鶏と玉ねぎを塩だけで煮込む リュウジが「無添加料理」で伝えたかったこと

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概要

料理研究家のリュウジが、鶏もも肉と玉ねぎを塩だけで45分煮込む料理を作った。普段は味の素などのうま味調味料を積極的に使うことで知られるが、この回では調味料を塩ひとつに絞り、焼き目の付け方と煮込み時間で味を作る。動画の中でリュウジは、なぜあえて無添加の料理を作るのかを繰り返し語り、調理後には同じ鍋をカレーに変えるアレンジも見せている。

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材料は鶏と玉ねぎと塩だけ

材料は鶏もも肉2枚(約600g)、玉ねぎ3個(約600g)、塩、水。鶏と玉ねぎがほぼ同じ重さになる。分量は4人前ほどで、食べ方によって変わるとリュウジは説明する。小皿に取って酒のつまみにしてもよいが、位置づけとしては「塩だけで作る鳥のシチュー」のようなものだという。

乳製品を使わないので、ここからシチューにもカレーにもでき、「全てのベース」になる料理だとリュウジは言う。聞き手にラーメンやパスタにもできるかと聞かれると、どちらもできると答えた。ラーメンにする場合は、玉ねぎがとろとろに溶けているので混ぜそばのようになるという。

玉ねぎは新玉ねぎでもよいと考えていたが、撮影時には売っていなかったため普通の玉ねぎを使った。収穫後に寝かせた「ひね」の玉ねぎでも十分おいしく、どちらで作ってもかまわない。新玉ねぎは春の時期しか手に入らないので、普通の玉ねぎで作れるこのレシピは一年中使える、とリュウジは位置づけている。

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なぜ無添加料理を作るのか

調理の合間に、リュウジは最近無添加料理を作り始めた理由を話した。いまだに「化学調味料を使うと舌が壊れる」と言う人がいる。自分は味の素をよく使っているが、もし舌が壊れているなら、味の素を入れなければ味を感じないはずで、無添加でおいしい料理は作れないはずだ。無添加でおいしいものを作れるなら舌は壊れていない。だからその説は「幻想」だと示すために無添加料理をやっている、という理屈である。

一方で、無添加でおいしい料理を作れることを特別視する風潮にも否定的だ。「たまに無添加で美味しいもん作れるとすごいみたいな人いるけど、全くすごくない」と言い、無添加でおいしく作る方法はいくらでもあると述べる。プロの料理家も、味の素を使うか使わないかでどちらが優れているということはないと言っており、第一線で活躍している料理家なら、そんなことで料理の価値は失われない、とリュウジは話す。

無添加の料理は素材がよければおいしくなる。素材がおいしいからおいしいだけで、たいしたことではない、とリュウジは言う。ただ、誰もが贅沢な素材を用意できるわけではない。だからこそ味の素や調味料がある。食材のうま味に頼らず調味料のうま味で食べられるので、コストが下がり、時短にもなる、というのがリュウジの説明だ。

聞き手との会話では、お金のある人ほど無添加に向かいがちだという話も出た。リュウジは料理研究家になってから付き合いで高価な無添加料理を何度も食べてきたが、自分はどちらでもいいと考えている。そこにこだわっている人は料理のことがわかっていないと思う、と述べ、すぐに「ちょっと煽るようなこと言っちゃいましたけど」と付け加えた。

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下ごしらえは皮をむいて半分に切るだけ

玉ねぎは皮をむき、横半分に切る。輪切りの断面が見える向きで、丸太のような形になる。これで下ごしらえは終わりで、鶏肉も切らない。

調味料がほとんどないので、調理法で味を決めていくしかない、とリュウジは説明する。最初は少し油を使うつもりだったが、その場で油なしに切り替えた。鶏もも肉を皮目を下にしてフライパンで焼き、鶏から出る油だけで調理する。

油を使わない場合はテフロン加工のフライパンが前提になる。テフロン加工でないフライパンを使う人は、少しだけ油を引いて焼けばよいとリュウジは補足した。

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鶏の皮を焼いて油と香りを出す

皮を焼くとメイラード反応で焦げ目がつき、その香りがうま味になる。焼くのは皮目だけで十分だという。焼いているうちに鶏から油がどんどん出てきて、追加の油はいらなくなる。

リュウジは、この料理が成り立つのは鶏から味の素並みのうま味が出るからだと言う。鶏を煮出したものと、鶏ガラスープや味の素を入れて作ったものでは、味の差はたいしてないと思う、とも述べた。体感としては、牛・豚・鶏の中で一番だしが出るのは鶏だという。豚骨もだしは出るが、スーパーではあまり扱わず、大きくて道具も必要なので家庭向きではない。家庭で扱いやすく価格も安定しているのは鶏だ、という見方である。

