「ちょっとの負け」を重ねて大きなチャンスに備える――多井隆晴が語る人生の押し引き
新R25チャンネル新R25の聞き手は、失敗を恐れて挑戦できず、掴むべきチャンスを逃してきたという悩みを抱えている。この回では、Mリーグ・渋谷ABEMASに所属し、自ら「唯一の守備型の麻雀プロ」と名乗るプロ雀士の多井隆晴に、人生で使える押し引きと勝負勘を尋ねた。多井の答えは、守備を勧める話にはならなかった。基礎と武器を持ったうえで小さな負けを恐れずに動き、数年に一度のラッキーに備えておくべきだ、というのが多井の立場である。
「損をしたくない」という相談
聞き手は、勝ち続けたいとまでは思わないが、負けたくない、損をしたくないという気持ちが強いと話す。消極的で奥手な性格のせいで、これまでチャンスを取りこぼしてきたという後悔がある。一方で、すべてのチャンスを取りに行けば空回りして失敗することもあるから、人生にもある程度の押し引きが必要だと考えている。聞き手の見立てでは、20代・30代のいわゆるZ世代は失敗を極端に恐れ、正解を見つけてから動き、コスパやタイパを重視して無駄な苦労を避けたがる。そこで「守りに強い人間」になるためのヒントを、守備型の多井に聞きたいというのが今回の趣旨である。
多井はまず、負けたくない、損をしたくないというのは普通の感情であり、最初から全ツッパの人生を送っている人などほとんどいないと答えた。そのうえで、細かく積み上げるやり方への疑問を投資の例で示している。資産がない状態から年利3%、5%、7%で貯めていっても、その先で本当に幸せになれるのか、と多井は問う。新NISAのような積立は、ある程度資産ができてからなら有効だという。しかし毎月1万円をインデックスファンドに入れるくらいなら、その1万円を英会話教室やパソコン教室、AIの勉強に使ったほうがいい。「今」の自分に投資しろ、というのが多井の考えだ。
みんなが攻めるから守った
多井が守備型になったのは、守備が有利だと考えたからではない。周りが攻撃ばかりだったからだ。多井によれば、麻雀の勉強法は長く「何切る問題」、つまりこの手牌が来たら何を切るかという問題しかなかった。ここ数年でAIの時代になり、攻撃も守備もいろいろと学べるようになったが、それまでは全員が攻撃の勉強しかしていなかった。だから多井はひたすら守備を勉強してきたという。
多井は「人と違うことをしろ」とは言わないと断ったうえで、同じことをやっていてもダメだろうと話す。人生の守備力とは、自分の武器を1つか2つ持っておくことだという。武器があれば、今の会社で失敗してもやっていける。
一度だけの全ツッパ:証券会社を辞めたとき
多井は、人生で一度だけ全ツッパしたことがあると明かした。証券会社に8年ほど勤め、麻雀プロと並行していた時期もあった。そして麻雀プロでやっていける、自分はナンバーワンになれると確信して会社を辞めた。「失敗したらどうしよう」と考えたのは、そのときが初めてだったという。
ただ、そのときも心の拠り所はあった。証券マン時代にいろいろな資格を取っていたので、麻雀プロで失敗しても金融の世界でやっていけるという思いがあった。プロになってからも麻雀以外の勉強をかなりしており、たとえば喋りの勉強は今になって生きているという。守備を鍛えたいなら、それが1つあればやっていけるという武器を身につけるべきだ、と多井は言う。
暗かった麻雀業界に見た可能性
多井がプロになった当時の麻雀界には、今のような環境は何もなく、収入もほぼゼロだった。それでも踏み切れた理由を聞かれた多井は、「業界が暗かった」と答えた。対局の配信を見ても、選手はみなスーツにネクタイ姿で、開始の挨拶は「よろしくお願いします」、インタビューは勝てば「嬉しいです、ついてました」、負ければ「悔しいです」という一辺倒だった。多井はそれを見て「もらった」と思ったという。自分なら違うことを言える。格闘技のトークのように煽りもできるし、ふざけることもできる、と考えた。
若い頃は大きな団体にいて、上層部にいろいろと提案したが笑われていた。企業にスポンサーについてもらってロゴをつけたい、大企業のロゴ入りネクタイで対局したい、麻雀で観客を集めて東京ドームを埋めたい。そんなことばかり言っていたという。多井は、麻雀プロに魅力がなく、協力する企業がないだけで、麻雀というゲーム自体は人を熱くさせるポテンシャルを秘めていると考えていた。20〜30年前の麻雀はイメージが良くなかったが、世の中で流行るものはイメージの悪いところから入ったほうが広がっていく、というのが多井の見方である。
守備は基礎ができてから語るもの
勝ち続ける人には攻め続けるイメージがある。守りを重視しながら勝ってきた多井に極意を尋ねると、多井は「基礎ができてから初めて守備を語れ」と答えた。多井の麻雀は極端に尖った守備型で、基礎ができて初めて成り立つ。いきなり真似をしても誰も勝てないだろうから、「よい子は真似しないでください」という話だという。
多井はイチローの例を挙げた。イチローの振り子打法を小学生にやらせたら、全員おかしくなってしまうだろう。あの打法は、目に見えないところにある基礎体力があって成立している。細く見えて、実は筋肉があり体重も意外とある。それと同じで、多井の場合は基礎ができたうえでの個性がたまたま守備だったにすぎない。だから守備をあまり意識しないほうがいいと多井は言う。守るにしても攻めるにしても基礎力が大事で、もしみんなが多井の真似をして守り出したら、自分は攻めるつもりだという。守備が大事だとは思っているが、有利だとは思っていない。
負け試合で目立つ
多井は30年間勝ち続けているように見られているが、実際には負けも多いと話す。たとえば年に10のタイトル戦があり、毎年1つ取ったとしても、9回は負けている。だから負けているときに目立つことがとても大事だという。負けを次のタイトルの勝ちにつなげ、1つのドラマとして連ねていく。負けを負けのまま終わらせる人は、そこで終わってしまう。
聞き手は、多井が3〜4年前の新R25の記事でも「負け試合でいかに目立つか」を語っていたことに触れた。多井によれば、収入や知名度、SNSのフォロワー数、YouTubeの登録者数は、タイトルを取ったときや優勝したときに一気に増えたわけではない。負けたときに「ドーン」と伸びる人生だったという。多井は自分の周りに起こることをあまり悲観的に考えないタイプで、負けたら負けたで、それを何かに変えればいいと考えている。笑いに変えてもいい。
毎日1万円か、年1回のじゃんけんで1000万円か
「損をしたくない人生」とは何かを考えるために、多井は聞き手に問いを出した。一生、毎日1万円がもらえる人生、つまり年365万円。もう1つは、毎年1月1日に1回じゃんけんをして、勝てば1000万円、負ければ0円の人生。どちらを選ぶか。
