安い豚こまで作る冷しゃぶ:リュウジが示す下処理・ゆで方・玉ねぎダレ

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概要

料理研究家のリュウジは、豚こま切れ肉で冷しゃぶを作れるかを試した。これまでの冷しゃぶでは、しゃぶしゃぶ用の肉、豚バラ、ロースしか使ってこなかったという。今回豚こまを選んだ理由について、リュウジは「安いから」と答える。物価は上がっているのに給料はほとんど変わっていない、というのがその背景だ。冷しゃぶなら野菜と肉を一緒にとれるので、暑くなってきた時期に向いた料理だとも話す。動画では、安い肉をパサつかせない下処理、スープでゆでる手順、玉ねぎ入りのタレ、ゆで汁を使った副菜のスープまでを順に紹介している。

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材料とレタスの扱い

材料は豚こま肉250g、玉ねぎ、レタスである。撮影では新玉ねぎを使ったが、普通の玉ねぎでも問題ないという。野菜はレタスのほか、キュウリなどでもよい。レタスは1玉の重さに個体差があり、今回のものは300g強だったので半分を使った。野菜は多めにしている。

レタスは芯を取って細かくちぎる。ゆでずにサラダのように添える。リュウジによれば、ゆでても構わない。ゆでると温野菜のようになって食べやすくなり、生ならシャキシャキした食感が残る。どちらでもよいとしたうえで、チャンネルでは生野菜をあまり扱わないことから今回は生にした。

ここで「50度洗い」も紹介した。給湯器からお風呂くらいの温度のお湯を出し、そこにレタスを数分つけておくとシャキシャキになる、という方法だ。実際に測るとお湯は43度ほどだったが、リュウジは43度でも十分だとして、そのままつけ置いた。レタスの洗浄も同時にできるので便利だという。

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玉ねぎ入りの冷しゃぶダレ

レタスをつけている間にタレを作る。玉ねぎを約50gみじん切りにする。リュウジは、玉ねぎを入れるとタレにシャキッとした食感が加わり、さらに玉ねぎがタレを吸うので肉によく絡むと説明する。冷しゃぶ用のドレッシングには、こうした野菜が入っているほうが好みだという。玉ねぎも一緒に食べられる点も挙げた。なくてもおいしいが、あったほうがおいしいという立場である。

スタッフからは、加熱しない普通の玉ねぎだと辛みが出るのではないかという質問があった。リュウジの答えは、醤油や酢のタレに漬けておけば辛みはなくなる、というものだ。辛みの成分が分解されるのか、塩分でごまかされているのかは分からないが、普通の玉ねぎでも辛くならないので試してほしいと話す。水にさらす方法もあるが、手間が増えるので今回はやらない。

タレの配合は、醤油大さじ2、酢大さじ1(普通の穀物酢でよい)、砂糖小さじ1、味の素5振りである。砂糖を少量にとどめる理由として、リュウジは自身の考えを述べた。昭和の料理の手帳などを見ると、昔の和食は砂糖を大量に使っている。それはうま味調味料がなかったからで、味の素のうま味が甘味の役割も果たすので、使えば砂糖を減らせる。砂糖はカロリーが高いので、結果としてカロリーも抑えられる、という主張だ。自分の料理で砂糖をあまり使わないのもそのためで、「体に悪そう」と思われがちな味の素が、使い方次第では健康寄りになると話している。

好みで鷹の爪を入れて少しピリ辛にする。子ども向けなら入れなくてよい。リュウジは酒飲みなので入れるという。最後にオリーブオイル小さじ2を加える。ごま油でもよいが、中華風に寄りすぎるうえ、ごま油は味が濃く「ごま油味」になってしまう。そこであえてオリーブオイルにした。冷しゃぶとオリーブオイルは意外だというスタッフに対して、リュウジはオリーブの香りがおいしく、サラダ感覚でさっぱり食べられると答えた。味見をして、これが最高の冷しゃぶのタレだと評価している。

