リュウジが3つの調味料で作る、国産牛を引き立てるすき焼き

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概要

料理研究家のリュウジは、レシピ本ではすき焼きを何度も扱ってきたが、YouTubeではこれまで取り上げていなかった。今回の動画では、そこそこ良い国産牛をおいしく食べるための、シンプルなすき焼きを紹介している。割下は砂糖・醤油・旨味調味料の3つだけで作る。具材はあえて絞り、締めはうどんにする。リュウジは「市販のタレにはない味」と「肉より野菜を楽しむ食べ方」を推している。

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食べる機会の少ない料理として

撮影に立ち会ったスタッフに聞くと、すき焼きはあまり食べないという。理由は「肉が高い」からで、家で牛肉を使うならしゃぶしゃぶや焼肉になることが多いそうだ。リュウジ自身もすき焼きを「すごい高級品」と位置づけている。そのうえで、たまの贅沢として、まずは「最高においしいすき焼き」を食べてほしいと話す。

使った牛肉は、国産牛の「そこそこいいやつ」が20%オフになっていたもので、量は300g。1人100gとして約3人前になる。外国産牛でも作れなくはない。ただしリュウジによれば、外国産にはすき焼き用の薄切りがあまり売られておらず、使うなら脂の乗ったバラ肉などが向いている。

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具材を絞る理由:エノキを入れない

具材は長ネギ、焼き豆腐、春菊、しらたきの4つ。エノキも買ってあったが、今回は入れなかった。リュウジはその理由を、エノキは味が「強い」ので、良い肉の味を壊してしまうからだと説明する。後でスタッフから「キノコは入れたほうがいいのか」と聞かれると、入れてもかまわないと答えている。かさ増ししたいなら全然やっていい。今回は良い肉を食べるスタイルなので、この組み合わせにしたという位置づけだ。

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割下は砂糖と醤油と味の素だけ

リュウジがいちばん重要だと言うのは割下だ。一般的な割下は醤油、みりん、酒、出汁などを使い、材料が5つ以上になる。リュウジは色々研究した結果、材料を削ぎ落としたほうがうまいと気づいたという。

分量は砂糖大さじ4に醤油大さじ6(90cc)。覚え方は「醤油は砂糖の1.5倍」だ。作り方は、まず砂糖だけを強火にかける。ふつふつしてきて色が変わり、少し焦げたくらいで火を止め、醤油を加える。カラメルは作りすぎると溶け切らなくなるので「ちょっとだけ」でいい。

旨味には昆布ではなく味の素を使う。昆布は値段が高いうえに昆布の香りも出る。リュウジは、肉の味を一番引き立てるのは味の素だと考えている。量は醤油90ccに対して6振りほど、つまり醤油大さじ1に1振りの割合だ。

焦がした砂糖は完全に溶けなくてもかまわない。具材を入れれば、そこから出る水分で溶けていく。すぐに溶かしたい場合や、作り置きして後で使う場合は、スプーン1〜2杯の水を加えて沸かせばほぼなくなる。いったんカリッとさせてから溶かすと香ばしさが出るのがポイントだという。スタッフは「いい店がザラメで作るやつを擬似的に再現している」と受け止め、リュウジも同意した。ザラメはわざわざ買わない人が多いので、少しだけ手間をかけてこの方法でやってほしいと話している。

出来上がった割下はとろみがあり、かなり濃い。酒や出汁で割っていないので、リュウジは「純粋な旨味」だと表現する。市販のすき焼きのタレについては、旨味調味料と出汁感が強すぎて「作った味」になり、甘さもベタつくことがあると指摘している。

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下ごしらえ:ネギ、春菊、豆腐、しらたき

ネギは斜めに大ぶりに切る。店では白い部分だけを使うこともあるが、リュウジは青い部分も香りがあっておいしいので使ったほうがいいとする。

ネギは最初に一度焼いておく。牛脂を使い、強火で、パチパチいっても動かさずに焦げ目をつける。リュウジは、焦がしネギは「すごいガツンとする」ので、これだけは譲れないと言う。このネギから出る香ばしさも割下の一部として計算に入っている。調理はフライパンで行い、すき焼き鍋をわざわざ買う必要はないとしている。

春菊は洗って軽く絞り、太い茎の部分を切り分ける。葉と茎では火の通りが違うからだ。焼き豆腐は焼き目の見た目が良いので選んだが、木綿豆腐でもいい。木綿を焼いても似た見た目になるという。リュウジは12等分くらいに切っている。

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しらたきへのこだわりと「肉が硬くなる」説

リュウジは「しらたきが入ってないすき焼きなんてすき焼きじゃない」と言い切る。すき焼きはしらたきを食べるためにやっているくらいだという。

スタッフから、昔「肉としらたきを一緒に煮ると肉が硬くなる」と言われたと聞くと、リュウジはそれを「嘘」だと否定した。自分で試したところ、外国産牛でも硬くならなかったという。しらたきに含まれる何らかのカルシウムが原因だという説明も聞くが、リュウジの見解では、仮に影響があっても分かる程度ではない。昔は料理が科学的に研究されていなかったので、意外と誤った料理知識が残っている、というのがリュウジの解釈だ。