多井は、後者の期待値は1回あたり500万円だと説明する。10勝10敗なら、20年間毎年500万円もらっているのと同じだ。説明を聞いた聞き手は1000万円を選ぶと答えたが、説明がなければ確実な1万円を選んでいたとも認めた。多井によれば、そう答える人は多い。だから多井は、「ちょっとの負けは良くない」という考えを疑う。大打撃になるようなひどい敗北さえしなければ、ちょっとの負けはどんどんしていい。ちょっとの負けで済むことをたくさんやって、大きなリターンを取れる行動をすればいい、というのが多井の立場だ。若いうちからこの意識を持つと人生はだいぶ変わるかもしれない、とも話した。
麻雀でも多井には必殺技のようなものはあまりないという。リーチが得意、鳴きが得意、混一色が得意という選手がいるなかで、多井の売りは「Sクラスのミス」をしないこと、つまり大きなミスを誰よりもしないことだ。傷を負わない程度のミスで済ませればよく、人生にも麻雀にもファインプレーはいらないと多井は考えている。
自分を客観視する:藤田晋という「勝てない相手」
多井がこう考えられるようになったのは、自分を客観視できるようになったからだという。自分を客観視できると精神年齢が上がり、人間性も上がる、と多井は言う。麻雀をしていると勝ちたくなるし、振り込みたくなくなるし、誰かが変なことをすればイラッとする。それはプレイヤーだからだ。1メートル離れたところから自分を俯瞰で見られるようになると、成績は安定する。人生でも同じことが大事だという。
多井が自分を客観視できるようになったのは、Mリーグが始まってからだ。きっかけはサイバーエージェントの藤田晋だった。藤田が10億円や20〜30億円程度の資産家だったら、追いつこう、抜こうとしてしまっただろう。しかし藤田は一生勝てない相手だった。10年ほど前にABEMASができ、いろいろな場に出してもらうなかで、知名度も人間力も資産も無理だと悟った。多井はそれを「良かった」と振り返る。
多井は藤田の本をすべて読んでいる。昔は全部から影響を受けていたが、今は「これはもう自分には無理」と思えるものが半分あるという。自分に使える部分とそうでない部分を見分けられるようになると、本や動画からの吸収力がまったく違ってくる。無駄なものまで吸収しようとするから、うまくいかない。「藤田晋にはなれない」のだから、真に受けすぎてはいけないと多井は言う。
情報を鵜呑みにするか、全部反発するか
多井によれば、若い人は偉い人の言うことを全部鵜呑みにするか、全部反発するかのどちらかになりやすい。多井の世代は、テレビで偉い人が話すことは絶対だった。2000年前後に生まれた世代は、さまざまな情報が世に出る時代に育っている。そのため情報の取捨選択が難しく、「パニック」になっているのではないかと心配しているという。起業の仕方、スキルアップの仕方、投資の仕方などについて、9割は再現性がないのではないかと思える情報が飛び交っている、と多井は見ている。
聞き手は、前職が報道機関だったので社会的な出来事については情報の真偽をある程度判断できるが、知識のない分野ではそれができないと話した。「この人が言うなら間違いない」と鵜呑みにしてしまう「全部受け入れる側」だという。これに対して多井は、そのタイプはいいプレイヤーになれるのではないかと答えた。全部反発する人は、すごい起業家になるか、ほとんどがダメになるかのどちらかだ。全部吸収できる人は、経営者ではないが、いい社員になることが多いという。
「自分は何者でもない」
多井は、自分は正直何者でもないと語る。藤田がMリーグとABEMASを作り、10年前に「麻雀が強くて面白いのがいる」と多井を麻雀界の中心に置いた。その結果、年収は10年前の10倍以上、20倍ほどになった。だから自分の力ではない、と多井は言う。こうして語るのも恥ずかしく、藤田に「助けて」とLINEしようかと思ったと笑いを交えて話した。
聞き手は、藤田がそう判断したのは多井のそれまでの積み重ねがあったからではないかと返した。しかし多井は「わからない」と答え、自分を藤田の馬にたとえた。藤田が馬を買って世界一になったと言われても、その馬が元々どうだったのかはわからない。ラッキーもある、というのが多井の認識である。
ちょっとしたラッキーに備えて準備しておく
そのうえで多井は、一生懸命努力しても成功するとは限らないと言う。だからこそ、良い出会いのようなちょっとしたラッキーが来たときのために、徹底的に準備しておこうと考えてきた。
プロになって30年ほど前から、多井は「いつか石油王のような人が現れる」と想定していたという。突然麻雀を好きになった人が、優勝賞金1億円の大会を開いたり、1億円の個人契約でプロ活動を応援したりする。そんな人が現れたときに、自分は強くて面白い男でいようと思っていた。もしそういうチャンスが現れなかったら、諦めようと思っていたという。実際に現れたのは、石油王ではなく藤田だった。
多井は、そのときのことを今でもはっきり覚えていると話す。藤田が個人で開いた麻雀大会に、初めて呼ばれた。30〜40人の麻雀プロが集まる大会だった。多井はそこで「来たな」「石油王だ」と感じ、ここで力を出さなければダメだと考えた。麻雀は勝ったり負けたりするので優勝は難しいが、打ち上げも含めて1分1秒たりとも気を抜かないと決めた。結果として運良く優勝し、打ち上げでも対局の局面をすべて覚えていて、いろいろな人の質問に的確に答えた。藤田はそれを見ていたという。多井は、大社長はこういう場でプロを試し、使える人間を探しているに決まっていると考えていた。そのため、業界で一番キャリアが長い自分でも、若手のようにフレッシュにテキパキ動いてアピールした。ラッキーが来たときにチャンスを掴める人間でいようと待ち構えていたから、それができたのだという。
人生を変えるチャンスは何年かに一度しかない。取りこぼさないためにどう準備すればいいかと聞かれた多井は、まず自分で目標を決めることだと答えた。100人いれば100通りの人生がある。多井の場合は、有名になりたい、お金を稼ぎたい、麻雀を広めたいという目標があった。麻雀を広めるほど自分のファンも増えると考えていた。目標があれば、小さなチャンスは毎日のように起こり、大きなチャンスは2〜3年に一度来る。それを取りこぼさないようにするのは簡単だと多井は言う。
ただ、その準備は苦痛でもあった。麻雀番組などない時代に、多井はボイストレーニングに通った。「明日どうなるかもわからないのに、なんでボイトレに通っているのか」と自分でも意味がわからず、カラオケが少しうまくなる程度だったと笑う。先生に「この年でアナウンサーになりたいんですか」と聞かれ、「なりたいんです」「芸人になりたいんです、喋りを勉強したいんです」と答えたという。麻雀実況という仕事もなかった時代である。藤田が本気を出してからまだ10年で、多井の30年余りのプロ生活のうち20年以上は、大したことがなかったと話す。
麻雀以外のことに力を入れる理由
