クレカの「審査落ち」と「修行」とは何か:200枚以上を持つ専門家が選ぶ“穴場クレカ”3枚

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概要

クレジットカードに関心を持っても、「還元率」「ステータス」「修行」といった用語が多く、途中で調べるのをやめてしまう人は多い。この回では、YouTube「クレジットカードあるある」を運営し、200枚以上のカードを持つ佐藤雄一さん(通称クレアルさん)が、岸谷蘭丸さんを相手にクレカ界隈の用語を一つずつ解説した。前半は審査落ちの実態と3種類の「修行」、後半は一般のビジネスパーソンがあまり知らないカード3枚の紹介、そして蘭丸さんの2026年のカード計画である。

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審査落ちは約2割、原因の多くは信用情報

蘭丸さんがまず尋ねたのは、審査落ちが実際にどれくらいあるのかという点だ。佐藤さんは「2割はあると思います」と答えた。佐藤さんの手元には、申し込んだ人が審査に通ったかどうかのデータもあり、おおむね8割が通り、2割が落ちているという。

落ちる人の多くは、信用情報に問題を抱えている。佐藤さんが挙げた例は、スマートフォン端末代金の分割払いの延滞だ。これはCICという信用情報機関に記録され、カード会社は審査の際にそこを確認する。スマホの分割払いが信用情報に載ることを知らない人が多いため、すぐに確認したほうがいいと佐藤さんは話す。スマホの契約時にもキャリアが信用情報を見るという。

一方、蘭丸さんが以前にやった電気代の払い忘れについては、佐藤さんは「乗らない」と答えた。問題になるのはクレジットカードやローンといった金融サービスで、スマホの分割払いが該当するのも、それが金融サービスだからだと二人は整理している。

年収の低さが理由で落ちることは「あんまない気がする」と佐藤さんは言う。年収300〜400万円でプラチナカードに申し込んだ場合も、通ることはあるという。むしろよく言われるのは勤続年数で、長く勤めている人には発行されやすい一方、会社を辞めてフリーランスになってから申し込んで落ちたという例もあると紹介した。

アメックスの「通帳の刑」と、イオンカードでの失敗

佐藤さんによると、アメックスは入口の審査が比較的緩い会社だという。年収200万円でプラチナカードが通った人もいるそうだ。ただし、一度通したあとで改めて審査が入る。資産状況を提出するよう求めるメールが届き、利用状況に問題があるとみなされるとカードが止められる。これが界隈で「通帳の刑」と呼ばれているものだ。

佐藤さん自身もこれを受けた経験がある。アメックス・ビジネス・プラチナを使っていたところ止められ、それに連動して個人のカードも止まり、マリオット・ボンヴォイのカードまで使えなくなったという。

もう一つの失敗談はイオンカードセレクトだ。このカードはイオン銀行とセットで申し込む必要がある。佐藤さんは多くのカードの引き落とし先をみずほ銀行にまとめていたため、イオンカードセレクトもみずほ銀行に紐づいていると思い込んでいた。実際にはイオン銀行に残高がなく、利用途中に行われる審査(途上与信)で問題ありとされ、カードが使えなくなった。

こうした話を受けて、自分の信用は大事に扱うべきだと蘭丸さんがまとめると、佐藤さんは「ちゃんと管理ができれば」いいと答えた。管理が難しいと言う蘭丸さんに対しては、複数枚持つのは危ないので1〜2枚でいいと勧めている。

修行は3種類:クレカ・ホテル・飛行機

次の話題は「修行」だ。佐藤さんは修行を大きく3つに分ける。一定額を決済すると上位カードの招待や特典がもらえる「クレカ修行」、一定泊数を泊まるとステータスが上がる「ホテル修行」、飛行機に乗って上級会員を目指す「飛行機修行」である。

