「女性は損」と考えるべきか:ブランドプロデューサー柴田陽子さんの答え
新R25チャンネル成果を出せば「女性だから情報をもらえた」と言われ、成果が出なければ「女性だから」と評価されない。仕事を頑張りたい女性の周囲でよく聞かれるこうした悩みを、聞き手のおうみゆかさんがブランドプロデューサーの柴田陽子さんに投げかけた。柴田さんの答えは一貫している。「女性は損だと思わないで」「人のせいにしない」。ただし、評価する男性側の事情や、関係をすぐに切らない姿勢、考え方の癖を時間をかけて直す方法まで含めて語っている。
相談内容:成果を出しても出さなくても「女性だから」
おうみさんは、友人など周囲の複数の人から聞いた悩みとして、次のような例を挙げた。取材先から大事な情報を聞き出せたとき、同僚の男性から「取材相手は女性が好きだから、あなたにそのネタを渡したんだろうね」と言われる。実際には朝から晩まで、体力がないなかで張り込みを重ね、ようやく得た信頼で勝ち取った結果なのに、「女性だから」で片付けられてしまう。
逆に成果が出ないときも、女性であることが不利に働くという。子育てや生理について、周囲は「理解している」と言う。しかし稼働時間が限られているのは事実なので、心から理解されている感じがせず、いい仕事を回してもらえない。体力の面でも、人一倍頑張っているのに体力のある男性の働き方に追いつけず、「ガッツがない」と見られる。評価する側がほぼ全員男性であることや、男性同士の結束が必要以上に強いことも背景にあるのではないか、とおうみさんは考えていた。
おうみさん自身は、この企画を「女性側が『女性だから』と言い訳をしたい」という内容にはしたくなかったと話す。誰に聞くのがよいか考え、前年の夏ごろから温めていたテーマだという。
ウチカフェスイーツと「来たい会社」をつくるための引っ越し
柴田さんはローソンの「ウチカフェスイーツ」の開発に関わった人物だ。おうみさんは、商品が登場した2009年に中学3年生だった。部活が毎晩10時ごろまで続き、帰りに近所のローソンでワッフルを買って家で勉強していたという。柴田さんによれば、当時は第1子を妊娠中で、ローソンから仕事を受けたのはちょうどつわりの時期だった。あらゆるコンビニのスイーツを食べては戻し、食べては戻しながら開発していたと振り返った。
事務所についても語った。柴田陽子事務所はマンションの一室から始まり、現在22期目になる。コロナ禍の最中はマンションの部屋を4室ほど借り、部屋ごとに事業や用途を分けていた。事業を縮小しやすくするための配置だったが、柴田さんは裏の階段を行き来することになり、社員の顔が見えなかった。
コロナで多くの人が「会社はいらない、リモートでいい」と言い始めたとき、柴田さんはこれを大きな問題として受け止めた。会社に来なくていい時代になるなら、来たいと思える会社を作らなければならない。「来なくてもいい」と言っているのに、ここにいる方が好きだと社員が集まってくるような会社である。売上の減少を心配しながらも、多額の費用をかけて現在のオフィスに移ったという。社長用の椅子はあるが、そこに座ると何も見えないので使わない。ガラス越しに社員が見える席に座り、「今日もみんな元気かな、悲しそうな子はいないかな」と確認しながら仕事をしている。
「女性だから損と思わないで」:評価する側も戸惑っている
本題の悩みに対して、柴田さんはまず評価の仕組みから話し始めた。評価されなければ偉くもなれないし、お金を得ることもできない。チャンスに手を挙げたときに「やってみたら」と言ってもらうこともできない。そして評価する側は、残念ながら9割から10割近くが男性の社会である。その男性たちに「いいね」と言ってもらった先に次の道がある。
そのうえで柴田さんは、男性側も戸惑っていると指摘する。男性だけで話し合っても女性の本当の気持ちはわかりにくい。相手が男性なら乱暴に声をかけてもいいと思えるし、落ち込んでいれば肩を叩いて「飲みに行くぞ」と誘いたくもなる。しかし相手が女性だというだけで、何と声をかければよいのかわからなくなる。社会の側は「女性を評価しなければ」「登用しなければ」と役職を与えるが、受け取った女性もつらく、与える男性もつらい。お互いにやりにくい状況だという。
だから柴田さんは、男性のなかで評価を得て、最後に自由になって本当にやりたいことに進めるまでは、我慢は「織り込み済み」だと考えている。今はそういう社会のなかで登っていかなければならない時代だ。女性の割合が違う環境ならムードもまったく違うだろうが、それを忘れて不満を抱えるより、「こういうふうに思わないで」というのが柴田さんの思いである。
少数派であることを「ラッキー」と捉えた
柴田さん自身も、「あの社長は女性が好きだから、柴田さんが行けばいいと言ってくれるかも」「柴田さんはここで意見を言う担当ね」と言われた経験がある。それでも「わかりました」と引き受け、まったく気にならなかったという。少数派なのだから、機会や役目が回ってくることも多く、むしろラッキーだったと話す。
柴田さんの事務所は年間20〜30件の案件を手がけ、クライアントの担当者もほとんど全員が男性だ。そのなかで20代後半から今日まで、女性差別を受けた、女性扱いされたと感じて涙を流すほど悔しい思いをしたことは一度もないという。人としてダメだったことにはひどく落ち込むが、男女の違いで悩んだことはない。周りが全員男性なら仕方がない部分もあるし、プロであれば、夜通し何度も足を運ばなければこの品質のものは出てこないことくらい相手もわかっているはずだ、と柴田さんは考えている。
若手女性に伝えた「男性上司に合わせた伝え方」
前日にも柴田さんは、大手企業の事業部長の男性と、入社2〜9年目ほどの若手女性社員たちと会食し、同じような話をしたという。大企業で偉くなってほしいが、偉くなるには男性に認められなければならない。ほとんどの上司は男性だからだ。
そこで柴田さんが勧めるのは、相手の思考を想像して伝え方を調整することだ。この人たちはどういう思考をするのか。言葉足らずになりがちだから、女性の上司よりも少ない言葉や質問の形にしないと理解してもらえないかもしれない。1往復のやりとりでは無理だろう。そうしたことを織り込み済みで仕事をしなければ、評価が続いて最後に大きなチャンスをつかむところまでは至らないという。
成功したらみんなのおかげ、失敗したら私のせい
