人魚の肉を食べた夫婦がいたじゃん。あの時に落ちてた何かが人魚の鱗だってわからなかったもん。光り輝くみたいなやつ、「何なんだろうこれ」って思っちゃったもん。「自分はこの人たちが食べたのかなって」「ちいかわの画風で描かれると、あれが人魚の鱗だってわからないんだよ。『え、何これ』みたいな感じだったんだけど、ああ、なるほどね、みたいな」「お尻の電池で見られちゃって、みたいな」「電池も、ちいかわ風に永遠の命は電池なんだっていう。電池っぽいじゃん。ちょっとシュールじゃん。電池さえ入れ替えればずっと生きられます、電気エネルギーでずっと生きられますみたいな話なのかな、電気エネルギーの体に変わっちゃったんだな、みたいな。ちいかわ風じゃん。全然俺、普通に納得いったけどね。まあそういう考察系の映画らしいんで。ネタバレしましたけど、観に行きたい人は行ってください。いってらっしゃい」
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