甘塩鮭と昆布だしで作る、包丁を使わない「やけくそアクアパッツァ」

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概要

料理研究家のリュウジが、スーパーで年中手に入る甘塩鮭を使ってアクアパッツァを作る回である。テーマは、外で食べる料理や人に振る舞う料理という印象のあるアクアパッツァを、包丁を使わず、貝も使わず、どこまで手軽な家庭料理にできるかという点にある。共演者との掛け合いのなかで、副菜の春菊サラダ、残ったスープで作る〆のパスタまで仕上げ、最後には魚料理が食卓から減っていることへの問題意識も語られる。

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魚料理を増やしたいという動機

視聴者から魚のレシピを求める声が多かったことが、今回の出発点だ。加えてリュウジは、最近コラボした魚屋の森さん(魚屋の関係者として語られる)が「食卓に魚料理を増やしたい」と話していたことに影響を受けたという。まず自分が率先して魚料理をやる、ただし最初から丸の魚を扱うとハードルが高いので、手に入りやすい塩鮭から始めたい、というのがリュウジの説明である。

リュウジ本人は、最近の自分の料理は変わり映えしないので、いつもと違う魚料理を食べたいという気持ちもあったと話す。共演者は、アクアパッツァは日常的に出てくる料理というより、人に振る舞うときの料理という印象があると返している。

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甘塩鮭と大塩鮭の違い

使うのは甘塩鮭だ。リュウジによれば、今スーパーで売られているのは甘塩鮭が多いが、塩で表面が白くなった大塩鮭も売られている。大塩鮭は「塩の塊」のようなもので、ひとかけらでご飯がたくさん食べられる、おにぎり向きの鮭であり、最近は食べる人があまりいないという。今回は必ず甘塩鮭を使うよう指示している。甘塩鮭は軽く塩漬けされたもので、冷凍や解凍品が多く、今回のものはチリ産で、リュウジのチャンネルでいつも使っている鮭だという。

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アクアパッツァとはどんな料理か

アクアパッツァについてリュウジは、イタリア料理で「狂った水」と呼ばれ、その名の通り水で魚を煮る料理だと説明する。イタリアでは内臓を取った一尾の魚を丸ごと蒸し煮にすることが多いが、今回は家庭で作りやすい塩鮭の切り身を使い、包丁を使わない「やけくそ」版にする。

概要欄のレシピでは、材料は塩鮭2切れ(240g)、プチトマト1パック(12個)、ひらたけ100g、冷凍ブロッコリー100g、にんにく15g、オリーブオイル大さじ1と半分、水200cc、昆布だし小さじ2/3、塩小さじ1/3(好みでもうひとつまみ)、仕上げのオリーブオイル大さじ2、そして6枚切りの食パン2枚である。キノコは好みのもので構わないとされ、今回は手でほぐせるひらたけが選ばれた。

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にんにくは瓶で潰し、油に香りを移す

包丁を使わないと言いつつ、にんにくだけは処理が必要になる。リュウジはワインの瓶などで潰して皮をむき、そのまま使う方法を見せた。量は4かけ程度だ。

フライパンにオリーブオイル大さじ1と半分を入れ、潰したにんにくを炒める。刻まずに使う理由について、リュウジは「にんにくは刻めば刻むほど香りが強くなる」と説明し、今回はにんにくを強く効かせたいわけではないので、潰したまま炒めて油に香りを移すのだという。どうせ煮込むので刻んでも構わないとも付け加えている。

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鮭を焼いて臭みを飛ばす——そして小さな失敗

次に鮭を焼く。塩鮭は意外と臭みがあるので、焼いて香りを飛ばすというのがリュウジの考えだ。皮の部分も立てて少し焼くとよく、皮と身の間にある脂が出ると臭みが軽減されると説明する。ただし焼きすぎると焦げ付くので、表面が焼けた程度で十分だという。

ここでリュウジは「失敗した」と声を上げた。使っているフライパンはテフロン加工が傷んでいて焦げ付きやすく、鮭が張り付いたのだ。油が多めに入っていたこともあり、なんとか剥がして焼き進めることができた。