多井は自身のYouTubeチャンネルで、麻雀以外のコンテンツも多く発信している。多井はこれを「パクり」と表現した。藤田が「熱狂」のようなスローガンを掲げ、麻雀を外へ外へ広めようとしているのを見て、麻雀以外のことを頑張ろうと考えたという。ゲームのApexをはじめさまざまなゲームをやり、VTuberとも絡む。自分は麻雀YouTuberではなく「単なるYouTuber」だと多井は言う。藤田から直接言われたわけではない。藤田が麻雀プロに望んでいることを普段の言動や本から汲み取り、こうすれば喜ぶだろうと判断してやっているという。
背景には藤田への思いがある。多井によれば、藤田はイメージの悪い麻雀に投資し、電通やテレビ朝日などとの人間関係、つまり自身の信用を切り売りして参加してもらった。自分なら、イメージの悪いものに関係者全員を巻き込むようなリスクは取れない。今でこそABEMASやMリーグは少しずつ広まったが、最初の数年に藤田がどんな思いをしたかを考えると申し訳なく、自分のような人間が1人くらいいないとかわいそうだと多井は言う。
ABEMAに将棋や競輪、サッカー、アニメなどのチャンネルが増えるたびに、多井にはプロサッカー選手や競輪選手の友達、麻雀好きの仲間が増えた。声優による麻雀大会の解説も決まっているという。多井は、自分の活動はABEMAと直結していると話した。
小さく失敗して、トータルで勝てばいい
聞き手は、今の若い世代はリスクを恐れて挑戦できないと改めて投げかけた。多井は、挑戦は怖いと認めたうえで、軽く失敗することを恥じないでほしいと語った。大企業の社長も藤田も、みんな失敗している。いろいろ失敗してきて、トータルで勝てばいい。
多井は再び1日1万円の例に戻る。少しずつ前進しようとすると、小さなものしか得られない。小さな利益を積み重ねても、若いうちは大したものを作れない。むしろ一生負け越しでもいいくらいだという。自己投資でもビジネスでも、5回100万円負けても、1回1000万円を取れば500万円勝っている。10回挑戦して1つ成功すればよく、残りの9つは誰も覚えていない。営業で失敗しても、相手は「変な若いのがアピールしてきたな」と思う程度で、3日もすれば忘れる。どれか1つが成功すればいい、それを繰り返せばいい、と多井は言う。若者が半分以上成功することはなく、そんな人はすぐに上場企業の社長になって別の世界に行っている。小さな失敗にくよくよする必要はまったくない。ただし、なぜ失敗したのかは考えなければならない、とも付け加えた。
もう一度サラリーマンをやりたい
意外なことに、多井は「もう一度20代に戻ってサラリーマンをやりたい」と話した。サイバーエージェントでも証券会社でもいい。理由は刺激が欲しいから、常にチャレンジしたいからだという。多井は自分でそれを「病気」と笑う。
若い頃の多井は、100億円を稼いだ人がそれを全部使い果たしたという話を聞くと、「アホだな」と思っていた。100億円を年利5%で回せば毎年5億円、10億円でも5000万円が入るのだから、配当で暮らせばいいと考えていた。しかし今の年齢と立場になって、それでは「生きていることにならない」とわかったという。人間にはゴールがない。自分程度でもそうなのだから、藤田のような人はなおさらゴールがなく、常に刺激を求めているのだろう、と多井は推し量る。藤田の馬がレースで勝ったとき、藤田の目が輝いていたことも例に挙げた。
そこから多井は、自分なりの気づきを語った。成功者にとって大事なのは勝ち負けではなく、挑戦している自分、つまりプロセスだ。チャレンジしているプロセスは、勝っても負けても次に生きる。結果はいいに越したことはないが、負けを次のプラスにつなげるのがテクニックであり、あとは運だという。だからチャレンジを楽しめばいい、と多井は言う。
さらに多井によれば、大人は失敗している若者を意外とよく見ていて、好きでもある。上司や立場のある人間は、挑戦しない人より、挑戦して失敗している人を好む。多井自身もキャスティングの権限を持っているが、挑戦して失敗している人を使うという。成功談ばかりを話す人は好まないという流れで、聞き手も同意した。聞き手が、サイバーエージェントには失敗を称賛する文化があると話すと、多井は、このビルにいてサイバーにいるならもう勝ち組だと笑った。自分もサイバーエージェントに勤めながら麻雀プロをやりたい、とも話した。
1年に1つ、武器を作る
最後に、20〜30代が今日から生かせる勝負眼を尋ねられた多井は、自己管理の重要性を挙げた。「自己否定と自己管理」を自分のテーマとしてずっとやってきたという。勝負のときには、メンタルも体力も体のことも含めて自分をコントロールする。そのうえで、1年に1つでいいから武器を作る。そして自分を俯瞰して客観的に見て、管理する。それが多井にとっての勝負のコツであり、生きていくうえでのコツだという。
多井は、勝負、勝負と気張らず、ゆったりしたペースで1年に1つ武器を作ってほしいと語った。周りが持っている武器でもかまわない。3カ月で1つ作れたら、残りの9カ月はサボっていい。毎日頑張り続けるやり方は今の時代に向いておらず、そんな人はいないし、続かない。多井によれば、そういう人は一気に伸びてもすぐ疲れて消えてしまう。毎日努力できる人は自分の話を聞かなくていいから成功してほしいが、9割以上の人は毎日の努力など続かないし、給料も上がらないのに毎日一生懸命働けというのは無理だという。だからこそ、今の仕事や現状がなくなったときにも使えるスキルや武器を1年に1つずつ積み立てていけば、10年後には明るい未来になっている。それが多井の勝負術である。
聞き手は、習慣や毎日の努力が大事だという話を多くの人から聞いて試してきたが、2〜3カ月でダウンすることが多かったと振り返った。そして、気持ちにゆとりを持って挑戦するという今日の話を糧にしたいと述べ、対談を締めくくった。
多井隆晴さんにお越しいただきました。本日はよろしくお願いします。よろしくお願いします。お願いします。
全体のテーマとしては勝負。負けない術としては先に動くというか、基礎ができてから初めて守備を語れというか。
例えば、毎日1万円もらえます。一生。年に365万もらえる。じゃあ1年に1回じゃんけんして勝ったら1000万もらえる。負けたら0円。それを毎年1月1日に行われるんで。
どっちの人生がいいですか?うわあ、これ。多分ね、自分を客観視できるようになるとめちゃくちゃ精神年齢が上がるというか、これ。
藤田晋ってもう一生勝てないじゃないですか。良かったです。僕、藤田さんが10億とか20億、30億ぐらい程度の金持ちだったら追いつこうとしちゃうから、勝とうと、抜こうとしちゃうから。藤田さんの本を全部読んでるけど、昔は全部を見て全部影響受けてたんですよ。ああ。今は、あ、これ、これもう僕には無理。僕半分です。半分。そういうのが分かるといろんな本とか動画とか、吸収力が全然違くなりますよ。
自己否定と自己管理っていうのは自分の中のテーマでずっとやってきました。で、勝負する時に。
本日はよろしくお願いします。よろしくお願いします。お願いします。