話を聞いたおうみさんは、「自分のせいだと思った方がいいのかもしれない。人のせいにしているからこういう悩みが生まれるのだろう」と受け止めた。柴田さんは20代のころから壁にいくつか言葉を書いており、その一つが「成功したらみんなのおかげ、失敗したら私のせい」だった。評価されないせいで何かが起きたことはないと思うし、評価されないものは評価されない。その場合は何が悪かったのかを考え、それが続けば日頃の行いが悪いのではないか、だから素敵な出会いも回ってこないのではないかと考える。
柴田さんは周囲から「元気そうですね」「なぜそんなに前向きなのか」とよく聞かれる。しかし本人は、365日のうち350日くらいは落ち込んでいると答えるという。内省的で何でも自分のせいにするため、人のせいにするエネルギーがまったくない。それはそれでつらいが、人のせいにすることは「絶対ゼロ」であり、プライドがあるとすればそこかもしれない、と話した。
秘書時代の服装規定をめぐるエピソード
この考え方がいつからあったのかと聞かれ、柴田さんは22〜23歳で秘書をしていたころの話をした。昼食を会議室でとっていたとき、部署ごとに異なる服装規定について同僚たちが40分ほど怒っていた。「秘書はノースリーブがだめなのに、総務はいいのはなぜか」「サンダルで足の指が見えていても許される部署があるのに」といった不満である。
柴田さんは、そこで怒るのはもったいないと感じた。チームで気持ちよく働ければ自分も楽しいし、上司の機嫌がよければ雰囲気もよくなる。上司がノースリーブの人を見ると心配になる、あるいは嫌だと感じるなら、好みは人それぞれなのだから、部署のルールのなかで楽しめばいいだけだ、と考えた。
柴田さんは、秘書はどんな来客があっても恥ずかしくない格好が必要だと考え、総務などのバックオフィスの人より改まった服装を心がけていた。給料は変わらないのにお金がかかるとは思ったが、きちんとしていれば「次の会食に一緒に行ってみる?」「この会議で挨拶してみる?」といった機会につながるかもしれない。何より上司が安心して気分よくいられるのだから、不満も文句もなかった。一方で、「秘書はきちんとしなければいけないとは最初の説明で聞いていない」「服装代は会社が出さないのか」と言う人もいる。そういう人を見ると、この先どうやって生きていくのだろうと思ってしまうという。
言葉への敏感さの原点:母との会話
こうした感覚は会社で揉まれて身についたのか、それとも育ちによるものか。柴田さんは、母から直接教わった覚えはないとしつつ、ある場面を挙げた。親戚か知人の家族が家に遊びに来たとき、その家の子どもがソファの上を歩いて遊んでいた。その子の母親は「まちこおばちゃんに怒られるから降りなさい」と叱った。後でキッチンで柴田さんの母が「『まちこおばちゃんに怒られるから』じゃないわよね。『ソファに登ってはいけないから降りなさい』が正しいわよね」と言った。
柴田さんはこれを面白いと感じ、それ以来、その言葉は正しいのかを深く考えるようになったという。そのため「女性だから」と言われたときも、相手に本当にそういう意識があったのか、それとも自分のやり方に何か「女性だから」と伝わる要素があったのかを考える。年齢とともに物忘れも激しくなり、嫌なことがあってもすぐ忘れるだろうとも思っている。嫌な考えに傾きそうになったら「明日考えよう」と決める。翌日には気分が変わっているからだ。
違和感は吟味し、直接聞いてみる
柴田さんが強調するのは、自分の信念や心の根っこを変えるのではなく、男性社会でチャンスをもらえる人になるための振る舞いを「スキル」として磨くという考え方だ。言われた言葉や感じたことについて、本当にそうなのか、なぜ相手はそう言ったのかを吟味する時間を持つ。それをしないと、レストランで若い人たちが「こう言われた、マジで」と話しているような状態になってしまう。
どんな人からも学べることや救われることはあるはずなので、関係を自分から悪くする要素は排除した方が得だ、と柴田さんは言う。思い込み、早合点、決めつけの癖、乱暴で強い言葉などを取り除いていけば、男性社会だからこそ人間力が上がる。そのうちに、男性か女性かにかかわらず「なぜそんなにいい考えの持ち主なのか」と言われるようになるという。
おうみさんが「もやっとしたときは本人に直接聞いてもいいのか」と尋ねると、柴田さんは肯定した。「女性だから」と言われたら、「すみません、そんなつもりはなかったのですが、どこが女性っぽいと感じさせてしまいましたか」と聞けばいい。その人と悪い関係になるという着地は、ぎりぎりまで選ばない。「この人はもういい」と決めれば何を言われても気にならなくなるが、自分の時間のなかで関わった人を切り捨てるのは残念で悲しいことだ。聞いてみれば誤解が解ける確率の方が8〜9割だろう、と柴田さんは見ている。
関係はすぐに切らない:7年後のクライアント、結婚、友人
対話しても難しかった経験はあるかと聞かれると、柴田さんは「ある」と答えた。ただ、7年後に連絡が来てよい関係が築けたこともあるという。人はそれぞれの人生を歩み、一つの大きな出来事で人間性が変わるほどの学びを得ることもある。今は相手を受け入れるだけの度量がなくても、自分がもっと大きくなればうまくやれるかもしれない。だから心のなかで緩やかに別れを告げ、また会ったときは新しい気持ちで向き合うのが大事だと話した。
実際に、怒られて「なんだこいつ」と思ったクライアントが、7年後に平気で仕事を頼んできたことが何度もあるという。嫌な思いをしたと感じつつも、この7年にどんなことがあったのか、一度会社を離れたのだろうかと想像し、「思い出してくださってありがとうございます」から始めると、とてもよい関係ができることがあった。
恋愛でも喧嘩別れは人生でゼロだという。経済的に自立した社長には離婚する人が多く、我慢する必要はどこにもない。柴田さん自身も何でも自分でできるが、結婚を続けていることに周りから驚かれる。せっかく始めた結婚を自分の工夫で続けられたら、最後にどうなるのかが楽しみだという。おうみさんが「福袋みたい」と言うと、柴田さんは同意し、今切ったらもったいないと話した。自分がどう工夫するかは、仕事だけでなく友人関係や恋愛にもつながっているというのが柴田さんの考えだ。
