ベトナムは日本のIT人材不足を補えるか:FPTジャパン経営陣が語るAI活用、教育エコシステム、「サムライスピリット」
TBS CROSS DIG with Bloomberg日本では2030年に約80万人のITエンジニアが不足すると予測され、老朽化したシステムが経営の足かせになる「2025年の崖」も指摘されてきた。TBS CROSS DIG with Bloombergの対話番組「CROSS DIG VISION」(FPTジャパンホールディングス提供)では、MCの笹川友里が、FPTジャパンホールディングス取締役会長の谷原徹氏と、同社代表取締役社長のド・ヴァン・カック氏に話を聞いた。議論の中心は、オフショア開発の委託先と見られてきたベトナムを、日本企業はどう位置づけ直すべきかという問いである。両氏は、コスト削減の手段ではなく「戦略的ビジネスパートナー」として向き合うべきだという立場を一貫して示した。
43年IT業界にいた谷原氏の問題意識
谷原氏は元エンジニアで、IT業界に43年在籍し、役員経験も20年ほどになるという。FPTジャパンに入社した理由について、日本企業がグローバルに出ていく際の橋渡しをしたかったと述べた。
笹川が日本のIT投資の水準を尋ねると、谷原氏は、IT投資額全体では日本は世界でも上位にあると思う一方、最先端技術やAIへの投資額は低いのではないかとの見方を示した。今もっとも重要なのは最先端分野にどれだけ投資するかだ、というのが谷原氏の考えである。
従来、日本企業はインドや中国を中心にオフショアの形で海外の開発力を活用してきた。ただし課題も増えてきたため、FPTでは「AIファースト」を合言葉に、AI駆動開発やAIプラットフォームの整備と若手人材の育成を進めていると谷原氏は説明した。高度な技術を持つ外国人材は不可欠だが、日本の文化やきめ細かな業務を理解するには相当な時間がかかる。谷原氏は、その時間を短縮するのがAIだとする。さらにベトナムが注目される理由として、日本との国交樹立から53年目を迎え、中立的な立場で各国と戦略的な協力関係を築いて評価されていること、IT人材が50万人以上いて日本語を話せる人材が多いことを挙げた。
なぜベトナムはIT国家を目指したのか
谷原氏によれば、ベトナムは戦争の影響もあって、かつてはアジアの貧困国と言われていた。しかし近年は経済成長率が約8%に達し、人口も1億人を超えた。その背景として、国が国家予算を投じてIT産業の発展を後押ししていることを挙げる。谷原氏は、ベトナムのAIは日本より3年ほど進んでいるのではないかとの見方を述べた。笹川が「AIにとっての3年はとても大きい」と応じると、谷原氏も同意した。
ベトナムで育ったカック氏は、国がITを国家戦略とした理由を次のように説明した。25年前のベトナムは非常に貧しく、機械産業などの製造業も発展していなかった。世界と戦うための最大の武器は若い人口だった。現在のベトナムの平均年齢は33歳ほどで、若い人たちはよく勉強し、変化にも柔軟であるため、ITと相性がよいとカック氏は考えている。
谷原氏はこの状況を、30年前、40年前の日本を想起させるものだと表現した。若い人たちが国を支えており、ハングリー精神とチャレンジ精神が旺盛な若者が非常に多いという。毎年5万人ほどのIT人材が大学を卒業しており、中国やインドと比べれば人数はまだ少ないが、対応力は増していると谷原氏は評価する。
オフショア拠点から戦略的パートナーへ
日本はどう対応すべきかという問いに対し、谷原氏は、これまでベトナムをオフショア拠点として使う目的はコスト削減や要員の供給力確保だったと振り返った。だが今後は、高度なテクノロジーを持つベトナムの人材と、単なるパートナーではなく戦略的ビジネスパートナーとして向き合い、何をどう変革し、何を作るかを一緒に考えることが重要だと述べた。
FPTはDX、半導体、AIなどを重点施策に掲げている。谷原氏は、これらはベトナムの国家戦略とほぼ重なっていると説明した。強みはITとOT(制御・運用技術)の融合を包括的に支援できる点にあり、そこに、きめ細かな業務やものづくりの経験を持つ日本企業との協業と共創が加われば、日本経済を取り戻すきっかけになると谷原氏は「信じている」と語った。
国内ですでにそうした動きは始まっているのかと問われると、谷原氏はFPTが大手企業約600社と取引していると答えた。日本企業がグローバルに拠点を設ける際の橋渡しに加え、最近は変化も出てきているという。従来の延長線上では成長が難しくなった日本企業が、いったん「ゼロクリア」して、3年後、5年後、10年後のTCO(総保有コスト)を下げるためのコスト最適化を、最先端技術を使って提案してほしいと依頼してくるケースが増えている。技術者が中心となって発信し、実績も出てきたと谷原氏は述べた。
変われない企業はどうなるか
