閉店が決まった「みそきん」で、HIKAKINと10年ぶりに語った店舗経営・編集・YouTubeの続け方

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概要

ひろゆき氏とひげおやじ氏が、HIKAKINのラーメン店「みそきん」を訪れた回である。予約はすでに埋まり、閉店も決まっている店なので、訪問しても宣伝効果はほとんどない。二人はそう笑いながら入店したが、店内には店員の格好をしたHIKAKIN本人が待っていた。話題はラーメンの感想から、冷凍麺の開発、動画編集へのこだわり、ショート動画の時代にYouTubeを続ける理由へと広がっていく。

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売れても座席を増やせない店

食べる前の二人は、みそきんの店舗としての制約を話していた。人気があるなら座席を増やせばよいと思えるが、実際には調理が追いつかない。キッチンの広さは物理的に決まっていて、客だけ増やして商品が出てこなければクレームになる。ひろゆき氏は、この制約の中で工夫するのが店舗経営の面白さだと見ている。

みそきんが入っているのはラーメンストリートの一角で、店が頻繁に入れ替わる場所だという。もともと期間限定を前提とした区画なので、延長できなかったのは仕方がない、というのが二人の見方だった。ひげおやじ氏は、みそきんが閉店したあとに「ひげおやじラーメン」を出して閑散ぶりを見せれば実力差がわかる、と冗談も言っている。

ラーメン屋の利点については、カウンターだけならオーナー1人でも回せる点が挙がった。ただし体力勝負なので、店主が倒れれば店も止まる。売上の上限も見えてしまう。その限界を越える手段として話題になったのが通販である。みそきんは店の味を再現した冷凍麺を出す予定だった。冷凍ラーメンについては、最近は品質が高く特にスープがうまいという意見が出た。一方で、冷凍麺はゆでたてでなくてもコシが残るように、タピオカを入れるなど原料から変えているのではないか、という疑問も出ている。最近出てきた商品だと思っていたひげおやじ氏に、ひろゆき氏は昔からあったと返していた。

サプライズ登場と、ラーメンの感想

店員の格好でいたHIKAKINは、本人から明かされるまで気づかれなかった。ひろゆき氏とは約10年ぶりの再会である。HIKAKINによれば、この格好だと気づかれないことはよくある。実際に店で働いていたとき、長くそばにいた客がしばらく経ってからようやく気づいたこともあったという。

ひろゆき氏は食べてすぐ、カップ麺とは違うと言った。視聴者コメントで言われていた「ニンニク強め」については、確かに店のほうが強いと認めている。直前に辛みそきんを食べていたので、それと比べればマイルドに感じるが、ニンニクのパンチは強い。ひろゆき氏は「男受けを狙った感じ」と評し、自分は割と好きだと付け加えた。おいしいかどうかをイエスかノーで答えるよう促されると、「おいしい側」と答えている。

同行者からは、ラーメンとしての完成度が高い、味噌がまろやかだという声も出た。ひろゆき氏がとくに挙げたのは、生のニンニクの感じがしっかり来る点である。HIKAKINによると、市販品ではなく店ですりおろしたニンニクを使っている。ひろゆき氏は手間がかかっていると感心し、そのぶんオペレーションにも時間がかかるはずだと指摘した。

HIKAKIN自身も味の確認で食べることがあり、そのたびに強いと感じるという。ただ、「強すぎる」という反応は意外と少ない。二郎系と比べれば、と言われることもあり、ふだんニンニク系を食べない人が少し驚く程度だそうだ。調理はHIKAKINがすることもあるが、店舗でいちばん上手に作れる人に任せることもある。

カップ麺から店舗へという「逆の流れ」

店をやってみて楽しいかと聞かれ、HIKAKINは楽しかったと答えた。カップ麺もたくさんの人に届くので楽しかったが、ラーメンで最終的に店舗をやることはずっと望んでいた。店がうまくいってからカップ麺化するのが普通で、自分は逆の順番になった、とも話している。

