切れ目を入れて米油で素揚げし、甘めのポン酢だれに漬ける「気絶ナス」

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概要

料理研究家リュウジが「ママ」の口調で進める企画で、今回は揚げナスを取り上げている。リュウジによれば、ナス料理はこれまでいくつも出してきたが最近は出していなかった。今回は「揚げるレシピでも簡単で、さっぱりしたもの」を紹介したいという。インスタントラーメンの再現ばかりでは、毎日の献立の参考にしている人たちに「また麺か」と思われてしまう。そこで、野菜をたっぷり食べられて、おかずにもなるレシピを出したかったと話している。

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レシピは単純だ。ナスに切れ目を入れて素揚げし、ポン酢・砂糖・豆板醤のたれに漬ける。豚しゃぶを添えると一品で食事が足りる。さらに、そうめんと合わせて食べる流れまでが実演された。

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材料と、豚肉の部位をめぐるやりとり

ナスは6本で、リュウジは2〜3人前になると説明する。1人分なら3本ほどでもよいという。豚肉はしゃぶしゃぶ用で、今回は1パック250g。量は好きなだけ用意すればよく、部位もバラ、モモ、ロースのどれでもよいとしている。

今回スタッフが買ってきたのはモモ肉だった。リュウジは、自分は普段モモを買わず、これまでのしゃぶしゃぶ動画にも一度も出てこないと指摘した。スタッフは「しゃぶしゃぶ用でいい」と言われたので、いちばんヘルシーそうなものを選んだと説明する。リュウジは、しゃぶしゃぶ用にもモモ・ロース・バラがあり、部位を指定しなかった自分が完全に悪いと認めた。そのうえで、夫に買い物を頼み、説明不足で違うものを買ってこられて怒る人のようにはなりたくない、と話を収めている。モモは脂がいちばん少ないので、揚げ物と合わせる今回にはちょうどいいかもしれない、とも付け加えた。

調味料の分量は概要欄を見てほしいとし、リュウジは恒例どおり酒を一杯飲んでから調理に入った。

3:12

ナスの下ごしらえ:ヘタ周りと切れ目の入れ方

まずヘタを落とす。ヘタの際をぐるりと削るように取ると、食べられる部分が増える。リュウジは「ギリギリのラインを攻める」と表現している。次に、土の匂いがするので軽く水で洗う。

ナスを縦半分に切り、根元を1〜2cmほど残して、そこから先に包丁で切れ目を入れていく。根元をつなげておかないとバラバラになってしまう。この切り方が見た目もきれいで、火も通りやすいという。ナス自体がおいしいので、切れ目の入れ方にそれほどこだわる必要はないとも話している。

揚げるときに水分が飛び散らないよう、切ったナスはキッチンペーパーなどの上に置いて水気を取っておく。アク抜きはしない。リュウジは、今のナスはアクがあまりないので大丈夫だと説明する。スタッフに「下処理はこれだけで、素揚げなのか」と聞かれると、揚げることがナスにとって最強の調理法なので、下手に下処理をするとおいしくなくなる、と答えている。

切っている途中で、リュウジは今回のナスについて「長さが近い」「皮が硬い」とこぼした。大きいナスは基本的に皮が硬い、という見方だ。それでも揚げてしまえば平気だという。長ナスは今回の2倍ほどの大きさで食べにくいので、自分は小ぶりのナスが好みだと話す。長ナスを使う場合は、半分くらいに切ってから同じように飾り切りを入れればよい。ナスは秋口までおいしい、この時期にぜひ食べたい食材だとも語っている。

7:23

漬けだれ:ポン酢に砂糖と豆板醤

たれは混ぜるだけで終わる。ポン酢はリュウジが普段使っている「かおりの蔵 丸搾りゆず」で、柚子の香りが好きだという。この商品の案件もやっていると自分から明かし、「リアリストだから金を持っているところになびく」と冗談を言った。一方で、使えと言われているわけではなく、どうせポン酢を使うなら契約しているところのものを使う、という話だと補足している。普通のポン酢や味ぽんでも十分おいしくできるという。分量は最初100ccと言ったが、味を見て「もう少し入れたほうがいい」と120ccに変えた。

砂糖は小さじ4。スタッフは甘みが多いと驚いたが、リュウジは、ポン酢は酸っぱくてしょっぱいので甘みを入れたほうがおいしく、ちょうどよくなると説明する。豆板醤は小さじ1と1/3ほど入れて、少し辛みをつける。辛いものが苦手な人は豆板醤の代わりに味噌を入れるとコクが増す、という代案も出していた。鷹の爪は最後に散らすだけなので、この段階では入れない。