クレカ修行:招待でも審査に落ちることがある

クレカ修行の何がうれしいのかと蘭丸さんが聞くと、佐藤さんは修行の達成感もあるとしたうえで、本来は年会費がかかる上位カードを無料で発行できる場合があると説明した。

例として挙げたのは三井住友カードのナンバーレス(NL)だ。これで年間100万円を使うと、ゴールド(NL)の招待が来る。普通に申し込むと年会費5,500円かかるが、修行を達成すると年会費が無料になるという。ゴールドの次にブラックの招待が来るかという蘭丸さんの問いには、「次はない」と答えた。

佐藤さんが面白い点として挙げたのは、100万円を使って招待が来たのに、申し込んだら審査に落ちたという例があることだ。招待する部門と審査する部門が別だからだという。学生などは少し厳しいとも補足した。

ホテル修行:マリオットのステータスとアップグレード

ホテル修行の代表例はマリオットだ。佐藤さんによると、マリオット・ボンヴォイのプレミアムカードを持っていれば、35泊でプラチナエリート、55泊でチタンエリートになれる。蘭丸さんは「1年間で55泊」は無理だと反応した。

チタンエリートになると何があるのか。佐藤さんはまず「かっこいい」ことを挙げ、配信者としての箔がつくと冗談まじりに話した。実利としては、プラチナエリートよりもアップグレードされる確率がかなり高くなるという。最近JWマリオット東京に泊まった際には、クラブラウンジの隣の部屋にアップグレードされた。ただしそのときは誕生日だったことも影響したかもしれないと、佐藤さん自身が留保をつけている。記念日などで行くとアップグレードされやすいという。

ホテル修行はクレカ修行と違い、達成しても招待が来るわけではなく、単にステータスが上がる。また泊数を積むには、マリオットならボンヴォイ経由で予約する必要があると確認している。

飛行機修行:ANA SFCの条件と「沖縄往復」

佐藤さんが「深い」と言うのが飛行機修行だ。飛行機に乗らないと上級会員になれないカードがあり、その代表がANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)である。出演者はそろって、今年SFC修行に取り組むつもりだと話していた。

佐藤さんの説明では、条件は3万プレミアムポイントに加えて年間400万円の決済、または5万プレミアムポイントで、後者なら400万円の決済は要らない。マイルとプレミアムポイントの違いについては、プレミアムポイントは飛行機に乗ってもらえるポイント、マイルは飛行機に乗らなくても、たとえばクレカ決済でも貯まるポイントだと整理した。修行で貯めなければならないのはプレミアムポイントのほうだ。蘭丸さんは現時点で410マイルしか貯まっていないと明かしている。

効率がいいのは羽田〜那覇〜石垣といったルートだと佐藤さんは言う。修行のために沖縄に何度も通う人がいる話は蘭丸さんも知っていて、11〜12月は沖縄に行きまくる未来が見えると話した。佐藤さん自身も修行をしていた時期があり、1日に東京〜沖縄を往復する便に4回乗ったという。腰よりも財布が痛いと二人は笑っている。

それでもSFCを目指す理由として、一度取得すれば、毎年1万円程度を払い続けることで上級会員の待遇を永続的に受けられる点が挙げられた。

上級会員になると移動がどう変わるか

飛行機修行の利点を、佐藤さんは「旅行とか出張が優雅になる」とまとめる。手荷物を預ける専用レーンがあり、国内線では保安検査場にも別の入口がある。出演者の一人は、ギリギリに空港に着くときや、最近は顔を知られるようになり帽子を取るよう言われることもあるため、別の入口から1分ほどで入れるのが楽だと実感を語った。蘭丸さんは、エコノミーで並んでいるときに横を通り抜けていく人たちがそれだと理解した。

国際線では、預け入れ荷物の数と重さの上限が変わり、倍ほどの量を預けられることもあるという。エコノミーからビジネスへのアップグレードがたまにあり、安くアップグレードできると案内されることもある。ラウンジには寿司があり、アルコールも飲み放題だ。到着時も預け荷物が早めに出てくるので、すぐに空港を出られると佐藤さんは説明した。

