アマゾンの森と川に暮らす生き物たち:ジャガーから未接触部族まで

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概要

南アメリカ大陸北部に広がるアマゾン熱帯雨林は、ブラジルをはじめとする9カ国にまたがり、人類が発見した地球上の生物種のおよそ10%が暮らす森だと動画は紹介する。この動画は、森の樹冠から地面の下、滝、川の中まで場所を移しながら、そこに住む生き物がどのように暮らしているのかを順にたどっていく。最後には、今もこの森で暮らす人間、とりわけ外部との接触を断った部族の現状に話が及ぶ。

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日本の15倍の森

アマゾン熱帯雨林の面積は定義によって異なるが、動画ではおよそ550万〜700万平方キロメートルとするのが一般的だと説明する。日本の面積は40万平方キロメートルに満たないため、日本の国土の15倍ほどがジャングルに覆われている計算になる。この森には3900億本の樹木が生えていると推定されている。高く伸びた枝が横に広がって林冠をつくり、太陽の光は地面までほとんど届かない。この独特な環境が、多くの生物の暮らしを形づくっている。

ジャガー:体重あたりの咬合力と泳ぐ力

アマゾンの食物連鎖の頂点に君臨するといわれるのが、南北アメリカ大陸で最大のネコ科動物であるジャガーだ。体重はおよそ60〜110キログラムで、ライオンやトラと比べるとやや小柄である。しかしジャガーには、それらと一線を画す特徴として咬合力、つまり噛む力がある。噛む力そのものはライオンやトラに及ばないが、ジャガーはそれらよりはるかに軽いため、体重あたりで考えると最も咬合力が高いと考えられているという。

短い顎、大きな犬歯、重い頭蓋骨を持ち、500キログラム重を優に超える咬合力を誇るジャガーは、獲物を狩る際に喉元ではなく頭蓋骨を狙い、太い犬歯で貫く。ワニやカメでさえ犠牲になることがある。

ワニやカメを襲うことからも分かるように、ジャガーは半水生と呼べるほど水が得意で、「猫」のイメージからは想像しにくい生態をしている。2024年、ある小さな島でジャガーが発見され、数年前に本土で確認された個体と同じだと分かった。このジャガーは島まで泳いできたことになり、少なく見積もっても1.27キロメートルを泳ぎ続ける必要があったという。

ナマケモノ:恒温動物であることを半分捨てた暮らし

林冠には、その名のとおりの動物、ナマケモノが暮らしている。一生のほとんどを木の上で過ごし、最大の特徴は代謝が極めて低いことだ。動画が紹介する研究の推定では、アマゾンでよく見られる体重4キログラムのミユビナマケモノの代謝量は、哺乳類の中で最も低い1日およそ110キロカロリー。普通に生活してもエネルギー消費はおにぎり1個分に満たない。

哺乳類は外部環境にかかわらず体温を一定に保つ恒温動物であることが特徴の一つで、人間は37度付近を保ち、そこから5度ほど外れると命の危険が出てくる。ところがナマケモノは、1日のうちに体温が最大10度近く上下することが分かっている。深夜から早朝にかけて最も低く、昼に最も高くなる。ナマケモノは他の哺乳類と違って筋肉を震わせて体を温めることができず、日光を浴びて体温を上げている。動画はこれを「恒温動物であることを半分捨てているような生態」と表現する。

この体温の性質は、ナマケモノが満腹のまま餓死することがあるという有名な話にもつながる。ナマケモノの食べ物はほとんどが豊富にある葉だが、葉を直接消化できず、消化器官内の細菌の助けを借りて栄養をとっている。体温が下がると細菌の活動が極端に低下し、お腹は満たされているのに消化できず餓死してしまう。

さらにナマケモノは、およそ1週間に1回わざわざ地面まで降りて排泄する。これはナマケモノにとって最も危険な瞬間で、猛禽類やジャガーにとって格好の獲物になる。しかも降りた後に再び登らなければならないため、1日のエネルギー消費の8%ほどをこの「儀式」に費やしていると推定されている。なぜそこまでの危険を冒して地面で排泄するのか、その理由はまだ明らかになっていないと動画は述べる。

コンゴウインコ:鳥類最強のくちばしと土を食べる習性

緑一色のジャングルに青、赤、金色の翼で現れるのがコンゴウインコである。その鮮やかさだけでなく、くちばしの力は鳥類で最も強いことが分かっている。ある研究では最大540ニュートン、およそ55キログラム重に達し、世界一硬いとされるマカダミアナッツも割ることができる。