9:06

豚しゃぶ:塩1%の湯にくぐらせ、余熱で火を通す

1Lほどの湯を沸かして豚肉をゆでる。リュウジはこれまで「豚のスープで煮る」と言ってきたが、今回はたれがおいしいので、スープではなくただの湯で構わないという。そのかわり、塩分濃度1%程度、パスタをゆでるときくらいの塩を入れる。こうすると肉に下味がつく。

肉は1枚ずつ広げながら入れるとダマにならない。火はつけたまま、手早く作業する。モモ肉の場合は、湯にさっとくぐらせて赤い色がなくなればそこで引き上げる。リュウジは「これ以上やっちゃ絶対ダメ」と強調した。余熱で火が通るので、多少赤みが残っていても平気だという。スタッフが「これで火を通すのか」と確かめると、本当に湯にくぐらせる程度だと答えている。

引き上げた肉はバットに広げ、そのまま冷凍庫に入れる。急いで冷ましたいときは冷凍庫でもよいが、バットは金属製であることが大事で、金属は熱伝導が早いのですぐ冷えるという。

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揚げ油は米油、鍋底1cm

リュウジが最も強く言ったのが揚げ油の選び方だ。米油を使ってほしい、サラダ油では絶対に揚げないでほしいという。サラダ油で揚げると重たくなる、米油はさっぱりしている、というのが理由で、ここが揚げナスのおいしさを左右する「ママポイント」だとしている。今回使ったボトルはJ-オイルミルズからもらったもので、米油と大豆油が混ざったタイプだという。大容量で安いので、こういうものでもよいとしている。

油の量は、やや大きめの鍋で底から1cmほど。菜箸を入れて泡が立つくらいになったら、ナスを皮側から入れる。皮を先に揚げたいからだという。

12:45

揚げ上がりの見極めと、揚げナスがうまい理由

揚げている間に、ナスは油を吸いながら水分が抜けて小さくなっていく。スタッフが揚げ上がりの判断は難しいと言うと、リュウジは、ナスの場合は硬いところがなくなればよいと答えた。持ち上げたときにプルプルと柔らかくなっていればOKだという。色も目安にはなるが、柔らかくなることがいちばん大事だとしている。最後には実物を見せながら、柔らかくなって真ん中に白い部分が残っていなければ引き上げどきだと示した。

皮を揚げると鮮やかな紫になる。スタッフが、味噌汁に入れると色が抜けるのに、揚げると色がきれいだと気づくと、リュウジは油では色が落ちないと説明した。ナスが小さくなっている点については、揚げナスは水分が飛んで旨味がどんどん凝縮されるからうまいのだ、と話している。

揚げ物は面倒でやりたくないという人もいるだろうと認めたうえで、リュウジはこのレシピを勧めている。素揚げに使った油は澄んだままなので繰り返し使え、1回で捨てるのはもったいないという。唐揚げにも使える。揚げる前に水気を取っておくのは、油はねを抑えるためだとあらためて確認していた。

15:21

油切りと漬け込み

揚げたナスはペーパーの上に置いて油を切る。切れ目を入れたぶん、そこに油が入り込む。きちんと油を切らないと重たく、べたついた仕上がりになるという。油をさらに気にする人は、キッチンペーパーで上から押さえると油がにじみ出て、カロリーをもう少し減らせると話している。

ナスをたれに1個ずつ浸す。リュウジによれば、このレシピは味が染みるのが早い。切れ目がたれを吸うので、2〜3時間や半日寝かせる必要はなく、漬けてすぐ食べられる。もっと寝かせたい場合は、少し水を足すとよいという。たれの味が濃く、ナスがどんどん吸ってしまうからだ。単体で食べるには味がやや濃いので、リュウジのおすすめは、できたてを少し冷やして食べるか、ご飯やそうめんと一緒に食べることだ。後半でスタッフが足す水の量を尋ねると、大さじ3杯ほど(と聞き取れる)入れて置いておけば、しっかり浸かってもしょっぱくならないと答えている。

仕上げに輪切りの唐辛子を散らすと彩りがよくなり、辛みも少し加わって夏向きになるという。子どもがいる家では入れなくてよい。すぐ食べる場合は軽く冷やせば十分だとしている。