笹川は、レガシーを抱え、自分たちのやり方を変えたがらない日本企業も多いのではないかと問いかけた。谷原氏は、AIはハルシネーションも起こすため、人間を中心に置いてAIをパートナーとして使いこなす「ピープルセントリック」な企業がビジネス変革を起こし、成長企業になると考えている。
谷原氏は時価総額ランキングも引き合いに出した。30年前は世界のトップ10に日本企業が7社入っていたが、今は日本トップのトヨタでも46位ほどだという。谷原氏はこれを、30年間遅れてきたことの代償だと位置づけ、その差を埋める橋渡しをしながら価値を追求したいと語った。
FPTジャパンの事業規模と成長
2つ目のテーマは、成長を支える「15万人の頭脳」である。カック氏によれば、FPTコーポレーションは1988年にベトナムで設立された、ベトナムおよびASEANで最大級のICT企業で、多くの国で事業を展開している。グループ全体では世界に約8万人のメンバーがいる。日本とベトナムの文化・経済・知識の交流の架け橋となるため、2005年にFPTジャパンを設立した。現在、日本全国で5000名以上のエンジニアが在籍し、そのうちベトナム人スタッフはおよそ半分だという。
谷原氏は、FPTジャパンのサービスについて、コンサルティングからソフトウェア開発、ERP、AI、クラウド、半導体、業務基盤の構築、マネージドサービスまでをエンドツーエンドで提供していると説明した。全業界に対応しているが、特に製造業、自動車、金融が大きく伸びているという。
売上について、谷原氏は今年の目標は1000億円以上で、現時点で達成が見えていると述べた。過去15年間の売上高成長率は27%で、20期連続の増収を続けている。さらに、FPTグループの海外売上のうち日本が40%を超えており、日本は最重要拠点になっているという。
成長の要因:言葉の壁を越える仕組みと人材育成
急成長の要因について、カック氏は、FPTジャパンは当初から日本のSI企業と一緒に事業を始め、顧客とともに言葉の壁を越える仕組みを作ってきたと説明した。そのうえで、最新技術と日本語の能力を持つ優秀な人材を確保するために、育成体制にも取り組んでいると述べた。
その育成体制の特徴が、FPTの教育事業である。カック氏によれば、FPTは2006年にFPT大学を設立し、現在は小学校から大学までの教育機関を持っている。在籍者数についてカック氏は「10万人の学生」と述べた箇所と「15万人の生徒と学生」と述べた箇所があるが、いずれにしても、グループ内で大規模な教育システムを運営していることを説明した。笹川は、教育課程でITリテラシーを高めた人材がそのまま大手企業のFPTに入社するエコシステムだと受け止めた。カック氏は、毎年1万人ほどがFPTグループ各社に入社すると述べた。
谷原氏が「面白い」と紹介したのはインターンシップの仕組みである。FPT大学の学生は3年生になるとインターンシップでFPTに来て、8か月ほどカリキュラムに沿って学ぶ。当然アルバイト料も支払われる。そのため、日本のような新入社員研修はあまりなく、即戦力として入ってくるという。カック氏によれば、インターン後、最後の1年にはFPTでOJTを受けることも可能だという。笹川は、2006年の設立から約20年が経ち、この仕組みが今後も何十年と続くと考えると「ベトナムが強すぎて怖い」気持ちにもなると冗談めかして語った。
FPT大学の取材VTR
番組ではFPT大学を取材したVTRも紹介された。龍(ドラゴン)をかたどった建物が映り、留学生も多く在籍している様子が紹介された。
日本語学科で学ぶ学生は、FPT大学を選んだ理由として、IT分野の教育レベルが高いこと、ITを学びながら日本語も勉強できるため自分の将来の方向に合っていること、さまざまな活動を通して学び成長できる環境に魅力を感じたことを挙げた。将来は日本語を使って働くプログラマーになりたいと話した。別の学生は、日本語IT学科の学生たちについて、エネルギッシュで前向きな人が多く、勉強や仕事に熱心な人が国の成長を支える力になっていると語った。
実際に大学を訪れた谷原氏は、学生たちが自分の将来の夢やあるべき姿を自ら描き、そのためにどうすればよいかをキャリアパスを含めて考えている点が印象的だったという。こうした若い人たちが国を支えていくのだと感じ、日本の若者にもそうあってほしいと述べた。また、日本語が上手なことに驚いたといい、日本語学科を選んだ学生だからという面はあるにせよ、ベトナムの学生は英語も上手で、その点は日本にはない特徴だと語った。
ベトナム人の親日的な国民性について問われると、カック氏はベトナム人は日本や日本人が大好きで、日本に行きたいという人が多いと答えた。谷原氏は、日本の精密できめ細かな事業を学びたい、日本という国をもっと知りたいという声が多いのではないかと補足した。カック氏は、若い人たちは漫画やアニメなど日本の文化が好きで、特に日本の「侍スピリット」も広く浸透していると述べ、これが最後のテーマにつながった。
「サムライスピリット」はベトナムにある
