2つの家、1人の赤ちゃん、固定費85%:ニコルとドリュー、マウイの家の売却を検討

翻訳元 English

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概要

I Will Teach You To Be Rich の今回のエピソードでは、ラミット・セティが、2週間以内に第一子の誕生を控えた39歳と40歳のカップル、ニコルとドリューと語り合う。ふたりは南カリフォルニアとマウイを行き来する生活を送っており、それぞれが家を所有している。ニコルは応募書類に、ドリューが「基本的に私に家を買ってほしがっていた」と書き、それが間違いだったのではないかと思っていると綴っていた。また、お金はすべて住居費と生活必需品に消えるため、外食もできず、コンサートにも行けないとも書いていた。

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会話の中心にある問いは、年収30万ドル近い世帯が2つの州で2軒の家を維持できるのか、というものだ。エピソードを通じてラミットが示す答えは、ふたりの現在の計画は、うまくいかなければならない要素があまりにも多すぎる、というものだ。彼は、ドリューが1年以内に収入を倍増させることを前提としない形の「リッチ・ライフ」を検討するよう、ふたりに迫る。

前提:2軒の家を持つ二拠点生活のカップル

ニコルは発達心理学と研究方法論を教えている。彼女は南カリフォルニアの、家族やコミュニティの近くに、2ベッドルーム・1バスルームの家を所有している。ドリューはライフコーチで、セラピストの資格取得に向けた大学院の最終学年に在籍している。彼女はマウイの家の50%の持ち分を所有しており、その家は「下宿屋のような」造りになっている。3ベッドルームのユニットが2つと、スタジオが2つだ。ドリューは3ベッドルームのユニットの1つに住み、残りを賃貸に出している。

ふたりは1年のおよそ半分ずつをそれぞれの場所で過ごす。ニコルはキャンパスにいる必要があるため、カリフォルニアで過ごす時間がやや長い。マウイにいる間はニコルがカリフォルニアの家を貸し出し、カリフォルニアにいる間はドリューが自分の3ベッドルームのユニットを貸し出す。ドリューによると、マウイの賃貸収入は安定している。修繕費はそうではなく、家主になって日が浅い彼女には、何を想定しておくべきかまだわからなかった。物件で利益は出ているのかと聞かれ、彼女は「ええ、ときどきは」と答えた。

ふたりは付き合って約2年半で、ドメスティック・パートナーシップの登録に向けて準備を進めている。ニコルはそれを「法的なハードルがさらに増えるだけ」と表現する。ふたりとも、住まいについての話し合いは難しいものだと言う。それぞれが自分の拠点に深い愛着を持っており、自分たちの収入で本当に2つの世帯を支えられるのかという問いに、何度も立ち返ってしまう。

ニコルが家を買うことになった経緯

ニコルは何年もの間、本人いわく「本当に貧乏な大学院生」だった。学生ローンを避けるために学費を自分で払い、ルームメイトと暮らしていた。30代で常勤の教授職に就いた後もルームメイトとの生活を続け、住居費を収入の約12%に抑えていた。ラミットはこれを、世の風潮に逆らっていて清々しいと評した。ニコルによれば、それは最高の気分だった。ようやく老後資金の遅れを取り戻せたし、心配せずに外食できたし、何でも払えるとわかっていたので予算を組む必要もなかった。

そしてドリューと出会った。ニコルによると、ドリューは、ニコルが自分に会いに来て一緒に過ごしてほしいなら、ルームメイトはなしだと告げた。ニコルは完全な遠距離恋愛は望んでいなかった。すでに家を買うために毎月4,000ドルを貯金していたので、計画を約2年前倒しすることにした。その4,000ドルは、貯蓄ではなく住宅ローンの返済に回ることになる。

ニコルによれば、反発もあったという。ふたりが最初にこの話をしたのはその6〜9か月前で、ニコルは1年待ってほしいと頼んでいた。6か月後、ドリューは、もうこれ以上は続けられない、そうでなければ次の学期は来ないと言った。ニコルはその会話の約3か月後、本人いわく「狂った」住宅市場で家を購入した。ドリューは、大学時代に戻ったような気がして、「見知らぬ人たち」と暮らす生活には戻れなかったと説明する。ただ、もっとプライベートな空間があるか、バスルームの使い方がもっとよければ、うまくいったかもしれないとも言う。

ニコルは、購入は当時としては筋の通ったものだったと言う。計算してみると、返済額は収入のおよそ3分の1(「少し高め」)で、しかもすでに毎月その額を貯金していた。ラミットも、決断のこの部分は妥当だったと認める。