穴場クレカ①:P-oneカード<Standard>──請求が常に1%オフ

後半は、佐藤さんが選んだ「一般のビジパが知らない通なクレカ」3枚の紹介だ。1枚目はポケットカードが発行するP-oneカード<Standard>。蘭丸さんも他の出演者も名前を知らなかった。

このカードの特徴は、ポイントを貯めるのではなく、請求額が常に1%オフになることだ。佐藤さんは、ポイントを貯めたくない、どうでもいいが少しは得をしたい、管理が面倒だという「ズボラな人向け」で、そういう人には「これ一択」だと言う。ポイントの使い忘れや管理ができない人に勧めるカードである。

関連して佐藤さんは、基本還元率が高いカードとしてリクルートカードも紹介した。どこで決済しても1.2%還元で、ポイントはdポイントやPontaポイントなどに交換できる。マイルにも交換できるがレートは下がるという。佐藤さんはこのカードも持っている。

穴場クレカ②:Amazon Prime Mastercard──Amazonの中で完結する人向け

2枚目はAmazon Prime Mastercard。Amazonを開くといつも勧誘が出てくるカードだと蘭丸さんは反応した。佐藤さんによると、年会費は無料で、Amazonでの買い物に2%分のAmazonポイントが付く。

デメリットはAmazonポイントがAmazonでしか使えない点だが、佐藤さんはこれもP-oneカードに近い考え方の人向けだとする。クレカは使うが面倒なことはしたくない、ポイントは欲しいが別の場所で使い道を考えたくない、という人だ。ポイントは自動で貯まり、Amazonでの支払い時にそのまま使える。蘭丸さんは自分の家が確実にそのタイプで、Amazonをよく使っていると話し、このカードにしようかと関心を示した。

穴場クレカ③:ラグジュアリーカード──見た目と限度額

3枚目はラグジュアリーカード。佐藤さんは、コンシェルジュサービスが優秀な点と見た目のかっこよさを挙げる。スタジオでは実物を使い、プラスチック製のカード、アメックス・ビジネスのメタルカード、ラグジュアリーカードの24金カードを順に机に落として音を比べる実演をした。プラスチックの音は軽く、24金のカードは重い音がし、出演者は「ロマンがある」と盛り上がった。ローズゴールドのカードも紹介された。

金属製のカードはスポーツ観戦時の手荷物検査で金属探知機に引っかからないかという質問も出た。佐藤さんはその話は聞いたことがないとしつつ、駐車場の機械に入らないという話は聞いたことがあると答えている。

見た目以外の利点として佐藤さんが強調したのは、ショッピング枠の大きさだ。ラグジュアリーカードの利用者は富裕層が多く、ビジネスで決済することもある。ほかのカードでは使っていて枠を超え、使えなくなることがあるが、ラグジュアリーカードは枠を大きめに設定してくれるのでそうしたことが少ないという。限度額もカード選びで考えたほうがいい要素だと、佐藤さんは付け加えた。

蘭丸さんの2026年のカード計画

最後に、蘭丸さんが2026年に使うカードをまとめた。軸になるのは、蘭丸さんがすでに持っているANAワイドカードで、これを使ってSFC修行に臨む。年間400万円を決済すれば十分だろうと蘭丸さんが言うと、佐藤さんはマイルは貯まるがプレミアムポイントはクレカ決済では貯まらないと訂正した。蘭丸さんは、プレミアムポイントは出張で貯めることにしている。

これに加えて、三井住友カードのOliveのゴールドを使う計画だ。佐藤さんによると、年間100万円を使えば年会費が無料になり、さらに1万円相当のポイントがもらえる。蘭丸さんはコンビニをよく使うため、コンビニでのポイント還元が高いOliveで決済すればいいという話になった。結果として、ANAのカードで400万円、Oliveで100万円、合計で年間500万円を決済するのが蘭丸さんの目標になった。

収録の最後、蘭丸さんは1年後に佐藤さんを再び招き、修行の結果を振り返ったうえで2027年のカードを考えたいと話した。SFC修行を実際に達成できるかどうかは、その時点での答え合わせに持ち越された。