300万円を5年で1900万円に増やせるか AIは「入金力の最大化」、ハニトラ梅木は「芸人ならではの個別株」を提案

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概要

新R25の企画「どっちで増やしまショー」は、同じ投資目標に対して投資家のハニトラ梅木氏とAIがそれぞれプランを出し、相談者がどちらかを選ぶ番組である。今回の相談者は芸人のじゅんいちダビッドソン氏で、目標は「元本300万円を5年で1900万円にする」こと。AIは無駄な資産を整理して毎月の積立額を増やせば約4〜4年半で届くと答えた。梅木氏は、芸人として話のネタになることも価値に含めた個別株中心のプランを出した。

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目標は2台目の車「昔のフェアレディZ」

じゅんいち氏の目標は、車の購入費と維持費を合わせた1900万円を5年で用意することだ。車はすでに1台持っているが、2台目として昔のフェアレディZを所有したいという。車体はおおよそ1000万円弱、駐車場代が月4万〜5万円かかり、故障の修理費、保険、年間の維持費も加えて、10年ほど持つならこれくらい必要だろうと本人は見積もった。

なぜ2台目が必要なのかと聞かれると、本人は「なんでって言われたらない」と答え、「いらんかもしれん」とも言って笑いを誘った。

現在のポートフォリオ:積立、ドル建て債券、優待目当ての個別株

番組はまず、じゅんいち氏の資産構成を紹介した。出演者から「バランスがいい」と評価された構成で、債券が25%、不動産が15%を占める。

投資信託は毎月の積立が中心である。投資を始めた当初から月3万円ずつ買っている米国系の投資信託があり、本人は名前を覚えていない。それとは別に、新NISAでオールカントリーとFANG+を積み立てている。積立は月10万円ほどで、昔から続けている金などを合わせると、毎月15万円ほどを投資に回しているという。

債券は、証券会社に勤めていた妻から教わって始めた。資産を分けたほうがよいと助言され、ドル建てで債券を買い、利金も償還金もドルで受け取り、償還されたらまたそのドルで買い直す、という運用を何年も前から続けている。日本の債券も持っている。

個別株は本人いわく「適当に」選んだものが多い。NVIDIAは1年と少し前、Yahoo!ニュースで株価が下がったと知って買った。それまでNVIDIAという会社は知らなかったが、「AIの銘柄だから復活するだろう」と考えたという。その後、株価はまずまず伸びている。WBCに関連する銘柄は友人に聞き、自分のYouTube企画として売買した。300株だけだったので利益は3万円ほどで、すでに売却している。ほかにもカレーをよく食べるのでCoCo壱番屋、ゴルフ用品を買うので2割引ほどの優待券がもらえるゼビオグループを持っている。北の達人コーポレーションは、100株で7000円分ほどの化粧品が届くと聞き、妻に渡すつもりで買った。

金は持ち続けてよいか

じゅんい氏は、昨年末に金を少し利益確定して売ろうかと話していたのに忘れてしまい、毎月の積立も続いていると打ち明け、このまま持っていてよいかと質問した。

梅木氏は、金はここ1〜2年で大きく上がったため、数年単位で横ばいになる時期が来てもおかしくないと見ている。ただ金は希少性が非常に高く、今のところ代わりになるものが見つかっていないので、とても長い時間軸で見れば価格は上がっていくと考えている。一方で、データ上ずっと昔からの年平均リターンで比べると、株式投資のほうが高いとも説明した。金も株も長期では上がってきたが、年平均の利回りでは株が上回る、という整理である。

そのうえで梅木氏は、金を他の資産に振り分けるか、ほかのすべてがだめになった時の保険として持つかは考え方次第だと述べた。梅木氏自身は保険として持っており、保有分は値動きがあっても絶対に売らないと決めているという。紙幣と違って金はそれ自体に価値があるから強い、という発言も出た。

フィリピンのプレビルド物件という悩みの種

不動産15%の内訳は、自宅が10%、フィリピン・マニラの投資用マンションが5%ほどである。マニラの物件は番組の企画をきっかけに買ったもので、儲かると思ったわけではなく、「芸人やし、フィリピンにマンション買ってんって言いたい」という動機だったと本人は語る。

仕組みは「プレビルド」と呼ばれ、完成後に物件を買い切る権利を積立で得ていく。広さは40平米ほどの1DKで、5年間、毎月10万円ずつ、合計600万円を積み立てる。残りはあと3年半ほどだ。物件価格は3000万円程度で、購入時に現地を見に行った時は基礎工事中だった。完成すれば数十階建てのタワーで、1〜2階に商業施設が入る予定だという。本人は、ちゃんと完成すれば値段は上がると思っている。