3つ目のテーマは「日本企業を救うサムライスピリット」である。谷原氏は、30年前の日本で言われていた「サムライスピリット」という言葉が、今はベトナムに存在していると語った。ベトナムの若手はハングリー精神が旺盛で、勤勉にチャレンジする風土と粘り強さがある。かつての日本の若者もそうだったが、それが今はベトナムに移っているという見方である。谷原氏は、顧客から「今年は元気な新入社員が入ってくれた」と聞いて調べてみたらFPTの技術者だった、という話をよく聞くとも述べた。カック氏自身にも侍スピリットがあるかと笹川が尋ねると、谷原氏は「むちゃくちゃありますよ」と笑いながら答え、ハングリー精神が半端ではなく負けず嫌いなところがあると評した。
今後の日本企業との向き合い方について、カック氏は、FPTの若いエンジニアにはチャレンジ精神があり、それが顧客側のモチベーション向上にもつながっていると聞いていると述べた。顧客からは、FPTのベトナム人エンジニアと仕事をすると30年前の日本の姿を思い出すと言われたという。カック氏は、FPTジャパンの社員一人ひとりが顧客の相棒として一緒に成長していきたいと語った。谷原氏は、自分がパッションを持っていなければ相手には伝わらず、そこを変えなければ日本も変わらないと付け加えた。
AIはエンジニアのライバルではない
AIの台頭でシステムエンジニアは不要になるという議論について、谷原氏は、AIはエンジニアのライバルではなく最も優秀なパートナーだと考えていると述べた。電卓が普及しても人の仕事がなくならなかった例を挙げ、むしろAIを使いこなせるエンジニアとそうでないエンジニアの差が大きくなると見る。これからはAIに仕事を奪われるかどうかではなく、AIを使って何倍の価値を生み出すかが問われる時代であり、FPTはピープルセントリックを軸にAIと共生しながら価値を追求する体制を整え、教育にも注力したいと語った。
AIとエンジニアは共存できるかと問われると、谷原氏は「できると思う」と答えた。そのうえで、エンジニアである以上、要素技術はしっかり確立したものを学んでほしいと強調した。その上に立つのがパートナーとしてのAIである。先端技術は次々と変化し進化するが、それを受け止める土台が揺らいでいては意味がない。新しいChatGPTのモデルが出てきて圧倒的な速さで処理できるようになっても、人間からの要求がなければ使いこなすのは難しい。人間がやるべきことと技術ができることを切り分けて考えることが、AIをうまくパートナーとして活用することにつながると谷原氏は述べた。
カック氏は、今の時代のエンジニアはAIを勉強しなければならず、AIを使えない会社はだんだん減っていくと思うと語った。
求められる人材の変化と、日本企業の風土
笹川は、トップレイヤー以外のエンジニアの仕事はAIでおおむねできるのではないかという話を多くの企業から聞くとして、エンジニアに求められるものが高度化しているのかを尋ねた。谷原氏は、採用人数の多寡ではなく、求める人物像が変わっていると答えた。単純な開発作業だけを行う人ではなく、AIを活用しながら顧客の課題を解決できる人材が求められている。人間はビジネス変革の担い手へと進化しなければならず、FPTも積極的に採用を続けるが、その中身はより高度になっていくという。谷原氏は、明確な答えはないとしたうえで、答えを見つけるために教育があると考えており、教育を基盤にしっかり取り組みたいと述べた。
技術力に加えて人柄や対人力も求められるのかという問いに対し、谷原氏は話を企業風土に広げた。DXという言葉が叫ばれて3〜4年になるが、日本企業の風土を変えなければチャレンジは生まれない。企業の中核にある減点主義のイメージを変え、企業風土を変える活動につなげることが日本の再生にとって一番大事だと谷原氏は考えている。笹川はこれを、試行錯誤やチャレンジを良しとする風土と言い換え、変えるには時間がかかりそうだが今変わらなければならない、と応じた。
両氏からのメッセージ
最後に、日本企業がAIトランスフォーメーションの時代を生き抜くためのメッセージを求められた谷原氏は、不確実性の高い社会、急速な変化、複雑な課題に直面しているのはベトナムも日本も同じだと述べた。そのうえで、特に日本企業にとってはものづくり復活に向けた大きなチャンスがあると考えているという。AIの進化によってマイグレーションが短縮され、「2025年の崖」と呼ばれた問題に関わるレガシーシステムのモダナイゼーションが進むと見ており、侍魂を共有するビジネスパートナーとして日本企業とともに歩みたいと語った。
カック氏は、ベトナムの若い人たちと日本企業がともにグローバルに展開していきたいと述べた。ベトナムの人材をただ活用してもらうだけでなく、日本企業にとっての本物のパートナーになりたいというのが、カック氏の締めくくりの言葉である。笹川は、互いの強みと知恵を出し合い、タッグを組んで世界に出ていくということだとまとめた。
日本のITへの投資っていうのは、世界的に見てどのような感じなんですか?
