リュウジが登山用に作った山頂弁当の7品と、弁当向けの工夫

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概要

料理研究家のリュウジが、翌日に桑田龍征と登山に行くことになり、「弁当を作ってきてくれ」と頼まれた。この動画では、休日の約1時間で7品を作って詰め、翌日に山頂で食べるまでを追う。全体を通してリュウジが繰り返すのは、家で食べる料理と弁当用の料理は作り方が違うという点だ。冷めても美味しいこと、水分を出さないこと、汁気でほかのおかずをしけらせないこと。この3つを基準に、ふだんのレシピを変えていく。

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経緯:翌朝6時出発の登山弁当

撮影の翌朝は6時に迎えが来て出発する。リュウジはこの日の飲み会をキャンセルし、「弁当を作らなければいけないので行けない」と断ったと話す。登山に誰が行くかについては、会社の中で深刻な話し合いがあったという。スタッフも本音では行きたくないと笑う。一方で、誕生日に桑田から総額20万円ほどの登山グッズを贈られた経緯も語られる。

スタッフの1人は弁当を預かり、ロープウェイで先に山頂へ向かう予定だ。ロープウェイなら4分、歩けば2時間ほどかかると聞き、リュウジは「ロープウェイ使おうよ」とこぼす。

桑田についてリュウジは、よく食べるので一緒に食事していて気持ちがいい人だと話す。人に良いものを紹介する立場上、どこの海老、どこの肉というふうに美味しいものをよく勉強している、という評価もしている。ピクニック用の弁当を本格的に作るのはリュウジにとって初めてで、「ネタをくれた」とも言える、と前向きに捉えている。

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塩むすび:米油を入れて炊く

最初に米を3合炊く。具を入れない塩むすびにしたのは、唐揚げや卵焼きなどほかのおかずが多いので、ご飯に具はいらないと考えたからだ。

おにぎりにするときのリュウジのやり方は、炊く前に米油を小さじ2杯ほど入れることだ。こうすると艶が出て、冷めても美味しくなると説明する。旨味調味料も3振りほど加える。本当は浸水させてから炊くほうがうまいが、時間がないのでそのまま炊いた。炊き上がった米は福島県産のもので、油が入っているためやや固めに仕上がっている。リュウジは、塩むすびは油を入れて炊いたほうが美味しいと話す。バットに広げて少し冷まし、アジシオだけで握った。これが「世界で一番うまい」と言う、リュウジが一番好きなおにぎりだ。

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唐揚げ:漬け込みなしで味を入れる

弁当といえば唐揚げ、ということで、漬け込みのいらない唐揚げを作る。基本はもも肉1枚だが、足りなそうなのでむね肉も1枚加え、一緒に仕込む。

弁当用の唐揚げにはニンニクを入れず、生姜だけで作るのがリュウジの好みだ。生姜はおよそ15g。醤油大さじ1と半分、塩小さじ2/3、ハイミー小さじ半分を加え、塩・醤油・旨味でしっかり味をつける。酒も入れない。酒が入ると漬け込み時間が必要になるが、塩と醤油という塩気のあるものだけで構成すると味が早くしみる、というのがリュウジの説明だ。そのため長く漬けなくても美味しくなる。

衣は片栗粉だけで、大さじ8ほどを肉に直接混ぜ込む。以前は衣を別につけていたが、それだとバットを用意する手間がかかり、衣も厚くなった。直接混ぜると衣が薄くつき、厚い衣は弁当に合わない、とリュウジは言う。米油を鍋底1cmほど入れ、IHの強火で揚げた。油は使うが一度に揚げられるので手間は大きくない。

弁当なので衣はザクザクにはならない。それでも「弁当の唐揚げはしなっとしているからうまい、まである」とリュウジは言う。揚げたら油を切り、粗熱を取ってから詰めたほうが美味しいとも付け加える。

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だし巻き卵:水を減らして固めに焼く

卵焼きも弁当用に変える。リュウジがふだん作るだし巻きは水分が多い。そのまま弁当に入れるとしけってしまうので、水を減らして固めに仕上げる。卵6個に対して水は30cc。大量に作るときは泡立て器で混ぜてしまってよいという。味付けはヒガシマルのうどんスープ1袋を丸ごと入れるだけだ。