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盛り付け:豚しゃぶはオプション

冷凍庫から出した豚肉は、硬くならずにふにゃふにゃのままだった。盛り付けると、肉が加わったことで途端におかずらしくなるとリュウジは言う。断面を開いて見せ、余熱だけで中までしっかり火が通っていることも確認した。モモの豚しゃぶだけでは少し寂しく見えるので、小ネギを散らせば体裁が整うという。豚しゃぶはあくまでオプションで、ご飯のおかずはナスだけでいいならナスだけ作ればよい、としている。

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そうめんは30〜45秒ゆでて氷水で締める

そうめんは3束ゆでた。去年のものだったが、リュウジは去年のそうめんはとてもうまいと話している。ゆで時間は表示どおりではなく30〜45秒ほど。コリコリした麺が好きなので、自分は30秒が好みだという。今回は45秒ゆでた。

ゆでた直後の麺はまだ針金のように硬い。これを氷水に1分ほどつけておくと、麺がゆるやかに戻り、コリコリの「バリカタ」の麺になる。これは好みの問題なので、普通にゆでたほうが好きな人は普通にゆでればよいとも添えた。水気を軽く絞り、余分なものを落とすときれいに盛れる。盛り方を聞かれると、どうでもいい、どうせみんなで崩す、と答えている。こうして「夏を生き抜くセット」が完成した。

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実食:ナス、豚しゃぶ、そうめんの「三段活用」

最初はナスだけを食べた。リュウジとスタッフは口々に「うまい」と言い、スタッフは数時間漬けたような味がすると評した。まだ少し温かかったが、冷やしてもおいしいとリュウジは話している。

次に豚しゃぶをたれにつけ、ナスと一緒に食べた。スタッフは柔らかさと甘みを評価した。リュウジは、ポン酢だけだと箸が進みにくいが、甘みが加わることで食べやすくなると説明する。肉だけでもいけるという。ナスをご飯にワンバウンドさせて食べるのもかなりいい、とも言っていた。部位については、本来は豚バラがいちばんのおすすめで、バラなら柔らかく仕上がるという。一方、モモは脂肪が少なく、ささみのような肉の繊維感がある。そういう食感が好きな人はモモでもよく、実際に食べてみると十分おいしいと評価を改めている。

そうめんは、器に取ってからたれを適量かけ、漬けた豚肉とナスを乗せて食べる。リュウジはこれを「最高セット」と呼んだ。スタッフは、ナス単体、ご飯、そうめんと使い回せることから「三段活用もできる」と表現している。リュウジは、酸味があるのでそうめんがするっと入ると話す。スタッフは、このゆで加減が一番うまい、コリッとした感じがいいと評し、リュウジも「そうめんで正解」と応じた。酒にも合い、夏は塩分が少し強めのほうがいいと思っている、とも語っている。

締めくくりにリュウジは、野菜中心のレシピが少なかったのでこれを選び、一品でセットとして食べられるので大満足だと話した。この夏に絶対紹介したかったレシピで、ナスがいちばんおいしい時期に、包丁で切れ目を入れて揚げるだけ、あとはおいしいポン酢があれば最高においしくなる、とまとめている。

27:03

余談:買い物の難しさと米油の天ぷら屋

最後に、冒頭の豚肉の件を受けて、買い物の指示の難しさが話題になった。リュウジは、買い物にはかなりのスキルが要り、ちゃんと買い物ができるだけですごいと言う。例として挙げたのがポン酢だ。「ポン酢を買ってきて」と頼まれて、ラベルに「ポン酢」と書いてある商品を買ってくる人は正解である。味ぽんは表記が違うので、味ぽんが欲しいなら「味ぽん」と言わなければならない。それでも、たいていの人は意図と違うものを買ってこられたら怒るだろう、とリュウジは見ている。「人間難しい」とした上で、欲しい商品の画像をLINEで送るのがいいと提案した。

米油の話も続いた。リュウジによると、最近は米油で揚げる串揚げ屋や天ぷら屋が人気だという。スタッフが「酸化しにくいからか」と尋ねると、リュウジは別の理由を挙げた。天ぷら屋は香りの少ない太白ごま油で揚げることが多いが、それを毎日扱っていると油の匂いが体につく。米油は油の匂いがつかないので、都内では米油で揚げる天ぷら屋がとても人気がある。これは天ぷら屋の店主から聞いた話だという。