数字派と「フィーリング」派

最近のお金をめぐる衝突について聞かれ、ドリューはニコルの実家の木の下での会話を思い出した。具体的な内容は覚えていないが、あまりに動揺して「緊急脱出ボタンを押したい」気分になり、数字の話を「もう1時間」続けるために戻る前に、散歩に出なければならなかったことだけは覚えている。ニコルはテーマを覚えていた。ドリューの学費と、マウイの賃貸の不安定さだ。ニコルの立場は、何かがうまくいかなくなったときに、慌てて誰にでも貸さなくて済むだけの余裕が必要だ、というものだった。

ドリューは、原則には同意したが、圧倒されてしまったと言う。数字もわからず、どうすれば実現できるのかもわからず、話が細かすぎたのだ。ニコルは自分を「とても数字重視で現実的」だと表現する。スプレッドシートを管理しているのは彼女で、12か月や6か月の平均を使う。ドリューは、自分には算数障害(ディスカリキュリア)があり、「フィーリングで」動くと言う。何かが5ドルから15ドルの間なら、それで構わない。8.95ドルかどうかまで知る必要はない。

ドリューはこれを自身の経歴と結びつける。彼女は大人になってからの人生を台湾で過ごした。本人によると、そこでは家賃はわずかで、車も持たず、誰もが雇用主を通さずに健康保険に加入していた。大人になってからアメリカに移り住み、足元が揺らいで、遅れをとっているように感じた。これまで考える必要のなかった保険や家、お金のことを学びながら、「現実に足をつける」必要があった。彼女は自分を「根っからの夢想家」と呼び、今は数字にワクワクし始めているという。

ふたりのリッチ・ライフとは

ラミットが共通のビジョンについて尋ねると、ドリューはまず「もっと余裕を持つこと」と、お金を持って引退することを挙げた。ラミットは、それでは今日と30年後のことしか扱っていないと反論した。もう一度考えたドリューは、コミュニティについて語った。友人たちとジョシュア・ツリーで家を1週間借りること、マウイで人をもてなすこと、レストランでおいしい料理を食べること、そして安定していてやりがいがあり、「かなりストレスのない」仕事をすること。赤ちゃんについては、1回目で妊娠したため、予定より早くやって来たという。その子は「愛と遊びとコミュニティに満ちた」生活に迎え入れられることになる。

ニコルは、ドリューに惹かれたのは共通の価値観だったと言う。コミュニティ、ワークライフバランス、そして未来のためではなく今を生きること。彼女個人の目標は、仕事に使うキャパシティを40%以下に抑え、60%を自分自身とコミュニティと家族のために残すことだ。ふたりが老後についてよく話すのは、人生を楽しむのを先延ばしにしたいからではなく、それがいつになるのかが心配だからだという。

コンシャス・スペンディング・プラン:資産、負債、そして9万6,000ドルの驚き

ふたりのコンシャス・スペンディング・プラン(CSP)では、資産125万2,000ドル、投資18万3,764ドル、貯蓄6万7,269ドル、負債98万6,526ドルで、純資産は51万6,507ドルだった。ふたりの家の価値は、それぞれおよそ64万4,000ドルと60万8,000ドル。投資と貯蓄の大部分はニコルのものだ。ドリューには42万7,000ドルの住宅ローンと約1万1,000ドルのその他の負債があり、ニコルの住宅ローンは54万5,000ドルだ。ニコルの主な懸念は、6万7,000ドルの貯蓄では長くはもたないということだった。ドリューは負債総額を「驚くべき」額だと感じた。大半が住宅ローンで、「すごくアメリカ的」なものだと理解してはいるのだが。

ふたりの税引き前の合計月収は2万4,725ドル、年間では29万6,700ドルだ。応募書類でドリューは20万ドルと書いていた。自分の収入は知っていたが、ふたりの合計については考えたことがなく、ただ「十分」だとしか思っていなかった。ニコルなら約25万ドルと推測していたという。そこでラミットは、思っていたより5万〜9万6,000ドル多く稼いでいるとわかったことで、問題は解決するのかと尋ねた。ふたりとも、支出にほぼすべてが消え、今も毎月苦労しているのだから解決しないと答えた。ニコルは、年にさらに5万ドルあっても、おそらく解決しないだろうと言った。

