家事をなくす家は「天井型ロボット」でつくる――MWの成田修造と浅谷学嗣が語るAIハウス構想
TBS CROSS DIG with BloombergAIハウスメーカーのMW(ムー)は、家事をなくすことを目標に、住宅とロボットを一緒に開発している。開発中のロボットは床を歩く人型ではなく、天井のレールを移動して上から作業する。TBS CROSS DIGの番組「1on1 Tech」で、ビジネスエディターの中川雅博がMWの実験用トレーラーハウスと横浜の新築物件を訪ね、共同創業者でCEOの成田修造、AI/ロボティクス責任者の浅谷学嗣に話を聞いた。中川が掲げたテーマは「家事ロボットの正解は人型じゃない」である。2人は、なぜスタートアップが住宅を手がけるのか、なぜロボットを天井に付けるのか、いつまでに何をできるようにするのかを具体的に語った。
実演1:買ってきた食品を、2台のロボットで冷蔵庫へ
実演の場は、ロボット実験のために作ったトレーラーハウスである。最初のデモは、買い物から帰ってきた場面を想定し、醤油、ニンジン、飲料水などが入ったかごをロボットが片付けるというものだった。
まずかごを運ぶのは、MWが「カーゴロボット」と呼ぶ運搬用ロボットだ。天井のレールを伝って荷物を運ぶ。浅谷は、人の動線とロボットの動線を分けられるので、ぶつからずに安全に運べる点を利点に挙げる。人と並んで動くことも、すれ違うこともできる。床を歩くヒューマノイドとの違いはここにあると浅谷は説明した。上から伸びてくる先端部とカーゴロボットは磁力でつながっていて、着脱できる。先端にはカメラが付いており、位置を微調整しながら動かす。
かごが届くと、物をつかんで扱う「ワークロボット」に役割が移る。ワークロボットは大きく分けて「背骨」と「胸」の2つのパーツから成る。常温で保存できる醤油はかごの外に出し、野菜や飲料水は冷蔵庫に入れる。冷蔵庫は一般に市販されている製品で、扉の開け閉めもロボットが行う。浅谷によれば、ロボット専用の家電を作らなければならないとなると大変なので、普段使っている家電をそのまま使わせ、「ロボットを入れるだけでいろんなものが自動化される世界」を目指しているという。作業が終わると、ロボットは格納姿勢に戻って天井側へ収まる。
なお、この日の動作はすべて遠隔操作によるものだった。完全にAIで自動化することが目標だと浅谷は明言している。
実演2:絡み合った洗濯物を取り出して畳む
2つ目のデモは洗濯である。ワークロボットが市販の洗濯機の扉を開け、中の衣類を取り出して畳む。浅谷は2017年から洗濯物を畳むロボットの研究開発を続けてきた。その立場から見ても、ロボットにできることは大きく進んだという。進歩の主因はロボット本体よりも、世界的に「行動できるAIの基盤モデル」が登場したことにあると浅谷はみている。2017年ごろの技術と比べて、はるかに高度になったという評価だ。
この試作機は関節が多く、背骨にも多数の関節がある。そのため胸の部分を空中で上下させるような動きができる。実演でも、ロボットはTシャツを2枚まとめて取り出した。浅谷によれば、乾燥後の洗濯物は丸まって絡み合っていることが多く、MWはあえてその状態からごっそり取り出し、1枚ずつ畳む動作を教えている。手順としては、まず広げることを教え、そこから折りたたみに入る。浅谷は、他社のデモはきれいに広げられた状態から畳むものが多いと話す。ぐしゃぐしゃの衣類をきれいに広げる動作が難しいので省略されがちだが、MWはそこもきちんと教えようとしているという。
カメラは3か所にある。両手の先端に1つずつ付いていて、指先の様子を画像で見られる。胸の部分にも穴があり、そこから全体を見渡す。さらにレール上には下を見下ろすカメラがあり、作業領域全体を把握しやすくしている。
畳み終えたTシャツには線のような目印が入っていた。試作段階なので、どこを持てばよいかの目安として付けているのだという。ただし、データ収集施設では目印のない衣類でも畳めるようにデータを集めていると浅谷は補足した。服の形は多様だが、その違いにどう対応するのかという中川の問いに、浅谷は「割と今やってるのは力技」と答えた。ズボン類もシャツ類も、ハンガーに掛ける必要がある衣類も含め、あらゆる衣類を集めて畳ませ、データを取っている。
遠隔操作のデータからAIへ
中川が触れたように、MWには人間がロボットアームを操作して家事を行うブースを並べたデータ収集施設がある。浅谷によると、来月から再来月にかけて50人ほどの体制で、人間がロボットを操作して衣類を畳み続ける作業を行い、そのデータをAIの学習に使う予定だ。
今の遠隔操作はゆっくりだが、AI化すれば速度はかなり上がるだろうと浅谷はみている。理由は2つある。1つは、遠隔操作には画像の遅延があり、操作する人も慎重になるが、AIなら画像を撮ってその場で判断して動けること。もう1つは、何万時間分ものデータを学習すれば、人間の操作者が苦労するロボットの扱いにもAIがかなり慣れるはずだということ。いずれも浅谷の見通しとして語られた。
トレーラーハウスを作ると決めたときは周囲も驚いていたと浅谷は振り返るが、かなり前から構想していたという。今年は豊洲でもデモを行った。道路を牽引して運ぶのはかなり大変だったそうだ。ここまでして実空間を用意する理由として、浅谷は体験を挙げる。ロボットと一緒に暮らす体験を想像しやすくなるうえ、人がロボットと共生したときにどう感じるかを体験してもらうことが今は最も重要だという。批判も多く出るだろうが、特にネガティブな意見を多く拾い、より良いものを作るための糧にしたいと語った。
センサーとプライバシー:処理は家の中で完結させる
MWの家には各所にセンサーが仕込まれている。浅谷が紹介したのは、通常のカメラではなく熱源を見る赤外線センサーだ。人がどこにいるか、これから寝ようとしているかといった状態をとらえる。人が入ってきたら照明をつけ、寝そうな様子なら少しずつ暗くするといった体験を作れるという。
中川は、そうしたデータの扱いが心配になると指摘した。浅谷の説明では、センサーの処理は基本的にセンサーの中で完結させ、クラウドには上げない。センサー側で取り出した人の状態の情報だけを、家に置いたサーバーに送る。そのサーバーもクラウドとやり取りするものではなく、家の制御をすべて家の中で完結させる。現時点のサーバーはGPUなしでも制御できる程度のものだが、ロボットが入ればGPU付きのサーバーも置き、ロボットを動かすAIモデルも家の中で動かす想定だ。理由として浅谷は、クラウド通信ではロボットの制御に時間がかかりすぎることに加え、ロボットのカメラには「映ってほしくないもの」がたくさん映るため、すべてエッジ側で処理する必要があることを挙げた。
非常停止スイッチと「時間で分ける」安全設計
浅谷は実演中、手に非常停止スイッチを持っていた。ワークロボットはまだ試作機なので、万が一の暴走や壊れそうな動きに備えているという。ロボット開発者ならおそらく誰もが持っているものだと浅谷は話す。
ロボットが入る家に非常停止スイッチをどう設置するかは、UXの観点からかなり考える必要があると浅谷は言う。現在のMWのコンセプトでは、センサーで人の位置が分かるので、人がいる環境ではロボットが基本的に動かないというセーフティを設けている。そうすればスイッチは要らず、人に危害を加えることはまずないと浅谷は考えているが、開発中なので今はスイッチを持っているという。
中川が「ロボットと常に一緒にいるドラえもんのような世界ではなく、空間が分かれた世界なのかもしれない」と水を向けると、浅谷は少し違う見方を示した。日本の狭い家では、ロボット専用のスペースを別に作るのはもったいない。空間は共有し、生活する時間帯をずらす。いわば同居していても一緒にいることに気づかない状態が一番大事だという。
なぜAI時代に「家」なのか
場所を横浜の新築物件に移し、成田への取材が始まった。成田はクラウドワークスの立ち上げから約11年経営に関わったが、ものづくりやハードウェアに関わる事業をずっとやりたかったという。AppleやTeslaのような会社を日本から生み出せないかという思いがあった。
住宅を選んだ理由はいくつかある。第一に、人は人生の半分ほど、あるいはそれ以上を家で過ごし、住宅は重要なインフラであること。第二に、成田自身がこの4〜5年で家を買うなどした経験から、家があまり進化していないと感じたこと。新築であってもテクノロジーを搭載した家はほとんどなく、画一的だと成田は言う。「素人の発想」でやれば面白いものを生み出せるのではないかという仮説もあった。第三に、産業規模が大きいこと。成田は国内の戸建て市場だけで10兆円以上あると述べた。
もう1つの理由はグローバル競争である。成田の見方では、インターネットの時代には米国や中国の資本量が日本の10倍から100倍あり、日本からグローバルなサービスが生まれにくかった。同じことはAIでも起こるだろうと成田は考えている。そこで、バランスシートをうまく使い、日本の需要も活かしながら技術的な革新を生み出し、言語に依存せず世界に出られる事業として住宅に目を付けたという。
「静的な家」から「生きた家」へ
MWは「リビングホーム(生きた家)」をコンセプトに掲げ、家そのものを知能化しようとしている。成田によれば、今の家は人の動きに合わせて変化しない「静的」なものだ。AI、センサー、ロボットをうまく使えば、人に合わせて家が変化し、勝手に整う。知性と身体性を持たせて、家を静的なものから動的な「生命体」に変えたいという。
成田が挙げる例は日常的なものだ。寒い冬に子どもを公園に連れて行き、車で帰ってきたときに風呂が沸いていてほしいのに、今はその手段がない。子どもを玄関に置いて自分で風呂を沸かすことになる。旅行に出かけようとスーツケースを1階に下ろしたところで2階の電気がついているのに気づき、歩いて消しに行く。成田はこの取材の日も、出かける際に洗面所の電気を消しに行ったという。自宅は新築だが、MWから見れば「過去の家」だと成田は話す。
自動運転やロボタクシーで車の運転は減りつつあるのに、なぜいまだに洗濯物を畳み、食器を片付けているのか。なぜ帰宅したとき玄関の靴が整っていないのか。こうした不便はフィジカルAIで解決できると成田は考える。それができればQOLが上がり、一度住んだら他の家には住めなくなる体験が将来的に作れるはずだという。
既存のスマートホームと何が違うのか
技術面については浅谷が説明した。MWの家には「ムー・インテリジェンス」と呼ぶAIが入っていて、照明、レールカーテン、空調などを制御する。たとえば住人が普段どの温度で暮らしているかを学習し、その人がいるときは自動でその温度にする。住むほど家が学び、住みやすい環境を自動で作っていく点が、タブレットで機器を操作するだけの家との違いだという。
中川は自身の経験として、対応家電を買ってGoogleやAlexaにつないでも、つながるものとつながらないものがあり、Wi-Fiが切れることもあると話した。浅谷も、機器ごとにアプリを入れ、どれを使うか人が選ぶコストがかかると指摘する。MWの家は1つのアプリですべてを制御する。AIに指示を出すには機器が統合されていなければならず、AIとの相乗効果のためにも統合が必要だったと浅谷は説明した。言語での指示を受けて、どの機器をどう動かすかを判断する言語モデルもつながっている。入力はテキストと音声の両方に対応する。学習対象は、住人が実際にどう家電を操作し、どんな環境で暮らしているかである。
独自技術はあるのかという問いに対し、浅谷は、個々の技術は既存のものを使いこなしている部分が多く、新しいのはそれらを組み合わせたUXと技術の向かう先だと答えた。
2億〜4億円の高級住宅から始める理由と「素人のビジョン」
MWの住宅は土地込みでおおむね2億〜4億円である。なぜこの価格帯から始めるのかと問われ、成田は先進的な体験だからだと答えた。最初から多くの人に届けるより、市場を絞ってしっかり作った方がよい。未来の住宅に関心を持ち、新しいものに挑戦する人たちから入ることが、マーケティング上もよいという判断だ。
比較対象として成田が意識するのはタワーマンションである。都内のマンションは平均でも1億円を超え、2億円を超える物件も次々に出ている。MWはそこに対する選択肢を示したいという。アプリはコンシェルジュの機能も兼ねていて、MWの事務局とすぐにチャットで連絡できる。物の引き取りやハウスクリーニングの依頼にも対応する。タワーマンションのような利便性を戸建てで実現し、オンラインとオフラインの体験をテクノロジーとハードウェアの両面でつなげたいと成田は言う。そこから少しずつ価格を下げて市場を広げる戦略だ。
進行中のプロジェクトは都内を中心に15以上ある。都市型の「アーバン」、リゾート向けの「オーシャン」と「マウンテン」の3シリーズがある。まず最初の2年はこれで走ると決め、土地の仕入れなどを進めてきた。
土地の仕入れや建築は素人にはできないのではないかと中川が尋ねると、成田は、ビジョンは素人だが、それを構成する要素は専門的だと答えた。こんな家があったらいいという無垢なビジョンからスタートし、不動産、建築、施工、ロボティクスに詳しい専門家が社内にいて、そのビジョンを現実のものにしている。成田自身は「現実」をいったん無視して出発しているという。
ソフトウェアだけでは家事は消せない
ロボットまで自社で作る理由について、成田は「究極的に素晴らしい家」とは何かを考えた結果だと話す。たどり着いた答えは「家事をなくしてあげる家」だった。人は料理を含めて1日に2時間40分を家事に使っているとされ、起きている時間を16時間とすればかなりの割合になる。これをゼロにできれば大きな価値がある。