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「イタリア料理は何でもいい」——手順のハードルを下げる

鮭の周りに手でほぐしたひらたけを入れる。共演者が火加減や置き方を確認すると、リュウジは何度も「何でもいい」と答える。焦げないことだけ注意すればよく、イタリア料理は家庭料理なので、ハードルを高くしない方がいいというのが話者の見方である。

水を200cc入れ、冷凍ブロッコリーを加える。本来アクアパッツァには貝を入れるが、今回は入れない。冷凍のあさりなどもあるので、それを使ってもよいとも触れている。

ミニトマトは、あってもなくてもいいと言いつつ、彩りがよくなり、サムネイル映えもするとして1パック丸ごと入れる。共演者は煮えて少し崩れたトマトが好きだと話し、多めに入れることになった。途中でリュウジが生のトマトをつまみ、糖度が高くておいしいと話す場面もある。

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貝の代わりに昆布だし

水だけでは旨味が足りない、とリュウジは言う。アクアパッツァがおいしいのは貝のだしが入るからで、今回は貝を使わない代わりに昆布だしを小さじ2/3入れる。リュウジによれば、貝のだしの代わりとしては昆布だしが最もよく、なければいりこだしでもよい。共演者が鶏ガラではだめなのかと尋ねると、鶏ガラは動物性になってしまうからと答えている。魚介系のだしで、アクアパッツァらしい旨味を補うという考え方だ。

ひらたけ、ブロッコリー、トマトが煮えて崩れてくることで、それぞれの旨味も出てくるという。

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味付けはほぼ塩だけ、煮すぎない

調味料は塩小さじ1/3程度。リュウジは酒飲みなのでもうひとつまみ加えるが、視聴者は好みで調整してよいとする。イタリアンは基本的に塩で味付けするもので、塩とトマトぐらいで煮ていけば十分だというのが話者の説明だ。

ハーブも必要なく、これで完成となる。共演者は「何もしてない」と驚き、疲れて帰ってきた日でも作れそうだと評した。リュウジは、昆布だしを活用すればあさりも不要で、切り身とスーパーの野菜だけでできる、アクアパッツァは外で食べるものと思われがちだが実はとても簡単だと強調する。長く煮込まない理由については、煮すぎると鮭がパサパサになってしまうからだと説明した。

食べ方はパンが基本で、ご飯も合うが、スープがおいしいのでパンを浸して食べてほしいという。食パンを焼いて添える。

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副菜:春菊の無限バルサミコサラダ

アクアパッツァだけでは野菜が足りないと、買ってきた春菊で「無限」系のサラダを作る。春菊は茎が硬いので斜めに細かく切り、残りはざく切りにする。洗って濡れた春菊は水気をしっかり拭き取る。そうしたほうが味が「圧倒的に乗る」とリュウジは言い、生野菜を和えるときは基本的に水気を取ったほうがいいと共演者の確認にも同意している。

ボウルに春菊と、油を軽く切ったツナ缶を入れ、オリーブオイル、黒胡椒、塩、味の素を加える。仕上げの酢にはバルサミコ酢を使い、イタリアン寄りの味にする。途中で味を見て、気になる点をガーリックパウダー7振りほどで整え、バルサミコ酢は合計で大さじ1程度にした。概要欄の分量は塩3g、味の素5振り、バルサミコ酢大さじ1、ガーリックパウダー7振りである。

試食したリュウジは、アクアパッツァよりもむしろこちらのほうに感動していると話す。春菊は生でとてもおいしい野菜なので、鍋だけでなくもっと食べてほしいという。ツナはあってもなくてもおいしく、茎を細かく刻んだことで食べやすくなっていると共演者も評している。