固定費は77%だった。ラミットは、この1つの数字が、ストレスと木の下での言い争いを説明していると言う。投資は3%で月約600ドル、これに加えて税引き前の拠出が月1,200ドルある。ラミットはこの組み合わせを、悪くはないが高くもないと評した。貯蓄とギルトフリー支出(罪悪感なく使えるお金)は、それぞれ10%と記載されていた。ニコルによれば、実際のギルトフリー支出はさらに少なかった。ドメスティック・パートナーシップ、赤ちゃんの養子縁組、遺産計画に関連する1万7,000ドルの法的費用のために貯金していたからだ。彼女はこれまでにそのうち1万2,000ドルを支払った。

ふたりは、協力を引き受けてくれた友人である既知のドナーによって妊娠した。支払う必要があったのは、関係者全員を守るための裁判所書類の費用だけだった。そうでなければ、数万ドルから数十万ドルかかっていた可能性もあるという。ラミットは、自分の友人の中には代理出産に25万ドル以上を費やした人もいると述べ、これは異性愛の関係にある人々が考えもしないかもしれない費用だと言う。

固定費の内訳:住居費が40.5%

2つの物件の住居費は合わせて月1万22ドル(それぞれ約4,000ドルと6,000ドル)で、税引き前収入の40.5%にあたる。ラミットの目安は28%未満で、ふたりの住むどちらの地域のように生活費の高い地域なら、32〜33%まで許容される。ニコルは、住居費が40%だと「ほかのことをする余裕がすべて食いつぶされている」と言う。

ラミットは、もしふたりが5年間外食をあきらめてエクイティを積み上げると意識的に選んだのなら、拍手を送るだろうと言う。そうなのかと尋ねると、そうではなかった。ドリューは「2軒の家でただ存在しているだけで、何もしないなんて嫌」と言った。ラミットは、この一言は多くのアメリカ人の暮らし方を表していると言い、ニコルは「そして身動きがとれなくなる」と付け加えた。

残りの固定費には、2台分の車のローン月1,125ドル(それぞれの街に1台ずつ)が含まれていた。借金の返済は月1,071ドルで、ドリューの大学院の借金1万5,000ドル分だ。卒業するには5月末までにさらに約1万200ドルが必要で、合計は約2万5,000ドルになる。そのお金をどこから出すのかと聞かれ、ドリューは「わからない」と答えた。ニコルは、それはまだ答えの出ていない問題だと言った。

ふたりが「衣類/家/住宅修繕・リフォーム」と名付けた項目は月1,400ドルだった。ニコルの説明によると、ドリューのマウイの家が浸水した後、この額が膨らんだ。おそらく1970年代に造られ、一度もリフォームされていなかったキッチンの床を剥がさなければならず、ついでにキャビネットも交換した。工事費は約1万ドル。できる限り安い業者を雇い、床張りは自分たちでやった。ラミットは皮肉まじりに、家主はコストをそのまま入居者に転嫁するだけだというネット上の主張を持ち出した。ドリューは、それはできないと言った。家賃は市場が受け入れる水準で決まるうえ、マウイではラハイナ火災後の緊急宣言によって、今も家賃の値上げが禁じられている。ふたりは、どのみち家賃を上げるつもりはないと付け加えた。固定費の合計は月約1万7,000ドルになった。

税金のミス:77%が85%に

ニコルは、ドリューは来年からもっと稼げるようになると指摘した。ラミットがドリューの列を見ると、彼女の手取り収入、月1万450ドルが税引き前の額と同じになっていた。税金が差し引かれていなかったのだ。ドリューは、地方税を4.5%払っているが、連邦税の額はわからないと言った。ニコルはドリューの実際の手取りを約8,000ドルと見積もった。これを修正すると、固定費は77%から85%に跳ね上がった。ラミットは、ふたりは実質的に毎月稼ぐ以上に使っていると言い、部屋に「ひやりとした空気」が流れたと述べた。

ナレーションのパートでラミットは、ゲストのCSPを事前にチームにきれいに整えさせたくないのだと説明する。本人たちの数字をそのまま見ることで、どこで前提が間違っていたのかがわかるからだ。彼はこの状況を、リスクが積み重なっている状態として捉える。29万6,000ドルの安定した仕事が2つあり、固定費が85%というだけでも、すでにリスクは高い。そのうえ、パートナーの一方は起業家で、赤ちゃんも生まれようとしている。