焼くときは箸ではなくヘラを使う。巻いて広げられればよい、という考え方だ。1回目の巻きはぐちゃぐちゃでも全然いいと言い、焼き上がった卵焼きはまだ温かいうちに形を整えて置いておく。水分が少ないので巻くのは簡単だと話す。スタッフが「自分は上手く巻けず、生地に片栗粉を混ぜていた」と言うと、リュウジは「それでもいい」と応じた。油をひくときにノズル付きの容器を使うと、丸めたキッチンペーパーより楽だという話も出る。

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ほうれん草ののり和え:もみのりで水分をまとめる

正直なところ、塩むすび・唐揚げ・卵焼きだけで十分ではある。それでもリュウジは、こういう副菜が1つあると気分が上がると言い、野菜のおかずを足していく。

ほうれん草は塩分1%の湯で、茎のほうから入れて1分半から2分ほど茹でる。冷やして根元まで絞る。本当は醤油を少しかけてから絞るとよいという。塩をして絞るのと同じような効果があり、醤油の香りもまとう、というのが理由だ。今回は醤油をくるっとかける程度にとどめた。

味付けはもみのりを1つかみ(3gほど)、醤油小さじ1と半分、砂糖2つまみ、旨味調味料2振り。もみのりがほうれん草の水分とうまく合わさるので、弁当でも水っぽくなりにくい。少し甘めの醤油味のほうがうまい、とリュウジは言う。味見したスタッフも美味しいと反応した。

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にんじんのきんぴら:水分の少ない料理は弁当に向く

次はにんじんだ。何を作るか決めないまま切り始め、きんぴら系に落ち着いた。にんじん160gほどに、すりごま大さじ1と半分、ごま油小さじ2。いま気に入っているといういりこだしを小さじ2/3加えて炒める。ほんだしでもよいが、いりこにするとそれらしい味になるという。仕上げに醤油小さじ1、みりん小さじ1と半分で照りと甘みを足し、塩をひとつまみ。よく炒めて水分を飛ばし、バットで粗熱を取る。

リュウジは、きんぴらは日持ちし、栄養感もあり、水分が少ないので傷みにくいと説明する。弁当は基本的に水分の少ないものがよいとされている、という話もここで出る。

この流れで、自分で食べる弁当と人に渡す弁当は違うという話になる。自分のは何でもいい。リュウジは『生きるための弁当』というレシピ本も出しているが、あれは自分用の発想だと笑う。そのうえで「人のために作る料理はいいよね」「これきっと喜んでくれると思う」と口にしている。

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生姜焼き:片栗粉で水を出さない

豚こま肉が余っていたので、肉のおかずがもう1つあれば喜ぶだろうと、生姜焼きを追加する。ふだんのリュウジは、おろし生姜と刻み生姜の両方を使う。今回は唐揚げにも生姜を使っているので、おろし生姜20gほどだけで作る。こま肉はすでに切れているので、下味はつけない。

玉ねぎには淡路島産を使う。ある人物からプレゼンを受けた玉ねぎで、リュウジによると、プレゼンした若いインフルエンサーは良さを全然伝えられていなかった。それでも玉ねぎ自体が美味しかったので「無理やり通した」という。糖度が高く、あまり炒めなくても甘い。甘い理由は、乾燥している土地で育つからだと聞いたという。海水をかけて育てる産地もあるそうだ、とリュウジは話す。これを入れれば桑田さんのチャンネルのネタにもなる、と「よそのチャンネルの撮れ高まで考える」ことを冗談めかして自賛している。

味付けは醤油・酒・みりんを大さじ1ずつ、味の素3振り。ここで酒で溶いた片栗粉を加え、とろみをつける。コンビニ弁当の生姜焼きにもとろみがついている、という話になった。片栗粉を入れると水分が飛ばずに保たれ、具材から水も出ないので、弁当が乾かない。少し足りないと見て、醤油とみりんを小さじ1杯ずつ追加した。唐揚げがしょっぱめなので、こちらは砂糖を小さじ1入れて少し甘くする。それ以上入れると甘くなりすぎるという。バットに上げても水が出ていない様子を見せ、「結構有益な動画だと思いますよ」とリュウジは言う。