僕本当にマジで大ファンでして。そんな人間じゃないですよ。いや、これ本当に大ファンです。僕も麻雀始めた本当のきっかけが多井さんで、Mリーグも渋谷ABEMASファンをやらせていただいてまして、多井さんの個人のYouTubeチャンネルも本当に色々と拝見させていただいてまして。そんな多井さんに是非とも、本当に私なんかの悩みで恐縮ですけど、是非ちょっと相談に乗っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
今回ちょっとお聞きしたいのが、全体のテーマとしては勝負っていうのをテーマにちょっとお話をお伺いしたいなと思ってまして。僕自身は人生であったりとか仕事において、勝ち続けたい人生だと思ってないんですね。だけど負けたくないとか、損したくないなっていう。うん。損をしたくない。損をしたくないっていう風に思ってるんですね。
ただやっぱ仕事においてもプライベートにおいても、とにかく失敗することを恐れてしまって、挑戦したいって思うことがやっぱあんまりなくてですね。結構自分自身が割と消極的な性格というか奥手な部分があって、今までの人生の中でも掴むべきチャンスを取りこぼしてきた感がどうしてもあって、割と後悔してる部分もあるんですね。全てのチャンスを全部取りに行くと空回りしちゃって失敗につながってしまうこともやっぱあると思うので、ある程度の押し引きみたいなのはやっぱり人生においても必要なのかなっていう風に思ってまして。
特にやっぱり僕らみたいな、Z世代っていう20代、30代って割と失敗を極端に恐れる傾向があって、正解を見つけてから行動するとか、いわゆるコスパとかタイパみたいな、無駄な苦労はしたくないみたいな思いが強く働いてる人がやっぱ多いのかなっていう風に感じてまして。転がってきたチャンスをコスパよく物にするための勝負みたいな。もっと言うと、結構自分自身が守りに強くなりたいという風に思ってまして。多井さんもやっぱり雀風というか、割と守備型の。
はい。守備人間です。イメージがあって。唯一の守備型です、麻雀プロで。なるほど。これは麻雀だけじゃなくて人生においても、やっぱり守りに強い人間になりたいなっていう風に思ってまして。本当に今回はそういった意味で、押し引きが非常に重要となる麻雀の競技の中で勝ち続けてきた多井さんに、人生の中で役立つ押し引き術、勝負みたいなところを今日は是非ご教授いただきたいなということで。
僕でいいんですか?もちろんです。是非。御社の会長の方がいいんじゃない?いやいやいや。もう今回の悩みはちょっと是非とも多井さんに聞いてみたいなと思ってまして。
一旦、負けたくないとか、あんまり損したくないっていうのは普通の感情で、最初っから全ツッパした人生を送ってる人なんてほとんどいないわけで。だけど細かく細かく、例えば投資の話にしても、今資産が何もない状態から年利3%、5%、7%みたいなもので貯蓄していって、そんなに先、幸せになれんのかなとは思ってて。あ、確かに。
最近NISAとか株とか流行ってるじゃないですか。NISAなんて結構もう積み立てして、みんな新NISAやってると思うんですけど、ある程度の資産ができてからやるなら有効なんですけど、毎月1万円NISAに入れるぐらい、インデックスファンドとか入れるぐらいなら、英会話教室でもいいし、パソコン教室でもいいし、AIの勉強するでもいいし。その1万円は違うことに使った方がいいんじゃないかなと思います。確かに。今に投資した方がいいんじゃないですか。そうですね。ああ、確かに。
負けない術としては先に動くというか。僕は今麻雀で守備型なのは、周りがみんな攻撃ばっかりだから。麻雀の勉強法って、何切る問題って言って、この手牌が来たら何を切りますっていう勉強法しかなかったんですよ。あ、何切るって言いますね。ここ10年、今やっと麻雀もAIの時代になって、少しずつ攻撃も守備もいろんなこと勉強できるようになってきたんですけど、ここ数年までは、今までもうずっとその何切るしか勉強がなかったんで、もう全員攻撃の勉強しかなかったんですよ。なるほど。なので僕はひたすら守備の勉強をしてきたんですよね。人と違うことをしろとは言わないですけど、そういう言い方ではないんですけど、同じことやっててもダメかなとは思ってまして。
それが結構守備につながるというか、例えば自分の武器を1個、2個持っとけば、この会社で失敗しても武器があるのでやっていけると。で、僕は正直1度だけ全ツッパしたことがあって。証券会社にずっと勤めてて、それが8年ぐらい勤めたのかな。もう麻雀プロと同時進行してる時期もあったんですけど、これはもう麻雀プロでやっていけると、自分はナンバーワンになれると確信して証券会社を辞めたんですよ。それでもう麻雀プロ1本でやってこうって思った時に、そこだけなんですよね。僕初めて、失敗したらどうしようって。
ただそん時もやっぱり保険というか心の拠り所みたいのはあって、自分はかつて証券マン時代にいろんな資格だったりを取得してたので、麻雀プロが失敗してもどっか金融でやっていけるなという思いもありましたし、どうせやるならっていうことで、最初に麻雀プロになった時に麻雀の勉強ももちろんしたんですけど、違うことも結構してたので、それは今になって生きてるというか。お喋りの勉強だったり、そういうのって結構大事で。武器を身につけましょうと思いますね。その守備を鍛えたいなら。あ、なるほど。それ1個あったらもうやっていけるみたいな武器。
今でこそ、それこそ麻雀界ってMリーグがあったりとか、すごい認知が広がって割と有名になったと思うんですけど、多井さんがその証券会社を辞められてプロになった時の麻雀って、今と多分全然…。何にもない。収入もほぼゼロです。あ、そうですよね。その中で多井さんがその挑戦に踏み切れた動機というか、どういうきっかけがあったのか。
なんかね、業界が暗かったんですよ。麻雀業界が。配信とかの対局見てても、みんなスーツ着てネクタイして、開始の挨拶は「よろしくお願いします」。で、インタビューは勝ったら「嬉しいです。ついてました」。負けたら「悔しいです」。そう一辺倒だったんですよ。これはもうだって、もらったもん。ああ、なるほど。自分だったら違うようなこと、全然180度違うこと言おうと思ってました。
それこそ格闘技のトークじゃないですけど、煽りとかもあるし、ふざけたりもできるし、何でもできるな自分ならと思って。あ、今までのかつての麻雀っていう競技の中でなかったものを、結構多井さんが色々取り込んできたなっていうイメージがすごく僕あって。そこはもう麻雀プロになった段階で、自分が変えてやるぐらいの…。思ってましたよ。
ずっと若い頃は大きい団体にいて、入ったばっかりの頃は上層部の人たちに色々進言してたんですけど、やっぱ笑われてましたよ。いろんな変なことばっか言って。例えば、どっかの企業にスポンサードしてもらって、ここにロゴつけたいとか、ネクタイとかも大きい会社のロゴつけたネクタイで対局したいとか、あとは麻雀打って観客で東京ドーム埋めたいとか、そんなことばっか言ってましたよ。すごい。麻雀プロに魅力がないのと、協力してくださる企業様がないというだけで、麻雀という遊びというかゲームには、なかなかのポテンシャルを秘めてるなと思ってたんですよ。これは結構人を熱くさせる何か持ってるなとは思ってたんですよね。