丁寧な手順を紹介しているが、面倒なら玉ねぎと鶏を全部鍋に入れて塩で煮るだけでも十分おいしい、とリュウジは言う。ただし、それだけだと味が単調になりやすい。焼いて香ばしさをつけるからこそ、ほかの食材がいらなくなる。今回はニンニクすら使っていない。聞き手が珍しいと言うと、リュウジは自分でも普段なら必ず使うと認めたうえで、ニンニクに頼らない料理も十分にできると答えた。

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「ジャンク」というイメージへの不満

焼いている間、話題はリュウジのレシピへの世間のイメージに移った。リュウジのレシピはジャンクで、味の素や麺つゆばかり使うという印象が強くついている。聞き手は昔がっつり系を作っていたころのイメージなのかと尋ねたが、リュウジは、昔からこういう料理も作ってきたのに、みんなが見てくれないのだと答えた。健康的なレシピはバズらないのだという。

最近もX(旧Twitter)で「痩せ飯とかないかな」と書かれたが、リュウジはすでに痩せ飯の本を出している。「マジで何も見てない」と笑いつつ、イメージは大事だと話し、このチャンネルを見ている人がわかってくれればいいと続けた。

リュウジは、自分は味の素を絶対に入れると決めているわけではなく、使わない料理もむしろ得意だと言う。ただ、味の素を使ったほうがおいしくなる料理や、安く作れる料理はたくさんある。だから「味の素を使っているから料理が下手だ」と言われてもかまわない。みんなの幸せのためにいろいろな料理を開拓して伝えたいので、自分のプライドは守らない。味の素を使う料理も、使わない料理もやる。世の中に求められればすぐに作るタイプで、料理人が「この人の味」を決める必要はない、とも話している。

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玉ねぎの断面に焼き目をつける

皮目がよく焼けた鶏は、いったん煮込み鍋に移す。フライパンには鶏の油が残っているので、それを無駄にしないよう、同じフライパンで玉ねぎを焼く。切った断面に焼き目をつけるイメージで、かなり強めの火で焼く。玉ねぎも焼くと香り、甘み、うま味が出るので、ニンニクがいらなくなるとリュウジは説明する。

焼き加減はかなり濃い色がつくまで進める。聞き手が「ここまでやっちゃっていいんですね」と確認すると、リュウジはここまでしっかり焼いてよいと答えた。じっくり焼いた焦げがうま味になり、コンソメや鶏ガラスープがいらなくなるという。新玉ねぎで作る場合は水分が多めになるかもしれない、とも話している。焼いた玉ねぎは鶏の上にのせる。リュウジは「こんな料理見たことないでしょ」と言い、聞き手もどんな仕上がりになるか想像できないと応じた。

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フライパンの焦げを水で溶かして煮汁にする

フライパンには玉ねぎの焦げつきが残る。リュウジはここにもうま味があると言い、水を入れてへらでこそげ取る。すると水が濁り、コンソメのような色になる。鶏の油も一緒に溶け出す。一度沸かすと焦げつきはきれいに取れるので、強くこすってテフロンを傷めないように、と注意している。

水の量は最初に300ccと言ったが、最終的に250ccほどにした。これを鍋に注ぐ。

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塩小さじ1と半分で、蓋をして45分

火加減は弱めの中火。塩は小さじ1と半分、リュウジの見積もりでは8gほどを入れる。塩加減は難しいところなので、まずこの量で様子を見て、足りなければあとで足せばよいという。

蓋をして45分煮る。火加減はポコポコと沸く程度。蓋をすると水分が逃げず、玉ねぎからも水分が出るので仕上がりがよくなると思う、とリュウジは説明した。45分煮ると鶏がほろほろになるという。

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45分後:コンソメのような色のスープ

45分後に蓋を開けると、スープは濃い色になっていた。聞き手は「コンソメみたいな色」と表現した。リュウジによれば、焼いた玉ねぎの焦げが色に出ている。材料は塩と鶏と玉ねぎだけで、ほかには何も使っていない。リュウジはこれを「引き算の料理」と呼び、素材さえよければ、日本の鶏肉はとてもおいしいので、これだけで食べられると話した。

鶏は箸で切れるほどやわらかい。だから最初に切る必要がない。玉ねぎも箸で簡単に崩れる。具材感が好きならそのまま、煮込みのようにほろほろで食べたいならさらに崩せばよいという。

