味の素と生UMAMIを卵かけご飯とペペロンチーノで比べる リュウジ、こめお、林巨樹、桑田龍征の検証

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概要

料理人・こめおが発売したうま味調味料「生UMAMI」は、味の素の代わりになるのか。料理研究家のリュウジが、自身のレシピで味の素を使う卵かけご飯とペペロンチーノを題材に、味の素版と生UMAMI版を作り比べた。試食したのはパティシエの林巨樹と、撮影場所のオフィスを提供した桑田龍征である。リュウジは最初から「料理勝負ではなく検証」と位置づけ、こめおに肩入れするような忖度の空気が一番寒いと話していた。結論は単純な勝ち負けにならず、生UMAMIは味の素と出汁の中間にある、これまでにない立ち位置の調味料だという評価に落ち着いた。

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お月見の集まりが調味料の検証企画になった経緯

撮影場所は桑田のオフィスで、リュウジがここで撮影するのは2回目だという。この日は桑田に「お月見をやる」と呼び出されたが、集まったのは料理研究家、料理人、パティシエという食に関わる面々だった。団子を作るだけではもったいないので、リュウジが料理動画を撮ることにした。

題材は、こめおが出した生UMAMIである。こめおの説明によると、原材料はカツオ、イワシ、椎茸、昆布、無臭ニンニクで、これらを鍋でドロドロに溶かし、パウダー状にしたものだという。こめおは「本当に何でもいい」と前置きしたうえで、「味の素に変わる新しい調味料」と口にしてしまい、周囲に「言っちゃった」と突っ込まれた。リュウジのチャンネルではふだんから調味料の比較をしているため、そのまま「味の素 vs 生UMAMI」の対決をすることになった。

味の素側に問題はないのかと桑田が尋ねると、リュウジは、特定の商品しか使うなと言われているわけではなく、生UMAMIのほうがうまいという結果になっても味の素は怒らないと思う、と答えている。

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開発の動機と、林巨樹による「相乗効果」の説明

生UMAMIを作った理由について、こめおは配信中に話していたとおり「堀江さんへの恨み」だと語った。いわゆる無化調をめぐる一件を指しており、生UMAMIは化学調味料不使用にあたる。だから堀江のラーメンにこれを使ってほしいし、全国のラーメン屋がこれに置き換えてもいいのではないか、という考えだという。

成分の話では林が補足した。うま味の「相乗効果」はイノシン酸とグルタミン酸を合わせた効果として語られることが多い。林は、その実態をアミノ酸同士が結合した状態だと説明し、生UMAMIはそれをペプチドの形にしたものだと述べた。リュウジは、以前こめおと一緒に食べたときも、イワシなど単一の素材だけでは出ない味がしたと振り返っている。

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キャッサバ由来のデンプンと「とろみ」の効果

生UMAMIをそのまま舐めると、粒子が非常に細かくサラサラしている。全員が「旨味がすごい」と反応したが、桑田は、こめおが溶かしたものを飲んだときの強烈なうま味に、何か別のものが入っているのではないかと疑った。こめおの答えはキャッサバ芋のデンプンだった。この粉は水分や湿気を吸うとベタつき始めるので、それを抑えるために入れているという。

林は、粉砂糖にもコーンスターチが3%ほど入っており、サラサラにするには必要な要素だと説明した。さらに、粉が水分を含むととろみがつき、舌にまとわりつく時間が長くなるので、うま味を強く感じるのではないかと推測している。リュウジは、芋自体がうま味を多く持っているので芋のうま味も出ているのでは、という見立てを示した。

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分量の問題と、味の素の製法をめぐるやりとり

リュウジの卵かけご飯のレシピでは、味の素は3〜4振りである。生UMAMIをどれくらい入れるか聞かれたこめおは、小さじ1杯分と答えた。生UMAMIは軽く、大さじ1杯(通常15g換算)でも8g程度にしかならず、小さじ1でおよそ3gだという。堀江は耳かき1杯でいいと言っているそうだが、林はそのまま舐めたときの強さを味の素の5分の1くらいの感覚だと表現した。こめおのもとに届いているレビューでも、量を多めに入れたほうがうまい、少ないと薄く感じる、という声が多いという。

