床に散った食用菊をめぐって、リュウジが菊のレシピを3品作った理由

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概要

料理研究家のリュウジは、堀江貴文がプロデュースする和牛店「WAGYU MAFIA」で食用菊の花びらが床に撒き散らされる動画を見て、Xで批判した。その投稿が拡散し、堀江氏の側からも反応があった。この動画でリュウジは、自分がなぜ問題だと考えたのかを説明している。そのうえで「菊を食べ物として認識してもらいたい」として、食用菊を使った料理を3品作ってみせる。語りの中心にあるのは、食材とその生産者へのリスペクトという立場である。

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発端:WAGYU MAFIAとの経緯と拡散した動画

リュウジによれば、WAGYU MAFIAとの関わりは今回が初めてではない。以前店を訪れた際に、ネタの割に調理法がおざなりで、一番美味しかったのはシイタケだった、という趣旨の評価をしたことがある。それがYouTubeを通じて堀江氏に伝わり、「うちは客層が違う」、つまりエンターテインメントを楽しむ人向けの店だと返されたという。リュウジが「そのときだけ違ったのかもしれないので、もう一度行かせてほしい」と申し出ると一度は了承されたが、最終的には撮影を断られる形になった。

今回の件はその後の出来事である。Xで拡散された動画では、寿司桶にみんなで手を伸ばして食用菊の花びらを大量にばらまいており、床にたくさん落ちていた。リュウジはそれを見て「もったいない」「品がない」という趣旨の投稿をし、それが大きく拡散した。普段から食品ロスについて発言し、皮を使うレシピなども公開していること、さらに農家の人たちも反応して「食べ物を粗末にしてはいけない」という流れになったことを、リュウジは経緯として挙げている。

その後、堀江氏が反応したという。リュウジは以前クックパッドについて言及したことがあり、その際に堀江氏から「リュウジは俺の店をまずいと言っておきながら、クックパッドのやり方には反対している、とんだ小物だ」という趣旨の言葉を向けられた。それもあって、自分のような「小物」を相手にしたことに驚いたと話している。動画の拡散元については、出演者との雑談の中で「令和の虎の人がアップしたらしい」と伝聞として語られている。

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「生産者が認めているかどうか」という線引き

リュウジの主張は、菊を使うこと自体に反対しているわけではない、という点にある。食用菊はちょっとした苦みがあって美味しい食材であり、床に落ちたものは土足の床なので皆捨てているだろうし、テーブルに落ちたものもおそらく食べないだろう、と彼は考えている。だから「こぼれないようにやればいいだけ」というのが基本の立場だ。また、美味しい菊を育てたいと思って栽培している農家がいるとも聞いているので、ばらまくにしても配慮は必要ではないか、と述べる。

これに対して「それならビールかけやシャンパンファイトもおかしいだろう」という反論が出ている。リュウジはこれに対し、シャンパンの生産者やビール会社はそれを許容しているという違いを挙げる。豆まきについても同様で、豆の生産者は豆まきに使われることを前提に作っている。一方で食用菊を育てている人が「ばらまかれるために作っている」と考えているとは思えない、というのが彼の見方だ。ただしこれは推測だと自覚しており、菊農家の視聴者がいれば意見を聞きたいと呼びかけている。

動画の終盤の雑談では、この線引きがもう少し補足される。結婚式のライスシャワーも本当はあまり良くないと思うが、多くの場合は規格外の売れない米や古い米など、それ用の米が使われている。結婚式の仕事をしていた経験からそう知っている、とリュウジは話す。そうした配慮があるなら、ある程度は許容できるという考えだ。

さらに、食材を扱う料理人がそれをやるのは違う、という点も強調している。野球選手は食材を扱う人ではない。リュウジ自身はビールかけもあまり好きではなく、シャンパンファイトにも意味はないと思っているが、世の中で許されているものとして口を出さない。しかし菊の件は話が違うという。ちらし寿司に振りかけて食べる分には全く悪いことではない。だから店側も「今後は床に落とさないようにします」と言えばそれで済む話だった、というのが彼の結論である。