販売側の説明では、積立の途中で元の価格3000万円の物件が5000万円に値上がりした場合、権利を売りに出して買い手がつくこともあるらしい。本人はそうなるのが一番いいと考えている。ただ、海外の物件なので不安も多く面倒だと感じており、「やめといてよかったわ」と口にしかけるほどだった。

不動産投資をやりたいと考えている投資側の出演者は、海外物件はハードルが高いと指摘した。国内の不動産で十分に経験を積み、次の段階として海外を勉強する、という順番が普通だという見方である。これに対してじゅんいち氏は、自分は「フィリピンにマンションを買った」と言いたいがために買ってしまったと認めた。

投資元本は300万円、6倍以上が必要

じゅんいち氏が今回投資に回すと宣言した金額は300万円である。100万円では無理があると考えたからだが、出演者からは300万円でも無理があるという声が上がった。1900万円は元本の6倍を超える。本人は、フィリピン物件の値上がり分で300万円を作り、それを元手に1900万円を目指したいとも話した。

梅木氏は、自分も口座に300万円を入れて始め、6〜7年で1億円に達したので可能性はあると応じた。ただし周囲からは、それは相当取り組んだからだろうと言われ、本人は「ちょっとだけやりました」とかわした。

AIの設定:GeminiのGemに「クオンツファンドの責任者」を演じさせる

AI側のプロンプトは、新R25の西村プロデューサーが監修した。使ったのはGoogleのGeminiの「Gem」という機能で、自分の求める答えを的確に返すよう設定できるサービスだと西村氏は説明した。設定にはプロンプトを入力する。プロンプトとは、AIに担ってほしい役割、目標、目的を指示する指示書、あるいは設計図のようなものであり、これがきちんと定義されていないと求める答えが出なかったり、あいまいな回答になったりする。そのため、プロンプトをきちんと作ることがAIをうまく使ううえで一番大事だという。

今回与えた役割は「自己批判機能を備えた、最高レベルの株価予想のプロ。エリート・クオンツファンドのオプションリサーチ部の責任者クラスで、じゅんいち専属のアナリスト」である。有料プランで使っており、低い段階のプランでは「ちょっとアホなGem」が出てくると西村氏は冗談めかして話した。月1万〜2万円ほどで秘書がつくと考えれば、人を雇うよりはるかに安い、という受け止めも出た。

AIプラン:物件を売って毎月25万円の積立マシンを作る

Gemには「300万円を5年以内に1900万円に」という目的も入力した。回答は次のような内容だった。

AIはまず、元本300万円の運用だけで5年後に1900万円に届かせるには、利回りに頼るギャンブルのようなハイリスク投資が必要になり、現実的ではないと断じた。そこで最重要戦略に据えたのが「入金力の最大化」である。今は毎月15万円を積立に回す一方、マニラのプレビルドに毎月10万円を払っている。本人が「保有が面倒なので、数パーセント上がったらすぐ売りに出したい」と考えていることを根拠に、AIは海外物件の権利を早めに売って整理するよう勧めた。浮いた10万円を投資信託に回し、毎月の投資額を実質25万円に引き上げる。

投資先は、新NISAですでに買っているオールカントリーやFANG+を軸にする。AIは、じゅんいち氏がこれまで一度も売ったことがない点を「素晴らしい投資スタイル」と評価し、積立を設定したら相場を見ずに放置するよう求めた。元本300万円に毎月25万円の積立を加えれば複利効果が大きく高まり、年利7〜10%程度の現実的な運用ができた場合、5年を待たずに約4年〜4年半で1900万円に到達できる、というのがAIの試算である。

北の達人、ゼビオ、CoCo壱番屋といった優待目的の個別株は、生活を豊かにするものとしてそのまま持ち続ける。趣味のキャンプも削らない。AIはこのプランを、「無駄な資産を整理して毎月25万円の積立マシーンを作り、キャンプとお笑いを楽しみながら放置する」ことがフェアレディZに乗るための最も美しく勝率の高い戦略だ、とまとめた。

AIプランへの疑問:課税と「元本300万円」の前提

じゅんいち氏は「最高やん」と反応したものの、疑問も出した。NISAの枠外、つまり通常の口座で積み立てれば税金がかかるのではないか、という点である。梅木氏は、利益に対して約20%の税金がかかり、この金額だと300万円ほど取られてしまうと説明した。さらに、今回は元本300万円という前提なのに、ほかから資金を足すのはよくないとも指摘した。出演者からは「車は手に入るけど不動産を失っている」という声も上がった。

梅木プラン:「芸人じゅんいち」を生かす三分割の個別株投資

梅木氏がプランに付けた名前は「芸人じゅんいちプラン」である。梅木氏が一番納得できなかったのは、AIがフィリピン物件の売却を勧めたことだった。あの物件は面白さも込みで買ったもので、番組やトークで話せば仕事が来る。AIはその「物件を持っていることで来る仕事のプラス」をまったく考慮していない、と梅木氏は批判した。面白さを残さなければ人間ではなくなってしまう、とも言い、物件は手放さず、追加の入金もせずに300万円で1900万円を目指すプランを示した。

