生成AIで動画制作はどう変わるか:堀江貴文と小澤健祐が語る制作現場の変化と「先行者」の条件

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概要

新R25チャンネルとホリエモンチャンネルのコラボ企画として、堀江貴文さんと、生成AI業界の若手キーパーソンとして紹介された小澤健祐(おざけん)さんが、生成AIによる動画制作の変化を語った。小澤さんは冒頭で、動画制作は生成AIによっておそらく最もイノベーションが起きている領域であり、変化のスピードも特に速いと位置づける。堀江さんも「すごいよ」「やべえよ」と繰り返し、議論は画像生成AIの進化から、漫画・アニメ・映画制作の担い手の変化、堀江さん自身の実践例、そして今このスキルを学ぶ意味へと進んだ。

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Soraは入口にすぎない

司会者はまず、一般の視聴者の多くはSoraで少し遊んだり、Soraで作られた動画をSNSで見たりしている程度ではないかと問題提起する。小澤さんはこれを受けて、Soraは誰でも使えるショート動画プラットフォームのようなもので、簡単に作れる一方、最先端のAI動画制作ほどの水準ではないと説明した。そのことを知らない人も多いだろうという。

ただし、Soraを軽く見ているわけではない。堀江さんは「あれでもみんな結構満足ですよね」と言い、小澤さんもSora 2から音声まで生成できるようになり、声が本人の声にかなり近くなっていると指摘した。二人とも実際に使っているという。そのうえで小澤さんは、最近のトレンドを調べていくと、これから本格的なクリエイターの時代が来ると感じていると語った。

Nano Banana ProとGoogleの強み

堀江さんは動画から少し話を広げ、GoogleのGemini 3と、画像生成の「Nano Banana Pro」を話題にした。今は画像生成が「祭り」の状態で、利用者が殺到したためにGemini 3の出力が遅くなり、仕事で使う側としては困っているという。

堀江さんは、GoogleがNVIDIAのチップを使っていないという説にも触れた。小澤さんは、Googleは公式に自社設計のTPUしか使っていないと発表していたと補足する。Googleは計算リソースから表側のアプリケーションまですべて押さえているため、コストも安いというのが小澤さんの見方だ。堀江さんは、多くの企業がNVIDIAを使う理由はGPUを使うためのライブラリであるCUDAにあり、それがNVIDIAの強みだったが、Googleは研究開発能力が高いので、そうしたものも自前で作ってしまうと説明した。さらに、指数関数的に賢くなってきたAIの性能が頭打ちではないかと多くの人が諦めかけていたところで、その上を作ってきたとも語っている。

小澤さんが具体的な変化として挙げたのは、Nano Banana Proで画像内にテキストを正確に入れられるようになった点だ。これまでAIで漫画を作ると、セリフの部分が中国語風の崩れた文字になっていたが、日本語対応が完璧になったという。小澤さんによれば、堀江さんのように多くのプロダクトや事業を持つ人なら、ポスターや漫画をこれだけで作れるようになる。

静止画の進化は動画に波及する

堀江さんは、この進化はそのまま動画に波及すると考える。動画は静止画の集合体であり、AIから見れば連続した画像にすぎないため、静止画の性能が上がれば動画の性能も上がる、という理屈だ。Googleは動画生成AIのVeoを持っており、堀江さんはこれもすぐに同じように文字を入れられるようになり、音声も十分な品質になるだろうと予測した。

堀江さんは「そろそろ俺、動画に出なくてもよくなる」と冗談めかして言い、半年以内には自分の代わりにAIが喋ってくれるようになるのではないかと見込む。3年後の世界を問われると、生産性の高い人がさらに生産性を上げるという「身も蓋もないこと」が起きると答えた。司会者が、日本中の結婚式のお祝いコメントを堀江さんのAIが担うこともできるのではと振ると、堀江さんは本当にそうなると応じている。