桑田が味の素の原材料表示「調味料(アミノ酸等)」について質問すると、リュウジが説明した。サトウキビを搾った後に残る糖蜜をバクテリアで分解してうま味を作り、それを精製したものが味の素である。バクテリアを使っていることを問題視する人もいるが、分解させているだけでバクテリアを食べるわけではない、とリュウジは補足した。林は発酵食品と似ているかもしれないと応じている。生UMAMIの価格は200gで2,270円である。

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卵かけご飯の条件をそろえる

卵かけご飯は、パックご飯180g、卵1個で作った。リュウジのやり方では、ご飯に卵白を先に混ぜる。卵白に火が入ってドゥルドゥル感がなくなり、卵白が苦手な人でも食べられるという。桑田はまさに卵白が苦手で、すき焼きの卵もよく混ぜてから食べるそうだ。

味の素は3〜4振り、生UMAMIは小さじ半分にした。リュウジのレシピでは本来油も入れるが、今回はうま味の比較に特化するため入れない。醤油は開けたてのキッコーマンを小さじ1杯、すり切りで測った。生UMAMIが付いたスプーンを洗わずに使うと条件が崩れるため、途中で洗い直すなど、条件をそろえることに気を配っている。こめおは、ふだんは加熱する料理にしか生UMAMIを使っておらず、冷奴にかけるような非加熱での使い方は試していないと話した。そのうえで、ただの醤油なので出汁醤油のようになるだろうと予想した。

桑田と林には、どちらがどちらか分からない状態で出した。

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ブラインド試食の結果と「Aが Cになる」現象

Aを食べた二人は、まず「美味しい卵かけご飯」と反応した。Bを食べると桑田が戸惑い始める。林の評価は、Aは出汁醤油のようで余韻が少し長く、Bは「お馴染み」の味というものだった。桑田も、Bのほうが慣れ親しんだ味だと感じた。桑田はAを「親子丼のような味」とも表現している。

ところが、食べ比べを続けるうちに判断が難しくなった。林は、相乗効果で食べれば食べるほどうま味が増していくので、AでもBでもどんどんうまくなると説明した。リュウジも実際に食べて、Bを食べた後にAに戻ると、Aが「もうCになる」状態になると同意している。林は、正しいのは最初にAを食べたときの直感だけだとしたうえで、Aが生UMAMIだと推測した。

林はさらに、温度が下がるにつれて強く感じたのはBだったと述べた。純粋にアミノ酸だけの調味料だから冷めても強いのではないか、生UMAMIはデンプンが入っているぶん温度が下がると味覚への働きかけが弱くなるのではないか、というのが林の推測である。

好みを聞かれると、林は朝に食べたいのはAだと答えた。桑田は、慣れ親しんだ味で、比較したときにガツンとくる強いほうという理由でBを選んだ。正解はAが生UMAMIだった。リュウジは、生UMAMIは小さじ3分の2くらい入れたほうがいいと感じた一方で、味の素は4振りであの味が出せるのだから凝縮度がすごい、と改めて評価している。

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小さじ1に増やした「改」版

こめおは「もうちょっとかけてきます」と、量を増やした版を提案した。ご飯180gと卵1個に対して生UMAMI小さじ1、つまり最初の倍量である。見た目では多く感じるが、粒子が細かいので混ぜればまったく分からないという。

混ぜると出汁の匂いが立ち、林は先ほどの「親子丼」の印象は鶏出汁のような風味だったのかもしれないと話した。桑田は茶碗蒸しのような感じもあると述べている。リュウジは、これを食べると味の素ではないことがはっきり分かる、さっき似たり寄ったりだったのは量が少なかったからだろう、と分析した。量を増やしてもしょっぱくはならない。林は、しっとりした弱いうま味の余韻と、一口目からがっつりくるうま味のどちらを取るかは好みだと整理している。