女友達から激しく怒った長いLINEが届き、ひどく傷ついたこともあった。柴田さんはLINEで文句を言うこと自体が好きではない。それでも、いろいろなことが重なったのかもしれない、感情が高ぶって書いてしまったのかもしれない、たいていの人は後で後悔するものだ、と考えた。相手が落ち着き、自分のショックも薄れるまで2〜3か月から半年はかかるだろうと見込みながら、その程度の出来事として扱うことにしたという。人生も仕事もキャリアも、よい人間関係のなかで登らなければつまらない、と柴田さんは言う。
「キャリアに夢中になりすぎているのかも」とおうみさんが言うと、柴田さんは「そうでしょ」と応じた。その思考の時点で上には上がれないと思う、と続けたうえで、飲み会でお酌をしろといった話をしているのではないと断った。もう少しやりようがあるのではないか、という意味だという。
人に諦めない、「3年時計」
おうみさんは、SEKAI NO OWARIの深瀬さんがライブで話していた内容を思い出したと話した。自分にも頑張れない時期があったからこそ、やる気がなさそうな後輩がいると「何かあるんだろう」と考えてから接している、という話である。
柴田さんは、社員に対する自分の考え方は「人に諦めない」ことだと話した。できない人になぜ何度もチャンスを与え、教え続けるのかと言われることもある。しかし、成長しない人も変わらない人もいないし、優秀な人だけが周りにいても人生が豊かだとは限らない。出会った人、関わった人によくすることは、一番の実力であり、おばあさんになっても取り組める一生の分野だという。働いていれば時間やお金が絡む複雑な人間関係のなかで考えなければならないので、より人間力がなければ上がっていけない、とも話した。
おうみさんの周囲には、新しいメディアに女性として入ったものの、華やかさを買われて広告の仕事ばかり任されている人もいる。柴田さんは、それが長く続き改善の見込みがないのか、それとも自分がひと肌脱いで一緒に解決すれば理解してもらえる話なのか、見極めは必要だとした。ただし見極めるにも、自分の存在感と謙虚に照らし合わせ、今の自分が言って何になるかを考える。そのうえで「あと半年待ってみよう」と判断することもあるという。
柴田さんは「3年時計」という考え方も持っている。転職した後、困っている友人から相談されたときに「私はこうだった」と人に話せるのは最低3年だと考え、どんな道でも3年はやると決めて取り組む。そうしなければ一つの経験の単位にならず、大切な人に経験談を伝えられないからだ。
考え方の癖を変えるのは「相当なプロジェクト」
「人のせいにしない」と頭で思っても、心の底からそう思うのは難しい。どうすれば自分のものにできるのか、とおうみさんは尋ねた。柴田さんの答えは、まず時間がかかると大きく設定することだった。ヨガでも一つのポーズができるまで時間がかかる。思考や受け止め方の癖はなかなか変わらないのだから、それを変えるのは相当なプロジェクトだと考える。
「また出ちゃった」「でも少しましになったかも」と繰り返すうちに、1〜2年たつと周りから「穏やかになったね」「前なら怒っていたでしょう」と言われるようになる。20〜30代の人はあと何十年もキャリアを積んでいくのだから、今の人間性で勝負するのは無理だ、と柴田さんは言う。今すぐよくならなくてもいいが、意識は持つ。最初からやらないようにはできないので、やってしまった後に強く後悔するよう意識し、そのときに謝って戻す。それを続けると、だんだんやらずにいられるようになるという。
体力に男女差はない?「眠くなるのは甘えか頭が悪いか」
体力の問題はどうしてもあるのではないか、という問いに、柴田さんは「ない」と答えた。おうみさんが「すぐ眠くなってしまう」と打ち明けると、個人差はあるかもしれないとしつつ、体力はつくと話した。
柴田さんは子育て中、仕事もしたいし赤ちゃんの世話にも時間がかかるので、睡眠時間を削りたいと考えた。ただ急に削ると体に悪そうなので、半年に1回、30分ずつ削るというプロジェクトを行い、最終的に4時間ほどまで縮めたという。キャパシティも体力も固い素材でできているわけではなく、本人の意思と努力があれば、キャパも体力も思考も知識も増える。そこに立ち向かうガッツがあるかどうかだ、と柴田さんは言う。
おうみさんは、パーソナルトレーニングでの筋トレとピラティスを始めたばかりで、そのせいか眠くて仕事ができない日があると話した。柴田さんは「できるから」と笑い、飛行機が落ちたり事故に遭ったりすれば一気に目が覚めるはずだと指摘した。眠いというのも脳が決めていることで、飼い犬が誤飲して病院に連れていかなければならない状況なら寝てはいられない。自分のなかの「大事件」を決めてシミュレーションしてみればいい、という提案である。
柴田さんは次に、身体として適切に睡眠をとっているかを確認した。おうみさんが「めっちゃとっています」と答えると、睡眠をとり、正しいものを食べ、運動していて眠くなるのは「甘い」と言い、食べ物を変えることを挙げた。柴田さん自身は夜がほとんど会食なので、昼は少量の玄米と納豆1パックだけにし、朝は食べない。「あまりよくないけどね」と付け加えている。
おうみさんが「今の状況で自分が変えられるところを探してやっている。それを探さないのは甘えということか」と確認すると、柴田さんは「甘いか、頭が悪いか」と答えた。頭が悪いならなおさら変えるのは難しいのでは、と問われると、頭が悪いと認めたくないから考えるのだと説明した。考えれば大体のことはいい方向に変わる。おうみさんは可愛らしく、NHKにも入って一生懸命取材してきたのだから、あとは思考の問題だ、と柴田さんは言う。それを改善すれば「いい子だから会食に連れていこう」と思われ、一人と出会えばまた人生が変わる。おうみさんはこれを、いつ呼ばれてもいいように自分を整えておくことだと受け止めた。
育児中の女性へ:「本当に大変、でもあっという間に過ぎる」
おうみさんはまだ育児を経験していないが、育児中の人はきついだろうと考え、どんな言葉をかけるかを尋ねた。柴田さんはまず「本当にきついよね」と応じた。2人の小さな男の子を育てていたころ、クライアントから「赤ちゃんがいらっしゃるなら出張は行けないですよね」と言われたこともある。当時は「そんなことありません」と答え、両立は大変でしょうと言われても「全然大変じゃありません」と言っていた。しかし今なら、本当に大変だったと言えるという。