しらたきは少し臭みがある。リュウジはハサミで4等分くらいに切るよう勧める。そのままではラーメンくらい長いので、これは必ずやってほしいという。

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煮方:肉は最後、具材を「育てる」

フライパンに焼いたネギ、しらたき、豆腐を並べる。春菊はまず茎の部分を入れ、葉は後から加える。割下は最初に3分の1ほど入れ、豆腐に染みるように足していき、最終的には3分の2くらいになった。とろみのある割下でも、豆腐やしらたきから水分が出るので、ちょうどいい塩梅になるという。

肉は最後に入れる。煮ると硬くなるからだ。リュウジはそれまでの過程を、割下と豆腐を「育てる」と表現する。肉が入っていない段階の野菜はまだそれほどおいしくない。肉の味が割下に移ってから食べるのがポイントだと説明する。

肉はできるだけ広げて置き、弱火で、赤みが少し残るくらいで食べる。本来は1枚のまま扱うのが店っぽいが、酒飲みには肉が大きいので、半分に切ってもいいとしている。春菊の葉も全部は入れず、後から足せばすぐ食べられるので、茎が少ししんなりしたあたりで適量を加えればいい。

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試食:主役は肉より野菜

まず肉だけを溶き卵で食べ、出演者は口々に「うまい」と言った。リュウジは「肉が主役だと思ってるでしょ?」と問いかけ、野菜を勧める。春菊については「この年になったら春菊がうまい」と話し、春菊と少しレアな肉を一緒に食べるのが一番だという。

焼き豆腐は最初から煮ているので味がよく染みている。リュウジは、焼き豆腐は焼いて水分が飛んでいる分、汁を吸うのだと説明する。しらたきとネギについては「正直一番うまいかも」と話し、これを食べるためにやっているとまで言う。焼いたネギも好評だった。

リュウジの実感では、肉は「ぶっちゃけそんなにいっぱいいらない」。1人100gあればかなり腹いっぱいになる。味は濃いめなのでご飯にも合うという。すき焼きは肉だけでいいという人もいるが、リュウジはこれを鍋ものと考えている。色々な具材を重ね合わせて食べるのが好きで、そのほうが楽しいと話す。

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関西寄りの食べ方と、リュウジのすき焼き観の変化

スタッフが「関西寄りの食べ方か」と尋ねると、リュウジは「多分そう」と答えた。ザラメを焼いて醤油で最初に食べるスタイルだからだ。関西では砂糖と醤油を酒で伸ばすことが多い。このレシピは酒の代わりに旨味調味料を使っている、とリュウジは位置づけている。関西のすき焼きは汁が少なめで鍋とは違う、という話も出た。

リュウジは率直に、すき焼きをそれほどおいしいものだと思っていなかったと明かす。しゃぶしゃぶには勝てないと考えていたという。しかし、これくらいシンプルに野菜と食べると、すき焼きは真価を発揮しておいしいと今は感じている。ただしそのためには、そこそこ良い牛肉があったほうがいいという条件をつけた。国産牛を使わないバージョンもあり、こちらは調味料を多く使うタイプだという。要望があれば今後紹介するかもしれないとしている。

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割下の継ぎ足し方

途中で割下が減ってきたら、砂糖1に対して醤油1.5の割合を守って足せばいい。味の素は醤油大さじ1に1振りが目安で、旨味を強くしたい人は増やしてもかまわない。リュウジは、ベタベタに甘いすき焼きを食べると甘く感じてしまうが、このレシピはカラメル化させているので甘さをそれほど感じない、と話す。

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締めのうどん

リュウジは締めは「絶対うどん」だと言う。肉の味が移った割下で冷凍うどんを煮る。量は1玉でも2玉でもいい。フライパンには汁がそれほど残っていないので、うどんは電子レンジで4分ほど加熱するか、茹でて事前に温めておいたほうがいいという。

残った春菊やネギは入れたままでいい。割下が余っていれば全部入れてかまわない。濃くなりすぎたら水で調整する。うどんは煮すぎないのがポイントで、入れてから1分ほど煮て汁を吸わせれば十分に味がつく。食べたスタッフは「いい旅館の部屋で食べるやつ」と評し、リュウジも「絶対やったほうがいい」と勧めた。

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結論:肉の質で調整する「マイベスト」

リュウジは最後に、市販のタレは甘さがベタついたり旨味が強すぎたりするので、最近はこのすき焼きが自分のベストだと述べた。あとは肉の質次第だという。今回の肉はそれほどサシが入っていなかったので、ぺろりと食べられた。サシの多い肉を使う場合は、野菜を多めにするなどの工夫が必要だとしている。

撮影メンバーにはもともとすき焼き好きがいなかったが、このやや関西寄りのすき焼きは好評だった。リュウジは、安い肉でもおいしく作れるすき焼きもあるので、要望があれば紹介したいと話して動画を締めくくった。