IT投資額全体と捉えると、世界では上位レベルだというふうに思ってるんですが、最先端技術、AIに対する投資額っていうのは、私は低いんではないかなと。今は高度なテクノロジーを有するベトナム人材と戦略的ビジネスパートナーとして向き合って、どう改革するか。
IT人材を育成するために、IT大学を設立しました。小学校から大学まで10万人の生徒、学生がいます。
30年前に叫ばれたサムライスピリッツ。その言葉、今ベトナムに存在してます。
クロスディグをご覧の皆様、こんにちは。笹川友里です。
日本企業を悩ませる深刻なIT人材不足。しかし、その救世主となる最強のパートナーが存在することをご存知でしょうか? 本日のクロスディグは、日本の生存をかけたITサバイバル戦略を紐解きます。日本では2030年に80万人のITエンジニアが不足するとの予想があり、さらに2025年の崖と言われる問題も生じているんです。
現在、日本のIT分野では様々な問題を抱えています。この問題を受け、海外の方の受け入れが課題となっていますが、以前から日本のIT分野ではオフショアという形で海外の方々が活躍しています。そんな中、近年注目されているのがベトナムです。その代表的存在がFPTジャパン。高度な技術力と豊富なIT人材、さらには独自の教育体制を強みとして展開しています。
そこで今回お話を伺うのは、FPTジャパンホールディングス取締役会長、谷原徹さんです。そして、FPTジャパンホールディングス社長のド・ヴァン・カックさんにお越しいただきました。お二人とも改めてよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
谷原さんは、元々はエンジニアでいらっしゃったっていうことで、もうずっとこの40年、日本のITを見続けてきて、今は世界と向き合っていらっしゃるっていうことですが。
そうですね。私は43年間この業界にいて、業務も全業担当してきましたし、そのうち役員としてももう20年ぐらいになるので、日本企業がグローバルに出る時の橋渡しができればいいかなというふうに思って入社しました。
日本のITへの投資っていうのは、世界的に見てどのような感じなんですか?
IT投資額全体と捉えると、世界では上位レベルだというふうに思ってるんですが、かたや最先端技術、AIに対する投資額っていうのは、私は低いんではないかなというふうに思ってます。今一番大事なのは、やっぱり最先端にどれだけの投資をするかっていうことが、非常に日本にとっては重要だなというふうに思います。
本当にここから世界に食いついて、また元気な日本を取り戻すためにも、今向き合わなければならない問題なのかなと思います。
そうですね。以前、やっぱりインドとか中国を中心に、オフショアという形で海外を活用してたんですね。題とオポテカルにより課題も多くなってきていることで、対策としてFPTでは、やっぱりAIファーストっていう最先端技術を合言葉に、AI駆動開発とかAIプラットフォーム環境っていうのをしっかり整えて、プラス若手人材を今育成してるっていうことですね。高度な技術を持つ外国人材が不可欠だというふうに思ってます。
ただし、日本文化やきめ細かな、その時間は相当かかるというふうに思ってるんですけど、実はその時間を短縮するのがAIなんですよね。だからしっかりそのAIを活用する。その中で国立53年目を迎えて、世界の国と戦略的協力関係を組む、中立国として非常に評価されてるし、また日本語を喋れる人材が非常に多い。IT人材50万人以上いてるんですけど、プラス日本語を喋れるっていうことで、今ベトナムが注目されてるという感じです。
今ベトナムというキーワードが出たということで、改めて今日は、この三つのテーマに沿ってお話を伺っていこうと思います。覚醒するIT国家ベトナムとは? そして成長を支える15万人の頭脳、さらに日本企業を救うサムライスピリットということで、まずは一つ目のトークテーマに参ろうと思います。覚醒するIT国家ベトナムということで、改めて今なぜベトナムが注目されているかというところからお願いします。
そうですね。やっぱりベトナムっていうのは戦争の影響もあって、90年前ではアジア貧困国っていうふうに言われてました。しかし近年、急速な成長、なんとGDPは約8%ですね。人口も1億人を超えるなど、成長が著しいと。これなぜかって言えば、国が国家予算を投じてIT産業の発展を後押ししてる。
ベトナムほど押し進めているっていう事例は珍しいんですか?