それでも必ず言えるのは、大変な時期は本当にあっという間に、愛おしいくらいすぐに過ぎるということだ。昔は子どもを背負ったまま夫婦で田んぼを耕し、休みもなく働いていた人たちがいた。それなのに、これほど恵まれている自分がなぜできないのか、と柴田さんは考えていたという。
柴田さんの産休は1週間ほどだった。テレビで、素敵なスーツを着たフランスの女性が石畳の上をパレードで歩いており、アナウンサーが「彼女は5日前に第1子を出産した」と伝えていた。人は1週間でハイヒールを履いて石畳を歩けるのか、と思ったという。どれくらい休めばいいのかもわからなかったが、それが柴田さんの選んだやり方だった。本人はこれを「乱暴な子育て」と表現している。
「ママの言い訳も覚悟も、子どもは見てる」
柴田さんは、周りの女性経営者の子どもも、手前味噌だが自分の子どももとてもいい子だと話す。前日に嬉しかった出来事として、30代の社員の話を挙げた。その社員が3歳の息子と正月に参拝した際、何をお祈りしたのか聞くと、息子は「ママがお仕事を一生懸命頑張れますように」と答えたという。その子は以前、母親が「大変だし、やってあげたいこともできないから会社を辞めようかな」と漏らしたときも、「辞めちゃだめだよ、ママ。柴田事務所のみんなが困るじゃない」と言ったそうだ。子どもは絶対に見ている、と柴田さんは言う。
柴田さん自身の息子のうち下の子はイギリスにいる。高市さんの「働いて働いて」という発言が話題になった際には電話をかけてきて、「やっとママの時代が来たね」と言ったという。すべての人を「ガチ勢かそうでないか」で測るのはやめなさいと言っているが、息子は「ゆるい人たちもいるからいいの」と返しながら、母親を「ガチ勢」と呼んでいる。
柴田さんの朝は早い。体力が衰えないよう朝5時半か6時ごろから、Audibleで経営や計画、マネジメントの本を1.7〜2倍速で聞きながら体操をする。8時ごろからミーティングが入るので、その前の1時間は風呂のなかで日経を聞きながらメールやLINEに返信している。帰省した子どもたちはそんな母親の姿を見慣れていた。やがて息子から「僕も6時に起きて、友達を誘って毎日5km走ることにした」と連絡があった。イギリスの寒い朝でも「帽子をかぶれば案外平気」と話していたという。
おうみさんは、そこまで徹底できる人もいれば、自分に合う方法を考えることが大事な人もいると受け止めた。そのうえで、まず人のせいにしないことで仕事も人生も変わるのではないかと述べた。
最後に柴田さんが紹介したのは、ゴルフを通じて子どもたちに伝えてきたことだった。ゴルフには、見ていないところでボールを動かしたり、5打でホールインしたのを4と申告したりする人もいれば、グリーンでわずかな物音にも怒る真剣な人もいる。柴田さんは子どもが小学生のころから、自分が合わせられればどんなゴルフも楽しいのだから、ガチゴルフからエンジョイゴルフまで心から対応できなければだめだと話してきた。「今日のおじさんはすぐズルするけど、それはそれで楽しい」「今日のコースはTシャツで裾を出してもいいが、今度の名門はうるさいからポロシャツをシャツインしてベルトを締める」といった具合である。そのほうが何パターンも人生を楽しめる、というのが柴田さんの考えだ。今では息子たちも「今日はニット帽でいいね」「今日はガチゴルフの帽子で行くわ」と自分で使い分けているという。おうみさんは、子どもにも見てもらいたい話になったと締めくくった。
本日はお付き合いいただきありがとうございます。私の周囲で最近すごくよく話題になることで、結局女性って損なんじゃないか、女性は正当に評価されないのではないかっていう悩みがありまして。取材先から大事な情報を聞き出せた時に、同僚とか男の人に、特に「取材相手は女性が好きだからあなたにそのネタを渡したんだろうね」って言われてしまう。だけど実際は朝から晩まで、体力もないのに張り込んだりとか、その積み重ねの結果にやっと得られた信頼で結果を勝ち取ったのに、それを女性だからっていうことで片付けられる。
なるほど。
逆に結果が出せない時も、女性だからって言われて良い評価を受けられないみたいなことも私の周囲の友達からあって。例えば子育てとか生理とかいうものがあるじゃないですか、女性に。理解はしているよってみんな言うじゃないですか。だけど結局稼働時間が限られているっていう事実があるので、心から理解されていない感じがして、いい仕事を回してもらえていない。あとは体力の問題ですよね。普通以上に頑張って働いてるんだけど、体力がある男性の働き方になかなか追いついていかなくて、そうするとガッツがないみたいな感じで評価をされない。
評価する側の人間が全員男だから、多分そういうもんで起きてるのかなと思って。それもあると思います。
やっぱり男性同士の結束感っていうのは、すごく必要以上に強いなという風に感じることも私もたまにあったりして、女性の意見が、女性が強くないと、弱い人だと押しつぶされちゃうっていうことがあったりするわけですよね。だからもう結果を出しても出さなくても、どちらにしても女性だからっていうことが枕言葉にあって、正当に評価されないのではないか、女性って不利なのではっていう悩みになるんですよ。
ただ、この悩み、私もね、女性側も女性だからっていう言い訳をしたいとかっていう取材にはしたくないわけですよ。
はい。そうですね。
これ誰に一番聞くのがいいんだろうなと思って、去年の夏ぐらいからずっと寝かせて。
さあ、今回のお悩みに答えてくださるゲストの方のオフィスにお邪魔します。お願いします。
ブランドプロデューサーの柴田陽子さんです。よろしくお願いします。お願いします。
私、ローソンのウチカフェスイーツが出た時が2009年で、中学3年生で15歳。その当時すごく部活が忙しくて、夜の10時ぐらいに毎日終わるみたいな。で、近くのローソンでワッフルと、それとシー武田をセットで買って、10時から家でお勉強してみたいな。
へえ、お勉強のお供だったんですね。ありがとうございます。当時は本当に私は第1子を妊娠中で、本当にローソンさんからお仕事いただいた時にちょうどつわりの時期で、全てのコンビニのスイーツを食べては戻して、食べては戻してみたいなことやってましたよ。
そうですか。はい。懐かしいです。
スイーツって些細なものかもしれないですけれどもね、すごく私の人生の一番きつい時に助けてもらってたなと。なんか本当に今日お会いできて光栄です。しかも本当にもう部屋が明るくて、いい香りがします。
あ、本当?