ドリューは収入を倍増できるか

ドリューは、月にあと1万2,000ドル必要かもしれないと言っていた。ラミットが彼女の手取りを約1万6,000ドルに倍増させてモデル化すると、固定費は61%に下がった。ドリューは、卒業後ならそれは可能だと思うと言った。セラピスト兼コーチとしてより多くのクライアントを受け持てるし、個人開業なら料金を自分で設定できる。家賃の値上げに消極的なことを踏まえて、市場水準かそれ以上の料金を請求することに抵抗はないかと聞かれ、彼女はないと答えた。彼女のモデルは、高額なクライアントの料金でスライディングスケール(所得に応じた料金設定)を補い、低所得のクライアント向けに30ドルや60ドルのセッションも設けるというものだ。そうすれば2軒とも維持できると彼女は言った。

ラミットはこの案をいったん脇に置き、赤ちゃんの話を持ち出した。ふたりの答えは彼を驚かせた。赤ちゃんが生まれてから最初の1年半ほどはマウイで過ごす予定だという。マウイでは、ドリューとニコルがパシフィック・バース・コレクティブと呼ぶ団体が、出産を控えた親や新米の親に毎週食料品の袋を配っている。ふたりによると、中身は主に地元の農産物、主食、卵、鶏肉だ。無料の教育クラスや、マッサージまで提供されている。政府の資金によるものかはわからないが、助成金で運営されているという。育児の大部分は、マウイのコミュニティの支援と、カリフォルニアで10分の距離に住むニコルの両親でまかなえると見込んでいる。ときどき頼むベビーシッター代として、週1回未満で、おそらく200ドル程度と見積もっている。医療上の問題がなければ、赤ちゃん関連の費用はあまり増えないと考えている。ラミットは、そうしたプログラムに自分が驚いてしまうこと自体が、世界で最も豊かな国の優先順位がいかにずれているかを示していると言った。

ニコルのタイミングも追い風になっている。出産後は病気休暇を使って12週間休み、その後1年間の全額有給のサバティカルに入り、自宅で研究をする。ラミットは状況をこうまとめた。高収入でさらに増える可能性があり、赤ちゃんが生まれても支出はほとんど増えない。これは「非常に珍しい」ことだと彼は言う。彼はこれを、投資、貯蓄、そして楽しむことに振り分けるべき「黄金期」と呼ぶ。子どもが生まれたら、数か月分の緊急資金は増やすべきだと彼は言った。ニコルは12か月分を望んでおり、ラミットも、子どものいる家庭はより保守的であるべきだと同意した。税金を修正した結果、ギルトフリー支出は1%、月273ドルにまで落ちており、ラミットはそんなはずはないと言った。ふたりは貯金を取り崩しているのだ。

ニコルは、「いつもみじめな思い」をしたくないなら、今後1年は貯金を取り崩し続けなければならないだろうと思っていて、それが怖いと言った。削れる最大のものは家だ。ラミットは、ふたりはすでに貯金を取り崩しているのに、それを認めていなかっただけだと指摘した。

お金のストーリー:安心感と「人生がなんとかしてくれる」

ニコルの父方の家族は中国系で、数字や感情、その他ほとんど何についてもオープンに話さなかったという。助けを求めることは家族内でしか許されず、それでさえあれこれ詮索された。番組に出ることは「ちょっと恐ろしかった」そうだ。父親は、彼女が高校生のときにクレジットカードを作らせて信用履歴を築かせ、払える額以上は決して使うなと言い聞かせた。彼女がカードの借金を抱えたことは一度だけあり、それは意図的なものだった。約5つの学校で非常勤講師をしていたとき、常勤職の採用で競争力をつけるため、1年間有給の仕事を減らし、学術評議会や学科の業務など、無給の大学業務に取り組んだ。その不足分を、おそらく助けてくれたであろう父親に頼むのではなく、クレジットカードでまかなったのだ。彼女は自分の家族を中流だと表現する。母親はニコルが4歳のときにがんと診断され、その後5年間闘病した。ニコルは、思い出や経験が何よりも大切だということを学んだと言う。ナレーションでラミットは、母親はニコルが9歳のときに亡くなったと付け加える。親を亡くした人の中には、安全や安心に特に強くこだわるようになる人もいると彼は言い、それが、どんなシナリオでも大丈夫でいたいというニコルの欲求を説明しているのかもしれないと示唆する。