ベトナムは特にIT国家として国を再生していくっていうことにすごく注力してますね。AIに対してもそうですし、日本で長くこの仕事をしてますけど、ベトナムのAIっていうのは、やっぱり日本より3年ぐらい進んでるんではないかなというふうに思ってます。
AIにとっての3年って、めちゃめちゃ大きいですよね。
めちゃ大きいです。
一方で、カックさん、ベトナムにずっと住まれていましたし、育ったということで、ベトナムはなぜITを国家戦略としたんですか?
25年前、ベトナムはすごく貧乏な国でした。機械産業とか小も発展していなかった。世界と戦うために、ベトナムの若い人口と知恵は最大の武器で、現在ベトナムの平均年齢は33.3歳で、その若い人たちは勉強し支合い、変化もたくさんあるので、IT企業も合うと思います。
平均年齢が33歳。
33歳。
そんなあるんですかね。日本人からすると驚きがありましたけど、その勢いっていうのをきっと感じてらっしゃるんですね。
まさしくもう30年、40年前の日本を彷彿とさせるように、やっぱり若い人たちが国を支えてるっていう。その分ハングリー精神で、チャレンジ精神旺盛だという若い人が非常に多いです。
今、若い方が特に多いって聞くと、やっぱりITだったりAIにすごく興味をお持ちの方が多いんじゃないかなと思いますけど。
毎年若手の人材が大学を卒業して、5万人を輩出してるっていうことで、まだまだ中国とかインドとかと比べるとIT人材は少ないんだけど、対応力が増してるっていうことで、若手が国を支える一つの形ではないかなというふうには思います。
そういったIT、AI先進国っていうのが近くにある中で、日本は逆にどういう対応を取っていくと、世界と向き合っていくのによろしいんでしょうか?
そうですね。やっぱり今までのオフショア拠点としてベトナムっていうのを活用する目的っていうのは、コスト削減とか要員供給力っていうのを目的として対応されてたんですけど、今は高度なテクノロジーを有するベトナム人材と、単なるパートナーではなくって、戦略的ビジネスパートナーとして向き合って、どう改革するか、作るかっていうのを一緒になって考えていくっていうのが、僕は重要だと思います。
FPTって、開発からグリーントランスフォーメーションとか半導体とかAIなどを重点施策として掲げて、これは今、高市政権が掲げるものとほぼ一緒です。お客さんが求めるITとOTが融合したものっていうのを包括的にサポートすることが強みであって、プラスきめ細かな業務やものづくりの経験を有する日本企業との協業とか共創は、僕は日本経済の失われたものを取り戻すきっかけになるっていうふうに信じてます。
じゃあ、前まではオフショアとして、発注先みたいな感じでしたけど、もうここからはお互いの知恵を出し合って肩を組んでいく必要がある。すでにそういった動きっていうのは国内でも始まってるんですか?
あります。はい。我々は600社ぐらいの大手企業と取引してて、日本企業がグローバルに拠点を設ける時に、我々がそれを橋渡ししていったり。また今変わってるのは、今までの延長線上ではなかなか成長は難しくなってる日本企業っていうのを一回ゼロクリアにして、3年、5年、10年後のTCOを削減するためのコスト最適化みたいなところを、最先端技術を使って、MGさんに提くださいみたいなところがどんどん増えてきてる。
これ、カック中心に技術の人間がかなり発信してるので、実績もかなり出てきたっていうこともあって、もっと日本企業とのやり取りを強化していかないといけないなと思います。
なるほど。レガシーをすごく持った企業って日本にも多いと思うんですけど、その独自の自分たちの思いだったり考えを変えない、いいところもあると思いますが、変える必要もある気がしてて、これってここで変えられない企業って今後どうなっていくんですか?