元々は恵比寿のマンションの一室から始めて、今22期になるんですけれど、コロナの最中には青山のマンションを4室ぐらい借りて仕事をしてたのね。なんでかっていうと、もしこの事業が縮小とかをしやすくなるために。301号室、4号室はシバジムで、こっちはボーダーズで、あっちは会議室用の部屋でとか言ってて、私は裏の階段を行ったり来たりしてたんですけれど、みんなの顔が見れなくて、柴田さんどこにいるのみたいな感じで。
本当は大きい事務所で集合したいなと思ってたんですけど、ちょうどコロナになって、みんなが会社はいらない、リモートだってなった時に、これはきっかけの問題だぞと思って。会社に来なくていい時代になるのであれば、来たい会社を作る。来なくてもいいよって言ってんのに、こっちにいる方が好きっていう風に集まってくれるような会社を作らなければいけないっていうことで、コロナで売上が下がると心配しながらも、ものすごいお金をかけてこっちに引っ越してきた。
社長のお椅子もありますけれども、そこには座られないってこともお聞きしてまして。
そうそうそう。そこに座ると何も見えなくて、いつも私はそこに座って、ガラス越しにみんなが見えるので、指差し確認で、今日もみんな元気かな、悲しそうな子はいないかなという風に見ながら仕事してます。
そんな柴田さんに是非お聞きしたいのが、これ、悩みは私の友達とか周囲の何人かからいただいてまして、女性って正当に評価されないのではないかと。
すごくそういうお話多く聞くんだけれども、私が昔から持っていたのは、私たちがまず評価されないと偉くもなれないし、お金持ちにもなれないし、チャンスに手を上げた時に「やってみたら」っていうことも得られないじゃない。じゃあそれは評価を受け続けた先にあるもの。でも評価をもらう対象は残念ながら男性社会で、9割、10割近い男性に「いいね」って言ってもらって、そして次の道があるわけじゃない。なので、その評価のされ方っていうのは、これだけ自分でも女性だからとか男性だからとかいう固めた見方をするならば、人の気持ちも多分私たちわからない。
なるほど。
向こうに分かってもらえてないって悲しんでらっしゃるんだけれども、男の人たちで全員で話し合っても、その女の子の本当の気持ちは分かりにくいと思うし、男だったら乱暴に声かけてもいいだろう。男だったら悲しんでたら「お前、飲みに行くぞ」って肩を叩くのもやりたいだろうし。だけどそこに女だっていうだけで、なんて声かけたらいいんだろうって向こうも思ってるから、お互いやりにくい。その中で、でも社会は女性を評価しなければいけないとか、女性を使わなければいけないって言って役職をくれたり。
だから、もらった方も辛いけど向こうも辛いし。私は男の人たちの中で評価をもらって、最後は自由になって本当に自分がやりたいことに行けるまでは、それはもう我慢は織り込み済みというか、そういう社会の中で登っていかなきゃいけない今の時代なんだと。それを忘れて、世界ではもっと評価されるとか。でもそれは女がいっぱいいるかもしれないし、その割合が違えば全然そのムードも違うじゃない。
だからこういう風に思いなさんなっていうのが私からの思いなんだけれども。私もよく、「あの社長は女性が好きだから、柴田さんが言ったらいいよって言ってくれるかもしれないから、柴田さんここで意見言う担当ね」とか言われると、「分かりました」とか言って。女だからって全然気にならなかったというか、だってラッキーというか、少数派なんだから、その機会とかお役目が回ってくることも多くて。なので私は20代後半くらいから今日に至るまで、シバジムで年間20から30案件やってる、クライアントさんもほとんど全員男性、先方は。その中でやってきて、1度もそんな女性蔑視だとか、女性扱いされたと感じたとかって、涙を流して悔しい思いをしたことはないよ。
全部、人としてダメだったことっていうのはものすごい落ち込むし、だけどその女だ男だっていうことで悩んだことがないから、みんながどうしてこういう気持ちになっちゃうのかなって。だって全員男だから仕方ないところもあるんじゃないっていう風に。それにプロなんだから、夜から朝から徹夜で何度も足を運ばなければこんなクオリティのものが出てこないっていうのくらい分かってるんじゃないかなって。
なるほど。
分からないから、あれだけ。昨日もね、大手の企業の方とたまたま会食をして、とっても偉い事業部長の男性と、それから新入社員、23歳、25歳、29歳みたいな女性さんたちと私が食事をして、その女の子たちとも同じような話をしてたんだけど。その大企業の中で、どうぞ偉くなってねって。でも偉くなって欲しいんだけど、偉くなるには男性に認められないといけないのがもう世の中というか、その企業様を見てもほとんどが男性の上司で。
その中で「いいね」とか、男性だったら、っていうかこの人たちだったらどういう思考かな、こういう思考でこういう風に思ってても言葉足らずだから、女性の上司より少ない言葉で。だったら質問しないと理解できないなとか、1回の1往復じゃ無理だなとか、そういうことを織り込み済みで仕事をしないと、評価が続いて最後大きいチャンスになるところまでには至らない。
今のお話を聞いて、自分のせいだっていうことをもうちょっと思った方がいいかなというか、人のせいにしてるからこういう悩みが生まれるんだろうなっていうのは思いました。
そうで。私も20代の頃からだよ。壁にいくつか言葉を書いてたけど、「成功したらみんなのおかげ、失敗したら私のせい」っていうことで。私が評価されないっていうことで起こったこととか本当にないと思う。評価されないものは評価されないし、何が悪かったんだろうっていう風に思うし、そういうことが続いたら日頃の行いが悪いのかなっていう風に。だから素敵な人との出会いとかも回ってこないのかなっていう風に、全部自分のせい。私も「柴田さんすごい元気そうですね」とか「なんでそんなに前向きなんですか」って言われるんですけど、「365日のうち350日ぐらい落ち込んでますよ」っていう風に答えるぐらい。
内省型だから全部自分のせいにするから、その中で人のせいにするエネルギーっていうのが全く欠けてるから、それはそれで辛いということもあるんですけど、それでも人のせいとかは絶対ゼロ。
どうしてそういうマインドで最初からいたんですか?