ところが、ムー・インテリジェンスのソフトウェアを開発する途中で、成田はこれだけでは無理だと気づいた。照明を変えたりカーテンを開けたりはできても、家事はなくせない。必要なのはロボットだと考えて浅谷と話し始め、ヒューマノイドを中心にロボットとAIの技術がちょうどよい時期に来ていることも分かった。アイデアを練った末に生まれたのが、家とロボットを連結させ、天井を動く双腕型のロボットを動かすという構想だった。
人型でなくガントリー型を選んだ理由
天井を動くガントリー型を選んだ最大の理由は安全性だと浅谷は言う。浅谷には小さな子どもがいて、ヒューマノイドが家を歩き回ったときに万が一のことがあったらと考えてしまうという。最も安全なのは、ロボットが動く環境そのものを固定し、絶対に転倒しないようにすることだ。天井付近がデッドスペースになっていることも分かっていた。
浅谷によれば、ロボットはこれまで基本的に工場などのBtoB向けの事業で、安全が確保された状態で稼働してきた。ロボットは不運が重なれば大けがをさせかねない。それをいきなり一般家庭向けに持ち込んだとき、大きな事故が1件でも起きれば会社が大きく傾くのではないかという心配があった。だからこそ、安全を確実に担保できる機構としてレール式を選んだという。
もう1つの理由は空間効率である。床を歩くロボットが人と同じ生活動線を使うと、すれ違えないことがある。人型のロボットが部屋に立っているだけでも圧迫感がある。天井付近を使えば、空間を効率的に使いつつ圧迫感も減らせると浅谷は説明した。
技術的にはどちらが簡単なのか。浅谷は両方に長所と短所があると答えた。ガントリー型の短所は届く範囲が限られることだ。床面まで手を伸ばすにはロボットを長くしなければならず、ぶれやすくなる。一方、長所は大きい。家に固定されているので、ロボットが自分のいる場所を正確に把握できる。ヒューマノイドは認識技術を回し続けて自己位置を推定しなければならないが、ガントリー型では位置が一意に定まり、数値情報を得るだけで済む。そのため制御がしやすい。
さらに、床を歩くロボットは机の上やベッドの上の作業で手が届かないことがあるが、上から降りてくるロボットは机やベッドの真上に胸の中心を置けるので、どこでも作業できる。浅谷は、家事は床よりも机より上の高さで行うことが多いと考えており、その範囲の作業ではガントリー型の方が圧倒的に効率的だとみている。
ただし、レールを張り巡らせる必要がある。新築の方がやりやすく、リノベーションではレールを後付けしなければならない。長期的には取り組みたいが、まず新築から始めるのはそのためだという。
2028年製品化と「家事5タスク」
開発の段階について、浅谷はこう説明した。現在はロボットを制御するAIモデルを開発しており、先月行ったデモンストレーションを、来年には完全にAIで自動化した形で見せる予定だ。この1年で、ランドリーやキッチン周りのタスクを人が関与しなくても自律的にこなせるようにする。さらにもう1年で製品化し、2028年にはAIを搭載したロボットを世に出すスケジュールである。販売時は基本的にAIで動かすが、AIが予期せぬ状態になったり復旧できなかったりした場合に備えて、リモートで制御できる環境も用意する。一部は人の手を借りる可能性もあるという。
MWは2029年までに家事5タスクで成功率90%を目標に掲げている。優先順位は、どの家にもあって時間を取られるものから順に決めた。
- ランドリー:洗濯機から出し、畳み、収納するまでの一連の作業。
- ゴミの回収:家の各所にあるゴミ箱から回収して1か所にまとめる。集積所に出すのは人間が行う。
- 食器の片付け:食洗機で洗うところまでは人が流し、その後の食器を取り出して棚に戻す工程をロボットが担う。
- ベッドメイキング:浅谷は挑戦的なタスクだと認めつつ、UXを大きく上げるとみている。ホテルが好きな理由は毎回ベッドが整っていることで、帰宅時にベッドが整っていればそれだけで幸せになると話した。
- 玄関と洗面所を整える:成田が補足した。荷物や脱ぎっぱなしの靴が片付き、洗面所の歯磨き粉やワックス、替えていないタオル、飛び散った水が整った状態にする。
成田は、帰宅したときに「誰かがやってくれた」と感じる状態を、視覚に入りやすい場所を中心にまず作りたいと語った。
AIが要る作業、要らない作業、そして料理
5タスクはAIで解く必要がある。一方で、AIを使わずに既存技術の組み合わせで自動化できる機能も加えていくと浅谷は言う。トイレットペーパーや食器用洗剤、洗濯用洗剤などは、パントリーの決まった位置に置いておく。なくなればMWのスタッフが補充品をロボットに預け、ロボットが所定の場所に置く。こうしたルールベースの自動化も組み合わせる計画である。
2030年以降は料理にも挑む。成田は、コーヒーを入れ、トースターでパンを焼き、目玉焼きを皿に盛る程度なら今の技術でも不可能ではないとみている。問題は安全性で、エラーが起きればフライパンを投げる可能性もあり、火も使う。そのため人とロボットの活動空間を分ける必要がある。MWの家なら、ロボットが動いている間はドアを閉めて人が入れないようにすることもできるという。成田は、2030年以降に料理まで「完全制覇」したいと述べた。
中川が個人的には風呂掃除をしてほしいと言うと、成田は多くの人から同じ要望があると応じた。ただし防水などのハードウェア技術が重要で、どう進めるかはこれから検討するという。家事は大きく分けて20種類ほどあり、今はそのうち5〜6種類から始める。住んでいるうちにできることが増えていく想定だ。
AIの進化とデータファクトリー
ロボットにAIが必要なのは、状況に応じて行動を変えなければならないタスクだと浅谷は説明する。トイレットペーパーの補充のような定型作業なら既存技術でできる。しかし衣類は毎回形が違い、それに合わせた動作を生成しなければならない。浅谷が研究を始めた2017年ごろには、あらゆる状況に対応できるAIモデルはなかった。今のモデルは新しい環境にも順応できる能力を獲得しており、それまでできなかった作業ができるようになったことが最大の恩恵だという。浅谷はVLAモデルや、物体に働きかけたとき世界がどう変化するかを理解する「ワールドアクションモデル」を例に挙げた。
学習データを集めるのが「AIデータファクトリー」である。人間がロボットアームのような装置を操作し、「この状況ならこう畳めばきれいに畳める」というパターンを数多く試す。それをロボットが覚え、新しい状況にも順応できるようにする。初めて見る物体にもある程度対応できるようになってきたが、初めて触るものはまだ難しいことがあるため、データを増やしているという。
数十億円の投資と、コストが「読める」ことの重要性
成田はタスクを絞る理由を投資計画から説明した。どのデータをどれだけ集めればどれだけ成功率が上がるかを確かめるには、タスクを限定した方が効率がよい。仮に1タスクの成功率を90%にするのに2億円かかると分かれば、20タスクなら40億円と見積もれる。事業計画の見通しが立てば、その額を調達して投資すれば完成度の高いロボットが作れる、という考え方だ。
計算資源について浅谷は、GENIACに採択され、国の支援を受けてクラウドの計算リソースを使っているほか、自社でもGPUを搭載したマシンを購入して計算クラスターを構築していると話した。AIモデル開発のための計算資源とデータ収集を合わせた初期投資は、数十億円規模になるという。
ただ、1タスク2億円という数字はまだ分からないと成田は認める。重要なのは額そのものより、それが読めることだという。成田によれば、米国や中国の企業が先行し、論文になっていない曖昧な成果も多いものの、どのモデルを使い、どのタスクに何時間かけ、どの成功率になったかを公開している。そこから逆算して、自社のタスクならこの程度の計算資源と費用でできるだろうという仮説を立てている。前後20%程度のぶれなら問題ないが、まだリスクはあるという。
一方で、Physical Intelligenceのπ0.5、NVIDIAのGR00T、日本のAIロボット協会(AIRoA)が作ろうとしている基盤モデルなど、使える土台が増えていると成田は話す。そこに独自データを加えてどれだけ性能が上がるかという点では「助走がついている」状況だという。基盤モデル側の性能が上がり、さまざまな研究事例を踏まえてデータ収集の方法も改善できれば、効率的に進められるだろう。それが現時点での成田の算段である。
2035年に年間1万戸、エアコンや食洗機のような存在に
成田は2035年に年間1万戸への導入を目指している。累計ではなく、その年単年で1万戸という意味だ。成田によれば日本の年間の新設戸建ては約40万戸、都内では約15万戸とされ、全国の2.5%、都内なら5%程度にあたる。その時点では2億〜4億円の家だけではないと成田は述べた。
そのために、長期的には住宅会社やデベロッパーと組み、MWのロボットとAIを組み込んだ住宅を共同で作ることも考えている。それでも自社で家を建てるのは、家づくりのノウハウが「やってみたら分かる」ほど高度だからだ。AIやロボットだけ分かっていても組み込みはできず、ブランドと体験を作るうえでも両方を走らせる必要があるという。
マンションへの展開にはハードルがあり、レールの施工自体が新しいテーマになると成田は認める。そのうえで引き合いに出すのが食洗機である。成田によれば食洗機は累計1000万台ほど売れ、新築にはたいてい入っている。メーカーが工務店やデベロッパーと組み、施工しやすい規格を作ってノウハウを蓄積してきたからこそ普及した。給湯器やエアコンも同じだ。AIロボットでも同じことは起こせると成田は考えており、長期的にはエアコンや食洗機くらいの存在になりたいという。デベロッパーと施工の基準を作るためにも、自社で建てた実績が大事だとした。
当面は分譲の戸建てで進める。1棟だけ考慮すればよく、今回の物件は約150㎡と約130㎡でレールなども隠しやすく、実験しやすいからだ。2026年現在はトレーラーハウスでの実験段階だが、2027年には横浜に130〜140㎡ほどの家を建ててロボットを入れ、成田と浅谷が実際に住む予定である。住んでみて体験が本当に良くなるのかを確かめ、家への組み込み方のノウハウをためて、2028年の製品に近づけていく。
住宅からホテル・小売・介護へ、そして耐久性の問題
住宅に限らない展開も視野にある。成田は、人の動きがランダムでライフスタイルも多様、タスクも細かい住宅が最も複雑な空間であり、ここを変革できれば他の空間も変革できると話す。想定しているのはホテル、小売、そして高齢者住宅を含む介護の領域で、すでにスコープに入っている。中川が介護職員の雑務をロボットが担えばケアに時間を割けると応じると、成田もそれに同意した。
成田は戦略面でも、汎用のヒューマノイドを作って大量生産し工場に入れる路線は、誰もが想像できるレッドオーシャンで、最終的にはコスト勝負になるとみている。誰もやっていない領域に産業を絞り、AIロボットの技術に投資しつつ、ユースケースとして住宅に集中して販売するのが良いという判断だ。
一方で中川は、家は40〜50年住む場所であり、AIのような新しい技術がそれほど長く使われた実績はまだないと指摘した。浅谷の答えは、2027年の家で1年間ロボットと暮らし、耐久テストをすることだった。販売後は定期的な管理料を受け取り、ロボットの交換や故障修理を含むメンテナンスを行う。製品を売る前に10年間検証していては周囲の技術に大きく遅れてしまう。そこで1年の検証で問題がなければ販売し、出てくる故障を定期的に修理しながら耐久性を確認していく考えだと浅谷は語った。成田は、レールより下のハードウェアは交換可能にすると補足した。5年や10年使って傷めば、iPhoneのように「ムーボット1」から2、3、4と世代を上げて入れ替えていく想定だという。
「アイアンマンの家」と「ドラえもん」
最後に5年後、10年後について問われ、成田はこの会社をまず30年やると決めていると答えた。それは自分の世代の区切りであり、会社としては100年、200年続くものと考えている。短期での売却や金銭目的ではなく、新しいライフスタイルをどう作るかだけを考えて経営しているという。フィジカルAIは車や自動運転の登場に並ぶ技術革新だとみており、顧客目線で挑戦を続ければ面白い家が作れるはずだと語った。社内ではよく「アイアンマンみたいな家」と言っていたという。AIのジャービスが搭載され、ロボットがスーツの装着を手伝う家だ。最終的にはそのレベルの家が作れるはずだと成田は考えている。そこで生まれた技術を介護、ホテル、小売へと広げられれば、日本にとって重要な価値を持つ会社になれるという。
浅谷は、昔から「ドラえもんを作りたい」という夢があったと明かした。人とロボットが暮らす環境をこれから作っていくことは、一種のドラえもんなのではないかと考えている。ドラえもんは人型で、歩くというより少し浮いている。浅谷のロボットは天井から降りてくる。形は違っても、ドラえもんのようなものを実現できるはずだと考えており、それが達成できるまでここで頑張りたいと語った。
人型ではなく天井型を選んだ2人の前には、まだ多くの課題が残っている。完全なAI自動化は来年のデモの目標であり、1タスクあたりのコストもまだ読み切れていない。実際に住んで確かめる家は2027年に建つ予定だ。
究極的に素晴らしい家って何だろうと思ったら、家事をなくしてあげる家だと思ったんですよ。料理まで完全制覇したいなって。
天井から生えてくるみたいな、その形を選んだのはなぜですか?