前提にしたのは相場の状況である。梅木氏によれば、イランとアメリカの情勢を受けて、ここ2週間ほどで日本の株価全体が大きく下落している。梅木氏は、長期的に伸びるはずの分野なのに短期の出来事で下がっている銘柄を、今のタイミングで狙えばよいと主張した。放送時には状況が変わっているかもしれない、という断りも添えた。

1つ目の狙いは半導体・AI関連である。梅木氏は、フィジカルAIや半導体を含むAI関連の相場はもう少し続くと見ている。そのなかで、ホルムズ海峡が通れなくなって原油が高くなったことで、半導体の部品や素材の銘柄が売られている。原油はこうした部品や素材にさまざまな形で使われるため、業績が伸びて株価が上がっていたのに、原油不安で大きく売られているというのが梅木氏の説明だ。

2つ目は小型株である。梅木氏が普段テンバガー(10倍株)を狙う時にも使う手法で、時価総額40億〜50億円以下の小さな銘柄を、全体が下がったタイミングで分散して買う。梅木氏によれば、小型株は普段、売買する人がほとんどいないことが弱点だが、全体が下がる局面では関係ない銘柄まで売られ、ふだん買えない安値で拾えることがある。相場全体が戻り、1年ほどの間にニュースが出れば、会社のすべてが変わるように受け止められて株価が爆発的に上がることが多いという。これを「宝くじ的」に持っておく、という位置づけである。

梅木氏は、このプランの芸人ならではの利点も強調した。分散した銘柄のうち1つでも10倍になれば、「初めて買った銘柄が10倍になった」と番組で話せ、注目を集める。逆に下がっても、マニラの物件と同じように「負けた」話が仕事になる。株の損失を仕事で補える、という考え方である。

具体例として、梅木氏は総合商社を挙げた。コロナ禍で大きく下がった商社株、たとえば三菱商事はこの5年ほどで5倍前後まで上がったという。倒産リスクはほぼないと言ってよいほどの大企業でもこの短期間で5倍になったのだから、下落局面は何倍にも増やせる可能性が高まる時期だというのが梅木氏の見方だ。配分は、300万円のうち150万円を三菱商事など「世界が続く限り売買がなくならない」大手商社に、100万円を原油の影響を受けている半導体・AI関連に、残りの50万円を話のネタになる10倍狙いの小型株に充てる。だめだった場合も話せば仕事が増え、結果的に1900万円に届くのではないか。梅木氏はこれを「人間味にあふれた」プランとして提示した。

じゅんいち氏は梅木プランを選択

どちらのプランで増やすかを問われ、じゅんいち氏は梅木プランを選んだ。理由は、面白そうであること、10倍狙いの株も含めた投資をすることで仕事が増えるのは確かにそうだと思ったことだ。本人は、5年で1500万〜1600万円増やせばよいのだから、1年あたり300万円になると計算した。そのうち投資で200万円増やし、残り100万円分を投資系番組の仕事でまかなえれば何とかなる、という考えである。

AIの反論:「撤退劇こそがエンターテインメント」

最後に、西村プロデューサーがAIからのコメントを読み上げた。梅木氏への反論として作られたもので、西村氏は「愚かな人間たちがAIに反抗してきている」と前置きして出演者に笑われた。

AIは、「フィリピンにマンションを買った」という言葉が面白いと考えて買った直感は、芸人としては大正解だと認めた。そのうえで、投資家として見れば、その面白いひと言のために毎月10万円のコストをかけるのは割に合わないと主張した。そして、海外不動産から命からがら撤退する話こそがエンターテインメントになる、と続けた。マンションを持っているというのは単なる「振り」にすぎず、面倒になって速攻で損切りして逃げたという結末のほうが、トーク番組やYouTubeで語るエピソードとして人間味があり、笑いが取れるはずだという。

この返しには出演者から「AIも面白い」という声が上がった。同じトークにするなら、持ち続ける話と売って終わる話のどちらを選ぶか、振りに結末まである方が面白い、という受け止めである。

梅木氏の感想と、残った結論

梅木氏は、AIの言うことも理解できると話した。ファンドマネージャーの目線で見るよう指示したこともあって、AIは馬渕磨理子氏のようだと感じたという。普段から馬渕氏と対決している身としては、AIにはまだ負けないとも述べた。そして、AIが考えないところを考えることが、これからの投資には少し必要だと感想を締めた。出演者からは、実際にはAIと敵対する必要はなく共存していくものなので、この回を見て一度触ってみるのもいいのではないか、という声も出た。

番組の最後、梅木氏のプランを選んだじゅんいち氏に、マニラのマンションをどうするつもりかが改めて問われた。答えは「売りますね」だった。