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同じ料理でも、盛り付けで印象が変わる

盛り付けは2通り試した。ひとつは鶏と丸ごとの玉ねぎをそのまま盛る方法で、聞き手は洋食屋のメニューのようだと言った。もうひとつは鶏と玉ねぎを崩して煮込み風に盛り、小ネギを散らす方法。こちらは和風で、居酒屋のつまみのような見た目になる。ひと鍋でメインにもつまみにもなる、とリュウジは言う。七味唐辛子を振ってもよい。

試食した聞き手は、まず玉ねぎが一瞬で溶けたことに驚いた。リュウジは、自分のほかのバズレシピと比べてもうま味が劣らず、むしろ強いくらいだと述べた。塩だけなのに味が複雑なのは「焼いた味」だからだという。スープについて聞き手は、鶏の油がよく溶け出しているのがいいと話した。ビールや焼酎にも合うとリュウジは勧めている。

味変には、マスタード、わさび、からしなどをつけてもよいという。からしを少しつけて食べた聞き手は「合う」と答えた。

崩した煮込み風も食べ比べると、聞き手は味の印象が全然違うと話した。リュウジは、味は全く同じでも、切り方や提供の仕方で味が変わるところが料理の奥深さであり、面白さだと述べた。そのうえで、この料理は焼いて煮ているだけで、あとは時間が解決してくれる簡単なレシピだと強調した。自分は足し算の料理も掛け算の料理も引き算の料理も区別しない、結果としてうまければいい、とも話している。

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アレンジ1:カレー粉を入れるだけでカレーに

撮影では半量ほどを食べたところで、残りをカレーにした。カレーにする場合は具を崩したほうがよい。崩して熱々にすると、溶けた玉ねぎがルーのようになっており、そこにカレー粉を入れるだけで完成する。

リュウジが使ったのは「インディアンカレー」のカレー粉で、最近よく使っているという。辛くないので子どもも食べられるのが利点で、赤缶のカレー粉で作ると辛いと言われることが多い、と比較していた。カルディやAmazonで売っているという。撮影では量を測らずに入れ、大さじ1と半分ほど入ったとリュウジは見積もった。この量なら大さじ2から2と半分くらい入れたほうがおいしいと思うと話し、自分の味覚を信じて味見しながら調整してほしいと付け加えた。

玉ねぎが多いのでスープカレーとまではいかないが、水分がやや多めのカレーになる。ご飯にかけて食べた聞き手は「うまい」と驚き、リュウジは、このカレーを出す店があったら自分は行くと話した。塩味は最初の小さじ1と半分で決まっているので、足りなければ少し塩を足し、しょっぱければ水を足して調整すればよいという。

24:53

カレーにするとヘルシーになる、という説明

リュウジは、このカレーは油を追加していないのでヘルシーだと強調する。脂質は鶏の油から摂ることになるが、市販のカレールーには油がかなり入っており、普通のカレーでは豚肉などの脂も加わる。それに比べると油は鶏の分だけなので、カロリーは大幅に減るというのがリュウジの説明だ。聞き手が「カロリー半分くらい」と言うと、リュウジは半分どころではないかもしれないと応じた。最近カレー粉を使うのも油分が入っていないからで、外食では油が多く使われがちなので、家では油を少なめにできるこのカレーを勧めている。聞き手はダイエット中の人にも勧めたいと話した。

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アレンジ2:パスタ、作り置き、倍量

パスタにする場合は、崩した煮込みに硬めにゆでたパスタを入れ、少し煮込むようにして塩を足す。聞き手も、パスタの場合は少し塩を足したほうがよさそうだと同意した。

作り置きについては、大きな鍋で倍量作ってもよいとリュウジは提案する。鶏肉のファミリーパックをまとめて焼き、玉ねぎも焼いて一気に煮込めば手間が省ける。冷凍もでき、崩して保存袋に入れて冷凍しておけば、解凍してそのまま食べられるという。1日目は煮込みとして食べ、翌日はカレーにする、といった使い方もできる。

試食を終えた聞き手は普通にお腹いっぱいになったと話し、リュウジは材料は鶏と玉ねぎと塩の3つだけだと改めて強調した。2人で食べてほぼ鍋が空になったので、家族なら倍量がいいかもしれない、とも話している。最後にリュウジは、この季節なら新玉ねぎで作るととろとろでとてもおいしいと勧め、煮込みからカレーまで作ってみてほしいと締めくくった。