ヒューマノイドが家を歩いてた時に、万が一のことがあったらどうしようと思って、やっぱり考えてしまうんですよね。最も安全な方法っていうのが、ロボットがそもそも固定されているっていうこと。絶対に転倒しないこととか、そういったことを色々考えていくと、この天井ですね、デッドスペースになってることは分かっていたので、そこに固定すると非常にいいんじゃないかというところで、この天井型のロボットは非常にいいんじゃないかという風に思ったところなんですね。
昔からドラえもんを作りたいっていう夢が1個ありまして、人とロボットが生活する環境を今から作っていくとなった時に、言えば一種のドラえもんなんじゃないかなという風に思ってまして、それはもう達成できるまでやり遂げられるんじゃないかなという風には思ってます。
僕ら、アイアンマンみたいな家ってよく言ってたんですけど、ジャービスってAIが搭載されてて、ロボットがスーツをつけるのを手伝ってくれるんですけど、そういうレベルの家っていうのが最終的には作れるはずなんです。さらに、その生まれたテクノロジーから介護だったりホテルだったり小売だったりっていう、そういう業界にどんどん広げていければ、日本においてすごく重要な価値を持つ会社になると思ってるんで、そこを目指して長期目線でやっていくといいかなと自分としては思ってます。
1on1 Tech、始まります。今日のテーマは「家事ロボットの正解は人型じゃない」です。家庭で動くロボットを家に入れてしまおう。そんなロボットハウスを作っているのがMWというスタートアップです。私は今、ロボット実験が行われているトレーラーハウスに来ております。今日はMW CEOの成田修造さん、そしてAI・ロボティクス責任者の浅谷学嗣さんにお話を伺います。まずは浅谷さんに、このロボットハウスでの暮らしというものがどういうものになるのか、ハウスの中で見せていただきます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
というわけで、浅谷さん、いろんなデモを今日見せていただけるということで、このロボット、ここにありますけども、家の中で吊って、色々操作するというか、動くロボットですけども、まずどんなデモを見せていただけるんでしょうか?
今日はまず、今ちょっと買い物から帰ってきたようなシチュエーションを考えてるんですけど、その買ってきたものを収納してもらうと、そういったところからデモをしていきます。
このロボットに収納してもらうってことですね。
そうですね。じゃあ早速、これを買ってきたものと仮定して、今こんなものが入ってるんですけど、醤油とかニンジンとか入ってるんですが、早速、多分動くと思いますんで。
今動いてるロボットは、私たちはカーゴロボットと呼んでるんですけど、運搬用のロボットになりますね。このようにロボットのセンターについてるカゴを運搬するためのロボットになってまして、この天井のレールをうまく使って、物品を運ぶためのロボットになります。
人の動線とロボットの動線を分けることで、ぶつかることなく、安全に物を運搬することができるっていうのが、非常に天井を効率的に使えてますし、安全に物を運べるというところでメリットがあるようなロボットかなと。ロボットと一緒に並走することもできるし、すれ違うこともできるしというところで、他のヒューマノイドとか床を歩くロボットと、ちょっと差別化は図れるかなという感じですね。
上からニョキッと生えてきて、また物を置いてくれるんですけど、先端ですね、これ磁力で繋がってるんですね。見ていただくと、カゴとロボットはマグネットで繋がってる感じですよ。これで着脱することができるんですね。これ、実は先端にカメラもついてて、ちょっと見にくいかもしれないですが。
本当だ。カメラがついてる。
ここで微調整しながら動かすといったところですね。
また別のが動き始めました。
そうですね。さっきは物を運搬するカーゴロボットというのを使ってたんですけど、実際に物を収納すると、物体をマニピュレーションしなきゃいけないので、そういったものをマニピュレーションする、扱っていくロボットを、今私たちはワークロボットという風に呼んでますね。
選手交代みたいな。
そうですね。選手交代。
運ぶロボットから、今度はつまんで冷蔵庫に入れるロボット。
そうですね。色々作業するロボットという感じですね。このロボット、結構背骨の部分と、あとは実際にこの胸の部分というか、大きく2つのパーツに分かれてるかなといったところで。
こうしてる間にも、中にある醤油を取り出してくれました。
取り出してくれました。醤油は常温品ということで、とりあえず外に置いとくんですけど、中に入ってる野菜だったりとか、あとは普通の飲料水ですね。こういったものは冷蔵品だと思うので、実際に冷蔵庫に入れるということをしていきたいと思います。
これで冷蔵庫を。
開けるという感じですね。
開けました。
私たちが開発してるロボットって、一緒に生活するロボットということで、できるだけ普段使っている家電をそのままロボットに使わせようということで、この冷蔵庫とかも本当に市販品といいますか、一般的に売られているものになりまして、それの開閉もさせているというところになります。
今ある家電とかそういったものを使うようにしないと、ロボットに特化された家電とかそういったものを作らなきゃいけなくなっちゃいますので、それはちょっと大変なところになりますので、ロボットを入れるだけでいろんなものが自動化される世界を実現したいというところで、皆さんが使ってる一般的な家電製品をそのまま使うというところにしてます。
ヤンゴル。水をこうやって。
そうですね。入れているところですね。頑張って入れてくれてると思います。
うまく入った。
そうですね。普通にこれも閉じてくれると思うんで。
入れたら冷蔵庫を閉めます。
閉めるというところですね。
これ、ちなみに現在はまだ遠隔操作でやってらっしゃるというところで。
そうなんです。
ただ、これがAIで動くようになるということなんですよね。
そうですね。これが完全自動化されるというところを目指してます。
これだから、このロボットには、AIって通常、目が必要だって言われますけど、カメラがついてる。
そうなんです。これ、ロボットに複数カメラがついてまして、次は別のデモンストレーションもお見せしますんで、その時にカメラの場所とかも見えるようになると思いますんで、ここはスペースが狭いので、後ほどお見せしたいなと思います。
ありがとうございます。仕事が終わると。
そうですね。仕事が終わると、基本的に格納されるというところになりますね。格納姿勢に戻って、別の場所に移動するという感じですね。
こうやってしまわれましたね。
次のデモもお見せしたいなと思いますんで、こちらに一緒に移動していきたいなと思いますね。
このロボットが次の。
そうです。次の作業をするという感じです。次がランドリー系のタスクになりまして、洗濯物を畳むといったところをちょっとお見せしたいなという風に思ってます。
浅谷さんも、結構洗濯物を畳むロボットの研究というか開発を、ずっとやられてたと。
ずっとですね。2017年からやってますんで、相当長くやってると思います。
なるほど。そのお立場から見た、このロボットが今できることって、結構やっぱり進んだなとか。
そうですね。かなり進んだと思いますね。このロボットというよりか、世界的にAIの基盤モデルというか、その行動できるモデルができてますので。そちら、ちょっとロボットが行きますんでね。行動するモデルがどんどん出来上がってるので、そのロボットの進歩もありますけど、やっぱりAIの進歩がすごく目覚ましいなという風に思ってまして、2017年ぐらいにやってた時の技術よりも、はるかに高度になってますね。
なるほど。そして洗濯機を開けました。
開けちゃいますね。この洗濯機も本当によく売られてる一般的な洗濯機になりますんで、それをうまく扱うというところにチャレンジしてます。
結構くねくね、器用に動きますね。
そうなんですよね。細かい作業もできるようになってますし、他のロボットに比べてかなり関節の数が多いロボット。背骨とかそういったところでもいっぱい関節があるので、かなり胸を空中に上下させて動かしたりとか、そういったことが結構できるようになってますね。
さて、取り出してくれようとしています。
これ、洗濯物ですね。
2つまとめて。
そうです。まとめて。
Tシャツを取り出してましたね。
今、色々とAI開発もしてるんですけど、洗濯物とかって結構まとまるじゃないですか。
そうですね。乾燥した後、くるくるなんかなっちゃったりしますね。
そうなんですよ。なので、その状態でごっそり取ってくるというところで考えてまして、ごっそり取ってきて、そのぐしゃぐしゃにまとまって絡み合ってる状態から1個1個折り畳むってところを、今教えてる感じです。
その状態からやるんですね。人間もそうですからね。わーって出してカゴに入れて、畳むみたいな作業をします。
みんな大体、作業台の上にどさっと、あと1個1個畳んでっていう風にやると思うんで、同じようにロボットもそれができるように開発してるという感じですね。
というところで、タオルを畳み始めてますけども。これ今は、この状態でどう考え、どう動いてるみたいな。今日は遠隔操作なんですけども。
AIロボットの時もですね。基本的にはまず、どの衣類もなんですけど、広げるところから教えてるんですね。
まず広げる。
まずはぐしゃぐしゃになった状態があると思いますが、まずは広げる。そこから折り畳み始めるという風に、基本的には教えてます。他のAI開発をされている会社さんも、綺麗に展開された状態から折り畳むデモンストレーションってよくあるんですけど、やっぱりぐしゃぐしゃになった状態からちゃんと折り畳むっていうのは、綺麗に広げる動作が難しくて、それで省かれることが多いんですけど、そこもしっかりと今教えようとしているところになりますね。
なるほど。カメラとか、どこにあって、どういう風に動いてるんですか?
