豚骨スープを使わない「焼きラーメン」 中華あじで福岡の屋台の味を再現する

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概要

福岡の屋台で食べられる「焼きラーメン」は、豚骨ラーメンの麺と具材を豚骨スープと一緒に炒めた料理だ。料理研究家のリュウジは、この動画で家庭では手に入りにくい豚骨スープを使わずに、その味を再現する方法を紹介している。豚骨スープの代わりに使うのは中華スープの素「中華あじ」で、動画はこの調味料の企業案件として作られている。リュウジは中華あじを「中華料理用の調味料」ではなく「豚の調味料」として捉えている。この見方が、レシピ全体の考え方になっている。

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中華あじを「豚の調味料」として使う理由

最初にリュウジは、よく比べられる「丸鶏がらスープ」との違いを説明する。丸鶏がらスープは鶏の純粋な旨味を抽出したものだ。一方、中華あじは中華料理の「シャンタン」を元にしており、豚の旨味も入っている。さらにオイスターソースも加わっていて、これ1つで中華の味が決まるという。

リュウジによると、豚の旨味を出せる調味料はほとんどなく、自分が知っている唯一の「豚調味料」が中華あじだという。原材料では食塩の次にポークエキスが多く使われているので、自分にとっては「豚味」なのだと話す。そのため、ラーメンを作るときには中華あじをよく使う。「中華あじ」という名前のせいで中華料理にしか使えないと思われがちだが、豚の調味料として使えば用途が広がる、というのがリュウジの考えだ。

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焼きラーメンとは何か、なぜ中華あじなのか

撮影中のやりとりで、リュウジは焼きラーメンを知らない人もいるかもしれないと前置きして説明する。焼きラーメンは福岡の屋台でよく売られている、豚骨ラーメンを焼いた料理で、焼きそばとは別のものだ。東京の店ではあまり見かけないが、こんなにうまいのになぜ食べないのか不思議なくらいだ、とリュウジは言う。福岡の屋台では何度も食べていて、酒が飲めるので豚骨ラーメンより焼きラーメンのほうが好きだとも話している。

福岡の屋台では豚骨スープを入れて作る。しかし豚骨スープはなかなか売っていないし、豚骨ラーメンのスープを使うわけにもいかない。そこでポークエキスを含む中華あじで、豚骨の部分を補うことにしたという。

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麺と材料の選び方

麺はマルタイの棒ラーメンを使い、付属のスープは使わない。リュウジがすすめるのは、前年の「ベストバイ」でも紹介した業務用のマルタイラーメンだ。業務スーパーなどで売られていて、1食あたり数十円と通常品よりずっと安い。リュウジは常備しているという。手に入らなければスーパーの棒ラーメンをスープなしで使ってもよく、同じような細麺なら何でも構わないとしている。

今回は2人前を作る。具材は豚バラ肉、キャベツ、ニンニク、乾燥キクラゲだ。豚は細切れ肉でもよいが、バラ肉のほうが脂があっておいしい。細切れ肉を使う場合は、少し細かめに切ると柔らかく食べやすくなるという。乾燥キクラゲは、スーパーで小袋を買うと割高だが、業務スーパーの大袋は乾物なので長くもつ。今回使ったものは1年ほど前に買ったものだった。

ただし、このキクラゲを戻すと形が違って膨れていて、においもおかしかった。リュウジは、酸っぱいにおいやカビ臭さがあるものは使ってはいけないと注意している。

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下ごしらえ 「雑に作る」ことと具材の細さ

キクラゲはお湯で戻すと早いという。キャベツの量は自由で、リュウジは1人前80gを使うが、目分量でよいとしている。炒めるので細かく切るとよい。このあたりでリュウジは、最近「雑に作れば作るほど動画が伸びる」と感じていると話す。必要に迫られて作る料理より、自分が作りたいものを作ったほうがよいという。焼きラーメンを今回の案件に選んだのは「死ぬほどうまいから」で、案件では本当にうまいものしか作らないと強調した。

豚バラ肉は、まな板を使わずパックの上でキッチンバサミで切る。肉が付いたまな板は念入りに洗わなければならず面倒だからだ。戻したキクラゲは、そのままではなく細切りにする。麺が細いので、具材も細かくしたほうが麺となじんでおいしいという。リュウジは、焼きラーメンにはキクラゲが入っていないと焼きラーメンにならないとも言う。キクラゲが入ると屋台らしさが出るという。

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具材を炒め、火を止めて味付けする

お湯を沸かしている間に具材を炒める。作り方は、先に具材を炒めておくパスタに近い。フライパンにラードを大さじ2入れる。ラードがなければサラダ油や米油でもよい。豚バラに塩コショウで下味をつけて炒め、焼き目をつける。