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仕上げと実食

アクアパッツァは軽く温め直して沸かし、少し良いオリーブオイルを回しかけて仕上げる。トマトを軽く潰すと、そこからだしが出るとリュウジは説明する。

鮭はほろっと崩れる柔らかさに仕上がった。共演者はスープを飲んで驚き、リュウジは「貝のだしがなくてもこれだけうまくなる」と話す。共演者は、ブロッコリーがスープを吸っているのがよく、冷凍でも十分おいしいと評価した。焼いたことで鮭には香ばしさがあり、臭みはまったくないと二人は確認している。

食パンをちぎってスープに浸して食べると、リュウジは「トップオブトップ」と表現し、ただの食パンなのにおいしい、この汁を楽しむにはパンを用意したほうがいいと勧めた。

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〆のパスタ:残ったスープを吸わせる

共演者が、パンがなければこのスープをどうするかと尋ねたことから、残りで〆のパスタを作ることになった。まず鮭の骨を抜き、身をほぐしてパスタの具にする。小骨が意外とあるので、できる限り抜いておくと食べるときに気にならないという。スープは少し残しておけばよい。

パスタは塩分濃度1%の湯で茹でる。リュウジは普段使いのパスタを使い、本格的なものが食べたいときはディ・チェコを使うと話す。太さは1.5mmで、細いほうがおいしいという。表示の茹で時間6分のところを5分で上げ、1分早めの固めに仕上げる。

フライパンを温め、茹で汁とパスタを入れ、少しオリーブオイルを足して、スープを吸わせながら絡める。塩を足すかという質問には、だしがよく出ているので不要だと答えた。スープパスタというほどではないが、汁気の多いパスタになる。固さが変わらないうちにすぐ食べるよう促している。

共演者は「レストランやん」と反応し、二人とも、パンで食べるのもいいが、少し汁を残してパスタにするところまでをセットにするのがよいと話す。共演者は、鮭系の料理の中でもトップクラスにおいしいと評価した。材料費も少なく、パスタがあれば満腹になるという点も挙げられた。

25:32

人に出す料理としての可能性

リュウジは、これだけ簡単なのに出てくると「作ってくれた」と喜ばれる料理だと話し、共演者も誕生日やお祝いの席に出しても喜ばれるだろうと応じる。リュウジ自身、人を招いてコース料理を作るときにアクアパッツァ系の料理を出すことがあるという。スーパーの食材でコースらしく仕立てるなら塩鮭でも十分おいしく、焼くことで臭みも取れる、というのが話者の評価だ。

また、魚屋の森さんの店は刺身や寿司が中心で、買ったものをイートインで食べられるようになっていると紹介したうえで、鮭でスープを取ってパスタに絡めるような食べ方は「全然あり」だと話している。

この「まかない」動画のシリーズでは、半分ほどの確率で新しいレシピを分量を決めずに作っており、微調整しながら作るので編集が大変かもしれないが、ほとんど失敗したことはないという話も出た。

26:50

食卓から魚が減っているという問題意識

終盤、リュウジは魚屋の森さんとその父親と、魚をもっと食卓に広げようと話したことを紹介する。昔は焼き魚や煮魚が食卓に必ず出ていたが、今はSNSを見ても書店を見ても魚の本は売れておらず、バズってもいない。スーパーの鮮魚コーナーでも、昔のように一尾の魚を売らなくなった。リュウジはこれを「僕ら料理家の責任でもある」と語る。料理家が魚を使わないから、みんなもやらなくなったという見方である。

以前のタラの動画については、伸びないだろうと思っていたが、初速は悪かったものの最終的にかなり伸びたという。共演者も驚いたと話し、リュウジはやはり魚料理をやったほうがいいと感じたと振り返る。ショート動画などで自分のレシピが多くの人の目に触れるようになったので、魚を取り上げることで食の選択肢が増えるのはいいことだと考えている。

今後の企画としては、焼かずに茹でる「茹で鮭」が流行っていることに触れ、焼き鮭と茹で鮭のどちらがおいしいかの検証も撮ろうかと話している。リュウジは、食べられるものが増えれば人生の楽しみが増えるとして、そのためにこのチャンネルをやっていると語り、魚料理が広まるかどうかは今回の動画がどれだけ見られるかにかかっている、という淡い期待を示して締めくくった。