カメラは複数ついてまして、まずこの手の先に、それぞれ1つずつついてるんですね。なので、手先の指先の情報を画像で見られるようなカメラがついてます。
こうなってると、この先っぽとかにカメラがある。
そうですね。この先っぽにカメラがついてます。あと、ロボットの胸の部分にも実は穴が開いてまして、その胸の部分で全体を見渡せるようになってる。
これはだから、ここですね。
そうですね。胸にあって、手先にもあるというところになってますね。実はこのレールの上にも1つだけあって、下を見下ろすカメラがあるんですけど、ちょっと隠れて見にくいところにあるんですが、この胸で全体を見るだけじゃなくて、上から見下ろす、そういう風なカメラも実は設置されてて、全体をさらに見やすくして、操作しやすいようにしてるというところです。
手元、胸元、てっぺん。
そうですね。そういった形でついています。こう話してると、とりあえず1枚目が畳めたっていう感じになりますね。
綺麗に畳めました。
せっかくなんで、こんな感じで。こんな感じですね。いい感じに。
ちゃんと畳まれてありますね。ちなみに、これなんか線みたいなのが入ってるのは、今のところ、これまだ試作機なので、目安というか、畳みやすく。
そうなんですよ。今は試作機ってことで、ここら辺をちゃんと持てばいいだろうっていう目安を、とりあえずつけてはいるんですね。ただ、今、五反田とかでデータを集めてるような、学習用のデータ収集施設も作ってるんですが、そこでは印は一切ついてなくて、何もついてない状態でも畳めるように、今データを集めてる感じになります。
そうですね。五反田のビルの中に、たくさん人間がロボットアームを操作して家事をやるみたいなブースが立ってる場所があるんですけど。
そうなんですよ。本当にたくさんの人に集まってもらって、今、多分来月とか再来月ぐらいに、50人体制ぐらいで集めるんですけども。
そこでこういうものを畳んだりとかっていう作業をひたすら。
ひたすら人間がロボットを操作して、衣類を畳んでる場所があります。
そこで今、データを集めて学習させる。
そうですね。そういうことをやってます。今は確かに遠隔操作でゆっくりやってるんですけど、おそらくこれがAI化されると速度が結構上がるんですね。遠隔操作っていうと、やっぱり一定、画像の遅延があったりとか、あとは慎重にやっていくといったところがあるんですが、人工知能を使ってやり始めると、画像を撮ったらすぐその場で考えて行動することになるので、非常に動作としては軽量になるんじゃないかなというところですね。
そういった画像の遅延もないですし、操作の遅延もなくなるというところと、あとはデータとして何万時間もAIに学習していくと、相当慣れると言いますか、この遠隔操作は人間がやってると、操作に慣れるのに結構苦労するんですが、人工知能とかだと、それを何万時間も学習することで、ロボットを扱うことにも相当慣れるというところで、多分この遠隔操作よりもかなり速く折り畳めるようになるんじゃないかという風には思ってます。
しかし、そうやって折り畳んだりって、服の形ってめちゃくちゃ色々あるじゃないですか。Tシャツは一定、標準化された服ですけど、女性物だったり、男性物だったり、子供服だったり、本当にいろんな形がある中で、それは力技で学習させていくのか、あるいは今のAIモデルって応用力があると言われてますけども、そこのAIモデルの進化に任せていけばいいのか。どういう風になってるんですか?
割と今やってるのは力技なんですよね。本当にありとあらゆる衣類を集めて、ずっと折り畳ませてるので、パンツ系もあれば、こういったシャツ系もやったりとか、あとはハンガーにかけなきゃいけないものもいっぱいあったりしますよね。それをハンガーにかけるとかも、今データを集めたりするというところで、割と力技になりますね。
と話してる間に、終わりました。
これぐらいであれば許されるんじゃないかと思いますが。
確かに。これだったら引き出しの中に、本当に普通に畳んで、コンパクトに収まりそうな。かつシワにならずって感じがして。何回も畳まれてるから、結構歴戦の傷がちょっと。
何回も畳んでますからね。
挑戦の跡が残ってますね、本当に。こういった形で収納されて。
収納されて、コンパクトになっているということですね。こういったのが簡単なデモンストレーションですけど、こんな形になります。
なるほど。本当に、ここ、部屋なんですよ。
そうですね。部屋ですね。
これ、トレーラーハウスで。よくこんなの作りましたね。
これを作るって決めた時は、みんなちょっとびっくりしてたかもしれないですけど、これでデモンストレーションをしたいんだということで、相当前から構想を練ってましたね。
だから、こういう動かす場がないと、進化もしていかないというか、学習していかないし。あれですかね、AIを学習させて、AIをここに入れて、ここでAIロボットを動かすみたいなことだってやっていくみたいな。
そういうこともやっていきますね。今、来年、実はこのロボットというか、これがさらに進化したものをつけられる家の建設も進めてまして、来年の9月ぐらいに建つ予定なんですね。そこでデモンストレーションもやっていく予定なんですけど、こういったトレーラーハウスって簡単に持っていけるんで、色々とデモをお見せする時に便利だなということで、ここでも様々なデモンストレーションをやっていきたいなという風には思ってますね。
なるほど。気軽に持っていけるサイズですか?
実際持っていくのは相当大変だったんです。実際、今年、豊洲の方でデモンストレーションしたんですが、運搬がかなり大変で、これを実際、道路で牽引していくんで、大変なあれでしたね。
なるほど。スタートアップっぽいですね、それを含めて。
実際、こうやって空間の中にロボットを入れることで、よりロボットと一緒に生活するっていう、そのUXを想像しやすくなると思ってまして、今一番大事なのは、本当に人間とロボットが共生した時に、どういう風に思うんだろうとか、どういう風に感じるんだろうっていうのを、まずは体験してもらうとか、そういったところは大事だと思うんですよね。
そうやって世の中に出すことでフィードバックが得られると思ってまして、多分批判もすごくいっぱいあると思いますし、あとはポジティブな意見もあると思って、両方ともしっかり受け取って、特にネガティブな意見をいっぱい拾って、より良いものを作るための糧にしていきたいという風に思ってるので、こうやって見せていくことが一番重要だと思ってます。
人と暮らすものになるわけですからね。さっきちょっとカメラの話を伺ったんですけども、結構いろんなセンサーが。
そうですね。MWの家には、いろんなものがこっそり仕込まれてますね。
これ、ここにあるのがその1つなんですね。これ何ですか?
これは、人の状態を見るためのセンサーになってまして、カメラっていうか、熱源を見るためのカメラになってるんですね。
赤外線。
そう、赤外線です。赤外線の画像が撮れるものになってまして、実際に人が今どこにいるかどうかっていうのを見たりとか、あとは今から寝るかどうか、そういったような状態を見るためのセンサーがついています。
それが分かると。
それが分かると、よくある、人が入ってきた時に電気をつけたりとか消したりとか、そういったものができるようになりますし、例えば寝てそうだなとかになってくると、照明をちょっとずつ暗くしていく。そういう風なUXを作ることができるというところになります。
家の方が考えて、人のために動くということですね。ただちょっと心配になる部分もあって、そういうデータとかはどうなるのかっていうのがあるんですけど、これ、家の中、エッジで処理するみたいな感じなんですか?
そうですね。基本的にこのセンサーは、もうこのセンサーの中だけで処理を終わらせるんですね。そういったものが全部クラウドとかに上がるわけじゃなくて、完全にエッジで処理。そういったのを大事にしなきゃいけないという風に思いますんで、人の状態、そういったものだけをこのエッジ側で処理して、それも家に置いてあるサーバー側に送られていくんですね。家に置いてるサーバーは、クラウドとそういった情報をやり取りしてるわけじゃないので、家に置いてるサーバー側で全ての家の制御を完結させてしまうという形。
MWの家にはサーバーがあるんですね。
MWの家にはサーバーがあるんですよ。
なるほど。家にサーバーがある時代が来ると。
そうなんですよね。GPUがなくても制御できるぐらいなんですけど、今後ロボットが入ってくると、GPU付きのサーバーも入ってきます。
だからロボットの制御を家の中で。AIが動き始めたら、ロボットを動かすAIモデルも家のサーバーの中で動くみたいなイメージ。
完全にもうエッジ側で完結してますね。
そうなんですね。クラウドと通信してると、遅くてしょうがないみたいな。
ロボット自体の制御は、本当にクラウド通信だとかなり時間がかかっちゃいますんで。あとは、ロボットにいくつかカメラがついてるじゃないですか。そうすると映ってほしくないものっていっぱいありますよね。なので、それは全部エッジ側で、となりますね。
なるほど。AIハウスにサーバーありという感じです。ちょっともう1つだけ。浅谷さん、さっきからかけてるこれ、何ですか?
これですか?
これ、何ですか?
これは、どのロボット開発者も持ってる非常停止スイッチなんですよね。
どのロボット開発者も持ってるんですか?
きっと持ってると思いますが、というのが、まだ今動いてるワークロボットとかカーゴロボットはプロトタイプ機になりますので、万が一なんですけど、暴走するだったりとか、壊れそうな動きをした時に、このボタンを押すとちゃんと止まってくれるというところになってまして、多分おそらく、どのロボットアームメーカーさんとかロボット開発者の方も、こういったものは必ず開発をしてると思います。
予期せぬ動きをして、人間に危害を加えないようにというか、安全を確保するためにっていうことですよね。
なので、多分ロボットが入る家にこういった非常停止スイッチをどう設置するかとか、そこってかなりUXを考えなきゃいけないなという風に思ってまして。今のMWのコンセプトとしては、こういったセンサーで人がどこにいるか分かってますんで、人がいる環境では基本的にロボットは動かないっていうような、そういう風なセーフティを張ってるんですね。
だから、その部屋にいない間にその仕事をしてもらう、あるいは家にいない時にやってもらえるイメージ。
そうですね。そうするとこのスイッチは一切必要なくて、人に危害を及ぼすことはまずないという風に思うんですね。なので、そういったところでなんとか対処できるかなという風には思ってるんですけども、まだ開発中ということで、こちらをいつも持ってます。
案外、来るべき未来っていうのは、ドラえもんみたいに常にロボットと一緒にいるっていうよりかは、空間は分かれてる世界なのかもしれないと。
空間は多分一緒じゃないと、日本の狭い家では対応できなくなっちゃうんですよ。アディショナルスペースを作ると、多分日本ではそんなスペースはもったいないとなっちゃうので、同じ空間は共有してるけど生活する時間帯が違うとか、共生してるけど一緒にいることに気づかない、そういったものが一番大事だと思ってます。
そういうことですね。大丈夫でした。ありがとうございます。
ありがとうございます。
というわけで、デモを2つ見せていただきましたけども、この後、MWってそもそもこのロボットだけじゃなくて、そのロボットが入る家自体を作ってらっしゃるということで、横浜に新築の物件があるということで、そちらに移動して、浅谷さんと、そして成田修造さんにもお話を伺っていきたいと思いますので、この後もぜひよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
成田さん、浅谷さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
3つのトピックで色々伺っていければと思うんですけど、まず1つ目が、なぜAI時代に家なのか。家を売るビジネスを始められたというところであるので、まずそもそもなぜやってるのかっていうところから伺えればと思うんですけども。それから2つ目が、家を進化させるフィジカルAIということで、ここにロボットが入っていくみたいなイメージだとは思うんですけど、そのAIの中身が何なのかっていうことを、浅谷さんが責任者だと思うので、その辺り伺っていければと思います。最後が、AIハウスに誰でも住める未来ということで、今は結構大きな家中心だというところですけど、どんどん広げていきたいという話も伺ってるので、その辺り深掘りできればと思います。
最初、なぜAI時代に家なのかっていうところで、成田さんがこのMWを創業されたのが2024年ですよね。
はい、24年です。
なんでそもそも、家を作るっていう事業を始めたんですか?