続けてキャベツを加える。普通のラーメンは野菜を多く入れると別の料理のようになるのであまり入れないが、焼きラーメンなら野菜をいくらでも入れられるので栄養面でもよい、とリュウジは話す。細切りのニンジンも合うという。もやしについては、焼きそばにもやしを入れると水分が出るので嫌う人もいる、と触れている。キクラゲはリュウジが好きなのでたっぷり入れるが、ほかのキノコでも構わない。ただし、リュウジとしてはキャベツとキクラゲの組み合わせがいちばんだと考えている。

ここで一度火を止めて味付けする。そのほうが調味料を入れやすく、ここから麺を茹でるので時間の調整もしやすいからだ。2人前の分量は次のとおり。

  • 中華あじ:小さじ2と2/3
  • ウスターソース:大さじ1
  • 醤油:小さじ1
  • おろしニンニク

リュウジは、焼きラーメンは豚の味でないとおいしくならないと言う。鶏ガラスープでもそこそこおいしくはなるが、中華あじを具材にしっかりからめてほしいという。ウスターソースは屋台でも入れていて、少し甘くスパイスの香りがつく。醤油は少し醤油の風味があったほうがよいので加える。ニンニクはパンチを出すためのもので、苦手なら入れなくてもよいが、入れたほうが屋台の味に近づくという。

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麺は表示より短く茹でる

麺は1人前70gで、マルタイも小袋1人前が70gだ。少しねじって入れると形が整う。パッケージには3分と書かれているが、焼きそばのように使う場合は2分でよい。バリカタが好みなら1分半だという。もっとも、リュウジは「バリカタが好きなのはラーメン好きだけで、ラーメン好きはそれほど多くない」と冗談めかして話している。麺を茹でている間に、味付けした具材を再び火にかけ、麺を入れる前に酸味を飛ばしておく。コンロが2口あると便利だという。

茹で上がった麺については、「水」がポイントだと強く言っている。必ずやってほしい、やらないと粉っぽくて食べられたものではない、という。字幕からは具体的な手順まで読み取りにくいが、麺の扱いで最も念を押していたのがこの点だった。

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豆乳と水で「豚骨スープを煮詰めた」質感を作る

麺をフライパンに入れたら、豆乳(無調整)を大さじ2加える。理由は、豚骨のまろやかさが出るからだ。さらに水を小さじ4ほど加える。リュウジは、屋台では豚骨スープを入れ、その水分を煮詰めて仕上げると説明する。今回は中華あじで豚の出汁がすでに入っているので、足りないのは水分だけだという。最後にコショウを8振りほど入れる。火加減は、屋台が強火なのでやや強めにする。

仕上がりの麺には、少し豚骨スープのようなものが絡んでいる。盛り付けでは紅生姜を「絶対にこれぐらい」と言ってたっぷりのせ、ごまを振る。リュウジは、福岡の屋台で食べて感動した味そのままで、昼食にもつまみにもなると話す。

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試食 「ラーメンは締め、焼きラーメンはつまみ」

試食にはラーメン好きのスタッフも加わった。食べたスタッフからは「こんなにうまいのか」「豚骨感がある」という声が出る。普通のラーメンは締めになるが、焼きラーメンはつまみになる、という話も出た。キクラゲの食感が効いていて具材感もあること、作る感覚が焼きそばに近いこと、どんな野菜でも合いそうなこと、マルタイの麺がよく合うことなどが挙がった。屋台の味を思い出すという感想もあった。麺については、ラーメン好きならもっと硬く、1分半がよいという意見が出た。ただリュウジは、硬い麺に慣れていない人には今回の茹で加減でよいだろうと応じている。

塩分が気になる人への調整も話している。醤油は入れなくてもよく、塩コショウも省いてよい、というのが試食しながらのリュウジの判断だった。紅生姜はたっぷり入れたほうがよいという。

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豚骨らしさはどこから来るのか

試食中、豚骨スープを入れていないのに豚骨スープのような味がする理由について、リュウジは次の要素を挙げる。豆乳のまろやかさ、中華あじ、豚肉自体の脂、そして麺から出る小麦のとろみだ。これを水で伸ばすことで、豚骨スープを入れて少し煮詰めたような質感になるという。福岡で実際に食べて研究して作ったレシピだとも話している。

リュウジは、この味を家で作るなら中華あじしかないと言う。ほかには豚骨スープの素のようなものを買うしかないが、それなら用途の広い中華あじを常備したほうがよい、というのがリュウジの結論だ。中華あじは野菜炒めや中華スープに使われることが多いと思うが、これからは違う見方をしてほしい、と視聴者に呼びかける。中華あじを使えば豚骨の味をかなり再現でき、足りないのは豚骨のまろやかさくらいだという。そこを豆乳で補っているわけだ。豆乳がなければ牛乳でもよく、ミルク系のものを少し入れれば味がまろやかにまとまるとしている。

リュウジは最後に、炭水化物なので食事にもなり、酒のつまみにもなる料理を作ると毎日が楽しくなると話す。そして、中華あじを買って焼きラーメンを作ってほしいと締めくくった。