ドリューの両親は、アラバマとルイジアナの貧困とトラウマの中から、懸命に働いて生活を築いた。両親はお金を経験のために使い、週に3日ほどはレストランで食事をし、あるときは祖母2人を連れて、数週間かけてハワイの島々を巡る旅に出たという。ドリューはテキサスで10年間、そして17歳までマーシャル諸島で育ち、その後アラバマの大学に進学した。彼女は、自分が吸収した3つのメッセージを挙げた。1つ目は、お金を稼ぐには懸命に働かなければならないということ。彼女は父親がそうするのを見てきたが、父親は引退する頃には人生を楽しめるような体の状態ではなかった。2つ目は、お金は人を操る道具として使われうるということ。彼女は家族の中でそれを目にしてきており、これを、歴史的に女性が経済的自立を妨げられてきたことと結びつける。3つ目は、お金を分かち合い、「思いきり楽しむ」こと。父親は、学生ローンは絶対に組むな、新車は絶対に買うなとも言っていた。ラミットは、彼女がその両方をやっていると指摘した。「今のところ2戦0勝ですね」。父親はかつて、お金の本を読んだら約150ドルあげると子どもたちに持ちかけたことがある。デイブ・ラムジーかウォーレン・バフェットの本だったかもしれないと彼女は思っているが、おそらく読まなかった。ふたりはラミットの本を一緒に読んだという。

ニコルは、お金に関する自分の最も大きな信念は、お金は役に立つけれど怖いものでもある、ということだと言う。貯金、老後、経済、そして「AIバブルがはじけたら」どうなるのかが不安だ。彼女は自分を、もともと心配性な人間だと表現する。ドリューは、自分が内面化してきたある種の「軽さ」について語る。なんとかなる、だいたいで十分、という感覚だ。ラミットは、信仰のある家庭で育ったのかと尋ねた。父親は彼女が5歳のときに破門されたが、祖父母はとても信心深かった。彼女は「神が与えてくださる」という言葉に聞き覚えがあった。神の部分には共感しないが、自分は多くの特権に恵まれていて、「特権もときどき与えてくれる」と言う。ニコルは、ドリューがお金は入ってくると信じているとよく口にすることを認めた。ラミットはそれを「『神が与えてくださる』の世俗版」と呼び、ニコルは「ヒッピーで、グラノーラで、スピリチュアルなバージョン」と言い添えた。ふたりとも、これらのストーリーによって、自分たちのCSPと意見の食い違いが腑に落ちたと言った。

貯金が減っていった経緯と、マウイの共同所有

ニコルは転機をこうまとめた。ドリューが学校に通い始め、マウイの浸水が起き、緊急事態が重なった。最大のものは、購入したばかりのカリフォルニアの家の下水管交換で、道路まで全部やり直して2万9,000ドルかかった。ニコルから家を買う人たちへの警告はこうだ。完全な住宅検査を受けること、そして下水管のカメラ検査が最後まで通らないなら、その家は買わないこと。

ふたりの家計は一部が別々になっている。緊急資金は共有しており、互いに委任状を持っているので、相手の口座を代わりに操作できる。ドリューによると、学校とマウイの家で自分の緊急資金は底をつき、その穴をニコルが埋めてきた。

ニコルがいなかったらどうしていたかと聞かれ、ドリューは、おそらく知り合いにお金を頼んでいただろう、もしかするとマウイの家を共同所有している友人に、と答えた。そこから新たな事実が明らかになった。家は親しい友人と50対50で所有しているが、その友人は費用の50%を負担しておらず、賃貸収入はすべてドリューに入り、家を売れば友人が半分を受け取る。ドリューはさらに、この分け方はまだ確定していないと付け加えた。賃貸収入とは別に、自分がはるかに多くの時間や私財をつぎ込めば、その分は補償してもらうつもりだという。契約書はない。「ううん、フィーリングだけ」とドリューは言った。5年前のことで、自分は「別の人間」だったし、今なら同じやり方はしないと彼女は言った。ニコルは「みんな、契約書は作って」と付け加えた。

長期的なビジョン:学校の年度に合わせた二拠点生活

ドリューは、ふたりのビジョンは二拠点生活を続けることだと言う。ニコルと出会ったとき、彼女は仕事を辞めてマウイに移るようニコルに勧めたが、今ではニコルが断ってくれてよかったと思っている。その理由として、ニコルの退職金、雇用主負担の健康保険、年金を挙げる。ふたりとも、仕事のストレスを40%以下に抑えたいと考えている。ラミットは、学齢期の子ども、たとえば今13歳の子がいたら、二拠点生活はどうなるのかと尋ねた。ニコルは、子どもは学年度の間は自分の授業スケジュールに合わせて南カリフォルニアで過ごし、夏はマウイで過ごすと答えた。ラミットはその計画が気に入ったと言った。