味の素の表現をめぐっては、味の素が「旨っ」とくるのに対し、こちらは「うまい」とジワジワくる、という言い方も出た。リュウジは、生UMAMIを入れた卵かけご飯を高級感のある出汁醤油卵かけご飯だと表現している。

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「比べるものではなかった」というリュウジの結論

卵かけご飯を終えたところで、リュウジは「比べるもんじゃねえや」と述べた。生UMAMIは出汁よりは味の素寄り、味の素よりは出汁寄りの、ちょうど中間にある。こういうジャンルはこれまでなかった、というのがリュウジの見方だ。カツオやイワシが入っているのに香りはそれほど強くないので、うま味として使える。それでいて複雑なうま味が出ており、奥のほうに出汁っぽい香りがいる。林も、香りをなくしてうま味に特化したものという感じだと同意した。

そのうえでリュウジは、最も合うのは味噌汁だろうと考えている。味の素で作るとどうしても作った味になるが、生UMAMIならイワシやカツオのうま味で複雑な味噌汁になるはずだという。出汁を取るのにカツオ、イワシ、椎茸、昆布をそろえる人は今いない、とも指摘し、卵かけご飯で企画したのは自分が生UMAMIを理解していなかったからだと振り返った。

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ペペロンチーノとうま味、そしてイタリアと日本の食文化

次はリュウジの代表的なレシピであるペペロンチーノに移った。リュウジによると、ニンニクからもうま味は出るし、イタリアンの巨匠もうま味調味料を使わずに魚醤を入れることがある。アンチョビを入れるレシピも多いので、うま味はペペロンチーノに効くはずだという。

ここで林が、イタリアと日本の食文化が似ている理由を語った。どちらも縦に長く海に囲まれていて、フィレンツェ、ローマ、ナポリのあいだの移動も早く、いろいろな食文化が交わりやすい。南北に長いため寒い地域と暖かい地域の食材がとれ、おいしい素材が都に集まりやすく、物流もよいので素材を生かす料理になる、という説明である。リュウジもイタリア好きとして、イタリアンは和食に近い味の組み立てをすると感じていると話した。

リュウジはさらに、味の素の関係者から聞いた話として、イタリアでは味の素があまり普及しないと紹介した。パルミジャーノ・レッジャーノがグルタミン酸のかたまりで、どんな料理にも入れるため、もともと味の素のようなものをかけていたのと同じだからだという。トマトもグルタミン酸が多いが、イタリア料理での歴史は実はそれほど深く、100〜200年の間に広まったものらしい、とリュウジは伝えている。林はドライトマトの水出しのうま味がすごいと話した。

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ペペロンチーノの作り方

パスタは1束、茹で湯には塩二郎の塩を塩分濃度1%になる量だけ入れた。オリーブオイル大さじ1をきっちり測り、みじん切りのニンニク1片、唐辛子1つまみを加えてソースを用意する。リュウジは、いつもと違う環境や、手に入る材料が限られた条件で料理をするのが好きだと話し、以前このオフィスでチャーハンを作ったことも楽しかったと振り返った。

固めに茹でたパスタを茹で汁ごとフライパンに入れ、半レードルほどの茹で汁と油を揺すって乳化させる。リュウジによると、水と油だけでも意外と結びつくという。味の素は、ふだんは5振りほどだが今回は7振りにした。生UMAMIは大さじ1である。林は、卵かけご飯の結果からすればその量は妥当かもしれないと述べている。

生UMAMIを入れると、粉が水分を吸ってすぐにとろみがつき、香りも明らかに強くなった。仕上げの味付けは塩1つまみだけで、うま味の違いが分かるよう薄味にしている。見た目や水分量はほぼ同じだったが、香りの違いが大きく、リュウジは「ブラインドとかいらん」と言うほどだった。最後にオリーブオイルを少しかけて試食に入った。