僕も前はずっとITの事業をやってて、元々クラウドワークスで会社の立ち上げ、11年ぐらい経営していたんですけど、元々、ものづくりだったりハードウェアだったり、そういうものが絡む事業をずっとやりたかったっていうのはあるんですよね。憧れとしてはAppleとかTeslaとか、やっぱりああいう会社を日本から生み出せないかっていうのが、ずっと思いとしてある中で、そのテーマとして何を選ぶかっていった時に、やっぱり住宅ってすごく、人のインフラとして、人生の半分ぐらい家で過ごすわけじゃないですか。もしくは半分以上過ごす人もいると思うんですけど、それが重要なインフラなので、そこはすごく面白いだろうなっていう風に思ったのと、自分自身が家を買ったり、そういうことを体験としてすごくやったんですよね、この4、5年。
その中で、あんまり進化が起きてないなっていうか、家自体が結構、みんな画一的なんですよね。あんまりテクノロジーの進化が搭載されてる家とかも、ほとんどないんですよ、新築であっても。素人の発想でやっていったら、面白いものが生み出せるんじゃないかなっていう、そんな仮説もあって。産業規模もものすごくでかいですし、日本の市場だけで10兆円以上あるんで。
グローバル競争で今AIって言ってますけど、インターネットで起きたことって、結局グローバルな競争で、基本的に資本量が10倍から100倍ぐらい、アメリカとか中国にあって、基本的に日本からグローバルサービスが生み出せないっていう現実があるわけじゃないですか。それはAIでも多分起こると思ってるんで。逆にもう全然違う事業、バランスシートをうまく使いながら、日本の需要もうまく生かしながら、でもかつテクノロジー的な革新が生み出せて、非言語で世界に行けるような、そういうテーマがいいんじゃないかなっていう中で、住宅に目をつけてやり始めたっていう、そういう感じですね。
何が他の家と違うっていうと、どこが一番違う?
MWはやっぱり「生きた家」っていうコンセプト、リビングホームっていう風に言ってるんですけど、それをコンセプトに大上段に掲げてて、そもそも家自体を知能化させるっていうことを考えてるんですよね。家って今すごく静的じゃないですか。静かなものって、静かに、的と書いて静的なもので、あんまり人間の動きに合わせて動的に変化する家って少ないと思うんですよ。
でも本当はAIとかセンサーとか、これからお話しするロボット、見ていただいたようなロボットとかをうまく使えば、もっと人間の動きに合わせて家自体が変化するとか、家自体が勝手に整うみたいな、そういうことが起こせるよねと。今のテクノロジーをうまくふんだんに使えば、それが起こせるはずだっていうところがあるので、MWの家っていうのは、人間に合わせて勝手に家が変化してくれて、勝手に整ってくれるっていう。知性とか身体性みたいなものを持って、家自体を静的なものから動的な生命体に変えていくっていう、そういうことを目指していきたいなっていうのが、大上段のビジョンになりますね。
なぜ、その静的から動的へっていうところが、この家というビジネスで重要だと思いますか?
体験として、やっぱり明らかに、例えば今って「負」が多いと思うんですよね。例えば、僕が子供を連れて冬の寒い時に公園に連れて、寒い中、車で帰ってきました。その時に風呂が沸いててほしいのに、今ってその手段がないじゃないですか。全部自分でやんなきゃいけない。帰ってきて、汗まみれの、もしくは寒い子供たちを玄関に置いて、風呂を沸かさなきゃいけないとかっていうのが、現実に起きてるわけじゃないですか。
旅行に行って、1階でスーツケースを出すっていう時に、「やばい、2階の電気ついてる」みたいな。「消しに行かなきゃ」って言って、いまだにテクテク歩く。今日もやったんですけど、出てくる時に洗面所が開いて、電気がついてるわけですよ。
成田さんの家はまだ。
まだ全然。テストは色々しましたけど、僕の家はすごく昔のまま。昔というか、新築なんですけど、昔の家なわけです。僕らからすると過去の家なわけです。なのに電気を僕が消しに行ったわけですよ。これ、めちゃくちゃだと思うんですよね。こういう「負」を全部消せる可能性があるじゃないですか、今のテクノロジーをうまく使えば。そういうことってもっとあるべきだっていう風に思うわけですよ。
車の運転ってなくなってるじゃないですか。自動運転になって、車を運転するっていうものがだいぶ減ってきたりとか。
ロボタクシー、最近もう一気に来てますよね。
家だって、なんでいまだに僕らは洗濯物を畳んでるんだろうとか、なぜ僕らは食器を自分たちで片付けてるんだろうとか、なんで帰ってきた時に玄関の靴がこんなに整列されてないんだろうとかって、ふと思う。それってロボティクスの技術、僕らが今開発してるようなフィジカルAIをうまく使っていけば解決可能なものなんです。それができたら、やっぱりQOLが上がると思うんですよ。ストレスがなくなって。1度そこに入ると、もうそれ以外の家には住めなくなるっていう体験が、将来的には作れると思うんですよね。っていうようなことをやりたいっていう、そんなことなんですよね。
なるほど。そこを形づくる技術の話を、ちょっと浅谷さんの方に伺えればと思うんですけど。このロボットの話はまた後で詳しくなんですが、そもそもこの家っていうのが今スマート化、iPadとかタブレットがそこら中にあって、アプリもあって、いろんなコントロールができるっていう、それだけでもないのかなって気もするんですけど、技術的には今、何が核になってきてるんですか?
そのタブレットで操作できるっていうだけではなくて、住めば住むだけ快適になるっていうところを実現するために、MWインテリジェンスといったものを導入しているんですね。AIで家であったりとか、例えばカーテンだったりとか照明だったり、そういったものを制御するためのAIが搭載されてますので。あと、空調であったり、そういったもの、温度とか、普段この人だったらこれぐらいの温度で生活してますねというのを学習して、その人がいる時はこの温度にしておきましょうと。それを毎回、温度調整をする必要がなくて。それはAIがだんだん、家が学んでいって、それで住みやすい環境を自動的に家が作っていく。そういったものを導入してるのが、すごく今までのタブレットでいろんなものを制御する家と違うところかなという風に思います。
要は今まで、スマートホームとかって言われて、10年も経たないぐらいだと思うんですけど、いちいち対応の家電を買って、Googleなり、そのAlexaなりに繋いで、私も結構家でやってるんですけど、でも繋げるものと繋げないものがあったりとか、バラバラで、うまくWi-Fiが繋がらなくて切れちゃったりとか、色々ある中で、やっぱりこういう新築で最初から埋め込むみたいなっていうのは重要だっていうことなんですか?
そうですね。先ほどおっしゃられた通り、ものを買うと、まずいろんなアプリケーションを入れなきゃいけなくて、家電を制御するためにはこのアプリケーションとか、人間がまず選択するコストがかかるんですよね。実際、どこにあるか分からなくなると。ただ、MWの家に関しては1つのアプリケーションで全てを制御できて、統合されてると。実際に導入されてるAIといったものが、やっぱり統合されてないと指示が出せないので、AIとシナジーを持たせるためにも、1つに統合する必要があったというところですね。
そのバックにはLLMみたいなのが動いてるってことですか?
おっしゃる通りでして、人の指示、言語指示に対して、すぐどれをどういう風に動かせばいいかっていうのを判断するLLMが繋がっているというところです。
音声だったり、入力したりと、どういう形でコミュニケーションするんですか?
入力に関してはテキストでも入力できますし、音声でも入力できる、両方とも対応しております。
なるほど。その学んでいくっていうのは、いろんなシチュエーションで、この人はこういう風に操作したかとかって、そういう積み重ねの学習ってことになるんですか?
そうですね。実際に住まれてる方がどういう風に家電を制御したかとか、どういう風な環境で住んでるかといったところが、まさに学習対象になってます。
なるほど。独自の技術みたいなのっていうのは、結構あるものなんですかね?
そうですね。こういったUX自体が新しい分野になってるかなという風に思っているので、あるものに関しては既存のテクノロジーを使いこなしてはいる形なんですが、やっぱりそれの技術の合わせ方というか、そういったものが新しいんじゃないかなとは思ってます。
住み始めてすぐにもう使える状態、自分でカスタマイズする必要がないみたいなところっていう。
そうですね。
なるほど。ちょっと成田さんにまた伺いたいのが、この家、すごく大きい家で、戸建てで、大体土地込みで2億から4億ぐらいでっていう話があったんですが、それだけの、結構高級な住宅のレイヤーから始めたのはなぜですかね?スマート化っていうのは別にいろんな家でできると思うんですけど、このレイヤーから始めてるっていうのはなぜですか?
やっぱり先進的な体験にはなるので、多くの人に最初から届けるっていうよりは、まずはピンポイントでマーケットを絞って、しっかりと作っていった方がいいだろうなという。未来の暮らしではやっぱりあるわけじゃないですか。未来の住宅っていう形で売り出してはいるので、そこに興味を持っていただけるような方、より知的好奇心もあって、より新しいものにチャレンジする人っていう観点からいくと、最初はある程度、富裕層といいますか、ハイエンドなゾーンから入っていった方が、マーケティング的にはいいだろうなっていうのは、まず思ったんですよね。
それで考えた時に、例えばタワーマンションとか今住まれてる方の価格帯とかって考えると、今、都内のマンション価格で平均でも1億円を超えてきてて、2億円ぐらい超えてくるようなマンションってボコボコと出てきてるんで、逆にそこに対して、ある意味、僕らは提示したいなっていう風にも思っているので。僕らとしては、そのアプリがコンシェルジュの機能にもなっていて、我々の事務局とすぐチャットで連絡を取れるようになってるんですよ。例えば何か取りに来てくれとか、ハウスクリーニングに入ってくれとか、そういうのも受けていくような管理機能も、僕らはやるんですけど。
そういうことも含めて、タワーマンションとかが持ってるような良さを、うまく戸建ての領域でも作れれば、より体験としてもいいだろうっていう形で、そこをちょっとベンチマークにするようなゾーンから最初に入っていこうと。ちょっとずつ価格を下げて。
マーケットを広げていこうかなっていう、そういう戦略で今考えてます。
そうか、タワーマンションって大体コンシェルジュ的な、受付的なのがあって、何でもサポートしてくれるみたいなことでも、それをできるようにやってっていうことなんですね。
はい。それをやっぱりアプリと繋がってるんでできるっていうような。よくO2Oとか昔流行った言葉ありましたけど、オフライン・トゥ・オンラインみたいな。オンラインとオフラインが溶けていって、体験が溶けてくみたいなことありますけど、僕らそれを住宅っていう領域でやろうとしてるので、まさにそういう複合的な体験価値みたいなものを、テクノロジーとハードウェアで両方繋げてるっていう感じです。
ということですね。今いるのがここ横浜の物件なんですけども、ここ3棟並んでるような状態で、今あとどれぐらい物件ってあるんでしたっけ?