コンゴウインコには、長年生物学者を悩ませてきた習性がある。毎年ペルーの水辺に数百羽が集まり、そこの土を食べるのだ。当初は土に何らかの解毒作用があると考えられていた。しかし詳しく調べると、この行動は繁殖期に多く行われ、特に好まれる土はナトリウムの含有量が極めて多かった。アマゾンの熱帯雨林は、特に内陸部で土壌の塩分が少ないことが知られており、塩化ナトリウムが不足していたコンゴウインコが水辺の土でナトリウムを補給していた可能性が高くなったという。

コンゴウインコは植物にとっても重要な存在だ。動画が紹介する学説では、かつて熱帯雨林で大型の種子を運び植物の繁殖を助けていたのは大型哺乳類だったが、その多くがすでに絶滅したため、そうした植物は種子を遠くへ運べず繁殖が妨げられていた。ところがボリビアのコンゴウインコは、大きな果実を持って1キロメートル以上移動し、果肉を食べた後に種子を捨てる様子が観察されている。実際、若いヤシの木はコンゴウインコがとまる木のそばに多く見られる。動画は、もしコンゴウインコがいなければ多くの木は勢力を広げられず、アマゾンの様子は全く違っていた可能性があると述べる。

オオハシ:巨大なくちばしは体温調節装置か

キツツキの仲間であるオオハシの最大の特徴は巨大なくちばしで、大きなものでは体長の3分の1を占める。それでも重さは体重に比べてごく軽い。くちばしの中身が空洞になっているうえ、くちばし自体も網目状の構造で、空洞の割合が多いためだ。

なぜこれほど大きなくちばしを持つのかには諸説あり、パートナーを誘うため、果実の皮をむくためといった説がある。現在有力とされているのは体温調節のためという説で、くちばしへの血流を増やすことで体内の熱を周囲に放出できるというものだ。一説には、オオハシのくちばしはゾウの耳と同程度の体温調節機能を持つという。

ヤドクガエル:猛毒の仕組みと、飼育すると無毒になる理由

鮮やかな色は、周囲に警戒を促す危険な色であることもある。アマゾンの地面には地球上有数の毒を持つヤドクガエルが暮らしている。先住民が吹き矢の先にその毒を塗って狩りに使っていたことで知られるが、そうした使われ方をしたのは、170種以上いるヤドクガエルのうちコロンビアに生息するわずか3種だけだという。

その中で最も強い毒を持つのが、金色に輝くモウドクフキヤガエルだ。皮膚からはバトラコトキシンという毒が分泌され、人間10人を死に至らしめるほどだとされる。バトラコトキシンが血流に乗ると、神経や筋肉のナトリウムチャネルを開いたままの状態で固定し、最悪の場合は呼吸ができなくなって命を落とす。

ただし動画は、むやみに恐れる必要はないとも説明する。先住民はこの毒を矢に塗って扱っていたし、現代の研究者には素手で扱う人もいる。バトラコトキシンは体内に入らなければ毒性を発揮しない。手に小さな傷があれば、すぐに火傷のような痛みが生じるので分かるが、その状態でも命に別状はないようだという。

ヤドクガエルの毒は、餌を食べることで作られることが分かっている。そのため人間に飼育された個体は、与えられる餌から毒を作ることができず、完全に無毒化される。猛毒のはずのヤドクガエルがペットとして流通していることがあるのはこのためだ。

クモザル:親指を失った手、指紋のある尻尾、ハグ

林冠の上層で枝から枝へ器用に飛び移るのが、長い腕と尻尾を持つクモザルである。クモザルには親指がほとんどない。枝に飛び移る際に邪魔になるため、進化の過程で徐々に小さくなったと考えられており、手はフックのような役割を果たすに過ぎない。尻尾は腕より長く、5本目の手足のように機能し、尻尾だけで枝からぶら下がって全体重を支えられる。尻尾の先端には毛のない部分があり、そこには指紋のように個体ごとに異なる模様がある。

クモザルは極めて社会的な動物でもある。数十匹の群れで暮らすが、餌を探すときはいくつかの小グループに分かれ、後で合流することが頻繁に観察されている。合流時にはクモザル同士でよくハグをするという。この行動は、群れでの無駄な争いを避けるために敵意がないことを示す手段として進化したと考えられている。

クモザルも種子散布に大きく貢献している。ある研究では、一つの群れを観察した結果、1年間で合計133種の種子を散布したと推定している。1ミリメートル以上の種子は19万5000個、そのうち3ミリメートル以上は3万5000個で、運ばれた距離は平均400メートルを超える。個体数の減少が熱帯雨林に直接影響すると指摘されている。