老後について、ニコルは、403(b)に上限まで拠出していたと言う。年金があるので、55歳前後で引退し、貯蓄から4%ずつ引き出すつもりだった。リフォームと学費のせいで拠出額が減ったため、今は60歳が妥当だと考えている。ラミットによれば、1〜2年拠出額を減らしても、たとえそれが50〜100%の減額であっても、18〜36か月以内に元の水準に戻す計画さえあれば、30年という期間で見ると、たいていは人々が恐れるほどの影響はない。「遅れを取り戻す」という考え方は人を悪い精神状態に追い込むので好きではない、とも彼は付け加えた。ニコルは、赤字になっていることにずっと不安を抱えていたので、これを聞いてほっとしたと言った。

ラミットは、自分が心配しているのは、ニコルに十分な老後資金があるかどうかではないと言う。ふたりがお金について「同じレベルで」話せていないことだ。彼はふたりに、すべてがうまくいくことを前提としない計画を立てるよう求めた。人は人生が完璧に進むかのように計画を立てるが、決してそうはならないからだ。彼が設定した目標は、固定費60%だった。

収入倍増シナリオを試す

ドリューの最初の直感は、来年5月に収入が増えるまで「しがみついて乗り切る」ことだった。ラミットがモデル化すると、彼女の手取りが倍増した場合、固定費は約61%、手取りは月約2万8,000ドルとなり、月約8,000ドルを自由に振り分けられる。ニコルが数学的な内訳を説明し始めると、ラミットはそれを止め、その力関係を変えることも目的の一部だと指摘して、代わりにドリューに尋ねた。ドリューは、支出、投資、貯蓄にそれぞれ2,200ドルずつ振り分けることを提案した。その結果、投資は10%、貯蓄は16%、ギルトフリー支出は約3,800ドルになった。

次にドリューは、月末に残った分を投資に回すことを提案した。ラミットは「先に自分に支払う」という考え方を紹介した。貯蓄と投資の額を先に決め、残りを使うというものだ。余った3,873ドルを投資に回すと、投資は税引き前収入の24%になり、ギルトフリー支出はゼロになった。ドリューは、その考え方がなかなかピンとこないと言った。そこにたどり着いたのはニコルだった。60歳までにいくら必要かがわかっていて、20年あるなら、その数字を決めて毎月取り分けておけばいい。ラミットは、それこそがまさに「先に自分に支払う」やり方だと言った。彼は、適切な投資率は約14〜15%だと直感的に判断した。2,200ドルを下に移すと、投資は約16%、ギルトフリー支出は約8%になった。ニコルは、ギルトフリー支出が3,000ドルあったほうが安心だと言い、ラミットは彼女がそれを主張したことを褒めた。約20万ドルの12か月分の緊急資金に向けて月約4,400ドルを貯めると、何年もかかる。ラミットは、ふたりのような収入で支出の多い世帯にはその流動性が必要だと主張する。4万ドルの浸水被害は、クレジットカードでは払えないからだ。

老後の予測

ニコルによれば、60歳で引退すれば年金で収入のおよそ70%がまかなえるという。ラミットは計算で60%、つまり年約10万2,000ドルを使った。何も変わらず、ドリューの収入が倍増しなければ、ラミットの予測では60歳時点で約160万ドルになる。4%を引き出すと、年約6万7,000ドルだ。ニコルは、それが成り立つのは家のローンを完済し、住居費がもはや40%でなくなった場合だけだと言った。ドリューは、その数字が思っていたより大きいことに驚いた。ニコルは、住居費がなくても、固定費だけでその収入は消えてしまうと指摘した。年金を加えると、合計は約17万ドルになる。しかし、どちらの住宅ローンも組んだばかりだ。ドリューのものは30年、ニコルのものは上乗せして返済しているので25年。ニコルは60歳まで21年なので、それまでに完済できるかは不確かだ。ラミットは、それは可能性の範囲内ではあるが、自分には「どうもしっくりこない」と言った。彼が望むのは、100万ドル必要なら「目をつぶっていても」180万ドルに到達するような計画だ。途中で必ず何か悪いことが起きるからだ。

ドリューの収入が倍増すれば、60歳時点の予測は約360万ドルに上がる。ニコルは暗算で4%を計算した。年約14万7,000ドルで、これに年金10万2,000ドルを加えると約25万ドル、今の収入に近い額だ。ニコルは、マウイの家は引退後もいくらかの賃貸収入を生むかもしれないと付け加え、ドリューは、働き続けてさらに5万ドルほど稼ぐこともできると言った。