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「菊が使われなくなれば生産者が困る」への応答

今回リュウジが特に引っかかったのは、自分が「そういう菊の使い方はダメだ」と言ったことで菊が使われなくなれば、生産者の消費がなくなって困るだろう、という趣旨の反論だった。リュウジは「お前は菊を育てていないじゃないか」と言われればその通りだと認める。そのうえで、それなら自分は自分なりに菊の消費を応援しようと考え、レシピ動画を撮ることにしたと説明する。

食用菊は新潟や山形などではもともと食材として食べられているが、東京では高級店でしか見かけないだろう、とリュウジは話す。今回買ったものは1パック400円ほどで沖縄産、賞味期限は2〜3日と書かれていた。花なのであまり日持ちせず、撮影時点ですでに一部が傷み始めていた。また、刺身に添えられる小さな菊を思い浮かべて「あんなもの食べない」と言う人もいるが、それとは別の小さな品種だという。WAGYU MAFIAで使われていたのは花びらの大きな食用菊で、1パックでもかなりの量になる。

調理しながらリュウジは、もし自分がこの菊を皿に持ってバーッとばらまいたら大炎上するだろう、と出演者に投げかけている。氷を床に落としてふざけただけでも炎上するのが日本だ、とも付け加えている。

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1品目:菊とほうれん草のおひたし

最初はおひたしである。菊の花だけでも美味しいが、量が少ないと薄くなるので、ほうれん草や小松菜などの青菜と合わせるのが一般的でやりやすい、とリュウジは説明する。

ほうれん草は根元を落とさずに洗う。根元は美味しく、火が通るのに時間がかかるので、塩を入れた湯に根元から入れ、あとから葉を沈める。茹でたら水でよく冷やし、しっかり絞る。絞らないとおひたしは水っぽくなるという。リュウジは、茹でるとシュウ酸が抜けること、シュウ酸を摂りすぎると結石の原因になることにも触れている。

菊は花びらをほぐし、同じ湯に酢を大さじ1加えて茹でる。酢を入れると鮮やかな黄色が残るという。茹で時間は数十秒にとどめる。茹ですぎると食感がなくなるからだ。茹でることで苦みが和らぐので、茹でる理由もちゃんとある、と出演者とのやりとりで確認している。軽く水にさらして絞り、ほうれん草と和える。

味付けは、顆粒の昆布だしを少量の水で溶き、醤油を少し混ぜた出汁醤油をかけるだけである。顆粒だしは水で溶かないとジャリジャリするので、先に溶いておくという。菊の黄色は和食の先付けなどにも使われる色で、見た目も美しい。

試食した出演者たちは「うまい」「こんなに美味しくなるんだ」と反応した。リュウジは、ほうれん草だけでは出せない食感が菊によって生まれると説明し、量があれば菊だけでも美味しいと話す。「美味しくなかったら誰も作らない。美味しいから作られている」と、それを知ってもらいたいのだと語っている。

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2品目:菊と春菊の混ぜご飯おにぎり

2品目は混ぜご飯である。混ぜご飯にする場合も、苦みが少し残るので菊は下茹でした方がよいという。茹でた菊を酢に漬けて酢漬けにして食べるのが一般的らしい、ともリュウジは紹介している。おひたしと同様に塩と酢大さじ1を入れた湯でさっと茹で、冷やして絞ると約30gになった。

ご飯は温めた冷凍ご飯400g(2人前、炊いたご飯でよい)。ここに洗って水気を絞った春菊をたっぷり加える。春菊は生が美味しいので茹でずに使う。リュウジは、正直に言えば春菊だけでも成立するとしつつ、菊が入ると見た目が華やかになると話す。お祝い事に向いた「ハレの日のレシピ」だという。

旨みと塩気はしらす35gでまかない、しらすがなければおかかやかつお節でもよいとする。顆粒の昆布だしを小さじ1.5ほど混ぜ込み、香りづけにいりごまを加え、塩を2つまみ程度で味を調える。そのまま茶碗に盛ってもよいが、おにぎりにするのがおすすめだとして、形を整えて仕上げた。