AIっていうのはハルシネーションも起こすから、やっぱりピープルセントリックみたいな、人間が中心にAIをパートナーとして使いこなす企業が、僕はビジネス変革をもたらす成長企業になるというふうに思ってます。
今、時価総額を世界で見て、30年前、日本企業がトップ10のうちに7社あったんですよね。今まさしく日本トップのトヨタですら46位ぐらいですから。それだけこの30年、遅れてきた代償がここに来てるっていうことなんで、その中で一つでも我々がそこを橋渡ししながら、価値を追求できたらいいなというふうには思ってます。
さて、続いて二つ目のテーマは成長を支える15万人の頭脳です。どのようなサービスを展開して、なぜ今急成長を続けられているのか、深掘りしていきたいと思います。カックさん、改めてFPTジャパンというのはどんな会社なんでしょうか?
FPTコーポレーションは1988年にベトナムで設立しました。ベトナムのみならずアジアでも最大級のICT企業です。今、FPTは1以上の国々で事業を展開しています。グループ全体の中で、世界中に8万人ぐらいのメンバーたちがいます。
ベトナムと日本の文化、経済、知識交流の架け橋となり、日本のお客様に最大の価値を届けるために、2005年にFPTジャパンを設立しました。現在、FPTジャパンは日本全国で5000名以上のエンジニアたちが在籍しています。その中でベトナム人のスタッフは半分ぐらいです。
FPTジャパンっていうのは、グローバルでFPTグループで見た時に、どんな存在なんですか?
提供するサービスっていうのは、コンサルティングからソフトウェア開発。あとERPとかAI、クラウドとか、半導体とか業務基盤の構築、あとマネージドサービスみたいなところですね。多様なサービスをエンドツーエンドで展開しています。全ての業界に対応していますが、特に製造業とか自動車とか金融といった業界は、今大きく成長してます。
FPTジャパンの売上で考えた時に、ものすごいのかなと思ってるんですけども、どんな状況ですか、今?
今年の目標は1000億以上ですけど、今の現時点でもう達成は見えてるっていうことですね。
そうですか。
過去15年間、売上高成長率って27%っていうのを続けてるので、20期連続の売上増加してます。FPTグループの海外売上だけの比率は、なんと日本が40%を超える、最重要拠点っていうふうになってます。
グローバル全体の中での日本の売上が40%。そんなに。
はい。
このFPTジャパンが急速に成長している、一番の要因っていうのはどの辺りになるんですか?
最初からFPTジャパンは、日本のSI会社と一緒に協業から始めました。そして、お客様と一緒に言葉の壁を超えるための仕組みを作りました。最先端の技術と日本語能力を持つ優秀な人材を確保するために、育成体制にも取り組んでまいります。
本当に優秀な方が育っていく、また確保するための戦略だったり仕組みがあるんじゃないかなというふうに思っているんですが、改めてどのような戦略を打ち出されているのか、カックさん、教えていただいてもいいですか?
特徴は私たちの育成システムで、FPTエデュケーション体制です。2006年にFPT大学を設立しました。今、FTL線の中は小学校から大学まで10万人の学生がいます。
ちょっと待ってくださいね。FPT大学を作って、小学校から?
そう、はい。小学校から大学生まで、今全国で一のキャンパスを持って、15万人の生徒と学生。人材も育成するために、それを設置しました。
だって、その教育でITリテラシー高く育ってきたら、それはトップ企業であるFPTにそのまま入社っていう、素晴らしいエコシステムができますもんね。
毎年1万人ぐらいはFPTの各子会社に入社します。
これ面白くて、3年生になるとインターンシップでFPTの勉強に来るんですよ。
大学生ですよね。
8か月間ぐらいそのカリキュラムで勉強して、当然それ、アルバイト料ももらうんですけど。だから日本みたいに、新入社員が入って新入社員教育ってあまりないんですよ。
なるほど。
即戦力で入ってくるっていうのがあって、これは非常に大きいですよね。大学を有してる。
そんな方々が5万人ずつ出るんですか?
出ます。
インターンシップをした後で、最後の1年はFPTに、ニアJもOJTも受けることが可能です。
大学が設立されたのは2006年ってことで、もうすでに20年間、最初の何年かはまだ卒業生いないと思いますけど、出てきた。これがまたこの先何十年も続くって思うと、一種の、逆にベトナムが強すぎて怖いみたいな気持ちも浮かんできますが、その大学があまりにも気になるということで、取材したVTRをご用意しておりますので、一緒にご覧ください。
気になります。まず、建物が素敵ですね。
これ龍なんです。
龍?