単一障害点

ラミットは次に、前提そのものを問い直した。ドリューの新たな収入が実現しなかったら、あるいは病気で働けなくなったらどうなるのか。固定費85%では、ストレスを抱えることになるとニコルは言った。ラミットははっきりと言った。1軒、あるいは両方の家の費用が払えなくなり、お金が尽きる。ニコルは、自分の両親と同居することになるだろうと言い、ラミットは、もう1つの選択肢はまたルームメイトと暮らすことだと付け加えた。ふたりとも、どちらも現実的ではないという点で一致した。収入倍増の計画は、ドリューが卒業し、収入を倍にできる仕事を得て、それをすべて1年以内に成し遂げることを前提としている。ラミットはこれを「単一障害点」と呼ぶ。彼は、ほかに起こりうることを挙げた。彼女が赤ちゃんと過ごすためにペースを落としたくなるかもしれないし、親が病気になるかもしれない。ふたりとも、それに依存しない計画を受け入れる用意があると言った。

ニコルは、大きな打ち手として、家を売るという明白な選択肢を持ち出した。ドリューは、ニコルの仕事と福利厚生を維持したいなら、マウイを売るのが最も理にかなっていると言った。ただ、その家は多くの収入ももたらしている。

マウイ売却のモデル化:85%から65%へ

ドリューは、家は150万ドルで売れると見積もった。彼女の取り分は75万ドルで、約50万ドルの残債があるので、残るのはおよそ25万ドルだ。ラミットは、税金と取引費用を差し引いて約15万ドルに切り下げた。ドリューはもっと多いかもしれないと考えたが、キャピタルゲインが大きくなることは認めた。ラミットは、多くの住宅所有者は費用を計算に入れないため、はるかに多く手に入ると思い込んでいると言った。

賃貸収入(純額で月約7,000ドル)を除くと、固定費はいったん130%に跳ね上がった。マウイの住宅ローンを除くと84%となり、現状とほぼ同じだが、今度は手元に15万ドルの現金がある。その物件の光熱費、車のローン1台分(各都市に車は1台あればいい)、保険を除くと73%になった。修繕の項目をゼロにすると69%に達した。ドリューは、住むスペースがずっと狭くなるので、自分の住居費の列は約500ドルに下がると言い、これで固定費は約65%になった。

ラミットは、15万ドルで何ができるかを示した。一度に緊急資金を満たし、これまで積み立てていた月約4,000ドルを老後資金と楽しみに回すことができる。あるいは、月1,000ドルを取り分けて、メンテナンスの手間なしに、年に1か月マウイで家を借りることもできる。ニコルの反応は、家主としてのストレスがなくなるのは「最高」だというものだった。もう電話もかかってこないし、浸水もない。その家は大きなストレス源になっていたので、この案はほっと息をつくような感覚だったと彼女は言った。ラミットはこれを、仕事を抑えたいというふたりのビジョンと結びつけ、家主業も仕事だと指摘した。ドリューは、マウイ旅行の資金は欠かせないと言った。ずっとカリフォルニアに縛りつけられたら、打ちのめされてしまうからだ。

ラミットは、人は何かを手放すと永遠に失うと思い込みがちだと言った。彼が挙げた例は、自分のBMWを愛しているゲストだ。月に2回Turoで借りて、もっといい車に乗ればいいのでは? ニコルは、以前の計画は、歯を食いしばって、ドリューが適正な料金で十分なクライアントを得られるよう祈るようなものだったと言った。今なら、それに挑戦しつつ、バックアップも持てる。ラミットは、固定費が下がればアップサイドが生まれると付け加えた。ドリューの収入が50%増えるだけでも大きな違いになり、倍増すれば「使い道に困るほどのお金」が残る。後でまたマウイに家を持ちたくなれば、強い立場から検討できる。彼はこれを、「負けないためにプレーする」のではなく「勝つためにプレーする」ことだと位置づけた。

ドリューは、ワクワクしていて、つながりを感じていると言った。マウイの決断は、ニコルと出会う前、ふたりの家族ができる前になされたもので、もはやすべてを彼女の収入の倍増に頼る必要はない。ニコルは、何があっても「海とコミュニティの人たち」を手放さずにいたいと言った。ドリューは、友人の家に泊まるのではなく、自分たちで家を借りてマウイに3か月滞在した場合の実際の数字を見たいと言った。ラミットは、航空券と宿泊費を含めるよう言った。確信はないが、長期滞在でも所有のコストには及ばないのではないかと彼は考えている。ニコルは問いをこう捉え直した。仲間と一緒にマウイにいることが大切なのなら、そのために家を所有しなければならないのだろうか?