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ナスとズッキーニの梅昆布炒め

最後にもう1品、野菜のおかずを作る。スタッフが酸味のあるものを提案し、梅で炒めることになった。疲れにもよいのでは、という程度の発想だ。ナス200gとズッキーニ170g。ズッキーニは切るのが楽だとリュウジは言う。

ナスには軽く塩を振って置いておく。出てきた水を拭くと、油を吸わなくなるという。米油大さじ1で炒め、種を除いた梅干しの果肉3個分を加え、昆布だし小さじ1で味を決める。さっぱり系の塩味だ。ズッキーニは生でもポリポリ食べられるので、ナスに火が通れば大丈夫だと説明する。味見したリュウジは「梅炒めうまいな」と繰り返していた。

ご飯が炊ける間にこれだけの量を作ったことにスタッフが驚くと、リュウジは、主婦をはじめ料理をする人は段取りがよくないとだめなんだと答えた。

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詰め方:アルミホイルで仕切り、ラップで巻く

まずおにぎりを詰めたら、箱がほぼ埋まった。そこで唐揚げと分厚めに切った卵焼きを隙間に収め、残りのおかずは別の容器に分ける。汁気のある生姜焼きはアルミホイルで仕切って、味が混ざらないようにした。容器にぴったり収まっていく様子を見て、スタッフは「フィットしている」と喜ぶ。

蓋がない容器は、ラップで縦横にぐるぐる巻けば汁漏れもせずこぼれない、とリュウジは説明する。詰め終わった弁当は冷蔵庫で保管し、翌日に持っていく。かかった時間は1時間ちょっとだった。

作業中にリュウジは、普通の動画を撮るよりずっと大変だと漏らしている。キャンプなどでもいつも料理を頼られるが、頼られると悪い気はしないという。桑田が楽しみにしていると言うので頑張れた、とも話す。弁当作りはいろいろな技術を使い、頭で段取りを考えなければいけない。昔、祖父母が運動会の弁当を作ってくれていたが、あれは大変だったんだろうと思う、と振り返った。料理をしない人は気軽に弁当を作ってくれと言うが大変なんだ、という本音も出る。リュウジは完成した弁当を「料理スキルの集大成」と呼んだ。

27:43

山頂で食べる

翌日、一行は山頂に着き、弁当を開ける。リュウジは中身を順に説明した。米油で炊いた塩むすび、むねともも両方の唐揚げ、卵6個分の卵焼き、とろみをつけた生姜焼き、ほうれん草ののり和え、にんじんのごまきんぴら、ナスとズッキーニの梅炒めだ。唐揚げには仕上げに塩を足していた。汗をかくと思ったので、全体を濃いめに味付けしたとも話している。

食べた人たちからは、卵焼きがしょっぱくてうまい、生姜焼きは玉ねぎが主役のようだ、にんじんもズッキーニもうまい、といった声が上がった。全部味がしっかりしている、という感想も出る。野菜が食べられる山頂の食事は嬉しい、山頂の食堂はカレーやそば、うどんが中心だから、という反応もあった。弁当はすぐに完食された。

食べる人の顔や食べる場所を思い浮かべながら作るのは楽しかった、とリュウジは振り返る。桑田側から「毎回来てほしい」「シリーズ化決定」と言われると、「作らないけど」「別に登らなくてもいいよね」と返して笑いになった。それでもリュウジは、外に持っていくちゃんとした弁当を作ってほしいという声は実際に結構あると話す。今回の組み合わせは、運動会やピクニックで何を作ればいいかわからない人向けのセットとしても使えるのではないか、と言う。最初は面倒だったが途中から乗ってきた、とも語った。

最後に、山頂で弁当の好評を確認して締めくくった。登山中にリュウジが苦戦する様子は、桑田のチャンネルで公開されている。