リュウジが「至高」と対比して作る、ニンニクも生姜も使わない王道の豚汁

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概要

リュウジ(動画内では「ママ」というキャラクターで話す)によれば、自身の「至高の豚汁」はYouTubeで最も再生されている豚汁レシピで、中毒性があるとして繰り返し作る視聴者が多い。ただ、今見返すと「とんでもない作り方」をしており、従来の豚汁とはまるで違うという。そこで今回は、その作り手が昔ながらの王道の豚汁を本気で作ったらどれだけおいしくなるのかを試した。動画はスタッフのエビスを「喋り手」として質問役に据え、酒を飲みながら進む。

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「邪道」を外した材料構成

材料は豚バラ肉、ごぼう、にんじん、大根、長ネギ、こんにゃくだけである。リュウジは「オーソドックスでしょ。これが王道の豚汁」と紹介し、以前の豚汁で使っていたニンニク、生姜、ごま油、白だしなどの「邪道なもの」は一切使わないと宣言した。

だしは、ほんだしと昆布だしを合わせて使う。鰹節と昆布からとってもよいが、面倒で多くの人はやらないので、これで十分だという。唯一こだわったのが味噌で、山吹味噌の白味噌がとてもおいしいので、それを使ってほしいと勧めた。

対照的なのがエビスの豚汁である。エビスは味噌ラーメン風の豚汁を作っており、ニンニクと生姜を入れ、油としてラードとごま油も使うと話した。これを受けてリュウジは、王道が何かを見せてやると意気込む。

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大根とにんじんは皮をむかない

最初は大根を切る。王道なのに皮をむいていないことに途中で気づくが、20分煮込むので皮がついていても味は変わらないとして、そのまま進めた。むしろ皮をむくと歯ごたえが少し弱くなるので、リュウジ自身は皮つきのほうが好みだという。味が変わらない手間はかけない、という合理性を優先している。

にんじんも半月切りにし、皮はむかない。皮は煮れば柔らかくなり栄養にもなるが、気になる人はむいてかまわないとした。大根とにんじんの大きさをそろえることを重視しており、「やらなくていいことはやらない」という考え方は世の中でも大事で、料理は愛情と言うけれど自分のことも大切にしてほしい、と語った。

分量は大根1/4本ほど、にんじん1本ほどで、4人前は十分とれる。野菜はたっぷり入ったほうがよく、余らせるのも嫌だからという。

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豚汁と味噌汁は何が違うのか

切りながら、エビスが豚汁に定義はあるのかと尋ねた。リュウジの答えは、味噌を使い、野菜とだしを入れて作る味噌汁で、豚が入っていなければ豚汁ではない、というものだった。

さらに、味噌汁は汁が主役だが、豚汁は具だくさんで具材が主役だと区別する。だから豚汁は一品でおかずになり、作る側が楽だという。今回はニンニクを入れないので、子どもから年配の人までおいしく食べられるだろうとも話した。

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ごぼうは洗いすぎず、ささがきにもしない

ごぼうはまず洗うが、真っ白になるまでこすると香りが抜けてしまう。一方で、まったく洗わないと土臭さが残る。土の香りを残したいなら軽めでもよいとしたうえで、今回は白味噌を多めに使うので、ほどほどに洗うと説明した。

王道ならささがきだが、リュウジはささがきにしても斜め切りにしても、味も火の入り方もまったく変わらないと考えている。ささがきにするならペティナイフがよいと実演したものの、本人は面倒なので嫌いだという。斜め切りのほうが繊維が残って歯ごたえがあり、早く切れるので「いいとこ取り」だと評価した。家庭料理では手間は敵だと話し、「手間をかけるぐらいなら働け」という昭和の考え方だ、と冗談も交えている。

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こんにゃくは手でちぎらずスプーンで

こんにゃくは臭みがあるので、切る前に洗う。軽く叩くと表面に穴ができ、味が染みやすく柔らかくなる。ちぎってもよいが、リュウジのおすすめはスプーンでちぎる方法である。