今のプロジェクトで言うと15以上あるので、都内を中心にですけど、都内と、あとはリゾート。僕らだとアーバンシリーズ、オーシャンシリーズ、マウンテンシリーズって言って、3つのシリーズがあって、オーシャンとマウンテンっていうのはリゾートエリアになるんですけど。都市型と海型と山型の3つのシリーズで、15プロジェクトぐらいはあるって感じですね。
なるほど。結構ハイペースな。
そうですね。まずは最初の2年これで走ろうっていう形で決めて、土地の仕入れだったり、そういうのをやってきたので。
ここだってすごいいい眺めの場所ですけど、土地の仕入れって軽く言っても、結構、素人がやってみるハウスメーカー的な事業ってさっきおっしゃってましたけど、素人にはできないですよね。
そこは結構僕らの今の特徴だと思うんですけど、ビジョンっていうのはすごく素人なんですね。つまり、ある意味壮大な、もっと無垢な状態って言うんですかね。ピュアにこんな家があったらいいじゃんっていうものを、ビジョンとしては持ってるんですよ。
それを構成する要素っていうのはすごく専門なんですよね。土地の仕入れだったり、建築だったり、ロボティクスだったり専門なんで、それを持ってる人たちがそのビジョンに1つになるっていうのが、MWの会社の特徴なんで。不動産に詳しい人とか建築に詳しい人は社内にはいるんですね、さすがに。あとは施工に詳しい人とか。
僕はそこの専門家ではないんで、あくまでもこんな家が作れたらとか、こんな事業が作れたらっていうビジョンからスタートしてるっていう、スタート地点がまずそうなんです。現実ってものを無視して基本的には最初スタートしてるんで、それを現実のものとしていくのは、それぞれの専門的なプレイヤーが今チームとしていてくれて成り立ってるっていう、そういう感じです。
そういうことですね。分かりました。ちょっと次のパート行ければと思うんですが、家を進化させるフィジカルAIということで、冒頭でご紹介した、上にレールをつけてロボットが動いてくみたいな。これまだこの家には入ってない、今後入ってくっていう話なんですけども、この「動的」という言葉がありました。つまり、いない間になんかやってくれるとか、その1つがロボットだと思うんですが、これを自分たちで作らなきゃいけなかった理由っていうか、なぜそこまでやるっていうふうに決められたんでしょうか?
このMWを始めた時に思っていたのは、いずれ僕らがやらなきゃいけないのは家事をなくすってことだと思ったわけですよね。究極的な家って何だろうっていう。もう究極的に素晴らしい家って何だろうと思ったら、家事をなくしてあげる家だと思ったんですよ。
人間って家事に2時間40分、1日使ってるって言われていて、料理含めてですけど。結構なボリュームじゃないですか? 起きてる時間が16時間だとすれば、かなり使ってると。それがゼロになったらすごいことなわけで、そういうことをまずできることは究極的なものだと。
それを思った時に、このMWインテリジェンスのソフトウェアを開発してたんですけど、途中で無理だと思ったんですよ。ソフトウェアだけじゃこれは無理だ。動的にできたとして、照明を変えたり、開けたりはできるんですけど、家事をなくすのができないじゃん、これと思ったわけですよ。
ロボットだということで、浅谷含めて話し始めた後、どうやってそのロボットを実現するか。そしたらヒューマノイドを中心としたロボット×AIっていうものが、テクノロジー的にすごくいいタイミングに来ているっていうことも分かったりして、じゃあこれをうまく掛け合わせていこうじゃんっていうことで、プロダクトのアイデアを練って練って練ってやってった時に生まれたアイデアっていうのが、家とロボットを連結させて、天井を動かして、双腕型のロボットを動かすっていうアイデアだったんですよね。
なるほど。浅谷さん、長年ロボットの開発を、2017年ぐらいから洗濯物を畳むロボットとか手掛けられてきたという話なんですが。
そうです。
その立場から見てですね、今、人型ロボットをスタートアップがやっていて、かつ二足歩行のロボットっていうのが国内に出てきてるわけですが、そこじゃなくて天井からウィーンと生えてくるみたいな、その形を選んだのはなぜですか?
本当にいろんな理由はあるんですけど、やっぱり大きくは安全性といったところがありまして。私は小さい子供が家にいてですね。ヒューマノイドが家を歩いてた時に、万が一のことがあったらどうしようとか、やっぱり考えてしまうんですよね。
その時に最も安全な方法っていうのが、ロボットがそもそも動く環境が固定されているということで、絶対に転倒しないこととか、そういったことをいろいろ考えていくと、この天井ですね。そういったところが非常にデッドスペースになってることは分かっていたので、そこに固定すると非常にいいんじゃないかというところで、まず安全性の観点で、このガントリー型のロボットは非常にいいんじゃないかというふうに思ったんですね。
普段、私が2017年とかからロボット開発はしてましたけど、やっぱりロボットって基本的にB2B向けのビジネスなんですよね。そうです。おっしゃる通りで、工場とかそういったところで、まず絶対に安全が確保された状態でロボットって稼働しているんですね。私もロボットの講習とかいろんなものを受けてく中で、安全ってものが1番大事だというふうに思ってるんですね。
ロボットを動かす時に、特に人と一緒に動かす時はまさにそうで、ロボットって本当にとんでもない不運が重なると、大きい怪我をさせかねないものになりますので。それをいきなりB2Cのビジネスに持っていこうとしてるってなった時に、1件でも大きい事故があったら会社って大きく傾いてしまうんじゃないかという心配がありましたんで、その安全を絶対担保できる機構、そういったものが必要だというところで、このガントリーのレール式のものが最も良いんじゃないかということになったんですね。
それ以外にも先ほど言いましたが、天井スペースっていうのはデッドスペースであって、そこを効率的に使うことができるんじゃないかと。空間を効率的に使うっていった時は、天井面近くを使った方がいいと。
人とヒューマノイドとか床を歩くロボットが同じ生活動線を持ってしまうと、例えばすれ違うことができなかったりということがあったりとか。あとは、ヒューマノイドがそもそもこの空間に立っていると、非常に空間を圧迫するんじゃないかというところがありましたので、その圧迫感とかそういったものもどうにかなくしていきたいというところでも、このガントリー型ですね、天井をうまく利用したロボットはいいんじゃないかということで。安全面が1番なんですが、さらにもう1つ、空間を効率的に使いつつ圧迫しないという、そういった2つ大きいメリットがあるというところで、このガントリー型のロボットにしてます。
なるほど。技術的な難しさで言うと、普通に二足歩行の人型ロボットと、上から吊り下げるというやり方っていうのはどう違うんでしょう? どちらの方が簡単というか、作りやすいのか。
それはですね、多分、おそらく両者ともメリットとデメリットを持ってるんですね。吊り下げ型のデメリットが届く範囲が限られていることなんじゃないかなというふうに思っているんですね。それはまさに実はおっしゃる通りのところがあって、床面まで上から伸びていくと非常に長くなってですね。手を届かすにはかなり伸ばさなきゃいけないということで、ちょっとロボットが長くなってぶれやすくなったりとか、そういったことがあったりはするんですが、そこは1つデメリットとしてはあるかなというふうに思います。
ただメリットがすごくあると思ってましてですね。家に固定されてますんで、ロボットの自己位置推定とか、つまりどこにロボットがいるかっていうのは非常に正確に分かるんですね。
ああ、なるほど。
ヒューマノイドとかは家を歩いていくわけですけども、どこにいるかどうかとかは、ずっと判断させなきゃいけないというところになります。そこら辺は、認識技術とかを回して、ロボットがずっと認識するわけですけども。ガントリー型だと基本的にそういった情報は一意に定まって、簡単に数値情報を得るだけで得られるので、制御のしやすさってところに関しては、ガントリー型のロボットはとてもやりやすいっていうところがあるんですね。
あと、例えば机の上とかベッドの上とかで、床を歩くロボットが作業をしようとすると、手が届かないとか、そういったことが実際発生してしまうんですけど。かがんでこうなるんですけど、ただそれだと届かなくなるんです。
ただ、上から降りてくるとですね、机の真上だったりとかベッドの真上に自分の胸の中心を置くことができるんで、どこでも実は作業することができるということで。床面は届かないかもしれないですけど、それより上のスペースに関しては、ある意味ヒューマノイドよりもはるかに作業スペースが広いんですね。
そうすると実際に私たちがいろんな家事をする時とかって、やっぱり床よりも、この机より上とかそういったところの作業が多いというふうに思ってますんで、そういった作業に関してはガントリー型ロボットの方が圧倒的に効率的じゃないかなというふうに思っていて、実はそこはメリットにもなり得るというふうに考えてるところですね。
一方で、ただレールを張り巡らさなきゃいけないというハードルはあるわけですよね。
あります。ここもそうなんですよね。新築がやりやすいはやりやすいですよね。
ああ、そっか。そうですね、確かに。
リノベだとレールをつけなきゃいけないんで。そこらはちょっと長期的にはやりたいと思ってるんですけど、まずは新築からってなっちゃうのは、やっぱりそこは大きいと思いますね。
なるほど。今はまだ試作段階というか実験だと思うんですけども、今後はどういうふうに進めていきたいっていう。
今、どういうふうにステップが進んでるかって言うと、ロボットを制御するためのAIモデルの開発を進めておりまして。実は先月に、実際にロボットを使ったデモンストレーションなどをしていたんですが、それを次は完全にAIで自動化したものを、来年にはお見せしようというふうに思ってます。
なので、この1年ですね、やりたかったランドリー系のタスクだったりとか、あとはキッチン周りのタスクとか、そういったものは完全にAIで自動化して、人が関与しなくても完全自律化できるものをまず作っていくといったところは、この1年でやろうとしていることですね。さらにもう1年でそれを実際に製品化して、売り出していくということで、2028年にはAIを持ったロボットが世に出ていくという、そういうふうな開発のスケジュールで進めているところです。
だから実際に販売するって段階になったら、今は遠隔操作が絡んでるという話だったんですけども、それがもう完全にない状態で動く状態で出していくという。
そうですね。基本的にはAIで動いていくといったところになります。ただ、もし何かしらエラーが起きたりとか、復旧できないとか、そういった不測の事態が起きた時には、リモートでも制御できるような環境は作っていこうと思いますので。ほとんどAI、ただ一部、もしかしたらできないところは人の手を借りるか、リモートの手を借りるかもしれないといった、そういった状態で販売する予定です。
なるほど。具体的に何をさせるのかっていう話なんですけども、ランドリー系のタスクだったりキッチンでっていう話ありましたけども、目標として2029年までに家事5タスクの成功率90%っていうのを多分掲げられていると思うんですけど、この5タスクって何ですか?
1つがまずランドリー系のタスクになりますね。それはまず、なんでそれにしてるかというと、どの家にもあるし、最もやらなきゃいけないタスクだというふうに思ってます。
洗濯機から出して畳むみたいなところですか?
