100年前の海軍カレーを家庭向けに再現する:リュウジが桜井誠に作った「カレー返し」

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概要

料理研究家のリュウジが、前回のコラボで中華風カレーを振る舞ってくれたDragon Ashの桜井誠に、お返しとしてカレーを作る回である。リュウジが選んだのは、これまで食べたカレーの中で一番感動したという「100年前の海軍カレー」だ。ホテルの料理長に教わったレシピを、スーパーで手に入る材料で作れるように組み直している。二人とも収録中に日本酒を一升瓶1本空けるほど飲んでおり、会話は終始くだけているが、工程ごとに材料や手順を選んだ理由が語られている。

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料理長のレシピを「作りやすく」した版

元になったのは、リュウジのチャンネルで一度披露された、スキンヘッドの鷹林料理長(字幕では「クレイトンベイホテル」の料理長と紹介)による海軍カレーである。リュウジはこれに感動し、翌日からずっと作り続けたという。料理長のレシピにはチャツネやココナッツミルクなど手に入りにくい材料が含まれていたため、リュウジが簡単にした「バズレシピ版」を作り、温めていた。料理長には前日に許可を取ったと説明している。

材料は鶏もも肉1枚(2〜3人前)、長ねぎ、玉ねぎ1個と1/3、にんにく、生姜、紅生姜、少量の生クリーム。リュウジは、海軍カレーはイギリスから伝わった小麦粉を使うカレーなので洋風になる、と位置づけている。普段は洋風のカレーを作ることが多いリュウジだが、前回桜井が作った2種類とはどれも被らない構成になったと話す。

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味の決め手は焦がしねぎ

最初の工程は、長ねぎ60gを小口切りにし、米油大さじ1で焦がしねぎを作ることだ。リュウジはこれを「味の決め手」と呼ぶ。前回、桜井は生の長ねぎを使っており、リュウジは焦がしたねぎを使う。二人はその対比を面白がっていた。桜井が、カレーにはあまり長ねぎを使わないのでは、と言うと、リュウジは100年前のレシピに実際に長ねぎを使うと書いてあると答えた。

焦がしねぎを使う理由について、リュウジは保存性を挙げた。生の長ねぎより炒めたねぎの方が日持ちするので大量に作り置きできる。海軍ではおそらく潜水艦で食べるので、保存が効く食材が多い、という推測も添えている。焦がしねぎは放っておいても作れるため、この工程は桜井が「焦がしねぎ隊長」として担当した。焦げる手前まで攻めてよい、というのがリュウジの指示である。

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玉ねぎはみじん切りではなくスライス

カレーに入れる玉ねぎ1個は、繊維に逆らってスライスする。ここでリュウジは、カレーの専門家と対談した際に、みじん切りは本当に必要なのか、スライスでよいのではないか、という話になったことを紹介した。桜井もそれはカレー界隈の「あるある」だと応じている。

リュウジ自身の感覚では、みじん切りの方がルーに溶けにくく、スライスを炒めてから煮込んだ方がとろみが出る気がするという。完成間際にも「やっぱりスライスの方がトロンと来る」と確かめている。また、スライス玉ねぎは焦がす必要がないとも説明した。深みは焦がしねぎが担うからである。海軍式カレーに玉ねぎが多いのも、保存が効く食材として多く使われたためらしい、とリュウジは話す。

使った玉ねぎは淡路島産だった。リュウジは、通常の玉ねぎの糖度が7〜8%程度なのに対して淡路島産は10%ほどあり、水にさらさなくても辛くないと話している。ただし普通の玉ねぎでも問題ないと付け加えた。この流れで、淡路島の道の駅には玉ねぎのUFOキャッチャーがあるが全然取れない、という雑談も挟まった。

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薬味用の玉ねぎは手で刻む

残りの1/3個はみじん切りにして薬味にする。リュウジはこれをできれば手で切りたいと言う。ぶんぶんチョッパーでも作れるが、余計な辛みが出る気がするからだ。桜井も、それは分かる、用途によっては切った方がいい、と同意した。刻んだ玉ねぎは水にさらさず、空気にさらしておけば辛みが抜けるという。薬味はたっぷりあった方がおいしいので、量は多めに用意している。

なお、この日の包丁は二人が何度も驚くほどよく切れた。理由を聞くと、スタッフが研いでおいてくれたのだという。

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鶏肉と玉ねぎを炒め、チャツネの代わりにウスターソース

一口大に切った鶏もも肉を皮目から炒め、スライスした玉ねぎを加えてしんなりさせる。そこに焦がしねぎを入れる。

本来のレシピでは、ここでチャツネを入れる。しかし瓶入りのチャツネはスーパーにほとんど売っていない。リュウジは、料理長が置いていったチャツネを舐めてみたらほとんどウスターソースの味だったので、今回はウスターソースで代用すると説明した。量は濃縮タイプで大さじ2と1/2と多めだ。チャツネは固形なので、ウスターソースも一緒に炒めて水分を飛ばすと同じような効果が得られる、というのがリュウジの考えである。水分が飛ぶとルーのような状態になり、桜井は「これで食べてもおいしそう」と反応した。