ドラゴン。
ドラゴン。
綺麗ですね。
30個の専攻が。
留学生も結構いらっしゃるんですね。
こんにちは。私は中本と申します。今、私は日本語学科で勉強しています。
日本語学科。
私がFPT大学を選んだ理由には、IT分野の教育レベルが高いからです。また、ITを学びながら日本語の勉強もできるため、自分の将来の方向に合ってると思いました。さらに、学生が様々な活動を通して学び、成長できる環境にも魅力を感じました。将来は日本語で働くラマになりたいです。ITの専門知識と日本語の力を頑張って勉強しています。
日本語IT学科。
ベトナムの若者はとてもエネルギッシュで、前向きな人が多いと思います。勉強や仕事に対して熱心な人が多く、国の成長を支える大きな力になっていると感じます。将来はとして働きたいです。そのため、日本語だけでなくITの専門知識についても勉強しています。
実際に谷原さんも行かれたことある?
あります。すごく、どういうかな、気的です。自分の将来の夢、あるべき姿を自分で描いてる。そのためにどうしたらいいかっていうことを、キャリアパスを含めて考えてる。こういう若い人たちが国を支えていくんだなと。僕も日本にも持ってほしいっていうふうには思ってます。
他に印象的だったことってありますか?
そうですね。やっぱりびっくりするのは、日本語が上手です。
皆さん一律ですか? それとも日本語学科を選択されてる方?
当然、日本語学科を選択されてる方だと思うんですけど、ベトナム人って英語も上手なんで。そういう感じはすごく、やっぱり日本にはない。
ベトナムの方々って、すごくフレンドリーな方が多い印象があって、それはもう国民性でいらっしゃるんですか、カックさん。
特にベトナム人は、日本のこと、日本人が大好き。日本にっていう人は多いです。
歴史的な背景もあると思うんですけど。
そう。やっぱり皆さん言うのは、日本の精密な、きめ細かな事業みたいなところを勉強したいっていうか、それと日本の国をもっと知りたいっていうのが結構多いんじゃないですかね。
ベトナムの若い人たちは、日本の文化が好き。漫画とかアニメとか。特に日本の侍も長しています。
今サムライスピリットというワードが出てきたんですけれども、本日最後のテーマに移ろうと思います。最後のテーマは、日本企業を救うサムライスピリットです。
やっぱり日本で30年前に叫ばれたサムライスピリッツっていう言葉ですが、その言葉、今ベトナムに存在してます。それは、ベトナムの若手はハングリー精神が旺盛で、勤勉、チャレンジする風土と粘り強さがあるっていうことで、これ、従来日本の若い人たちもそうであったように、今それがベトナムに行ってるっていうことで。
面白い話が、お客様から「もう今、元気な新入社員が入ってくれた」と。調べてみたらFPTの技術者やったという話は、結構よく聞くんですよ。
ベトナムの若手の方々は、皆さんサムライスピリットを心に持っていらっしゃるんですね。カックさんにもやっぱり侍。
むちゃくちゃありますよ。
ありがとうございます。
ほとんど、やっぱりハングリー精神というのは半端じゃないので、負けたくないとか、そういうところはすごいあります。
でもカックさんに伺いたいんですけど、今後、日本企業との向き合い方としては、FPTジャパンとしてはどのようにお考えなんですか?
FPTの若いエンジニアたちは、一、チャレンジ精神があります。それがお客様の方のモチベーションの向上にも繋がっていると、その化いてます。お客様からは、FPTとベトナムのエンジニアたちと一緒に仕事をすると、日本の30年前の姿も思い出すと聞きました。FPTジャパンの社員一人も、お客様の相棒として一緒に成長していきたいと思います。
自分がパッション持ってないのに、相手に伝わらないじゃないですか。これはやっぱり変えていかないと、日本も変わらないと思います。
今、飛躍的にAIが普及していて、AIの台頭によってシステムエンジニアの仕事がどうなっていくか。一種のシステムエンジニア不要みたいなものも世の中あって、本当にいろんな考え方があると思うんですけれども、今その辺り、谷原さんとしてはどう捉えていらっしゃいますか?