確かに。麻雀の持つエンタメ性というかみたいなとこですよね。今でこそパブリックビューイングがあったりとか、麻雀がスポーツ化してるみたいなとこはありますけど、本当20年前、30年前だと、やっぱその麻雀そのもののイメージもあんまり良くなかった。そうですね。良くなかったですね。良くないからこそ見てもらえるみたいなとこあると思ってて。世の中に流行ってるもので、最初はイメージ悪いところから入った方が結構広がっていくなとは思ってます。確かに伸び代しかない。
そういう意味では確かに、今のお話とちょっと通ずる部分あると思うんですけど、多井さんって本当に麻雀の中だともうずっと勝ち続けてきてるというか。ただやっぱりすごい守備を重視されてるっていうところで、一般的なパブリックイメージとしては、勝ち続ける人ってずっと攻撃してる人みたいなイメージすごいあると思うんですよ。ただ守備をして勝てた部分ってかなりやっぱあると思ってて、人生においてこの守りを実践する多井さんの中での極意がもしあったらお聞きしたいんですけど。
結局、基礎ができてから初めて守備を語れというか。極端に僕も尖った麻雀なんですよね。極端に攻撃型もいれば極端な守備型がいて、僕は極端の守備型なんですけど、基礎ができてからやっと初めて語れる内容であって、いきなり僕の真似しても多分誰も勝てないとは思うので、よい子は真似しないでくださいという話であって。それは何でもいいんです。野球の例えばイチローさんの振り子打法を小学生にやれって言っても、全員多分おかしくなっちゃうと思うんで。あれはあの人のやっぱり目に見えないところでの基礎体力だったりもあって初めて成立する話であって。すっごい細いように見えて、めっちゃ筋肉あって、結構体重意外とあるんで、イチローさんは。
基礎ができてからの個性の部分が守備なだけで、多分ね、そこまで守備守備って意識しない方がいいとは思うんですけど。確かに。守るにしても攻めるにしても、やっぱり基礎力は大事ですね。で、僕はだから本当、みんなが僕の真似をして守り出したら攻めようとは思ってるんで。あ、なるほど。別に守備が有利だとは思ってないんですよ。守備が大事だとは思ってますけど。
だから多井さんの場合は、麻雀で言うと基礎を徹底的に固めたから、じゃあ守りに行くか攻撃に行くかどっちがいいかってなって、今の麻雀って攻撃的な人が多いから、多井さんのポジション取りとしては唯一性を出せる守りに重点を置くみたいな。あ、なるほど。
実はずっと30年間勝ち続けてるっていうのも、タイトルはたくさん取ってますけど、やっぱ負けも結構多いわけで。1年に例えば10個タイトル戦があって、1年に1個ずつ取ったとしても9回は負けてるわけで、負けてる時も結構目立つのもすごい大事で。だからずっと勝ってるように見えるというか、負けを次の違うタイトルの勝ちにつなげているというか、1つのドラマにしてつなげるから。負けが負けで終わっちゃってる人は、ずっとなんか終わっちゃうというか。
3年か4年前ぐらいに1回、新R25の記事で、負け試合でいかに目立つかみたいなことをおっしゃってて。負け試合で僕は結構人気が出たというか、今風に言ったらバズったというか。ドン、ドンで分岐ですよ。収入が上がる、知名度が上がる、SNSのフォロワー数だ、YouTubeのチャンネル登録者数なりっていうのが徐々に徐々に上がるんですけど、負けてドーン、負けてドーンみたいな感じで、別に何かタイトル取ったからとか優勝したからボンって増える人生ではなかったんですよね。なのでその時多分そういう話をしたと思うんですけど、自分の周りに起こることをあんまり悲観的に考えないタイプというか。負けたら負けた。それを何かに変えればいい。笑いに変えてもいいし。
最初に冒頭にあった、負けたくない人生みたいな、損したくない人生ってあるじゃないですか。損したくない人生って、どっからが損、どっからが得みたいのもあって。ギャンブルがしたくないみたいな感じなんですかね。まあ、でもそうですね。
じゃあ例えば、毎日1万円もらえます。一生。一生毎日1万もらえますね。じゃ、年に365万もらえるです。じゃあ1年に1回じゃんけんして勝ったら1000万もらえる。負けたら0円。それを毎年1月1日に行われる。どっちの人生がいいですか?うわあ。これ。いや、期待値は相当、だって1000万は500万ですよ、期待値。ってことは1勝500万ですよ。確かに。10勝10敗だったら、20年で毎年500万もらってるもんですよ。確かに。どっちがいいんですか?いや、でも今話聞いたら1000万取るかなっていう。だけどその話を僕が説明しないと、1万円欲しいっていう人多いんですよ。そうで、めっちゃ取っちゃうと思います。確実ですもん、だって1日1万は。だからちょっとの負けは良くないって思ってるんですよ。なるほど。
大打撃っていうか、ひどい敗北をしなければ、ちょっとの負けはどんどんどんどんしていこうよって思ってる派で。ちょっとの負けで済むことをいっぱいやって、ほんで大きいリターンをもらえるような行動したらいいんじゃないかとも思ってますし。なるほど。なんかその辺が、もしかしたら少し若い頃から意識を持つと、だいぶ人生は変わってくるかもしんないですね。そうか。
麻雀も実は僕、必殺技みたいのあんまりないんですよ。やっぱり何が得意?リーチが得意、鳴きが得意、ホンイツが得意、いろんな役が得意な人がいるんですけど、僕はSクラスのミスをしないというか、でっかいミスを誰よりもしないんですよ。あ、なるほど。それが多分売りというか。あまり傷を負わない程度のミスで済まして、ファインプレーもいらないと思ってて。人生にも麻雀にもこういう風に思えるようになったのは、自分を分かるようになってきたというか、客観視できるようになってきたというか。
多分ね、自分を客観視できるようになるとめちゃくちゃ精神年齢が上がるというか、自分の人間性が上がるというか。例えば麻雀やってても、こうやってるとやっぱり勝ちたくなっちゃうし、振り込みたくなくなっちゃうし、いろんな起動力出ちゃうんですよ。誰かが変なことしたらなんかイラっとするしってなるじゃないですか。で、それはプレイヤーだからなんですよね。それを1m離れたとこから俯瞰で自分を見れるようになると安定するんです、成績って。
人生も結構それが大事で、自分を客観視できるようになったのって、やっぱりMリーグが始まってから。もうとてつもなく敵わない人、例えば藤田晋ってもう一生勝てないじゃないですか。良かったです。僕、藤田さんがなんか10億とか20億、30億ぐらい程度の金持ちだったら追いつこうとしちゃうから、勝とうと、抜こうとしちゃうから。でも良かった。あの人が10年ぐらい前にABEMAができて、その時から僕はいろんなとこに出していただいて、そん時にもう、ああ、こんな人いるんだと。無理だと。もう知名度というか人間力も無理だし、資産とかも無理だし。あ、なるほどねと。じゃもうこういう人がいるんだったら、自分は自分で。