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粉とカレー粉を同量で炒める

いったん火を止めて、おろしにんにくと生姜を10gずつ加え、再び火にかける。続いてバター20gを溶かし、薄力粉35gとカレー粉35gを合わせた70gを入れる。カレー粉は、前回桜井も使ったインディアンカレーで、二人とも同じものを選んでいたことを喜び合った。小麦粉とカレー粉が同量だと聞いて、桜井は「そんなに入るの」と驚いている。35という数字に特に意味はない、とリュウジは笑っていた。

リュウジによれば、本来は日本で最初に作られたカレー粉であるハチカレー(字幕では「蜂カレー」)を使う。ただ入手が難しいので、今回はインディアンカレーで代用した。こだわりたい人は取り寄せてほしいとも言っている。

料理長は小麦粉とバターを先に炒めるクラシックなやり方をとっていたが、リュウジはカレー粉と一緒にまとめて炒める。焦がさないように炒めるので、色は黄色っぽいカレーになるという。

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水は3回に分け、旨味とバターを足す

中火にして、水200ccを3回に分けて加え、そのたびに溶かして伸ばしていく。本来は濃縮した鶏スープを入れるが、市販されていないため、鶏がらスープの素を大さじ2入れる。かなり多めだが、これくらい入れた方がおいしいとリュウジは言う。桜井が、働いている人の食事なので旨味がしっかりしていないといけないのだろう、と言うと、リュウジは自分の考えを話した。自分は旨味を強めにつけるタイプだが、旨味が多いほどおいしいわけではなく、控えめなものもおいしいと思っている。そのうえで、グルメで色々食べてきた人ほど旨味を控えめにする傾向があり、関心の薄い人は旨味を感じられる方を好む、というのが最近の「独自の研究結果」だと述べた。

さらにバター30gを加える。料理長も実際にこれくらい入れていたといい、リュウジはこれくらい入れないと本物にならないと話した。加えて、塩2つまみ(ピンチオブソルト)、砂糖小さじ1でコクを付ける。旨味の補強としてハイミーも4振り入れた。リュウジは、これはなくてもよいが、入れた方が料理長の味に近いと感じたと説明している。

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ココナッツミルクの代わりに生クリーム

料理長は仕上げにココナッツミルクを入れていた。しかし、置いているスーパーとないスーパーがある。そこでリュウジは生クリームで代用した。量は50ccほどで、多くなくてよいという。入れるとコクが出て、洋風カレーらしさが強まるとリュウジは話した。

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薬味の玉ねぎと紅生姜を添えて

ご飯にカレーをかけ、刻んだ生の玉ねぎと紅生姜をたっぷり載せて完成させる。具材は鶏肉と玉ねぎだけとシンプルだ。生の玉ねぎを直接載せることに桜井は驚いていたが、リュウジは「これが異常に合う」と説明した。桜井は、長ねぎと玉ねぎがリンクしていると受け止めた。紅生姜も、鷹林料理長に習った海軍カレーで割と多めに載せてよいとされていたものだという。

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試食:濃厚さと薬味の酸味の行き来

桜井の最初の感想は「めっちゃうまい」だった。特に紅生姜が合うと強調し、これまでカレーに紅生姜を合わせる発想がなかったと話している。ベースはリッチで濃厚だが、紅生姜と一緒に食べるとさっぱりする。最初はルーの濃厚さを味わい、2〜3口に1回、玉ねぎと紅生姜を挟む。それを繰り返せば気づいたら皿が空になっている、と桜井は食べ方を語った。

さらに桜井は、こうした欧風カレーは重いものが多いが、このカレーはウスターソースの果実感や酸味、紅生姜の酸味がうまく使われていて重くないと評価した。バンドマンは車移動が多く、サービスエリアでよくカレーを食べるが、似たものが多いので、こういうカレーがサービスエリアにあったらみんな食べるだろう、とも話している。リュウジも、短時間で作ったとは思えない深みがあると感じていた。

リュウジがこのカレーに感動した理由は、100年前に人々がこういうカレーを食べていたのだと実感できたことにある。働く人のスタミナ食としてのエネルギー感がある一方で、家庭で食べるなら玉ねぎや紅生姜の薬味があるので重たすぎない、とリュウジはまとめた。料理長の味に近いかと問われた二人は、かなり近いという点で一致した。桜井は「全てに理由がある。長ねぎにも理由があるし、玉ねぎにも理由がある」と評した。リュウジは、料理長をリスペクトして作らせてもらったと伝えておくと話し、次はフェス飯で、という話も出て収録は締めくくられた。