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豚こまを柔らかくする下処理

リュウジがこの料理で最も大事だと強調したのが、肉の下処理である。普通の豚こまでしゃぶしゃぶをすると「すっごいパサパサ」になるという。

まず豚こまに液体塩こうじを大さじ半分ほど加えて揉み込み、置いておく。数分で柔らかくなるという。液体塩こうじがなければ塩で代用できるが、液体のほうが肉は柔らかくなるので使ってほしいと話す。

続いて片栗粉小さじ1と水小さじ1を加えて揉み込む。片栗粉が多すぎるとプルプルになりすぎるので、小さじ1程度にとどめる。液体塩こうじは水分も補っているため、塩で代用する場合は水を少し増やし、この分量なら小さじ2くらいにするとよい。これで柔らかいしゃぶしゃぶになり、置いておけばどんどん作用していくという。

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レタスの水切り

つけておいたレタスをざるに上げる。理想はサラダスピナーだが、持っていない人向けに、ざるを逆さにして振り、残った水分をキッチンペーパーで揉むように取る方法を見せた。水が残っているとドレッシングが薄まるので、しっかり取ったほうがよいという。リュウジ自身は普段サラダスピナーを使っており、面倒な人は買ってほしいとも話している。混ぜている間にパキパキと音がしていて、50度洗いでシャキシャキになっていることが確かめられた。水を切ったレタスは冷蔵庫で冷やしておく。

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お湯ではなく中華スープでゆでる

肉はお湯ではなくスープでゆでる。以前の冷しゃぶ動画でも同じやり方をしたという。スタッフが自分は鶏ガラでやっていたと言うと、リュウジは鶏ガラでもまったく問題ないと答えた。今回は中華だしを使う。中華スープにはポークエキスが多く入っているので、「豚で豚を煮る」ような形になる。水600ccに中華だし小さじ1と半分ほどを溶かす。スープで煮ると肉に味が入る。

ポイントは必ずしっかり沸騰させることだ。ぬるいと豚肉に火が通らず、おいしくなくなるという。鍋のふちだけがボコボコしている状態では真ん中が沸いておらず、肉を入れると温度も下がる。そのため、できるだけ熱いスープにしておく。スープ自体が少し踊るくらいになったら投入してよい。たっぷりのお湯である必要はなく、この量でゆでられる。

肉は一気に入れず、なるべく広げながら1枚ずつ落としていく。まとめて入れるとくっついて固まってしまうという。混ぜながら火を入れ、赤い部分がなくなったらすぐ取り出す。1分もかからない。丁寧に一つずつ取り出すが、多少残っても後でスープにするので問題ない。

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アクは「取っても取らなくてもいい」

ゆで汁にはアクが出た。スタッフに取るのかと聞かれると、リュウジは取らないと答えた。放っておけば馴染んでいくし、おそらく誰も違いが分からないという。リュウジの考えでは、アクを取ればアクを取った味になり、入れておけば入れた味になるだけで、どちらが正解ということはない。和食では取るが、インド料理では取らない。カレーでもアクは取らない、と例を挙げた。

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副産物:ニラの簡単中華スープ

ゆで汁は捨てずにスープにする。スタッフが「調味料がもったいない」と感じる点を、リュウジはここで解消してみせた。具は何を入れてもよいとして、余っていたニラを4cm幅に切って入れる。切り方は粗くてもよいという。リュウジは、お客さんに出してお金をもらう飲食店の料理はおいしいだけでなく見た目もきれいでなければならないが、家庭料理はそうではないと話す。

豚とニラは相性がよいとして、醤油小さじ2ほどで調味し、中華スープならこれだとテーブルコショーを4振りほど加える。豚の味がしっかり出てうまく、好みで卵を入れてもよい。このスープには油を使っておらず、豚の味だけで食べる。