次のステップ、期限、そして「ゆとり」

ラミットは具体的な次のステップを求めた。ドリューは、赤ちゃんが生まれる前にいくつかのシナリオを試算することを提案した。売却する場合、ニコルが仕事を辞めてドリューの収入でマウイに住む場合、所有せずにマウイで3か月過ごす場合、そしてドリューの収入水準を変えた場合だ。彼女はその可能性を「楽しい」と感じると言った。ラミットは、それが彼女が普段お金について使わない言葉だと指摘した。彼は、仕事を辞めるのは考えにくいがモデル化する価値はあると言い、プロセスはまずビジョン、数字はその次だと述べた。

タイミングについて、ニコルは、ドリューは経験を通じて決める人なので、毎年マウイでどのくらいの時間が必要かを感覚でつかむために、少なくとも数か月はマウイで過ごすべきだと言った。ドリューは、わかってもらえたと感じたと言った。彼女は比較的短い期限にワクワクしていた。「私たちは良い状態にない」ので、切迫感が必要だからだ。6か月ならうまくいくかもしれないと彼女は提案した。ラミットは、期限はふたりが決めることだが、貯蓄と旅費のモデル化に基づいて決めるべきだと言った。売却を決めてもすぐに売れるわけではなく、売主側の手数料や、ペンキ塗りのような準備作業もあると彼は指摘した。もう1つの選択肢は、マウイの家を維持し、単発のクライアントではなく継続的にドリューが達成しなければならない収入目標を、近いうちから設定することだ。いずれにしても、貯金が現在の6万7,000ドルから2万〜3万ドルに減ったら危険水域だと彼は言った。彼自身は、蓄えが生活費の3か月分を大きく下回るところまで減るのは許さないという。

リッチ・ライフのビジョンは変わったかと聞かれ、ドリューは「ゆとりを求める声」を感じていると言った。それは彼女が見失っていた核となる価値観だった。ストレスを抱えず、締めつけられず、追い詰められていない状態。ニコルは、コミュニティとワークライフバランスは今も大切だが、ビジョンの役に立っていない「1つの特定のやり方に強くしがみつきすぎていた」ことに気づいたと言った。ラミットは、ゆとりがリッチ・ライフと結びつけられるのは初めて聞いたと言い、それが自分にも響いたと述べた。彼は、溺れながらも家やSUVにしがみつく人々を、手の中のものを離そうとしない猿にたとえた。ニコルは言った。「溺れているような感じがしていたけれど、今は、あ、立ち上がればいいんだって感じ。私たちは浅瀬にいたんです」

ラミットの見立てとその後

締めくくりのナレーションで、ラミットはこのカップルの見込みを五分五分とした。これは珍しいことだと彼は言う。モデル化してマウイに戻り、そこで家を所有する必要はないと気づくか、あるいは日々の生活と新生児に追われて、結局決断しないままになるかのどちらかだ。固定費85%では、決断しないこと自体が1つの決断だと彼は言った。ふたりが互いに率直に向き合い、売却を検討し、お金を確保して、共通のビジョンを一から作り直すことを彼は願った。

フォローアップ動画では、赤ちゃんが生まれている。ニコルは、お金の話し合いを主導する役割から一歩引き、今はドリューにスプレッドシートを任せていると言う。そのおかげで、そうした話し合いは「よりゆとりのある」遊び心のあるものになった。ふたりはニコルが仕事を辞める場合をモデル化したが、彼女の福利厚生に匹敵するものを得るのは非常に難しいため実現不可能だと結論づけ、二拠点生活を続けることにした。ドリューは「ほぼCSPのエキスパート」になったと言う。彼女はマウイでのAirbnb、賃貸、購入のコストを比較し、固定費を60%以下に抑える最善の方法は、今の物件を売却し、おそらくコンドミニアムを現金で購入することだとわかった。最初は売却について感情的になっていたが、約6週間後の今では気持ちの整理がついたと言う。彼女は数字に判断を導かせ、ストレスの面でも経済的な面でも「ゆとりがある」と感じられるリッチ・ライフを軸に据えている。家が売れて固定費が目標に達したら、ふたりは再び貯蓄と投資にお金を回す予定だ。