なんでだろうね。例えば22、23歳で秘書してる時に、お昼ご飯を会議室で食べていて、部署ごとに服装の規定が当時決まっていて、「なんでうちの秘書はノースリーブがダメなのに、あっちの総務はノースリーブがいいのかな」とか、「こっちはサンダルがダメなのに、あっちは足の指が見えててもいいじゃない」とかね、すごい40分ぐらい怒ってて。私1人だから、仲間はいなかったんだけど、なんでここでそういうことで怒るの、もったいないなと思って。
だってそのチームで気持ちよく働ければ自分も楽しくって、上司が機嫌良ければ私も楽しいし、雰囲気も良くなって。その上司が今偉くって、そのノースリーブの人を見てると心配になっちゃうとか、嫌だとか、趣味嗜好なんてみんな違うじゃない? それで「うちの部はこうだよ」って決めたら、その中で楽しめばいいだけなのに、何が嫌なんだろうって。
だから私なんて秘書だから、どこの来客があっても恥ずかしくない格好っていうのが必要だと思ったから、他の総務とかバックオフィスの人たちよりもちゃんとした格好を当時心がけていて。それは人よりお金がかかるから、お金かかっちゃうな、お給料は変わんないのにって思ってたけど、でもそれで素敵にしておけば、次は会食に一緒に行ってみるとか、この会議でご挨拶してみるとかっていうことにも繋がるかもしれないし、何よりも私が働かせてもらっている上司がその方が安心で気分がいいんだから、そこに全くの不満も文句も。
すごいな。
だけど世の中には、秘書でちゃんとしなければいけないっていうルールは最初の説明の時に聞いてなくって、服装代がかかるから、それは会社が出さないんですかとかやる人いるじゃない。本当にどうやってこの先生きてくんだろうなって思っちゃう。
ええ、本当に何でも自分のせいとか、人のせいにしないっていう。
絶対しない。プライドがあるとしたらそこかもしれない。
そこまで自分で気づける力っていうのが、柴田さんはすごいなって思っていて。そうやって人から言われて、あ、そうかもって今私もちょっと気づいたんですけど、それは会社に入って揉まれて気づいたのか、幼少期とかご両親からの教育とかで生まれてきたものなのか。
母からそんなことを直接言われたことは多分ないんですが、覚えてるとすれば、いとこかなんかの家族が私たちの家に来て、ソファーに登って、ソファーの上を歩いて遊んでたんですね。そしたらそのいとこのお母さんが「まちこおばちゃんに怒られるから降りなさい」っていう風に叱ったんです。で、私はその後、食事の用意をするのにキッチンかなんかに行って母と話した時に、「まちこおばちゃんに怒られるからやめなさい、じゃないわよね。ソファーに登ってはいけないからダメ、降りなさいっていうのが正しいわよね」って言われた時に、すごい面白いなと思って。言葉っていうのは面白いなと思って。
そこから、この言葉が正しいのかっていうのをすごく考えるようになったっていうことがあるから。そうすると、相手に女性だからっていう意識があるのかなって考えないと、自分の中ではないやり方だから、女性だからっていうニュアンスが入って私にそう伝わったのかなとかっていうことになったりとか。
あとはこの年にもなると、どんどん物忘れも激しくなってきて、私も嫌なことがあってもすぐ忘れるだろうなとか、1ヶ月も絶対覚えてないよなとか、みんなもそういうとこあると思うけど。だからやっぱり自分が嫌な考えになりそうになったら、明日考えようって思って。で、そうすると明日はやっぱりまた気分が変わって。そういう風に自分の感情のリズムとか癖とかを心得て、この男性社会の中でチャンスをいただけるようになるためのあり方を、自分の信念とか本当の心の根っこを変えることなく、スキルという風に考えて磨くことの方が。
なので、言われた言葉とか感じたことを1回、それ本当にそうなのとか、なぜ相手がこう言ったのかっていうのを自分で吟味する時間を作らないと、「この人にこう言われたんだけど」とか、それでさ、ほら、レストランで若い子たちが「こう言われた、マジ」みたいな。
なるほどなあ。
絶対に、どんな人でも学ぶところとか得るところとか救われることとかあるはずだから、人との関係を自分から悪くするような要素っていうのは排除した方が得。その元で、思い込みだったりとか、早合点とか、決めつけの癖とか、乱暴な強い言葉の排除とか、そこを学んでいったら、男性社会だからこそ人間力はどんどん上がって、そうするといつの間にか男性女性関わらず、みんなに「すごいね」「なんでそんなにいい考えの持ち主なんですか」って言われるような人になるよ。
例えば、そのモヤっとした時は直接聞いてみるっていうのもありなんですかね? その本人に。
その、女性だからって言われたら、「え、すいません。そんなつもりはなかったんですけど、どこが女性っぽいって感じさせてしまいましたか」っていう風に聞くとか。
ああ、確かにそうか。
そしたら絶対その人と悪い関係になるっていう着地を、ギリギリまで捨てない。その可能性を。それでも捨てる人もいるよ。まあ、いなくていいなとか、この人ちょっと大丈夫です、とかっていう風に思うと、もう大丈夫って決めちゃったら何言われても気にならなくもなるし。でもそれは残念。せっかく自分の時間の中で関わった人が「なし」っていうのは悲しい話だから、ギリギリまで。「え、すいません、女性っぽいってどこが」「あ、そういうとこですね。実はそんなつもり全然なくて」って言って解けるかもしれないし、その確率の方がもう8割、9割だと思うけど。
なんか対峙しても難しかった時って、柴田さんそういう経験とかありますか?
ある、ある。あるけど、そうしたら7年後に連絡があって、すごくいい関係ができたりとか。本当にその人はそれぞれの人の人生を歩んでて、1個の大きな出来事で人間性も変わるぐらいの学びを得ることもあるかもしれないから。今はちょっとこの人を受け入れるだけの度量はないけれども、またいつか自分がもっと大きくなったら、この人とうまくやれるかもしれないみたいな感じで、緩やかに自分で相手に対してお別れを心の中で言い、また会った時には新たな気持ちでそこからのスタートでその人を見るっていうことが大事じゃないかなと思うけど。もうたくさんですよ。
もう怒られて、なんだこいつと思ったクライアントさんがまた平気で7年後に頼んできて。あんな嫌な思いしたからと思うけど、でもこの7年の間にどんなことがあったのかなとか、1回会社辞めてるなとか。そうした時に「また思い出してくださってありがとうございます」っていうところから始めると、すごくいい関係ができたりだとか。恋愛も喧嘩別れとか人生ではゼロだし。
へえ。
ここまで経済的に自立してる社長とかだと、多くの人が離婚してるのね。
ああ、そうなの。
もうなんか我慢をする必要はどこにもないよ。もう全部自分で、全部自分でできるから。私は結婚を続けてるんだけど、それがもう結構周りから驚かれるっていうか。でもせっかく始めた結婚が、自分が工夫して続けることができたら、最後どんな風になるのかなっていうのが楽しみというか。
なんか福袋みたいな。