店舗、冷凍麺、カップ麺の違いを聞かれると、HIKAKINは比べられないとかわした。それぞれが自分の10点を目指しているだけだという。

需要の大きさについては、いちばんすごかったときには700席に対して4万人ほどの応募があったとHIKAKINは振り返る。同行者はフェスのようだと驚き、HIKAKINはそれに応えるには何十店舗も必要だと語った。閉店時期は、HIKAKIN本人ももっと延長したかったものの、場所の性質上難しかったという。ひろゆき氏は、次回はかなり辺鄙な場所に作ればいいと茶化した。HIKAKINはまたどこかに店を開きたいと考えており、不動産も探しているそうだ。

冷凍麺はHIKAKINの発案

冷凍麺はHIKAKINが言い出した企画である。本人がラーメン好きで、人気店が店で作ったものを冷凍してネット販売しているのを知っており、自分も出したいとずっと話していたという。

外食の機会が少ないこともあり、HIKAKINは家で他店の冷凍麺をよく食べている。地元・新潟には、地元で知らない人はいないほど長く続いているラーメン屋があり、2店舗ほどを構えている。小さいころから通っていたその店の冷凍麺をネットショッピングで5食ほど頼んで食べているそうで、クオリティはかなり高いと評価していた。ただ、本当に店で作る冷凍麺は生産数に限りがあり、大量生産は難しいだろうとも話している。

10年前の出会いと「編集を手放さない」理由

二人が以前会ったのは10年ちょっと前、モンストの番組(ひろゆき氏は最初パズドラと言い間違えた)の後、たまたま食事で一緒になったときだという。HIKAKINは、ネットで見るひろゆき氏を「忖度なしにバチンと言う人」と思っていたので、何を言われるかと身構えていた。実際にはとても褒められたことをよく覚えている、と語った。

ひろゆき氏が当時感心していたのは、HIKAKINが自分で編集を続けている点だった。今もHIKAKINにはチームがあるが、最後は自分で素材に触れて直してしまう癖が抜けない。任せた方が伸びるならそれでいいと思わないか、と聞かれたHIKAKINは、自分の血肉となるコンテンツである以上、最後まで見ないわけにはいかないと答えた。好きだったシーンがカットされていればせめて知っておきたいし、それを生業にしている者として完全ノータッチは難しいという。ただ、2時間ほどの長尺だとチェックだけでもかなりしんどいとも漏らしている。

ひろゆき氏は、HIKAKINのようになりたくても一生編集を続けると思うと人に勧めにくい、と問いかけた。HIKAKINは、今のYouTubeはプロのような映像ばかりなので、新しく参入するなら最初から編集者と組むのは十分ありだと答えた。自分も編集がとても好きというわけではなく、撮影の方がずっと好きで、コンテンツを出すためにやらなければならないからやってきた、というのがHIKAKINの説明である。

一方でHIKAKINは、元テレビ局の人にも自分で編集したがる人は多いと話す。手を加えて面白くした部分には、理解できるファンからちゃんとコメントが来る。トップ層で編集を続けている人は、そこを捨てたくないのだろうとHIKAKINは推測する。力を入れても伝わらない部分があるのでは、という問いに対しては、昔よりはどこで頑張っても無駄かが分かるようになったと答えた。案外サムネイルの方が大事だといった判断で、切り捨てるところは切り捨てているという。サムネイルをシンプルにするような流行の変化については、国内の他の人を見て追うというより、昔から進んでいる海外を参考にすることが多い。ただし海外のままでは日本で受けないものもあるので、ローカライズが必要だとも話した。

生配信のしやすさと、昔の「間を作らない」話し方

生配信についてHIKAKINは、編集しない分、まる1日編集するよりストレスが少なく、出したいときにすぐ出せるので楽しいと話した。ストリーマーはその中で相当考えているはずだ、と断りも入れている。一方で、動画ほど濃いものを見せられるわけではなく、動画にも良さがあるという考えである。