本作りの手法が動画にも広がる

司会者は、堀江さんの本は本人の言葉を他人が編集して作る形になっていると指摘した。堀江さんは、それは生成AIの時代を見越してやってきたことだと説明する。『多動力』は、堀江さんが書いた文章や話したことを箕輪さんが紡いでできた本であり、それが売れた。この作業は今は編集者が担っているが、切り口さえ考えられれば、「このテーマで本を一冊作って」と指示し、レビューするという形でAIにも任せられるというのが堀江さんの見立てだ。

同じことが動画の世界でも起きると堀江さんは言う。漫画でも、ストーリーを作っているのは原作者であり、原作者が漫画家に指示して綺麗な漫画に仕上げてきた。つまり構想を持つ人と、それを形にする人の分業だった部分をAIが担えるようになる、という見方である。

ある大物漫画原作者とのエピソード

堀江さんは、名前を伏せたうえで、ある大物漫画原作者に会ったときの話を紹介した。ちょうどNano Banana Proが公開された日で、堀江さんが実際に使ってみせると、その原作者は驚き、自分でも漫画が描けると言い出したという。一方で、自分がやるとハレーションが起きそうだとも話したため、堀江さんは「こっそりやりましょう」と返した。

堀江さんによれば、その原作者はちょっとした絵なら描けるので、下書きを描いてAIに仕上げさせればよい。キャラクターも数体程度なら覚えてくれるらしいので、普通にストーリー漫画が作れるし、アニメまで行けると伝えたという。堀江さんは、1年以内にその人が原作のアニメ映画ができていると思うと予測する。原作者はやりたいことやネタをたくさん持っているが、コストがかかるので実行していないだけだというのが堀江さんの説明だ。

当面はハレーションを気にする動きもあるが、時間が経てば避けられない流れとして出てくるだろう、という点で出演者たちの認識は一致した。司会者は、原作者が一人で生成AIを使うか、そうでなくても原作者と生成AIを使いこなせる一人がいれば成り立つチームになっていくのではないかとまとめ、堀江さんも同意している。

ミュージカル告知動画をコンテストとクラウドソーシングで作る

自身のビジネスでの活用例を問われた堀江さんは、ミュージカル『ブルーサンタクロース』の告知動画を挙げた。自分でプロンプトを作るのも面倒なので、縦型の告知動画を大量に作る方法として、AIのスクールのような場でコンテストを開いたという。応募作品のレベルが非常に高かったため、入賞した人たちにクラウドソーシングで制作を依頼している。

こうしたクリエイターはSoraではなく、Veo、Midjourneyなど多くのツールを使いこなしている側の人たちだと堀江さんは説明した。

AIだけで作った1時間の映画

小澤さんは、日本で初めて開催された、AIで作った作品だけを対象にした映画祭に登壇の関係で参加し、作品を見た経験を語った。そこでは1時間ほどの映画がすべてAI生成の映像だけで作られていたという。通常なら予算は数億円、期間も相当かかる規模の作品を、ほぼ一人で作っている。ただし、同じシーンを何百回も生成し直す必要があり、非常に大変な作業でもあると小澤さんは付け加えた。それでも一人の労力で作れるという点を小澤さんは強調し、堀江さんはその制作者を紹介してほしいと頼んだ。

博多うどんを広めるための映画構想

ここで堀江さんは、今うどんの映画を作ろうとしていると明かした。たまたま博多うどんの会社を買収し、これからリノベーションして全国展開を考えているという。

堀江さんの見立てでは、讃岐うどんが丸亀製麺やはなまるうどんのように広まったきっかけは映画だった。『踊る大捜査線』の監督である本広克行さんが香川県出身で、20数年前に香川のうどんを題材にした映画を撮り、ユースケ・サンタマリアさんらが出演してスマッシュヒットした。20年ほど前から讃岐うどんが一気に伸びたのはそれがきっかけだと堀江さんは考えている。そこで、柔らかく出汁の効いた博多うどんを「香川vs博多」のような形で普及させるために、同じように映画を作りたいという。