大きさは親指くらいが好みだという。こんにゃくがドーンと入っていても嬉しくないからだが、最終的には好みの問題だとしている。

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豚バラは具材と大きさをそろえる

豚肉は脂があってうまいバラ肉を使う。大きすぎるとおいしくないので、ほかの具材に合わせて3cmほどの一口大に切る。

エビスが「煮込み時間をそろえるためか」と尋ねると、リュウジはそれに加えて、食べたときの一体感のためだと答えた。ひとつの具材だけが大きいと、その味ばかりになってしまう。こま切れ肉でもよいが脂が足りないので、その場合はラードなどを足すとよいという。

長ネギは肉を切った後に切り忘れに気づいたが、すべて火を通すので問題ないとした。切り方はごぼうと同じ斜め切りである。ネギは最後に加えると香りが華やかになり、これだけ入るとニンニクはいらなくなると説明した。以前の豚汁は味噌ラーメン寄りだったが、今回はお味噌汁寄りになるので、その違いを楽しんでほしいという。リュウジはこの豚汁を、王道でいちばん簡単でいちばんおいしく、費用対効果の高い豚汁だと位置づけた。

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油はひかず、豚バラの脂から始める

リュウジが「いちばん大事なこと」として挙げたのは、油をひかないことだった。豚バラから出る脂で十分なので、フライパンに油をひかずに豚バラを入れる。ここでごま油などを足しがちだが、それは不要だという。自身も年齢とともに油がきつくなってきたと話し、こってりした豚汁は「至高」、あっさりした豚汁は「王道」として両方覚えておいてほしいと述べた。

肉から炒めるのが重要で、塩こしょうなどの下味はつけない。しっかり火を通すというより、脂を出すための工程である。材料も調味料も少なく、ニンニクと生姜がないだけでぐっと作りやすくなるので、結局はシンプルな豚汁がおいしい、とリュウジは強調した。

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最初にごぼうを入れる理由

脂が出てきたら、次はごぼうを入れる。動画ではここで次に何を入れるかのクイズになり、酔った出演者たちが誰が正解を言ったかで揉める場面もあった。

ごぼうを先に入れる理由について、リュウジは香りを挙げた。ごぼうは「土のハーブ」と言われ、炒めると良い香りが出る。油には香りが移るので、最初にごぼうだけを炒めると、油にごぼうの風味をつけられる。大根やにんじんを一緒に入れてしまうと、ごぼうの香りが油に移らなくなるという。

ごぼうが脂でコーティングされたら、大根とにんじんを一緒に入れ、肉の脂を吸わせる。火加減は最初から中火でよい。エビスが指摘したとおり、この時点で下味はゼロである。全体がテラッと照るまで炒め、こんにゃくも加える。ただし、こんにゃくは油を吸わないので、厳密には炒めなくてもよいとした。

人によっては里芋などの芋類を入れるという話も出た。エビスが油揚げを入れるならいつかと尋ねると、リュウジは他の具材と同じこのタイミングでよく、具材は全部炒めたほうがいいと答えた。

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水650ccと合わせだし、味噌は最後

全体が照ってきたら、水650ccを加える。水道水でもよい。冷たい水を入れるので、沸かすために少し火を強める。リュウジは、豚汁のよさはほかにおかずがいらないことで、これとご飯だけでいいと語った。

沸いたら昆布だし小さじ1、ほんだし小さじ1を入れる。かつおだしだけでもよいが、昆布を同量合わせると格段においしくなるという。うま味調味料も加えず、だしはこれだけにする。理由は味噌の存在感を強くしたからで、ほんだしや昆布だしには塩分が含まれているので、煮ていくうちに具材に味がつくと説明した。

