「勝ち負けの基準を自分で決める」:ニューヨークが語る、勝負が得意ではない芸人の勝負論

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概要

お笑いコンビ・ニューヨークの二人に、競輪・オートレースアプリ「WINTICKET」のタイアップ企画として「勝負論」を聞いたインタビューである。聞き手が最初に投げた問いは、大きな勝負を仕掛けるときに何を大切にしているか、というものだった。二人の答えは「あんまり勝ったイメージがない」である。賞レースで優勝しておらず、「20年近くほぼ負け続けてきた」と語る二人は、勝負に強い者の心得ではなく、勝負を好まない者がどう生き残ってきたかを話した。後半では実際にアプリで競輪の車券を購入し、その体験と感想も語っている。

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40歳を迎えた二人と、インタビューの狙い

収録時点は2026年で、5月14日に嶋佐が40歳の誕生日を迎え、二人とも40歳になった。番組側は「40歳からが勝負」という切り口で、今後のニューヨークが見据える次の勝負を聞くと同時に、20代の下積みから30代のブレイクに至るまでの芸人人生も掘り下げたいと説明した。

初めて自分たちから動いたのは、芸歴10年目のYouTube

リスクを取って勝負に出たと言える時期はあるか、と聞かれると、二人は2019年を挙げた。この年にM-1グランプリの決勝に進み、YouTubeも始めた。二人で初めて能動的に動いたという感覚があり、それまでは「本当受け身」だったという。

きっかけは2018年の停滞だった。本人たちの説明では、2017年ごろまでは緩やかな右肩上がりだったが、2018年は結果が振るわず、コンビ仲もあまり良くなくなっていた。「このままやとなんかやめそうやな」と感じ、何かを変えなければと考えたという。この年はちょうど芸歴10年目だった。

成績の面でも変化があった。賞レースでは毎年準決勝まで進んでいたが、その年は一段階下がってしまった。同じころ、一つ下の後輩が賞レースで結果を出し始め、自分たちより先に決勝へ進む後輩も出てきた。二人はそれを「ちょっとやばい」と受け止めた。

当時、二人はニッポン放送の「オールナイトニッポン0」を1年間担当しており、そのときについた放送作家に、自分たちのYouTubeを立ち上げたいと相談した。これが自分たちから能動的に動いた最初の出来事だったという。

資金にも余裕はなかった。2万円ほどの機材を買い、知識もなかったため、マンションの隣に住んでいたパソコンに詳しい人に多くを教わった。音が良くなるかもしれないと考えて部屋の壁中に毛布を貼るなど、すべて手作りで進めたと振り返る。当時は今と違い、YouTubeでいろいろな企画をする芸人はほとんどいなかったとも話している。

「あんまり勝ったイメージがない」

勝負のときに絶対に曲げないものは何か、という本題の質問に、二人はまず勝った実感がないと答えた。賞レースで優勝できなかったという意味では確かにそうだ、と二人とも認めている。

一人は、他の芸人に負けない場面をつくることや、「この場で一話にならなあかん」という状況が、得意でも好きでもないと語った。バラエティ番組の一本一本を勝負だと思ったことはないという。周りには勝負が好きだと感じる芸人がたくさんいて、彼らと話して初めて「自分ってそんな好きじゃないんや」と気づくことがよくある、と話した。

もう一人は、これはスタイルの違いであって、どちらが良い悪いという話ではないと補った。そのうえで、勝負型のスタイルではなかったことがかえって良かったのかもしれないと述べた。視聴者に向けて言うなら、勝負型ではない人間でもなんとかやってこられた、ということになる。すべてを勝負だと思わないほうが、結果として勝てるタイプの人もいる。勝負が好きで得意な人はそのやり方を自然にしているのであって、そうでない人が無理に真似をしても、やりたくもないし、できもしない。二人の考えはおおむねこうまとめられる。