藤田さんの本を全部読んでるけど、昔は全部を見て、全部影響受けてたんですよ。ああ。今は、あ、これ、これ俺もう、僕には無理。僕半分です。半分。これはすごい自分の人生にも使える、こっちはこっちで無理、無理、無理っていうのが、ちゃんと自分を分かるようになったから。なるほど。そういうのが分かると、いろんな本とかいろんな動画とか、こういったものとかを見ると吸収力が全然違くなりますよ。ああ。無駄なものまで吸収しようとするから。そうか。真に受けすぎると。真に受けすぎちゃだめ。もう無理だから。確かに。なれないから。藤田晋にはなれない。なれないから。
20代とかってそこでやっぱ視野がどうしても狭いのでですね。やっぱ偉い人が言ってること全部鵜呑みにしちゃうって。全部鵜呑みにするか全部反発するんすよ、若い人。確かに。特にいわゆるZというか、2000年付近の生まれ、2000年生まれからちょっと前ちょっと後ぐらいの、この辺りってやっぱりいろんな情報が世に出る時代じゃないですか。僕らなかったから。テレビで偉い人が喋ってることは絶対だったんだけど。だからそれを全部聞くか、全部反抗するか。今いろんな情報があるからね、もうパニックだよね、今の若い人は。本当に情報の取捨選択ってやっぱ難しい。ちゃんと選べてます?心配ですよ。20代の方がこんなにある情報で、人生とか、何でもいいんですけど、起業の仕方とか、自分のスキルアップの仕方とか、投資の仕方とか、9割はなんか再現性ないんじゃないのみたいな情報が結構飛び交ってる中で。よく今あれですよね。20代の方やってらっしゃいますよね。
あ、でも本当そうだと思いますね。僕とかだと割と幸いなことに、前職が報道機関っていうのもあったので、社会的な出来事とかに関しては、この情報間違ってるなとか、それは自分が扱ってる情報なのでできた。例えばビジネスメディアもそうですけど、それこそもちろん麻雀とかもそうです。やっぱり自分が知識のない分野とか、自分が知識のない範囲の中から情報を取る時っていうのは、もちろんその情報の取捨選択もできないし、この人が言ってるんだったら間違いないだろうみたいな感じで鵜呑みにしちゃって。僕の場合は、さっき多井さんがおっしゃってた、全部受け入れるか全部反発するかっていうと、全部受け入れる側のタイプなので。安直なので、すごく。
そのタイプ、いいプレイヤーになれるんじゃないですか?あ、本当ですか?逆に。プレイヤーとしては優秀なんじゃないですか、その方が。全部反発する人って、大体すごい起業家になるか、ほとんどの人がダメになるか。ああ、そうか。全部吸収できる人は、プレイヤーというか、経営者ではないけど、いい社員になる人が多いとは思いますけど。確かに。
さっきも言った、自分を客観視っていうか、自分は何者でもないですよ、正直。で、もう本当にこれはね、お世辞でも何でもなく、藤田さんがMリーグ作って、渋谷ABEMAS作って、10年前に僕をABEMAに出して、こんな面白いやつがいると、麻雀が強くて面白いのがいるから、麻雀界の中心にこいつを据えようと、置いたんですよ、ここに僕を。そしたらいつの間にか、最初10年前と今でもう年収が10倍以上になったと。もっとなったかな。20倍ぐらいになったかな。そうなっちゃったから、僕の力じゃないわけですよ、要は。だからこういう風に語るのもちょっと恥ずかしくて。じゃ、LINEしようかなと思って。こんなこと語っちゃいました僕、って。藤田さん助けてって。
でもやっぱりそこまでのポジションというか、今みたいな環境を作ったのって、もちろん多井さんは藤田さんのおかげっていう風におっしゃってましたけど、でもやっぱりそこまで行く、藤田さんから多井さんを麻雀の真ん中に据えよう、メインストリームに据えようっていう選択を取るきっかけになったのは、やっぱり今までの多井さんのやってきたことの結果というか。いや、わかんないですよ。いや、本当ですか?だって僕はお馬さんみたいなもんですよ。これも藤田さんのなんですけど。藤田さんがお馬を買ってね、ほんで世界一の馬になりましたって言われても、馬がどんなんだったかわかんないわけだよ。いやいや。ラッキーもありますよね。
だけどいつも思うのは、一生懸命頑張って一生懸命努力しても成功するとは限らないわけですよ。だけど、なんかちょっとしたラッキーがあった時に、すごいいい出会いでも何でもいいんですよ。ちょっとしたラッキーが来た時にめっちゃ準備しとこうと思ってるんですよ。なるほど。
で、僕30年ぐらい前からプロになって、いつか、もう本当にね、藤田さんみたいな人とは思ってなかったんですよ、実は。石油王みたいな人が現れて、その人が突然麻雀が好きになって、もう優勝が1億円だみたいな。お前に1年1億の個人契約をすると。君のプロ活動を応援するよっていうような、そんな人が現れた時に、自分は強くて面白い男でいようって思ってたんですよ。なるほど。で、そんなチャンスが現れなかったら諦めようと思ったんですよ。そしたら現れたんですよ。そうか。石油王ではなくて藤田さんが現れたっていう。そう。現れたんですよ。
なんかね、そん時本当に、今でもはっきり覚えてるんですけど、藤田さんが個人で開いてる麻雀大会があって、僕初めて呼ばれて。30人、40人麻雀プロ呼んで大会開いてたんですよ。そこで勝ったら、賞金なんてそんな藤田さんがポケットマネーで出してると思うんですけど、僕はそうじゃなくて、これは来たなと。石油王だと。ここで今力を出さないとダメだと。多分麻雀だから勝ったり負けたりするんで、そこで優勝するのは難しいけど、とにかく全て、お喋りでも1分1秒たりとも気を抜くのやめようと思ってたんです。
そこで運良く優勝したのと、その後のお喋り、いろんな人との麻雀の会話とかね、局面を全部覚えてるとか、いろんな人の質問に対して全部的確に回答してたとかいうのを、藤田さんやっぱり見てたんですよ。藤田さんが見てたの知ってるし、どうせ見てんだろうなこっちを。ああ、なるほど。そう。ああいう大社長は、こういう僕らを試してんだから、ここで使える人間を探してるに決まってると。だからテキパキテキパキ動きましたよ。自分が1番キャリアが先輩で、自分が1番業界では古いんですけど、それでもやっぱ若手のようにフレッシュにやりましたよ、そこでアピールを。ここがチャンスだって。その時にやっぱり、自分がラッキーの時にチャンスを掴める人間でいようって待ち構えてたんで。
そうか。今のお話ってすごく自分の悩みというか、やっぱりチャンスを取りこぼしたくないみたいなところにすごい近しいというか。やっぱりチャンスって当たり前ですけど、正直年に1回、2回ぐらいのもんじゃないですか。毎日毎日あるわけじゃない。ちっちゃいチャンスだったらあるかもしれないですけど、自分の人生を変えるようなチャンスなんて、本当そんなのないと思うので。何年に1回ですね。それを確実に取りこぼさずに日々送っていくために、どういう準備をしていくのかみたいな。