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冷やし方の失敗とバットの材質

盛り付けに移ろうとしたところで、リュウジは失敗に気づいた。ゆでた肉をバットに重ねたままにしていたため、十分に冷えていなかった。急いでいたせいだと認め、肉はバットに均一に広げるよう改めて説明した。時間が経てば冷えるものの、片栗粉をまぶした肉は冷めにくい面があり、広げることが大事だという。

バットは金属製を使うよう勧めた。プラスチックでは全然冷えない。理由をスタッフに尋ねると「熱伝導」という答えが返り、リュウジは「料理は半分科学」だと続けた。残りの半分は何かと聞かれたスタッフが「愛情」と答えると、リュウジはいったん「愛情で料理がうまくなるわけない」と返した。ただしすぐに補足し、愛情は手間という形で料理に表れるので、その意味では本当だとした。そのうえで、料理の半分は科学で、残り半分は手間や食材の良さなどが関わってくると整理した。時間があるときは冷蔵庫でよいが、急ぐときはバットごと冷凍庫に入れるのがよいという。

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盛り付け

先にニラのスープを器に注ぐ。量は3人前ほどで、たっぷり2人前と考えてもよい。タンパク質はしゃぶしゃぶでとれるので、スープの具はニラだけのシンプルなものでよいとした。

冷えた肉を触ると、パサついておらずしっとりしていた。リュウジは「超柔らかい」と言い、ここまでくれば安い豚こまでも冷しゃぶができることは確定だと話した。レタスの上に肉を盛り、最初に作ったタレをとろりと全部かける。小ねぎを散らし、糸唐辛子を添える。

糸唐辛子を見たスタッフは辛いと思ったが、リュウジは辛くないと説明した。韓国唐辛子なので、そもそも辛くなく、甘さとうま味があるという。スタッフが実際に食べて確かめる場面もあった。

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試食:豚こまでもロースと変わらない

リュウジは、みんな食べたら驚くと自信を見せた。ポン酢でしか冷しゃぶを食べたことがないというスタッフに対しては、このタレはほぼポン酢と同じ方向の味だと説明した。ご飯にも合い、そうめんに乗せてもおいしいという。

スタッフからは、豚バラのような脂っぽさが足りなくないかという質問が出た。リュウジは、醤油と酢の玉ねぎドレッシングが全体に絡むので十分においしく、酒が進むと答えた。スタッフの感想は「柔らかい」「もっとボソボソすると思っていた」というものだった。リュウジは、今回は液体塩こうじと片栗粉を併用しており、片栗粉だけでも結構柔らかくなるが、塩こうじを使うとさらに柔らかくなると説明した。この下処理をせずに中華スープで煮ただけでは、この味にはならないという。ふだんロースを使っているスタッフも、ロースと変わらないと話した。ドレッシングに玉ねぎの辛みはなく、最後に少し爽やかさが残る程度だった。

体重を落としたい日の夕食にもよさそうだという声もあった。リュウジは、豚バラでやると脂が多くカロリーが高いが、豚こまなら普通のしゃぶしゃぶと比べても遜色ないと述べた。砂糖をほとんど使わず、キリッとした醤油とうま味の味で、油は少しのオリーブオイルだけだとして、痩せられるとも話している。同じものを毎日食べたいタイプだというスタッフは、タンパク質と野菜のバランスがよく、味のインパクトが強すぎないので次の日も食べたいと言い、リュウジも向いているかもしれないと応じた。

ニラのスープについても、スタッフはゆで汁の余りで作ったとは思えないと評価した。油を入れていないシンプルな味で、リュウジは余った野菜やキノコを加えれば栄養面でもさらによくなると付け加えた。

最後にリュウジは、豚こまで冷しゃぶを作るという発想はあまりないかもしれないが、安い豚こまでも冷しゃぶはとてもおいしくできるので試してほしいと呼びかけて動画を締めた。