ハキリアリ:5000万年続く農業

地上をジャガーが支配しているとすれば、地下の覇者は小さなハキリアリかもしれないと動画は言う。巣には時に数百万匹が暮らし、テニスコートの大きさを余裕で超えることもある。働きアリは軍隊のように行進しながら、自分の体重より重い葉のかけらを抱えて巣に戻る。

しかしハキリアリは葉を食べるわけではない。葉は食べ物ではなく堆肥として使われる。巣の中で菌類を育てており、運び込まれた葉はこの菌の餌になる。育った菌はハキリアリのために栄養のある細胞を作り出し、アリはそれを食べる。動画はこれを「農業」と呼び、およそ5000万年前から続く地球最古の農業だとする。そのきっかけは、恐竜を絶滅に追いやった6600万年前の小惑星衝突による気候変動だという説も紹介している。

ハキリアリと栽培菌は、互いの存在なしには生きられないほどの共生関係にある。ハキリアリはアミノ酸の一種アルギニンを体内で合成できず、すべて栽培菌に依存している。一方の栽培菌は、ストレス反応と解毒に関する能力を失っているという。ハキリアリが間引きやゴミ捨てをこまめに行うため、その能力が必要なくなったのだ。

熱帯雨林全体に対する役割も大きい。一つの巣でおよそ40トンの土を掘り返すこともあり、廃棄物を巣の外に出すことで土の中の養分を移動させている。土壌構造や森林の物質循環を変える「生態系エンジニア」として機能しており、動画はアマゾンの土の大部分はハキリアリによって形づくられていると言っても過言ではないと述べる。

ゴライアスバードイーター:怖いのは牙より毛

アマゾンで最も有名なタランチュラは、世界で最も重いクモであるルブロンオオツチグモ、別名ゴライアスバードイーターだ。最大でおよそ170グラム、脚を広げた長さは30センチメートルになることもある。名前とは裏腹に鳥を食べることはほとんどないと考えられており、食事の大半は昆虫で、たまに小型のカエルやネズミを捕らえる。毒のある大きな牙で獲物を動けなくし、巣に持ち帰って消化酵素を注入し、溶けた中身をストローのような口で吸い出す。

人間への害は大きくない。毒は人間にとってそれほど強くなく、ハチに刺された程度の痛みだという。むしろ注意すべきは、アマゾンのほとんどのタランチュラが持つ毒毛で、危険を感じると周囲にばらまく。皮膚に触れるとかゆみを伴う発疹ができる場合がある。

エンジェルフォールとテーブルマウンテン

動画は次に、ベネズエラ南部の滝エンジェルフォールへ向かう。アマゾン川の流域ではないが、アマゾン熱帯雨林の一部とされている。落差は世界最大の979メートル、途中で岩に当たる部分を除いても807メートルで、どちらも世界記録であり、東京スカイツリーよりも高い。

周辺には、ジャングルの海に浮かぶ島のようなテーブルマウンテンが100以上ある。雨などの浸食作用で周囲の大地が削られ、硬い岩だけが残ってできたと考えられている。エンジェルフォールもその一つから流れ落ちている。それぞれが孤立しているため、数千万年にわたり独自の生態系が築かれ、固有種も多く、未発見の生物がいる可能性もある。コナン・ドイルは1912年、この上で恐竜が生き残っているという設定の小説『ロスト・ワールド』を発表した。

落差があまりに大きいため、流れる水の大部分は細かい霧となって空中を漂う。12月から4月の乾季には、ほぼすべての水が蒸発してしまう。滝壺は存在せず、本来それにあたる場所は巨大な霧吹きを吹きかけられたような状態だという。

先住民は古くからこの滝を知っており、ケレパクパイメルと呼んでいたようだ。現在の名前が付いたのは1937年で、1933年にアメリカのパイロット、ジェームズ・エンジェルがこの滝を見つけたことがきっかけだと動画は説明する。彼がテーブルマウンテンの上に着陸したところ、飛行機が泥に埋まって離陸できなくなり、彼と3人の同乗者は徒歩で帰らざるを得なかった。その道のりは11日かかり、この冒険が滝の名を世界に広めたという逸話が残っている。

浸水林:洪水を前提に設計された森

アマゾンの一部には、毎年決まった時期に洪水に見舞われ、数カ月にわたって水に浸り続ける浸水林がある。動画はこの洪水を災害ではなく、雨季に伴う環境の変化と呼ぶべきだとし、生態系全体がこの洪水を前提に成り立っていると説明する。