ひろゆき氏は、モンストTVで一緒になったときにHIKAKINがとにかく間を作らずに話していた印象を語った。動画の人は間を詰めるので、その癖が生配信にも出ていたという。初期の動画出身者はみなそうで、瀬戸弘司さんらもそうだった。全力疾走で喋るので1時間もすると疲れてしまい、配信ならではの楽さを使えていないのがもったいないと思っていた、というのがひろゆき氏の振り返りだ。ただしHIKAKINは2〜3回目にはすぐ修正し、配信に合わせた動き方をしてコメントも拾うようになっていたという。

HIKAKINはそれを聞いて、言ってほしかった、タイムスリップできたら今なら10倍うまくやれると笑った。当時は何も考えずにやっていたので、ずっと喋っている昔の自分を見るのは恥ずかしいという。

「暇だった頃」が幸せだった

昔の自分を見て良かったと思うことはあるか、と聞かれたHIKAKINは、暇そうで幸せそうだと思うときがあると答えた。今も幸せだと断ったうえで、仕事の予定が空白で、ただ毎日動画を上げていた時期はかなり幸せだったという。動画を見るとその頃の生活リズムを思い出す。昼ごろ起きてその日の動画を撮り、夜7時までに編集してアップすれば終わり。毎日投稿はすごいと言われたが、ほかに予定がなかっただけだという。当時の動画は2分ほどで、テロップもなくエフェクトを少し入れる程度だったので、編集は30分ほどで終わるものもあった。それでも365日投稿する人はあまりいなかった。

毎日投稿のために交友関係を切り捨てたのでは、と問われると、HIKAKINは、もともと社交的ではなくあまり誘われなかったので問題なかったと答えた。

陰キャが頑張るから応援される

ここから話は、YouTuberやストリーマーには本物の陽キャがいない、という話題に移った。HIKAKINの印象では、陽キャのように振る舞っていても、ベースは陰キャが頑張っている人が多い。同行者も、そうでなければ毎日コツコツ編集することはできないと同意した。HIKAKINは言葉を選びながら、超陽キャで見た目も良い人が盛り上がっているより、陰キャが頑張っている方が陰キャの視聴者は「俺ら側だ」と応援したくなるのではないかと話した。

同行者は、陽キャの人はテレビに行ってYouTubeを卒業しがちだと指摘し、フワちゃんを例に挙げた(ここで「今はプロレスを頑張っている」という冗談混じりのやり取りがあった)。HIKAKINは、陽キャはモデルやタレントなど選択肢が多いからだろうと答えている。テレビで急に話を振られてぶちかませるかどうかで、向き不向きが分かれるという見方だ。

同行者は、HIKAKINはYouTube界の代表として何か面白いことを言うと期待されるので、プレッシャーがきついだろうと水を向けた。HIKAKINは、ダウンタウンの番組やSMAPとの共演は今思い出しても怖くなると語った。一方ひろゆき氏は、尖ったことを言ってほしいという期待については打ち合わせに出ないのでわからないとし、自分は「ナチュラルに人を傷つける」ので普通に成立していると笑わせた。

何千本の蓄積と、ショート時代の長尺

テレビ番組のようなものは自分で作れるのに、なぜ自分で撮り続けるのか。そう聞かれたHIKAKINは、テレビにもはまる企画なら出たいと断ったうえで、自分が作ったものが溜まっていくことに安心感があると答えた。キャリアを終えるとき、何千本という本数が野球選手の通算記録のようになるのではないか。だから自分のコンテンツを主軸に考えるのだという。

本数の順位はショート動画の登場で分からなくなったが、2008〜2009年ごろから続けている人は世界でも少ないとHIKAKINは見ている。ポッドキャストに移った人、やめた人もいるし、裕福になって週1回や月1回の大型動画に絞る人もいる。コンスタントに続けている人は世界でもあまりいないのではないかと考えており、「日本のこいつだけはずっとやっている」という長老のような存在になりたいと語った。同行者はサッカーの三浦知良(カズ)を引き合いに出した。ひろゆき氏は自分も長く続けているが、酒を飲んで喋るだけで企画も準備も編集もないから楽だと話し、HIKAKINの作業量との違いを強調した。