そうですね。そこは一連の収納するところまで、一連の動作はやっていきたいと。基本的に優先順位は、どの家にもあって、かつ結構時間を取られてる、そういったものから上から順番に取っていこうというふうに思ってますので。
1つ目がランドリー系のタスクで、もう1つがゴミ捨て系のタスクなんですね。必ずどの家にもあって、いろんなところ、要所要所にゴミ箱が設置されると思いますが、それをまず回収して1箇所にまとめて、あとは人間がゴミ収集場所に捨てるところだけはやってもらうという、そういうふうなことを考えてますので。常に家のゴミ箱は綺麗になっているっていうところを目指して、それが2つ目のタスクですね。
もう1つ考えてるところが、お皿をしまうっていう食器系のタスクになるんですね。これも多分、今多くの家が自動で洗うような、食洗機ですね。食洗機があると思いますが、そこまでは多分パッと流しちゃっていただく想定なんですが、その後の工程ですね。食洗機から出して、お皿を戻していく、そういったところがどの家でもあるかなというふうに思ってます。それをやっていくと。
もう1つが、実は結構チャレンジングなところだと思ってるんですが、でも非常にUXを上げるんじゃないかという観点で、ベッドメイキングなんですよね。毎回、家を出て、家に帰ってきた時にベッドが綺麗になってたら、すごくいいんじゃないかと私は思ってまして。私、ホテル行ったりするのも結構好きなんですが、何が好きかって言うと、毎回ベッドが綺麗になってるんです。すごくいいと思うんですよね。帰った時、ふとした時にベッドが綺麗になってたら、それだけで幸せになるということで、このベッドメイキング、これもやっていきたいと思ってます。
あともう1つ、あれ何でしたっけ?
洗面所と玄関を整えるっていう。
そうでした、そうでした。今だと例えば煩雑に玄関がありますよね。荷物が置かれてて、靴が散らかってる。あれがしまわれて綺麗になった状態で、帰ったら綺麗になってるっていうのを目指すと。加えて洗面所も、結構今だと歯磨き粉が置いてあって、ワックスが置いてあって、タオルが交換されてなくて、水がびちゃびちゃで、みたいなことってほとんどの家で起きてる。それが家に帰ったらピカッてなってるっていう。
この帰った時に「うわ、綺麗」っていう、誰かがやってくれた状態を僕らとしてはまず作る。僕らの視覚を支配してる領域を中心にっていうのを今目指してることなんですけど、まずはその5タスク。
これは多分AIを使って解決しなきゃいけないタスクになってくるんですけど、実際、それ以外の機能も実は付けようとは思っているところがあって。例えばトイレとかのトイレットペーパーの補充的なものだったり、そういったものとかは実はAIを使わずとも、既存の技術を組み合わせることでロボットがやってくれたりとか、そういったところはあるので。AIを使わずにある程度自動化できる、ロボットのフィジカル部分があることで自動化できる部分も、追加でプラスで入れていこうというふうには思ってますので。
もう決まった場所の決まった作業であれば、別にその時その時でAIを使う必要はないと。
はい。最近話してるのは、トイレットペーパーとか、あと食器の洗剤とか、こういうのってなくなるじゃないですか。洗濯機の洗剤とか。これは所定のパントリーの、この位置っていうのを最初に決めといちゃうんですよ、僕ら。
あ、そうか。「ここに置いといてください」って。
なくなったら勝手に僕らが補充するっていう。
それは人間のスタッフがロボットに預けといて、ロボットが勝手に置くっていうところまで含めて。
勝手に補充されるとかもやろうと思ってるんですけど、そのような感じで、完全AI化されてないルールベースのものもやっていくっていう。まずは2028、2029年あたりまではそこまで。2030年以降は料理まで頑張るっていう。
料理、やりますか?
もちろん。料理は絶対やった方がいいですよね。でも今の技術でそんなに不可能では全然ないと思ってて。コーヒーを入れて、例えばトースターにパンを入れて、目玉焼きを作って皿に入れるぐらいまでだったら、別に人型ロボットでも全然やれちゃう。
そうですね。確かに技術的に。
だから、その安全性がポイントで。フライパン投げる可能性ありますから、エラーが起きた時に。火も使うし、その時に部屋の空間を分けといてあげなきゃいけないんですよ。人とロボットが、要は活動空間を分けてあげないといけないとかっていうのが、安全性上の問題があるんですけど、そういうのもトライをしていくと。
なので、ロボットが動いてる時はシューッてドアが閉まって、人が入れなくするとか、そういうことも家はできるんで。そこまでやって、2030年以降は料理まで完全制覇したいなって思ってるんですけどね。
個人的には風呂掃除やってほしいんですけどね。
そうね。多くの方から。だから防水の技術、ハードウェア的な防水技術もすっごい大事で。その辺りも踏まえて、じゃあどうやってやってくんだっていうのは、これからまさに検討します。
まずはそういうところから始めるっていうんですけど、一通りのあらゆる家事は対象だっていうことなんですかね。
そうです。大きく分けても20個ぐらいはあるんで、今はそのうちの5、6個ぐらいから。
ということですね。それをどんどん賢く。
だから住んでるうちにできる機能が増える可能性が高いです。
それで、ちょっと現実的な話に戻ると、今ロボットとAIみたいなフィジカルAIが注目されてるのも、AIのモデルがいろんな形で発展してるからだと思うんですけども。その発展を、今のロボットを家に入れていくってことにどういうふうに繋げていくというか、どういう技術の発展の恩恵を今受けてるという感じですか?
そもそもロボットになんでAIが必要かっていうと、やっぱり状況に応じて行動を変容させなければならないタスクをロボットがする時に、AIが必要だなというふうに考えてまして。先ほど言った、例えばトイレットペーパーを補充するとか、そういった定型作業に関しては、多分既存の技術で全然できてしまうんですね。
じゃあどこにAIが必要になってくるかってなると、ランドリー系のタオルを折り畳むとか、そういったものは、衣服とかそういったものは毎回形状が変わってしまいますんで、その形状に合わせて何かしら行動を変容させて動かさなきゃいけないと。状況を見て、それに適応した動作を作らなきゃいけないっていう時に、非常にAIが必要になってきまして。
私は2017年ぐらいからずっとやってると話をしましたが、当時の技術だと、そういったありとあらゆる状況に対応できるだけのAIモデルはなかったんですよね。
柔軟性というか、新しいものを見た時に対応できる。
ですが、今のAIモデルっていうのは、その新しい環境であったとしても順応できるぐらいの能力を獲得できてますので。そこが、本当に今までできなかった作業ができるようになったというところが、圧倒的に私たちがメリットを得てるところにありますね。
よくVLAモデルだとか、そういったものが言われたりとか、あとは最近だったらWAMですよね。ワールドアクションモデルっていうことで、物体に対してどういうことをしたら、どういうふうに世界が変容するか、そういったことを理解することができるAIができてきてますので。それを利用することで、環境の変化に順応したロボットの動作をやっと生成できるようになったというところがありまして、それが1番受けてる恩恵だなというふうに思ってます。
今、人がタスクを自分でやってデータを集めてる、それをやってらっしゃると。そのAIデータファクトリーですか? これは家事のデータ、人間がロボットを動かして学ばせて、みたいなことなんですよね。
そうですね。人間が実際にロボットのアームみたいなものを動かしてですね。ロボットに「こういう状況だったらこういうふうに折り畳めば綺麗に折り畳めますよ」みたいな、そういったところをいろんなパターン試してあげることで、その様々なパターンをロボットが覚えてくれて、新しい状況になっても順応できるようになると。そういったデータを集めるファクトリーを今作ってますね。
集める対象っていうのは、やっぱりさっきおっしゃってたタスクみたいなところから始めてる。
そうです。そうなります。
最初から何でもかんでもは、さすがにできないよみたいな話はあるわけですよね。
そうですね。初めて見る物体とかっていったところは、それも割と順応できたりはするようになってきてはいるんですが、それでも初めて触るものとか、そういったものに関しては難しいといったところがあることがありますので。そこには順応できるように、データをどんどん集めていってるというところになります。
結構、1タスクでまず成功事例を作るっていう。どのデータをどれぐらい集めたら、どれぐらい僕らの家事タスクの性能が上がるかっていうことを、ちゃんと確かめていかなきゃいけないんで、まずはタスクを限定してやった方が効率がいいですよ。
それでうまくいくんであれば、例えばですよ、1タスクを90%にするために2億円かかりますってなれば、20タスクやるには40億必要になるじゃないですか。そういう形で投資をしていくってことになる。事業計画的にも先が見えやすくなるんで、じゃああとは40億そこに投下すれば、完成度の高い住宅が作れるってことになるわけなんで、ロボットが作れるってことになるわけなんで、そうしたら調達して投資をするってことになる。まずはそのためにもタスクをちょっと絞って、成功率がどうかってことに特化した方が、僕らとしてはいいだろうっていう、そういう戦略です。
なるほど。モデルの学習に関しても、計算資源が当然必要になってくるということですよね。その辺りはそれなりの投資を今見込んでらっしゃる。どれぐらい見込んでるものですか?
そうですね。実は先日、GENIACといったものにも採択されまして、計算資源のですね。国の支援もいただいて、今用意できる最高の計算リソースのところを、クラウドサービスを利用させていただいたりとか。あとは実際に自分たちでも、例えばGPUを持った計算資源を自社でも購入して、自分たちで計算クラスターも用意することをしてます。両方ともやってます。
数十億単位です。初期的な投資で言うと数十億単位。
それは家で動かすロボットのためのAIモデルを開発するための。
はい。計算資源及びデータ収集のコスト全体で、数億は最低でもかかってくるだろうと。
それはやっぱり、普通に家を作る分には建設コストは販売に乗ってくるわけですけど、学習コストに関してはかなり初期投資的な、大きいわけですよね。
はい。やっぱりロボットを作り上げる、AIロボットのモデルを作り上げるってことになるんで。
そうですよね。でも、1タスク2億みたいなのは、結構これぐらいかなみたいな、そんな感じですか?
いや、どうなんでしょうね。まだ分かんないんですよね。2億で収まるなら、それはそれでもういいんですけどね。結局それが読めることの方が重要ですよね。
ああ、確かに。
いくらかっていうのは、それがじゃあ1タスク10億かかっちゃいますとなると、最終的な、その、合うのか。あるいはそれがどれぐらい下がるかってことも見えてくれば。
そうですよね。あとは事業計画だと思うんですよね。でも一定、あんまりかかりすぎるとできないわけじゃないですか。でもそんなことはないだろうっていう見込みは。
はい。っていうような見込みで僕らとしては動いてます。特にやっぱりアメリカとか中国とかが今、幸いなことに先行してくれている。結構曖昧な研究成果も多いんですけど、論文レベルじゃないものも結構多いんですけど、とはいえ結構多くの会社が、どのモデルを使って、どのタスクに対して何時間かけて、その結果どれぐらいの成功率になったかっていうのは、結構出してくれてるんですよ。
それから逆算的に見ると、今の僕らの家事タスクをやるならば、これぐらいの計算資源で、これぐらいの価格でできるだろうっていうのが、今の僕らが思ってる仮説。なので、それがどれぐらいぶれるかですよね。前後20%ぐらいのぶれだったら全然ハッピーなんですけど、ちょっとまだリスクがあるっていう。
でもおおむね、その学習コストっていうのは常に下がり続けてはいて、そういう意味では。
そうです。基盤モデルって言われてるπ0.5とか、Physical Intelligenceって会社が作ってる基盤モデルだったり、NVIDIAが出してるGR00Tっていうモデルだったり。あるいは最近、AIロボット協会、AIRoAっていう日本の協会が作ろうとしているような基盤モデルっていうのもあるんですけども、それも使えるっていう時代にもなってきてるんで。そこに独自データを入れた時にどれぐらい性能が上がるかっていうことで言うと、ちょっと助走がついてるような状況ではあるんですね。
僕ら、国内以外にそういうオープンモデルを使える状態にあるから、それを土台にやっていけばいいっていうこともできるじゃないですか。って考えると、そっちはそっちですごい投資が進んで性能は上がります。僕らは僕らでも上がりますとなれば、いろんな研究事例があるんで、それを踏まえて僕らもやり方を改善できるってなれば、効率的にデータを集められるでしょうっていうのが今の僕らの算段なんですけど。それを現実のものとするために今頑張ってるっていうことですね。
確かに、その土台っていうのはどんどん高くなってきてるというか、だからこそいろんな人が挑戦しやすくっていうんですね。
そうです。
分かりました。最後のテーマに行ければと思うんですが、AIハウスに誰でも住める未来ということで。今は「お高いんでしょう」っていう世界なんですが、実際、結構広げていきたい。裾野は広げていきたいということなんですよね。
もちろん。2035年には年間1万戸には入れたいと思ってるんで、その時にはこういう2億、3億、4億みたいな家だけではないと思います。1万って、大体日本の年間の新規の戸建て戸数って40万って言われてるんですね。都内だけで言うと15万って言われてるんですよ。そのうちの1万、つまりマーケットで言えば2.5%。
2035年に累積1万じゃなくて、その年に1万にしたいってことですか?