リュウジが「最大の違い」として挙げたのが、味噌を入れるタイミングである。「至高の豚汁」では最初に味噌を入れてグラグラ煮込むので、味噌ラーメンっぽくなる。王道では味噌を最後に入れる。昔の自分ならこんな普通の作り方はしなかったが、年をとってから普通もうまいと分かった、とも語った。ここから弱めの中火で20分煮込み、具材を柔らかくしてこんにゃくなどにだしを染み込ませる。水分が意外と飛びそうなので、蓋をした。

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炒めるのは時短のためではない

煮込みの間に、エビスが「事前に炒めるのは茹で時間を短縮するためか」と質問した。リュウジは否定し、炒めるのは油を野菜に回し、焼きつけて香ばしさを出すためだと答えた。肉も茹でただけとは違い焼き目がついており、この軽い焼き目をうま味として汁に出していくことが大事だという。

そのうえでリュウジは、具材を生のまま鍋に入れれば自分にとっては味噌汁であり、炒めてから煮るから豚汁になる、という区別をしていると話した。

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味噌は煮立ててもかまわない

20分後、白味噌を大さじ3溶き入れる。エビスが白味噌がいいのかと確認すると、リュウジは白味噌がよいと答えた。山吹味噌の白はだしが入っていないタイプだという。

味噌を入れた後に煮立ててよいかについて、リュウジは具だくさんの豚汁なら煮立てても大丈夫だという考えを示した。だしを感じる味噌汁なら煮立てないほうがいいと、ある料理家の先生も言っていたとしつつ、自身の検証では豚汁は煮立てても問題なかったと述べている。

味見をしたリュウジは「死ぬほどうまい」と言った。ご飯に合わせたい人はもう少し味噌を足してもよいが、たぶんこれで大丈夫だという。以前はみりんや酒も入れていたが、シンプルにしたいので今回はどちらも入れない。

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長ネギは最後に、味は食べる人に合わせる

最後に長ネギを入れる。最初から入れるとクタクタになるので、最後がよい。量が多く見えるなら半分程度でもよいが、ネギが入ると香りが出るので、たっぷり入れたほうがよいという。火は弱火のままで、トロッとさせるより若干シャキッとさせるのが好みだと話した。

完成後、リュウジはエビスが食べるなら味噌を大さじ半分足すと言う。エビスは大丈夫だと遠慮したが、リュウジは家で作る料理は食べる人に合わせることが大事で、そのほうがうまいと説明した。自分はいつも相手を見て味を変えているという。ご飯と食べるなら濃いめのほうがいいとして、最終的に味噌は大さじ3と半分になった。豚汁だけで食べるなら最初の量でよい、という説明である。

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実食:シンプルな調味料で「奥行き」が出る

試食では、出演者から「野菜の味がめちゃくちゃ出ている」「野菜と豚の脂の甘みがちゃんと出ている」という感想が出た。エビスは、最後に足した大さじ半分の味噌がちょうどよく、本当におかずになると評価した。さらに、調味料はシンプルなのに奥行きがあって深い味がすると述べ、アクセントになるネギのシャキシャキ感もほめている。

リュウジは、強い白だし、ごま油、ニンニク、生姜に頼らないのが王道だとあらためて話した。多くの人が想像している5倍はうまいとし、「原点回帰って重要」とも語っている。

「至高の豚汁」との違いについてリュウジは、至高のほうは分量的に味噌が多く、そのぶんこっくりしていると説明した。今回はだしが控えめで、野菜と豚のうま味が大きく出ている、つまり素材の味だという。このうまさを覚えていたから今日豚汁を作ろうと思った、とも明かした。以前公開した塩豚汁もとてもおいしいが、これを食べれば豚汁は本当においしい食べ物なのだと分かるはずだという。

味が強すぎないので全部食べられ、それでいてご飯は進む。リュウジは「この調味料でこんなにうまいのかと思ったでしょ」と問いかけ、うまくしてくれるのは野菜だと答えた。最後には、王道の豚汁はぜひ作ってほしいと視聴者に呼びかけて締めくくった。