世の中に寄せず、負けたと思わない

番組や視聴者に求められる役割と、自分たちのやりたいことにずれがあるときはどうするのか。この質問には、世の中に合わせることがそもそもうまくないと答えた。それが得意な人はたくさんいるので、そこは任せる。自分たちがそこで勝負しても仕方がない、という感覚だという。聞き手の「負け戦をしない」という言い換えにも同意した。

もう一つの理由として挙げたのは、負けるたびに傷ついていたら身がもたないということだ。だから普段から「あんま勝負してないみたいな顔」をしているという。すべてを勝負とみなせば、この世界で20年近く負け続けてきたことになる。そのため「勝ち負けの基準を自分の都合よく変えてる」のだと、半ば笑いながら説明した。

場数は生きたのか:生放送MCと無限大ホール

場数の多さが挑戦に役立ったと感じる場面を聞かれると、一人は生放送のMCを挙げた。想定よりずっと褒められるが、本人は「そんなすごないけどな」と感じているという。若手のころからずっとそういう役回りをしてきたからかもしれないし、その程度のことができる人は劇場「無限大(ヨシモト∞ホール)」には大勢いた、という感覚もあるそうだ。もう一人は、スタッフや視聴者、共演者との関係ができていると、分かりやすく言えば多少スベりにも行けるので、やりやすくなると話した。場数を踏んでいるほうが有利だという点では、二人の意見は一致した。

一方で、無限大で10年ほどとんでもない数の舞台に立ったものの、「ほとんど意味なかったかもしれない」とも笑った。当時劇場でやっていたジェスチャーゲームなどを、テレビでは一度もやったことがないからだという。

場数の話は途中で脱線した。一人が「場数があれば女の子と勝負できる」と言い出し、売れていないころより、今のように「知ってる」と言われる状況のほうが勝負できると主張した。相方は「お前なんかパンみたいなやつ行くってだけの話やん」と突っ込み、話はそこで打ち切られた。

競輪とWINTICKETの紹介

後半はタイアップ企画に移った。二人はABEMAの番組「ミッドナイト競輪」で、酒を飲みながら予想して投票した経験があり、「ただただ楽しい番組」だったと振り返った。プライベートでも、先輩とスマホで何度か投票したことがあるという。

聞き手は競輪について次のように説明した。自転車レースの着順を予想する日本の公営競技で、発祥は日本であり、五輪種目にもなっている。1レースは基本5〜9人で走るため、予想しやすい。ほぼ365日、朝8時半から夜11時半まで、全国40か所以上で開催されている。選手は2000人以上いて、投票からレース視聴までおよそ15分で楽しめ、100円から購入できる。

二人は画面に7〜8分刻みでレースが並んでいるのを見て驚き、「吉本の劇場よりやってる」「(選手数が)吉本と同じだ」と冗談を交えて反応した。説明の間にも1レースの締め切りが過ぎ、次は高知、京王閣、和歌山と全国のレースが続く様子に、趣味になったらずっと楽しめそうだと話した。

WINTICKETは、サイバーエージェントグループが運営する競輪・オートレースの投票サービスで、予想からライブ観戦、投票までスマホ1台でできるという説明だった。登録は無料である。

1レース目:AI予想にそのまま乗る

二人は京王閣競輪のレースで実際に投票した。アプリのAI予想は過去数万レースの結果をもとに算出したもので、画面には的中率75%、回収率70%と表示されていた。これを見た一人は「ずっとAIにしといたらええや」と反応した。競走得点が高い選手ほど単純に勝つ可能性が高いという、出走表の見方も教わった。

締め切りまで5分しかなかったため、一人はAI予想の「買い目を見る」ボタンから提示された目をそのまま選び、1・2・5・7の2車単ボックスを4800ポイントで購入した。もう一人は、人気上位の3連単から5-2-7と5-7-2を選んだ。オッズは10倍と17倍だった。