ピーク時には水位が森の最上層の林冠にまで達し、魚も林冠付近まで上がってくる。この時期には、魚が木から落ちた果実や種子を食べ、種子を散布する役割を担う。実際、浸水林の広がりや樹種の豊富さと、果実を食べる魚の豊富さに相関があることが明らかになっている。森が魚に食べ物を与え、魚が森を増やしているのだ。

通常、これほど浸水すると根が呼吸できず木はすぐに枯れる。しかし浸水林の木は、根から上部まで空洞の通気組織がつながっており、根に酸素を送る仕組みを持つ。さらに葉が水に浸って日光が激減しても光合成ができるよう進化している。

アマゾン川:流量、逆流、地下の「川」

アマゾン熱帯雨林の中核をなすアマゾン川は、流量が世界一というだけでなく、世界2位から7位までを合わせたよりも多い。海に流れ込む淡水のおよそ20%がアマゾン川によるものだという。

アマゾン川はかつて逆向きに流れていた。アンデス山脈が形成され始めると太平洋から切り離され、アマゾンは巨大な湖となった。やがて東側の大西洋に到達し、現在のアマゾン川が形づくられた。今でも満潮時に流れが逆転することがあり、ポロロッカと呼ばれるこの現象は、高さ最大4メートルのうねりとなって河口から800キロメートルほど逆流することがある。

また、アマゾン川の地下にもう一つ巨大な川が流れているという説もある。深さ4キロメートルの地下をゆっくり動く地下水脈がアマゾン川と並行するように存在するとされ、異論はあるものの、ハムザ川と呼ばれることもあるという。

ピラニア:臆病な「掃除屋」

アマゾン川には、実際の生態と一般的なイメージがかみ合わない魚、ピラニアがいる。凶暴なイメージとは裏腹に、実際は臆病な魚だと動画は説明する。そのイメージは元アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトとのエピソードがきっかけだと伝えられている。ブラジルを旅行していたルーズベルトを驚かせようと、地元の人々が餌を与えていないピラニアの群れがいる水域を作り、そこに牛を投げ込んだ。牛はあっという間に骨だけになり、凶暴なイメージが世間に広まったとされる。

実際のピラニアは雑食で、他の魚や昆虫だけでなく果実や種子も食べ、生きた獲物より腐肉を好むことが分かっている。人や家畜を襲うことはあり得なくはないが、自然界ではほぼ起きないという。むしろ腐肉を好むピラニアは川の掃除屋として重要だ。熱帯のアマゾン川は水温が高く、死んだ動物はすぐに腐敗して他の魚に感染症を広めることもある。その前にピラニアが片付けることで、川全体の生態系を守っているという見方もできるかもしれないと動画は述べる。

アマゾンカワイルカ:ピンクの肌、曲がる首、道具を使う求愛

ピンク色の肌が特徴のアマゾンカワイルカは、流域ではボトと呼ばれ、夜に若いハンサムな男性に化けて女性を誘惑し、朝には川でイルカに戻るという伝承がある。ピンク色の主な要因は皮下脂肪が他のイルカより少ないことで、血管が皮膚のすぐ下を走っており、水温が高いと特にピンク色が目立つ。冷たい海で体温を保つ必要がある他のイルカと違い、熱帯に暮らすこのイルカには厚い皮下脂肪が不要なのだという。

浸水林に適応した体の構造も持つ。絡み合った枝の間を移動するため、首の骨である頸椎が癒着しておらず、首を90度曲げられる。横向き、後ろ向き、逆さの状態でも泳ぐことができ、狭い場所で小回りが利く。

道具を使うことでも知られる。2008年の研究では、口に木の枝や草、粘土の塊をくわえ、水面に叩きつける行動が観察された。この行動はほぼオスだけが行い、メスの繁殖期に向けてピークを迎え、最も多くこの行動を見せたオスがより多くの子を残していた。つまり求愛行動、あるいは魅力をアピールする手段だったのだ。イルカやクジラの仲間がこのように道具を使うのは非常に珍しいという。

アナコンダとカイマン

アマゾン川には世界で最も重いヘビ、アナコンダも暮らす。最大の個体では全長6.3メートル、体重200キログラムに達した記録がある。毒はなく、長い体で締め上げて狩りをし、カピバラ、シカ、カイマン、大型の魚などを狙う。人間の子どもが襲われた事件は何件かあるが、大人が襲われることはほとんどないようだ。メスがオスより圧倒的に大きく、繁殖期には1匹のメスに多いときで12匹ほどのオスが群がって玉のようになる。爬虫類では少数派の、卵を体内で孵化させてから産む方式をとり、生まれた時点で体長数十センチメートルあり、すぐに泳いで狩りもできるという。