そう、そう、そう、そう。今蹴ったらもったいない。今切っちゃったらもったいないなと思うから、自分が工夫できることは続けた方がいいな。だから何でも続くっていうかね。全てのことが、自分がどうするか、どう工夫するかっていうこと。それはもう仕事だけじゃなくて、友達関係、恋愛においても全部が今繋がってるなと思って。
そうですね。
だから女友達も、ギャーって切れて、こんな長いLINEが来て、すごい傷ついて。なんでこんな、LINEでそもそも文句を言うことも嫌いだし、変だなと。だけどきっと変になっちゃう、いろんなことが重なったのかもしれないし、感情が高ぶった時にこういう風に書いちゃったのかなと。多分きっとこういうのって大体の人は後悔するよなと思って。しばらく向こうの気が落ち着くまでとか、私も受けたショックがなくなるぐらいまで、2、3ヶ月とか半年ぐらいはかかるかなとか思いながら、それぐらいの程度のことにするしとか。やっぱり人生も仕事もキャリアも、良い人間関係の中で登らないと、そんなキャリアだけ得たってつまんないからね。
そっか。なんか本当にキャリアに夢中になりすぎてるのかもしれないですけど。
そうでしょ。この思考の人は、もうこの思考の時点ですごく上に上がれないと思う。
そっか。
もっと大きくなんないと。今の日本のこの環境で、飲み会でお酌しろとか、そういう話を私は言ってるんじゃなくって、もうちょっとはあるんじゃないと思って。
SEKAI NO OWARIの深瀬さんがライブの時に言ってた言葉が今すごいリンクしたんですけど、自分も頑張れない時期があったと。その頑張れない時期が自分にあったからこそ、今、後輩で仕事でちょっとモチベーションが低いかもとか、やる気ないかもみたいな人がいた時に、グッと一旦「あ、なんかあるんだろうな」っていうのを自分で問いかけて接してるっていうようなことを言っていて。まさにそういうことなんだろうなっていうのが、なんか今の柴田さんの言葉とすごい重なって。
そう。人を諦めないっていうのが私の社員に対しての考え方であって。なんでできない人に何度も何度もチャンスも上げるし、教え続けるんですかとか、もう無理ですよとかいう人とかもいるけど、でも成長しない人はいないし、変わらない人もいないし、優秀な人だけ周りにいても、それが人生豊かだ……。出会った人、関わった人によくするっていうこと。
それはもう自分の実力、一番の実力というか、人生かけて磨く楽しい分野というか、一生、おばさんになってもおばあさんになってもまだまだ取り組めることで。それが、仕事を一生懸命してるとより多くの機会にね。だって働いてなかったら、時間とか金銭とかが絡まない人よりは絡んだ人の方が、仕事してるってことはそういうことで、その方が複雑な中で考えなきゃいけないから、より人間力がないとそんな中で上がってけないと思うんだけど。
あとは、その新しい放送メディアに女性で入って、結局ちょうど花としていいから広告ばっかりに使われちゃって、本当は……じゃないか。まあ、だけどそれがあまりにも続いて改善の見込みもないのか、これはきっとこの人とだったら一緒に私も一肌脱いで一緒に解決すれば分かってくれる話なのかっていう見極めは必要だけど、見極めるにしても、やっぱり自分の存在感と謙虚に照らし合わせて、今の私が言って何になるかって言ったら、あと半年待ってみようとか。
なるほど。
私はね、3年時計っていうのを持ってて。転職したりして、次に困った友達とかに転職のこととかを相談された時に、「私はこうだったんだけどね」って人様に話ができるのは最低3年だろうと思って。だからどんな道でも何でも3年はやろうって決めて物事に取り組む。そうじゃないと1個の経験としての単位にはならず、そうすると困った友達とか大切な人にその経験談を伝えることができない。
本当に柴田さん、強い軸をやっぱりお持ちだなっていう風に思っていて。どうしてもそこまで強くなれないみたいな人もいたりすると思うんですよね。考え方を変えるって結構難しいなとか。いくら人のせいにしない、人のせいにしない、人のせいにしないって思ってても、それを本当に心の底から思えるのってなかなか難しいよなって思っていて。そこを自分の中で本当のものにしていくには何が必要なんですかね?
まず、時間がかかるだろうっていうのを大きく設定すること。だってさ、ヨガだってさ、1個のポーズができるまでにさ、もう時間もかかるしさ。
確かに。
ね、自分の思考の癖とか受け止めの癖とかなんて全然変わらないから。だからもうそれを変えていこうと思ってんだから、相当なプロジェクトだぞって思って。「ああ、また出ちゃったわ」とか、「あ、でもちょっとマシになったかも」とか言ってると、気がつくと1年、2年ぐらいとかで少しは変わってきたかもとか。周りの人に「なんか穏やかになったね」とか「前だったら怒ってたでしょう」とか言われるようになったりとかして、変わってきたかもって。人生だって、まだ20とか30の人は、あと何十年、30年とかかけてキャリアを積んでかなきゃいけないんだよ。今の人間性で勝負なんて無理だって。
あ、そうですね。
だから今すぐ良くならなくてもいいけれども、意識をそうして、で謝る。もう謝って戻す。やらないようにはできないから、やった後にすっごい後悔するように意識してると、やった後に「あ、やっちゃった」ってすごい思うようになるから、その時に謝る。まずその作戦で、そうするとだんだんやらないでもできるようになってくるとか。
体力の問題って、そこはどうしてもあるかなとか。ないですか?
ない。
なんか私なんかは結構眠くなっちゃうんですよね。
ああ、そうなのね。そういう個人差はあるかもね。でも体力もつくよ。だから私も子育ての時とか、仕事もしたいし赤ちゃんの世話にも手がかかるから、もう睡眠時間を削りたい。だけど急に睡眠時間を削ったら体に悪そうだ。だから半年に1回、30分ずつ削ってこうっていう風なプロジェクトをしてて、最後4時間ぐらいまで縮まった、イエイみたいなのがあったけど。自分のキャパシティも体力も硬い素材でできてなくって、一生懸命、自分の意思と努力があれば、キャパも体力も思考も知識も全部増えるから。
へえ。
そこに立ち向かうだけのガッツがあるかっていう。え、何もしてないの?
いや、今してるんですけど。
何してんの?
筋トレ、普通にパーソナルと、そうですね。あとピラティスもやっていて。眠くなるんですよね。なんか始めたばっかりだからかわかんないですけど。
あ、多分呼吸が入って、呼吸もするから眠れるんだね。
疲れるんですよ。なので、なんか今日めちゃ眠くて仕事できないみたいな。
できるから。今自分が乗ってる飛行機が落ちたとか事故にあったら、一気に目が覚めるじゃない。
はい。確かに。
だから眠いっていうのも脳が決めてることで、これが大事件だったら。自分の中の大事件を決めてさ、今から、大好きな犬が誤飲して病院に連れてかなきゃとかだったら、寝てらんないわけだから。
そうですね。
そういうのをシミュレーションして、自分の問題として。適正に、フィジカルな物体としてさ、ちゃんと睡眠取ってる?
めっちゃ取ってます。
あ、じゃあ本当に大丈夫?
そうですか?
睡眠取ってて、ちゃんと正しいもの食べて、運動してて眠くなるっていうのは、もう……ちょっともう何回来てるんだろう。甘い。
はい。
食べ物変えるとか。
はあ。え、なんか普段気をつけてることとかあるんですか?