レース中の映像には、選手の「HP」や「風圧きつい」といった表示が出た。WINTICKETのライブ配信で特定のレースに表示される演出だと説明され、二人は「めっちゃ分かりやすくなりましたね」と話した。レースは6番の選手が1着になる荒れた展開となった。AI予想に乗った2車単ボックスは的中し、投じた4800ポイントを上回る払い戻しになった。3連単を選んだほうはすべて外れ、5000ポイントが減っただけだった。

2レース目:3連単1点での惜敗

次のレースは、AI予想を参考にしつつ自分でも考えて臨んだ。出走表の選手名をタップすると写真やプロフィールが表示され、二人は54歳の選手と、その練習相手として登録されている29歳の息子の選手に注目した。選手のレース前コメントも読めて、54歳の選手は「前回は腰痛だったが風邪で体調を崩したのもあった。やることは全部やってきたし、今回は大丈夫」という趣旨のコメントを出していた。

一人は、予想ユーザーもAIも1着に推す4番の松本選手を軸にし、2着に54歳の選手(1番)、3着には山梨出身の5番の選手を「同郷なので応援したい」という理由で選んだ。3連単4-1-5の1点買いである。

レースは4-1-5の並びで最後の直線に入り、本人は的中を確信して叫んだ。しかしゴール直前で1番が4番を差し、結果は1-4-5となった。ボックスで買わなかったことを相方に突っ込まれた。1-4-5の配当は2570円で、4-1-5が当たっていれば8万ポイントほどになっていたという。本人は「ほぼ初心者で3連単当てかけた」と悔しがり、「ちょっとテンション上がったな。燃えたな」と話した。もう一方は2レースを通して小さくプラスで終え、「勝ちは勝ち」と言った。

使ってみての感想と、競輪の印象の変化

アプリを使った感想として、一人は、とにかく開催頻度が高くサクサク進められること、競輪に詳しくなくてもAI予想があるので迷わず投票できたことを挙げた。レース中にゲームのような体力表示が出るので、どこを見ればいいか分からない人にも見やすいという。もう一人は、初心者でも選手の情報をいろいろ見られるので、それを材料に予想する過程が面白いと話した。

競輪へのイメージがどう変わったかを聞かれると、二人は40代や50代の選手が多く、20代の選手と戦って勝っていることに驚いたと答えた。師匠と弟子、地元といった人間関係をもっと知れば、さらに面白くなるだろうとも話した。聞き手が、AI予想はそうした要素も含めて算出されていると補足した。そのうえで二人は、「50代であんだけ自転車こいで頑張ってんだから、僕らなんてまだまだ」と、前半のインタビューと重ねて刺激を受けた様子だった。

プライベートでの使い方については、酒を飲みながら予想するのが楽しかった経験から、仲間と飲んでいて話すことがなくなったときにアプリを開く、という案が出た。相方は「それなら帰ればいい」と返したが、誰も帰ろうとしない場面は実際によくあり、夜11時半ごろまで開催しているのでちょうどいい、という話になった。もう一つ、朝起きて1レースだけ100円で買う、その日の占いのような楽しみ方も挙がった。

締めのメッセージ:自分で決める勝ち負けと、周囲との縁

最後に、二人は視聴者へのメッセージを述べた。一人は、話しながら気づいたこととして、人が決めた勝ち負けの中で戦うのはとても大変だと語った。自分たちは勝ち負けを自分の中で勝手に決めてきたのではないか。幸せの基準と同じように、勝ち負けの基準も自分で決めていいのではないか、と締めくくった。

もう一人は、人とのつながりや出会いを大事にしていると語った。あまりシャットダウンしすぎないほうがいいと考えるタイプで、周りが助けてくれたり、偶然タイミングを運んできてくれたりすることがある。そのうえで流れに身を任せればいいのではないか、と述べた。前半で語られた「勝負を好まないスタイルでもなんとかやってこられた」という話は、二人それぞれのこの結論につながっている。