ワニの一種カイマンは、最大の個体で体長6.5メートル、体重450キログラムにもなる。他のワニと同様、卵の孵化時の温度で性別が決まるため、気候変動の影響が心配されている。

カイマンには悲劇的な歴史がある。20世紀中盤、皮を目的とした乱獲で絶滅寸前まで追い詰められ、地域によっては1950年から1970年の間に個体数が99%減少した例もある。カイマンが激減すると、捕食されていたカピバラやピラニアが激増し、農作物や他の魚への被害が大幅に増えた。カイマンは少数でも生態系に大きな影響を持つキーストーン種だったのだ。産卵数が多いこともあり現在は個体数が回復しているが、動画は今後いつ同じようなことが起きてもおかしくないと述べる。

オオカワウソ:「川の狼」の社会と声

カワウソと聞くと小柄なコツメカワウソを思い浮かべる人が多いかもしれないが、アマゾンにいるのはイタチの仲間で最大のオオカワウソである。体長は最大2メートルになり、主に魚を捕らえて食べる。家族を中心とした4〜8頭の群れで暮らし、群れで狩りをし、縄張りを守り、子どもを育てる。見た目の印象に反して、実に社会的な生態を持つ。

鳴き声が豊富なのも特徴で、2014年の研究では大人は22種類、子どもは11種類の鳴き声を持ち、家族ごとに異なる鳴き声を使い分けていることも分かった。地元では「ロボ・デル・リオ」、川の狼と呼ばれているという。しかし個体数は激減しており、野生には5000頭以下しかいないと考えられている。絶滅危惧種のリストにも載り、生息地の保護が求められている。

未接触部族:接触を拒む理由

最後に動画は人間の話に移る。アマゾン全域にはおよそ3000万人が暮らし、300もの異なる言語を持つ部族がいると推定されている。しかしその全貌は、将来も明らかにならない可能性がある。外部との接触を拒む未接触部族が多数いるからだ。ブラジルだけで124の未接触部族が存在し、人数は明らかではないが、世界全体ではおよそ1万人にのぼると考えられている。

動画は、彼らが文明から取り残されたわけでも、原始的な知能しか持たないわけでもないと強調する。自らの選択として文明社会との接触を拒んだ人々であり、多くの場合、かつては外部との交流があった。しかしその結果があまりに悪かったため、交流が途絶えたのが実情だという。

直接的な暴力だけでなく、疫病の影響が極めて大きかった。1875年から2008年の間に、117回の疫病が59の部族に影響を与えたことが分かっている。その大部分ははしか、インフルエンザ、マラリアなど、多くの人がある程度の免疫を持つ病気だった。しかしアマゾンの多くの部族にとっては未知の病気で免疫がなく、致死率は25%前後と極めて高く、少なくとも1万1000人が犠牲になったと推定されている。そのため現在、未接触部族の保護と支援を担う団体は、接触を試みることを禁じる立場をとっている。かつて未接触だった部族から外に出た人の中には、未接触部族の人に会ったら文明社会に行くのはやめるよう助言する人もいるという。

「穴の男」と、続く脅威

これを象徴する存在として、動画は「穴の男」と呼ばれた人物を紹介する。彼は詳細不明の部族の最後の生き残りで、他のメンバーの行方は分かっていない。1990年代から2022年まで、一人でアマゾンの熱帯雨林で暮らし、よく深い穴を掘っていたことからこう呼ばれた。保護団体は接触を試みず、遠くから見守っていた。

2022年、小屋の外のハンモックで亡くなっている彼が発見された。推定60歳で、死因はおそらく病死とされる。これにより、彼の部族の文化、言語、歴史が失われた。見方によっては天寿を全うしたように思えるかもしれないが、動画によれば、彼の部族は詳細は不明ながら、牧場用の土地を広げようとする違法な牧場主に邪魔者扱いされ、最悪の結末を迎えた可能性が指摘されている。

その危険は今もなくなっていない。近年ブラジルでは金の採掘が盛んで、違法な採掘者は熱帯雨林を伐採し、アマゾン川に水銀汚染を引き起こしている。その結果、そこに住む部族が住まいも水源も奪われる問題が起きている。行政も対策を打っているが、いたちごっこに終始しているのが現状だと動画は述べる。

動画は、アマゾン熱帯雨林は広大なジャングルやジャガー、ピラニアだけで語り終えられるものではなく、そこには何万年も続いてきた人間の営みも確かに刻まれている、という言葉で締めくくられている。