そうですね。よく言われるんですよね。でもAIっていうのはエンジニアのライバルではないっていうことで、最も優秀なパートナーっていうふうに考えてます。過去、やっぱり電卓が普及して経ったか、いなくならなかったことで、むしろAIを使いこなせるエンジニアと、そうでないエンジニアの差が、やっぱりすごく大きくなってくる。
これからは、AIに仕事を奪われるかではなくって、AIを使って何倍の価値を生み出すかっていう時代になってるので、非常に重要です。我々はピープルセントリックっていうのを中心に、AIと共用しながら価値を追求していく。何倍もの価値を追求していくような体制を整えていきたいし、教育も注力していきたいなというふうに思ってます。
ということは、AIとエンジニアは共存できる。
できると思います。僕はエンジニアっていうからには、要素技術っていうのはしっかりと確立したものを勉強してほしい。その上に立ち上がるのが、やっぱりパートナーであるAI。でも先端技術っていうのはどんどん変わってくるし、どんどん進化もしてくる。それを受けるための土台が揺らいでたら意味がないので、やっぱりしっかりと要素技術を積み上げながら、その場その場に必要な最先端技術を活用していく。
ただ、ChatGPT 5.6が出てきた。圧倒的に早いスピードだけど、それをさるのは人間の要求がなかったら難しいこともあって、何も推論で自分が自己開発していくかっていうAIの技術であっても、人間がやるところと技術ができるところっていうのをちゃんと切り分けて考えていくっていうことが、うまくAIをパートナーとして活用できるというふうに思いますし、結果、それでビジネスが大きく変化するっていうことが重要じゃないかなと思います。
確かにそうですよね。カックさん、今、AIと人は共存できるかってお話がありましたけど、新規のエンジニア採用が減っていくっていう現象とかってあったりするんですか?
今の時代、エンジニアたちはAIを勉強しないといけない。早くAIができないの会社は、だんだん減っていると思います。
なるほど。確かにトップレイヤーのSEのエンジニアの方以外は、もうAIが大体できるのではないかっていうことを、いろんな会社さんから聞いたりもしていて。やっぱりエンジニアさんに求められるものがかなり高度化しているっていう時代に突入してるんですか?
そうですね。やっぱり採用人数がどうのこうのではなくて、求める人物っていうのは変わってると思うんですね。単純な開発作業だけを行う人でなくって、AIを活用しながらお客さんの課題を解決できる人材っていうのが望まれてると。人間はビジネス変革の2と進化していかないといけないっていうことで、僕たちも積極的に採用って続けますが、中身はやっぱりより高度になってくるっていうことがあるので。
それが、答えはないけども、エデュケーションっていうのを基盤に考えると、やっぱり答えを見つけるために教育があるっていうふうに思ってるので、しっかりそこはやっていきたいなと思います。
その圧倒的な技術力、勉強量っていう土台がありつつ、時代が、技術が変わっていくのに追いつけるかどうかっていうところ。さらには日本のエンジニアさんたちにも、これから人格っていうか、人柄とか対面っていう力も相当求められてくるんですか?
そう。僕は、やっぱりDXっていう言葉が叫ばれても3年、4年になるんですけど、日本の企業風土を変えていくようにならないと、なかなかチャレンジする。減点主義っていう企業の中核にあるそのイメージを、やっぱり企業の風土を変えていくような活動に繋げていくことが、日本の再生には一番大事かなと思ってますけどね。
トライアンドエラーだったりとか。
チャレンジを良しとする風土。
それを変えるのは、なかなか時間もかかりそうですけど。
そうですね。
でも今変わらないとっていうところがありますよね。では最後に、ぜひ谷原さんの方から、日本企業のAIトランスフォーメーションサバイバルという、戦国時代というか、本当サバイバルの時代に突入していると思うんですけれども、生き抜くためのメッセージをいただいてもよろしいでしょうか?
そうですね。やっぱりこの不確実性の高い社会とか、急速な変化と複雑な課題に直面しているっていうのは、これはベトナムも日本も一緒です。世界で特に日本企業は、ものづくり復活に向けた大きなチャンスが、反対にあるんではないかなというふうに考えてます。
AIの進化によってマイグレーションの2025年の崖っていうのが短縮されて、レガシーシステムのモダナイゼーションが進んで、世界と侍魂というのを日ずの関係を持って、ビジネスパートナーとして、日本企業と共に歩めたらなというふうに思ってます。
カックさんもお願いします。
ベトナムの若い人たちと日本企業と一緒にグローバルに展開したいと考えております。もちろん、ベトナムのアソを活用するだけではなく、日本の企業と一緒に本物のパートナーになりたいと思います。
お互いの強みだったり知恵を出し合って、本当にタッグを組んで世界に出ていくっていうところですかね。
ベトナムについても教わりましたし、新たな皆様のチャレンジについても知ることができ、大変なお時間となりました。お話ありがとうございました。
はい、どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
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