目指すっていう。マンションまで入れるともうちょっと増えるので、その中で1万っていうのをまずは目指そう。って考えると、都内で言えば5%とかぐらいまで入ったら、これはすごいことだというふうに思ってやってます。なので長期的には、僕ら今住宅を作ってますけど、住宅を作ってる会社さんと組むってこともやるので。
それはもうシステム側をやるみたいなことですか?
僕ら、ロボットとAIをお客さんと一緒に、デベロッパーさんと一緒に組み込んで、新しい製品を共同で作ってくってこともやりたいと思っているので。
どちらかというとやりたいのはそっちなんですか? 家を作るそのことより。
どちらもなんですけどね。やっぱり家を作ることをやらないと、そっちもいけないと思ってるんですよね。家作りのノウハウは、これはやってみたら分かるんですけど、ものすごい高度なので。これはこれで組み合わせないと、AIとかロボットだけ分かっててもやっぱり無理なんですよ。
そこを高度に組み合わせてることによって、そういったこともできるようになるので。最終的には広くいろんな方に使っていただくってイメージがあるんですけど、最初はやっぱり自分たちでブランドを作っていくとか、体験を作ってく上で家を作るのは両方大事で、両方走らせていくっていうイメージでいます。
なるほど。今は戸建てですけど、マンションとかも入ってくるイメージですよね。何かハードルはあるんですか?
全然あると思いますよ。そもそもレールの施工とかも明らかに新しいテーマになりますから。ただ、僕が社内や社外でもよく言ってるのは、例えば食洗機って累計、今1000万台ぐらい売れてるんですよね。食洗機ってもう新築の家には大体入ってるじゃないですか。
増えましたよね、本当に。
あれって要は工務店が施工しやすいような規格を作って、ポンと入れられるようになったわけですよね。
もうシステムキッチンの中の一体化みたいな感じになってますよね。
給湯器とかもそうじゃないですか。給湯器だったら、よく考えたらあんな大きいものが、とか。エアコンとかもそうですけど、あれがなんで今家に入ってるかって言ったら、そういうメーカーさんが工務店やデベロッパーと一緒に組みながら、施工ノウハウをみんなが蓄積していって、今この時代になって、みたいな。それと同じことはAIロボットでも起こせると思ってるんで、長期的にはエアコンとか食洗機ぐらいの存在にはなりたいんですよね。
そのパイオニアになっていくっていうようなイメージなので、ハードルはもちろんあるんですけど、一緒にデベロッパーさんと施工の基準を作っていくのが大事かなと。そのためにも自分たちで最初作ってるっていう実績が大事かなっていう。
でも必ずしもそれは分譲でなくてもいい。賃貸だったりとかタイムシェア的なものだったりでもいいですけど、今まず分譲でやってるのはどういう理由なんですか?
やっぱり入れやすいっていうのはありますね。分譲でやれば1棟だけを考慮すればいいので、最初やりやすいですね。ある程度広く、ここが150平米ぐらい、もう1棟の方は130平米ぐらいですけど、それぐらいあるとやっぱり隠しやすかったりとかもするんで、いろんな意味でスペーシング的な意味でも実験しやすいっていうのはあるので。
今、2026年現在じゃないですか。先ほど見ていただいたようなのはトレーラーハウスっていうすごい実験的な家にロボットを入れましたけど、来年、2027年には130から140平米ぐらいで家を作ろうと思って。横浜に今日土地を仕入れたんですけど、そこにもロボットを入れて、実際生活できる。僕とか浅谷が住むんですけど。
あ、そうなんですか。
まずは住んでみて、実際体験が良くなるのかっていうのは、やってみないと分かんないんで、そこをやるんですけど。その辺りからだいぶ、どうやって家に組み込んだらいいのかっていうノウハウが溜まってくるんで、そこから2028年の本ちゃんの製品に近づけていくっていう、そういうステップで考えてます。
なるほど。でもこれ、本当に多分住宅にも限らないぐらいになってきませんか。
僕らが今考えてるのは、住宅っていうこの空間を変革できたら、他の空間も絶対変革できると。住宅が1番複雑なんで、やっぱり。
そうですよね。人間の動きがランダムすぎるのと、ライフスタイルも違うし。
ライフスタイルも違うのと、タスクの細かさが普通じゃないんですよ。なので、これができたら多分いろいろできるでしょと。今僕らが想定してるのはホテル、小売。この辺りはまず絶対入るし、あと介護みたいな領域、高齢者住宅的な領域にも、必ずこれは入っていくので。そこは実はターゲットには、もうスコープに入っています。
確かに。高齢者住宅とか本当に需要高そうですよね。やっぱり職員の方みんないつも大変ですから、そういう雑務的なことはロボットにやってもらって、ケアに時間を割けたりとか、そういうのはありますもんね、本当に。
僕らとしては、AIロボットのテクノロジーにとにかく投資をして、まず素晴らしい技術を開発できるっていう体制を作りつつ、そのユースケースとして住宅っていうものにフォーカスをして販売していくってことが、戦略上まずいいと思ってるんで。そこからユースケースを広げていくっていう。
1番高い山から登るみたいなことなんですかね。
はい。やっぱりヒューマノイドを1個ボーンと作って、それを大量製造して、製造工場に入れていくとかっていうのって、非常にレッドオーシャンで、誰でも想像つくもので、最終的にはコストの勝負にしかならない領域になっていくし。そういう領域で勝負をするっていうのは、あんまり僕らはいいと思ってないんで、誰もやってないところで、産業を絞ってやってくってことが、戦略上すごく大事っていうふうに思ってる。
なるほど。ただ、家って本当に長く住む場所であって、こういうテクノロジーが出てきて、AIなんて本当この数年ですよ。5年、10年ぐらいと言ってもいいぐらいで、家って40年、50年ぐらい住む場所で、それだけの長い期間、今あるようなテクノロジーが使われてきた実績はまだないっていうところで。家にそれが入ってく、その耐久性だったり、寿命みたいなのは、どういうふうにお考えですか?
まず来年に家を作って一緒に住むっていう話をしましたけど、実際それで1年間の春夏秋冬をロボットと生活して、まず1年間の耐久テストはしますと。販売していく形になるんですが、基本的に定期的な管理料をいただいて、いろんなメンテナンスをするような仕組みにはなっておりますので。その中にロボットの交換であったりとか、修理、故障修理みたいなところも企業としては担う形で、まずは家を運営していくという形になります。
おそらく耐久性の面を考えた時に、製品を売るまでに10年間チェックしなきゃいけないかってなると、周りのテクノロジーに圧倒的に遅れてしまうというふうに思いますんで。まず私たちが1年間検証をして、それで大丈夫だったらまずは売っていって。それで故障とかそういったものが出てくるかもしれませんが、それを私たちが定期的に修理していくというところで、耐久性もちゃんと確認していくというところで、周りの国々に遅れないように、ちゃんと製品を早めに出す。
広げていく。そう考えていこうと思ってます。なるほど。
だから最初からすごくあまり手広くやるよりは、その一種のコミュニティの中で広げていって。でもだからこそ、最新のものを入れていって、性能を見て改善できるみたいなところはあるわけですよね。
レールの下部分にハードウェアが来るんですね。なので、この下は交換可能なモデルにはしていくので、5年とか10年とか使って、さすがにダメになったねってなれば、最新のものを。iPhone 18じゃないですか。ムーボット1が最初なんですけど、2、3、4っていう感じで世代をどんどん上げていって、やっていくっていうことは想定してます。
なるほど。そうですよね。分かりました。最後にお2人ともに伺いたいのが、今後どうですかね。MWという会社自体はまだ2年ぐらいですよね。でも住宅って、最初からかなり長くやる前提みたいな事業だと思うんですけど、5年、10年考えた時に、お2人それぞれ、特にここは頑張んなきゃなって思ってらっしゃることとか、5年、10年後にどういう家っていうのが世の中に出てきてるか、どういうふうに今想像されてるか伺えますか?
そうですね。もともと、この会社、自分は30年まずやるって決めてるんですね。その30年をまず1つの区切りで、これは僕の世代で、会社としては別に100年でも200年でも続く会社っていうふうに思ってやっていて、あんまり短期でものを考えてないんですよ。全然もう何十年でもやるつもりでやってるので、だから家っていうのを選んでるっていうことですよね。
だから別に短期で売却したいとか、お金を稼ぎたいとか、そんなふうに思ってやってる会社では根本的にないので、本当に新しいライフスタイルを世の中にどうやって作るかっていうことだけを考えて、自分としては経営してるつもりなので。そういう意味では、そこは別に関係なく、本当にいい、新しい常識を作れるっていうことがすごく重要だなって思ってるんで。
本当にこのフィジカルAIっていうのが、何て言うんでしょうかね、車とかが生まれるとか、自動運転が生まれるとか、そのレベルの技術革新なんで。それにずっとお客さん目線で挑戦し続けるっていうことができれば、未来は本当に面白い家が作れると思ってるんで。
僕ら、アイアンマンみたいな家ってよく言ってたんですけど、アイアンマンに出てくるような家って、ジャービスってAIが搭載されてて、ロボットスーツが出てきてくれて、ロボットがスーツをつけるのを手伝ってくれるんですけど、そういうレベルの家っていうのが、最終的には作れるはずなんで、そこを目がけてやっていく。
さらに、生まれたテクノロジーから波及的にいろいろな、さっきの業界、介護だったりホテルだったり小売だったりっていう、そういう業界にどんどん広げていければ、それは日本においてすごく重要な価値を持つ会社になると思ってるんで、本当にそれをただ目指して、長期目線でやっていけるといいかなと、自分としては思ってますよね。
なるほど。いかがでしょうか?
私は昔からドラえもんを作りたいっていう夢がありまして。ジャービスとかアイアンマンではない別のものではあるんですけど、それが昔からずっと思ってたことなんですよね。
このMWに、ムーボットっていう、人とロボットが生活する環境を今から作っていくとなった時に、これが言えば一種のドラえもんなんじゃないかなというふうに思ってまして。それが自分のずっとやりたい夢だったので、それはもう達成できるまでやり遂げられるんじゃないかなというふうには思ってます。
残念なことに、ドラえもんはヒューマノイドと言いますか、床を歩いていますが、ちょっと浮いてるらしいですけども。歩いてるわけではなく、浮いてはいるんですけども。ただ、こういった別の形でドラえもんみたいなものを実現できるんじゃないかなというふうに思ってるので、それが達成できるまでここで頑張っていきたいというふうに思ってます。
なるほど。分かりました。ここまでMWの成田さんと浅谷さんと、「家事ロボットの正解は人型じゃない」というテーマでお送りしてまいりました。本日もご視聴いただきありがとうございます。ぜひCROSS DIGの公式Xのフォロー、そしてチャンネル登録と高評価もお願いいたします。
成田さん、浅谷さん、本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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