普段、夜は会食がほとんどだから、昼はこんな玄米ちょっとと納豆1パックだけにして、朝も食べない。あんまり良くないけどね。
でもそれをやって、自分で、今の状況がこうだから自分で変えられるところはここだっていうのを探してやってるってことなんですね。それを探さないっていうのは甘えってことなんですね。
甘いか、頭が悪いか。
はい。
そう、そう、そう。
でも、もしその頭が悪かったら、自分で変えてくのってすごい難しいじゃないですか。
そう。だから頭悪いって思うの嫌じゃない。だから言ったから、頑張るっていう。そう、そう。頭悪いって認めたくないじゃない。だからどうするかって言ったら、考える。大丈夫。考えればね、大体のことはいい方向に変わるっていうかね。
だってこんなに可愛くてさ、で、NHKにも行ってさ、それで一生懸命取材してさ。あとは自分の思考の問題だし、それを改善すれば、「こんないい子だから会食に連れてこっかな」とか言ったって、1人、次に出会ったらまた人生変わってとかさ。だからいつでも呼ばれるように。
自分を整えておくっていうことなんですね。私はまだ育児とか子育てとかは経験してないんですけど、そういう方も多分きついんだろうなと思うんですよ。そういう方々に声をかけるとしたらどんなこと?
本当にきついよね。私もね、もう子供を産んで、2人の小っちゃい子供、男の子。男の子を育てる途中に、クライアント様から「赤ちゃんいらっしゃるんだったら出張行けないですよね」とか。
うわ。
ちょっと意地悪っぽいよね。でも「そんなことありません」とか言って、「仕事と両立大変じゃない」とか言われても、男の人に「全然大変じゃありません」とか言ってたけど、今なら言える、本当に大変。
本当に大変だってわかるんだけれども、必ず言えることは、本当にあっという間にその大変な時期は過ぎて、愛しいぐらいすぐ過ぎる。だって昔なんてもう夫婦で田んぼを耕してた人たちなんてさ、休みもなくさ、背中にずっと張りつけて子供を抱えたまま頑張って。なぜ私がこんなに恵まれてるのにできないのかっていう。私、産休1週間ぐらいだったね。
はい。お、1週間。
そう。
それはすごいですね。
そう。なんかテレビを見てたら、かっこいい素敵なスーツを着た女性がフランス人で、石畳の上をこう歩いてパレードをしてて、そのアナウンサーが「彼女は5日前に第1子を出産した」とか言って。人は1週間でハイヒールで石畳の上を歩けるのかみたいに思って。
それで私もどれぐらい休めばいいのかもよくわかんなかったんですけど。まあ、乱暴な子育てですけれども。
本当に、私の周りの女性経営者でも、手前味噌だけどうちの子でも、めちゃめちゃいい子で。私がね、昨日嬉しかったことは、社員が32歳かな、あ、33歳か、子供が3歳で、お正月にお参りに行ったんだって。それで一生懸命3歳の男の子がお祈りしてるから、「何をお祈りしてたの」って言ったら、「ママがお仕事を一生懸命頑張れますように」ってね。
ああ、素敵。
言ったんだって。絶対見てる。子供が小っちゃい、3歳ぐらいの、もう頭の方が大きいんじゃないかぐらいの子供の時に、「シバジムやめようかな」とか言って、「だって大変だし、やってあげたいこと全部できないし」とかって言ったら、「やめちゃだめだよ、ママ」って、3歳の子がね。で、「なんで」って言ったら、「だってシバジムのみんなが困るじゃない」。言ってたよ。
そう。だからこの前も、高市さんが「働いて働いて」とか言って。うちの下の子、イギリスにいるんだけどね、電話がかかってきて、下の子は「ママ、やっとママの時代が来たね」と。
ガチ勢だ。
もう全ての人をガチ勢かガチ勢じゃないかで測るのやめなさいって言ってるんだけど、「いいのいいの、ゆるい人たちもいるんだから」って言うんだけど。
まあ、あの人ガチ勢だね。柴田さんの影響が。
そうそう。私が朝5時半とか6時とかから運動しないと体力が衰えてっちゃうとねって言って。大体8時からミーティングが入ってるから、その前の1時間は日経を聞きながらメールとかLINEとかを返すっていうのをお風呂の中でやってるから、さらにその1時間前に起きて、Audibleで経営計画とかマネジメント本とかを読みながら体操をするっていう不思議なことをやってて。で、時々子供たちが帰ってくると、朝の5時半とかから、お母さんがなんか、なんとかMBAなんとかみたいなのを1.7倍とか2倍速で、経済本を聞きながら体操してる変なお母さんっていうのを見慣れてて。
そしたら子供が「ママ」とか言って、「僕もね、6時に起きて5km毎日走ることに、友達を誘ってすることにしたんだよ」とか言って。中2にですよ。中2で友達を誘って6時から、イギリスでめっちゃ寒くて、「寒いでしょう」とか言ったら、「ニットの帽子被るとね、平気だよ案外」とか言って。
いや、すごい。ガチ勢への。そこはもう本当、柴田さんからの。
かわいそうにね、本当に。
でもそういう風に、本当に究極までガッツを持ってやれる人もいれば、自分がどういう方法が自分に一番合ってるんだろうっていうことを自分の中で考えていくと、すごく繋がってくるなと思いましたし、まず第一に本当に人のせいにしないと。それで仕事も人生も全てが変わるのかなと思いました。
例えばね、ゴルフって、打ったらまたそこから打つじゃない。で、ボールを動かしたりとか、いい方にボールをちょっと見てない間に動かしたりする人もいるし、悔しがりの人は真剣だから、5回でホールインしたのを4とか言ったりする人とかもいるのね、中には。あとはグリーンで走るのはもうルール的にダメなんだけど、ちょっとでも音を立てたりすると怒る人もいるし、真剣だから。でもうちの子供には、ゴルフは自分が合わせられれば全部楽しいからって言って、もうガチゴルフからエンジョイゴルフまで全てに心から対応できなきゃダメだっていうことで、それ小学生とかの時からそんな話してて。「今日のおじさんはね、すぐズルするし、こんなパットでもオッケーとか言っておいって感じだけど、それはそれで超楽しいよ」。
なるほど。
「今日のゴルフはこういうゴルフ場だから、Tシャツでね、シャツ出しててもいいけど、今度行くところは名門のうるさいところだから、ポロシャツにシャツインしてベルトをして。こっちのガチ系はガチ系で、それなりの楽しさもあるよ」とか言って、もう何パターンも楽しめたり。
ああ、楽しめますね、その方が人生を。
そうでしょ。そうすると、いろんな服を持って、「ママ、この場合、今日はもうニット帽でもいいよね」とか、「もう今日はタイトリストの、テーラーメイドのガチゴルフの帽子で、ママ、僕行くわ」とか。
なるほど。子供にも見てもらいたい動画になりました。いいお話が聞けました。本当にありがとうございました。
ありがとうございました。
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