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試食:出汁パスタになる生UMAMI、王道の味の素

生UMAMI版について、桑田は単なるペペロンチーノの味ではなく、ペスカトーレのような魚介系の香りがあり、麺の香りも含めて素材の味が全部分かると評した。出汁パスタのようで、永谷園のお吸い物パスタの高級版のような味がするという声も出た。

味の素版はニンニクと唐辛子が直接くる。林は「よく食べるお店のペペロンチーノはこっち」と述べた。桑田は、おいしいが奥行きに欠けると言いつつ、家で作るには十分で、店でも出せる味だと付け加えている。

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追い醤油で表れたキノコの風味

リュウジは、こめおとの以前の共演の際にも、出汁に醤油を入れただけで非常にうまくなったと話し、生UMAMI版に醤油をかけた。すると和風出汁のパスタ、五右衛門風の味になり、キノコが入っていないのにキノコの味が強くするという反応が出た。リュウジは、醤油が生UMAMIを開花させると表現している。

味の素版にも醤油をかけると、こちらもかなりうまくなった。ただ林によると、味の素版は出汁がないぶん醤油の味が際立つのに対し、生UMAMI版は出汁香るキノコのような複雑なうま味がある。卵かけご飯のときにはキノコの風味はそれほど感じなかったので、林は扱う料理、もしかするとオイルの油分が関係しているのではないかと推測した。

林はさらに、イタリアやスペインの料理では山のものと海のものを目に見える形で一緒にしないが、日本人の感覚ではおでんのように両方入れる、と指摘した。生UMAMIなら見えない形で両方を入れられるので、イタリアンと組み合わせれば進化するかもしれないという。周りを生かすのが味の素だとすれば、周りにきちんと生かしてもらえたときにとんでもない可能性を発揮するのが生UMAMIではないか、という見方も出た。素材が足し算されていく感覚、素材が「チームになった」感覚だという表現もあった。

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コストと、味の素とのブレンドという提案

課題として挙がったのはコストである。大さじ1が8gなので、200gで25食分、1食あたり98.8円になると計算された。

これに対して林は、味の素と生UMAMIを混ぜる使い方を提案した。生UMAMIを大さじ1ではなく半分にして味の素を合わせれば、コストを下げられる。卵かけご飯のときにAでもBでもない「C」が生まれたように、両方を合わせると別の味になるという発想である。リュウジは、こめおのブランディングとしては難しいのではないかと言いつつ、自分が提案する分には構わないと受け止めた。実際に混ぜたものを食べると、異なるうま味の要素が重なって相乗効果が出ているという評価で、リュウジは喧嘩していない、むしろ相性がいいと述べている。ただし店ではやらず、家庭で使うならこういう使い方もありだ、という位置づけである。

桑田は、生UMAMIの価値は原材料の金額より時間にあると話した。椎茸や昆布を用意して出汁を取る手間を考えれば、手軽に和風出汁パスタが食べられるのは大きい、という意見だ。アンチョビを入れる程度の感覚で使い、キノコを加えればさらにうまくなりそうだという話や、ほんだしと比べたらどうなるかという話も出て、リュウジはこの日を「研究会」「ラボ」だと表現した。

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結論と残された課題

最終的にリュウジは、勝敗の話ではなかったとまとめた。ペペロンチーノは生UMAMIのほうがうまく、深い味になると感じた。一方で卵かけご飯については、リュウジ自身は味の素のほうを推している。次に試すべきは味噌汁で、絶対にうまいはずだという。

こめおとリュウジが共通して強調したのは分量の重要さである。卵かけご飯なら小さじ1杯、パスタなら大さじ1杯というように、「これに入れるだけでいい」と分かる簡単なレシピをこれからたくさん作る必要がある、という話で検証を終えた。

最後に、こめおが別の商品「こめおのおせち」の売れ行きについて打ち明けた。生UMAMIが約4,500個売れている一方で、こめおのおせちは100個も売れていないという。リュウジは、自分は食べていないので推すことはできないと前置きしたうえで、興味がある人はどうぞ、と動画を締めくくった。