ある程度自分で目標を決めるんですよ。人によって違うはずなんで。100人いたら100人、どんな人生になりたいか、どういう人生を見たいかなんて違うんで。で、僕はとにかく有名になりたかったし、お金稼ぎたかったし、麻雀を広げたかったんで。麻雀を広げれば広げるほど自分のファンも増えると思ってたんで。それぞれのやり方でいいんで、自分がこうなりたいんだっていう目標を見つけて、それに対してのチャンスって、ちっちゃいもので言えば毎日のように起こるし、大きいものは2年に1回、3年に1回しかないかもしれないけど、目標に向かって取りこぼさないようにするっていうんだったら簡単だと思いますよ。
僕は結構紙に書いてやって。あ、そうなんですか。時代は今違いますけど、昔はそんなことやってましたよ。やっぱ苦痛なんで。明日どうなるかもわかんないのに、なんで僕ボイトレ通ってんだろうと。意味わかんないじゃないですか。確かに。麻雀番組なんてないのにボイトレに通うって意味わかんないで。カラオケがちょっとうまくなるぐらいですよ。向こうの先生も困ってるわけですよ。この年でアナウンサーになりたいんですかって言われて、なりたいんですって。で、芸人になりたいんです、喋りを勉強したいんですって。向こうも何を言ってんだ、このおじさんはと思ってたと思いますよ。
麻雀実況なんていうのもない時代ですもん。全然ない。そうか。全然ない。番組がないですもん、だって。そうか。藤田さんが本気を出してまだ10年ですよ。確かに。まだかなり歴史は浅いです。僕はプロ生活30何年なんで、20年以上大してなかったです。
でもそんな何もない中でも、ちょっとしたチャンスというか可能性に向けて力を勉強したりとか、芸人さんからトーク力、話術を学んだりとかっていう、麻雀以外の部分で勉強されることはすごい多かったってことですか。多かったです。いや、すごいな。多井さんのチャンネルとかだと、やっぱり多井さんのトーク力もそうですし、麻雀以外のコンテンツもやっぱり色々発信されてるじゃないですか。やってますね。だからなんか麻雀っていうよりかは、もちろん麻雀もプラスアルファで、それ以外のコンテンツとしての面白さみたいなところで。あれはね、パクりです。あ、そうなんですね。
あれは藤田さんが「熱狂」みたいなスローガンを打ち立てたりして、とにかく麻雀を外へ外へ広めようと。だから僕は麻雀以外のことを頑張ろうと思って、ゲームのApexやったり、いろんな違うゲームやったり、VTuberと絡んだり。麻雀の配信、麻雀YouTuberではないんですよ、僕は。単なるYouTuberなんですよ。なるほど。そこが藤田さんがやって欲しいんだろうなと思うこと。藤田さんが麻雀プロに望んでるようなことを、直接言われたわけじゃないですけど、意を汲んで、こういうことやって広めたら藤田さんは喜ぶかなみたいな意識でやってましたよ。
かわいそうじゃないですか。藤田さんってすごいリスクを背負って、麻雀なんかに投資して、ご自身の信用を売ったんですよ。あ、そうか。だって電通とか博報堂とかテレビ朝日とか、ご自身の人間関係を切り売りして麻雀に参加してもらったわけですよ。確かに。もう僕だったら、例えば超危ないものがあるとしますよ。イメージの悪いものがあって、自分の関係者みんなを使ってそれをやらないですよ。そうか。そんなリスク取れないと。だから僕みたいな人間が1人ぐらいいないとかわいそうですよ、あの人が。今になってやっとABEMAが黒字だとか、Mリーグは少しずつ広まってったとか、今になってそうですけど、最初の何年かなんて藤田さんはどんな思いしてきたんだろうとか考えると、申し訳なさすぎるというか。
だからその麻雀以外のことを頑張ってるっていうのは、もうパクりっていうか、あの人が何をやって欲しいんだを考えて、普段の言動と本とか読んで、あ、これこういうことやってほしいんだっていうのを自分なりに判断してやってるつもりです。意図を汲み取って。意を汲み取って。自分が将棋の方と絡んだら藤田さん喜ぶとか。藤田さん、ABEMAで将棋のチャンネルが増えたり競輪が増えたり、いろんなのが増えてるじゃないですか。サッカーとか。だから僕は今ABEMAのチャンネルが増えていくたびに、プロサッカー選手の友達とかも増えたし、競輪選手の友達も増えたし、全部ですよ。そうか。アニメのチャンネルあるじゃないですか。友達いっぱい、麻雀友達増えたし、今度声優さんたちがやる麻雀大会の解説も今僕がやること決まってて、それもABEMAと直結してるというか。僕の活動は。
今のお話聞いてて、多井さんってやっぱすごい挑戦されてるというか、挑戦っていう言葉で言い表していいかわかんないですけど、今の若い世代ってやっぱ挑戦することを恐れるというか。怖いよ。リスクあるっていう。怖い、怖い。でもある程度やっぱリスク背負って挑戦することしないと、結局何も掴めないみたいになっちゃうんじゃないかと思うんです。挑戦して失敗する。軽く失敗することを恥じないで欲しい。ああ。全員失敗してるんで。どんな大企業の社長さんも藤田さんも失敗してるんで。いろんなこと失敗してきて、トータル勝てばいいじゃないですか。確かに。
そう。さっきの1日1万円じゃないけど、ちょっとずつちょっとずつ前進しようとすると、ちっちゃいものしかもらえないんです。そうか。ちっちゃいもの、ちっちゃいもの、ちっちゃいものを利益にしてったって、大したものは若いうち作れないから、なんならもう1勝5敗でもいいぐらいなんですよね。結構負けちゃって。もう変な話、自己投資でも何でもいいんですけど、5回100万円負けたって、1回1000万取ればもう勝ちなんだから。1勝5敗でも500万勝つんだから、みたいな感じで、いろんなビジネスも投資も何でも、人生もそんな感覚でいいじゃないですか。10回挑戦したら1個成功するって。そうか。残りの9個なんて誰も覚えてないんですよ。
自分が、なんでもいいすよ、営業失敗しても、残りの9社なんて覚えてないし。変なやつ来たなんて。なんか変な若いのがアピールしてきたなと。なんだあいつはって、もう3日経ったら忘れるんで。どれか1個成功しちゃえば。っていうのを繰り返していけばいいんじゃないですかね。
そっか。選択の結果、10回のうち9回を恨めるかもしれないですけど、残る…。大体大体失敗するんですよ。若者が半分以上成功するなんてないから。そんな人はもうね、もうすぐ上場会社の社長になって、もうどっか違う世界行ってるから。確立してるから、自己が。そうか。だから本当にちっちゃい失敗にくよくよしないみたいなのが。全然くよくよしないですよ。なんで失敗したのかを考えなきゃだめだけどね。振り返りつつ。そうです。ミスを引きずらないというか。確かに。