リュウジはこの料理について、自分が普段まず作らないタイプのものだと何度か口にしている。お題があると普段と違う料理を作り始めるとも話す。そして「ある意味、こういう話題が起きてくれて感謝かもしれない。料理の幅が広がった」と述べている。子どもと楽しく作れる料理であり、ピクニックで食べたいとも語った。試食では、春菊のシャキシャキ感とほろ苦さ、菊の食感が合わさった爽やかさに出演者たちが反応した。

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調理中の話:飲食店のまかないと食品ロス

パスタの準備中、出演者から「こういうのはまかないにしないのか」と尋ねられると、リュウジは無駄にするくらいならした方がいいと答えた。そのうえで飲食店の現状について、自分が見てきた範囲では、使えるものを捨てている店は多いと話す。理由は、再利用するには時間がかかり、それなら他の仕込みをするからだろう、というのがリュウジの見立てである。一方で余った食材をできるだけ使おうとする店も多く、そういう姿勢はあった方がいいとする。菊であれば受け止めるだけでまかないに使えるのだから、それでも床に落としたいというのは仕方がないのではないか、とも述べている。

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3品目:菊のアーリオ・オーリオ

最後は、自分の得意ジャンルであるパスタで締めると宣言して作った。リュウジは、菊の花が一番活かされる料理だと思うと話している。今回は菊を生でも使うので、軽く水洗いしておく。

ペペロンチーノにしようとしたが、唐辛子は香りがきつく、菊の香りと喧嘩しそうなので入れないことにした。ペペロンチーノは唐辛子の意味なので、これはアーリオ・オーリオだと言い直している。にんにくは香りが強いが、えぐみを消すので入れる方が好きだという。にんにく20gをみじん切りにし、残っていた厚切りベーコン80gとオリーブオイル大さじ2で炒める。料理研究家をやっていると美味しくなるかは想像でわかるので、ほぼ即興で作っても失敗しない、とリュウジは話している。

そこに残りの春菊と、菊の半量を加える。この段階の菊はソースに香りと苦みを落とし込むためのものだ。菊はすぐ火が通る。味見したリュウジは、菊のほろ苦さがにんにくとよく合うと評価した。旨みとして顆粒の昆布だしを加えたが、鶏ガラスープでも美味しいという。春菊も結局全量(50gほど)を入れた。火が入るとえぐみが消えるからだ。

パスタは1.7mmを7分ほど、アルデンテを目安に茹でる。途中で湯に塩を入れ忘れていたことに気づき、慌てて加えている。少し固めに茹でたパスタと茹で汁をソースに合わせ、残しておいた生の菊を「こぼさないように」入れる。醤油小さじ2で少し和風に仕上げ、最後に好みでオリーブオイルを回しかけた。

試食したリュウジは「傑作」と評した。菊と春菊のほろ苦さを茹でずに使うので茹で汁に残り、それをパスタが吸って「自然を感じるパスタ」になった、という説明である。出演者からは、唐辛子を入れると強くなりすぎて喧嘩しそうだという感想や、イタリアのチコリのような苦みに近いという指摘が出た。リュウジは、大人向けの味で、子どもには苦く感じられるかもしれないと話す。子どもには混ぜご飯の方が食べやすく、大人ならこの苦さを活かしたパスタがよい、という位置づけだ。家で作れたら上級者だとも語っている。

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リュウジが最後に述べたこと

締めくくりでリュウジは、菊はたぶん食べ物として皆に認識されていないのだと思う、美味しいので食べてもらいたい、というのが一つの思いだと語った。料理をしている以上は食材にリスペクトを持った方がいいと考えており、それはこれからも変わらない。一方で、自分も動画の中で食材を雑に扱ってしまっている部分があるかもしれず、そこは肝に銘じて料理をしていきたいとも述べている。注目されない食材だが、料理に使えばこんなに華やかで美味しく楽しいのだと伝えたくて撮った動画だ、と彼はまとめている。

菊農家自身がばらまく使い方をどう受け止めているのかについて、リュウジは推測の段階にとどまっている。生産者の意見を聞きたいという呼びかけは、動画の中でも答えが出ていない問いとして残されている。