HIKAKINは、明らかに時代に合わなくなればやり方を変えた方がいいと考えている。ショートが主流になれば合わせるし、無理のない仕事になるならそれはそれで嬉しいという。ただ、長尺でしか伝わらないエンゲージメントがあり、それはまだ変わっていないとも話した。同行者は、見ている時間が長いほど親近感が湧くと補足している。HIKAKINは自分もショートを見始めると1時間ほど楽しんでしまうとしつつ、MrBeastが語っていたという話を紹介した。2時間で何百本もショートを見ても、何が良かったかと聞かれると何も残っていない、というものだ。ショートには一瞬で爆笑させる瞬発力があるのでやりたいが、長尺にもまだ力がある、というのがHIKAKINの結論だった。

仕事と家庭のバランス

同席者の一人は、パートナー選びの話を落合陽一氏の例から始めた。落合氏の妻は落合氏のファンなので、落合氏が落合氏らしい仕事をしていること自体が幸せになる。一方、自分のパートナーは自分のファンではないので、忙しいと文句を言われるという。HIKAKINのパートナーはHIKAKINのやってきたことが好きな人だから、普通に仕事をしていても家庭が成り立つのだろう、と話した。

HIKAKINは、ずっと家で編集している人間だとパートナーはどこかへ出かけたくなるものだと認めつつ、自分たちは普通の人と比べても出かけない方で、インドア派同士なので大丈夫だと答えた。同席者は、この相手選びを間違えてつまずいたり消えたりする人も多いので、そこを間違えないことは大事だと最近思う、と締めくくった。

味変しないひろゆき氏

食べ終えたひろゆき氏は、ニンニクは強めだが食べ進めるとそれほど気にならず、くどくないので油もさらっと食べられたと話した。HIKAKINは、結構ジャンキーなタイプかもしれないと応じている。同行者は卓上の調味料で味変し、まろやかさが増すなど楽しめたと言った。

ひろゆき氏は、ラーメン屋では味変をしないという。店の人がいちばんおいしいと思った状態で出してくるのだから、変える必要はないという理由だ。HIKAKINは、ひろゆき氏ならガンガン味変しそうだと思っていたので意外だ、と驚いた。ひろゆき氏の説明はこうである。最初のインパクトが良くても油っぽいと最後がきつくなる。店は客がどれだけ残すかを見ながら、最初から最後までのバランスを調整しているはずだ。だからそのまま食べるのがいちばんいい。

ひろゆき氏はふだんヨーロッパにいて、日本には月に一度戻る程度だという。ヨーロッパのラーメンは高くておいしくないし、日本滞在中も予定が詰まっていて一人で食べに行く機会はまずない。ラーメン屋に行くと最後まで食べたくなるのはそのためだという。この日はこのあとラーメン二郎の三田本店に行く予定で、まだ食べたことがないそうだ。HIKAKINは、余計なことを言うと本気で怒られるかもしれないと冗談めかして忠告した。

普通の人のようにラーメン屋を気軽に食べ歩けない人生に損失を感じるか、と聞かれたHIKAKINは、感じないと答えた。ほかに嬉しいことが多いので、それくらいの代償は構わないという。本当は毎日でも外食したいが、先日の忘年会で久々に食べた焼肉は涙が出るほどうまかった、とも話している。

2時間で売り切れた冷凍麺

最後にHIKAKINが冷凍麺を見せた。購入数の制限を設けていたにもかかわらず、発売から2時間で売り切れたという。同行者は「PRの必要がない」と改めて笑った。HIKAKINはサンプルを二人に手渡し、賞味期限は冷凍で1年、スープと麺・具材は別の袋に分かれていて、電子レンジで調理できると説明した。

HIKAKINは、YouTuberの商品にはアパレルなどいろいろあるが、やってみて食べ物はいいと感じているという。話の流れで燃えにくい素材のパーカーも話題になり、ひろゆき氏はバーナーで試してみたいと冗談を言った。その後は店舗用の収録に移るため、訪問はここで終わった。