正直、何を持って幸せとか、何を持って成功って、世代の人たちと僕とちょっと感覚が多分違うと思ってて。僕は僕で代わりたいんですよ。あ、そうなんですか。サラリーマンやりたいし、もう1回20代でサイバーエージェントでもいいし、証券会社でもいいし、やりたいんですよ。ええ。戻って。戻りたいんですよ。そうなんですね。それはなんでなんですか?刺激が欲しいというか。常にね、チャレンジしたいんですよ。そうか。病気なんですよ。
で、僕は大したことないですけど、お金持ちの人って例えば10億でも100億でもいいんですけど、そこで止まんないっすよね。確かに。あれ、何なんすかね。若い頃はもうね、アホだなと思ったの。100億行っちゃった人が全部擦っちゃったっていう時に、アホだなって思ってた。100億あったらね、それ年利5%でも回せば年間5億入るじゃないと。10億でも5000万毎年入るじゃないと。その配当金だけで暮らせばいいじゃないと思ってたの。この年になってというか、この立場になって、それはね、生きてることになんないの。もう不思議だよね。いやあ、すごいな。だからもうダメだ。人間というのはゴールがないんだ。そうか。そう。レベルの差はあれ、僕程度でもそうなんだから、藤田さんとかね、そういう人たちってもうゴールがないんだろうね。だから毎回刺激を求めちゃってんだろうね。
自分の馬が勝った時にもう目がもう違ったもんね。確かに。あれ見ましたけどすごい面白かった。すごいなっていう。抱き合ってたもんね。だからそれが欲しい刺激なんだろうね。勝負欲求みたいな。そう、そう、そう。なんかやっぱすごくあるんだろうな。常に常になんかに…、勝ち負けじゃないんだよ。俺分かったの。勝ちたい、負けたいの話じゃないんだよ、成功者って。挑戦してる自分っていうか、そのプロセスなんだよ。あ、なるほど。チャレンジしてるプロセスが生きるんだよ、勝っても負けても。次に生きるんだよ。結果なんて、ぶっちゃけどうでもいい。結果はね、それはいいに越したことないんだけど、負けを次のプラスにつなげるのがテクニックだよ。あとは運だよ。
そうか。そこのプロセスをいかに楽しめるかというか、エキサイティングに行けるかっていうことなのか。そう、そう、そう。チャレンジを楽しめればいいんじゃない?確かに。いや、それは確かになかったですね、その発想は。失敗してるやつを意外と大人は見てるというか好きだから。ああ。チャレンジしないやつより、チャレンジして失敗してるやつの方が、上司というか立場ある人間は好きですよ。僕もいろんなキャスティング権利持ってますけど、チャレンジして失敗してるやつを使いますよ。あ、そうか。成功だけをベラベラ喋るやつより。そう、そう、そう。
サイバーエージェントの会社の、MODというかにも、失敗したのを称賛するというかみたいな文化がやっぱあるので。いっぱいチャレンジしていく中だと当然失敗はするんで。同じ数だけ。でもその失敗から学ぶこともたくさんあるから。ありますね。やっぱね、そういう文化で働けてるからこそ、多井さんがおっしゃっていただいた、過程、プロセスを楽しむみたいなのがやりやすい環境にいる時点で、やっぱ恵まれてるし。いや、もう勝ち組でしょう。ここにいたら勝ち組でしょ。いやいやいや。こんなビルにいて、今サイバーにいたら勝ち組でしょ。僕はサイバーエージェントに勤めたいもんな。それで麻雀プロやりたい。ああ。相乗効果あると思うけどな。
とにかくまずやっぱり行動するっていうことの重要性もすごい勉強になりましたし、何よりも今の若い世代って色々情報がある分、やっぱ迷ってしまう。そうなの。ただやっぱその迷いって、結局無駄って言ったらあれですけど、失敗を恐れて迷ってるぐらいだったら恐れずに、10回中1回。しかもチャンスなんてそうなわけですから。そうです。1回のチャンスを掴むために、どれだけ準備をしておくかみたいなところがやっぱりすごい大事なのかなっていう風に思いましたし、そこの考え方みたいなところが自分にもやっぱりなかった部分ではあるので。本当に今日1時間お話を聞いて、私もすごい勉強になりましたし。
これちょっと最後にはなるんですけども、今回一応メインテーマが勝負っていうテーマで。多井さんは麻雀はもちろんですけど、それ以外のことでも色々やっぱり勝負、挑戦をしてきた人生だったと。そういう人生を送ってきた多井さんの中での、20代、30代の若手に生きる勝負みたいなところを、最後に1つちょっとお伺いできたらと思うんですけど。
そうですね。まず自分のことを管理するのが結構大事で。自己否定と自己管理っていうのは自分の中のテーマでずっとやってきました。で、勝負する時に自分を管理する、自分をコントロールする、メンタルも含めて、それこそ体力とか体のことも含めて。若い人は色々と自信家の方もいれば、自信が全くない人もいると思うんですけど、ずっと言ってるように、1つでいいから武器を、1年で1個、武器を作って、それで俯瞰で自分を客観的に見て自分を管理する。それが僕の中の勝負のコツというか、生きていく上でのコツなんですよ。
極論言うと、あんまり勝負勝負と気張らずに、ゆったりなペースで1年に1個武器を作ってください。そしたら勝負に強くなりますよ。そっか。セルフプロデュースみたいな。己と、1年に1つ、周りが持っててもいいから何かしらの…。そう、そう、そう。だからもう3ヶ月で1個できたら9ヶ月サボっていいんで。それぐらい、もう毎日毎日頑張れ頑張れはもう向いてないんで、今の時代というか。そんな時代じゃないし、そんな人はいないし、そんな続かないんだよ。確かに。そういう人はね、すぐバッとなるけど、すぐ消えるから、疲れちゃって。そうか。根詰めたら壊れちゃうんで。確かに熱しやすく冷めやすいみたいな。
そうそうそう。だから毎日毎日一生懸命努力するなんていうのは無理なんだよ。それやれる人は僕の話なんか聞かなくていいんだよ。成功してください、って。だけどやっぱり普通の人、もう本当に90%以上の人は毎日毎日努力なんか続かないし、お給料も上がんないのに毎日毎日一生懸命仕事しろって無理なんで。だからその仕事がなくなった時、今の現状がなくなった時にも使えるようなスキルというか、なんか武器を1個、1年に1個ずつコツコツ積み立てれば、
10年後絶対明るい未来になってるんで。
はい。そうか。極割りすぎずにぴったりと、だからその気を作るっていうことですね。
はい。それが僕の勝負術ですね。
いや、めちゃくちゃ勉強になりました。ありがとうございます。
いや、本当に色々の方のお話を聞いてると、やっぱ習慣とか、やっぱ毎日努力することが大事だみたいなことをすごい言われるので、結構福自身もいろんな方にお話を聞いて、トライはしてみるんですけど、結構2ヶ月3ヶ月でダウンしてしまうみたいなことがやっぱり多かったので、それぐらいこう気持ちにゆとりを持って、こうチャレンジできるような、今日のちょっとお話を糧に頑張っていけたらと思います。
はい。ということで今日は麻雀プロの多井さんにお話を聞いてきました。今日本当に勉強になりました。ありがとうございました。
ありがとうございました。ありがとうございました。
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