当初は映画監督と話していたが、最低でも1億〜2億円はかかる話で面倒になり、生成AIなら1年以内にできるのではないかと考えるようになった。すでにプロットはあり、プロットと世界観をクリエイターに渡せばそのまま作ってくれそうな気がすると堀江さんは話す。司会者が俳優を起用しなくてよくなるのかと尋ねると、週刊誌のリスクもなくなるという話になり、小澤さんは適任の生成AIクリエイターを紹介すると申し出た。

「ホリエにゃん」がTikTokで100万フォロワーに

堀江さんは思い出したように、「ホリエにゃん」というキャラクターがTikTokで100万フォロワーに達したことを紹介した。周囲の人が提案して進めている企画で、1000万回ほど再生された動画もあるという。

元々は、演歌を歌う堀江さんを動物化したらどうかというコンセプトから始まった。キャラクターを作っている人から、バズるのは猫かパンダだと言われて猫にしたところ、大きく伸びた。すべて生成AIで作られている。

この企画は実験でもあったと堀江さんは説明する。堀江さん自身の影響力をゼロにするため、本人はあまり告知せず、フォローもするなと言われていた。TikTokのアルゴリズムを攻略するだけで回っており、視聴者はほとんど海外の人だという。堀江さんは、バンビが手がけるスパイダーマンのコンテンツと同じやり方で、完全に外国人向けに作っていると説明した。

司会者が、ホリエにゃんは英語で喋っているのかと尋ねると、喋っておらず鳴き声だけで、字幕もないという。ノンバーバルなまま起承転結でストーリーを展開しており、例として飛行機事故で子猫だけが投げ出されて生き残り、親切な人に助けられて父親の墓参りに行く、といった内容が紹介された。司会者が堀江さんの要素がまったくないと指摘すると、堀江さんはきっかけはそうだったが、バズったからいいと答えている。生成AIだけで100万フォロワーに届くかという実験は、1か月ほどで達成したという。

司会者は、生成AIを使えば海外向けのハードルも下がり、日本だけを相手にするより市場が単純に50倍以上になると整理した。小澤さんも、今ならノンバーバルでなくても言語対応ができ、インバウンド向けの英語動画などもすぐに作れると補足している。

早く学ぶべき理由:堀江さんのホームページ制作時代

小澤さんが監修するDMM 生成AI CAMPに生成AI動画クリエイターコースが新設されたことに触れ、堀江さんは、こうしたところで最先端を学べるなら早めにやった方がいいと語った。その根拠として挙げたのが、自身のキャリアの原点である。

堀江さんが最初に手がけたのはウェブページ制作で、静的なページではなく、CGIを使って動的にページを生成する仕事をかなり早い時期から始めた。本人いわく、技術的にはぶっちゃけ大したことはしていなかったが、すごそうに見えたので大きな金額を取れたという。

それでもホームページ制作会社が急激に増えたわけではない、と堀江さんは言う。パソコンを使えないとできないからだ。堀江さんは、パソコンをちゃんと使える人は今でも全人口の20%もいないと思うと述べ、Twitterの治安が悪くなったのもパソコンを使わない人たちがアクセスできるようになったからだという持論も口にした。ハイクオリティで企業向けのものを作ろうとするとスマホだけでは心もとないため、パソコンを使えるかどうかで足切りが起き、担い手はそれほど増えないというのが堀江さんの考えだ。司会者も、映画監督でもパソコンを使いこなせない人は結構いそうだと応じている。

堀江さんは、Photoshopが使えるだけで重宝された経験も語った。バージョン2.5から使っており、ホームページを自分で作る中で、ほくろやシワを消すといったレタッチもスタンプツールでこなしていた。今ならAIで一瞬でできることだが、当時はPhotoshopが使えるだけで高給が得られる世界だった。司会者はこれを受けて、動画はさらにハードルが高く見えるぶん、よりチャンスがあるということだと整理した。

5時間で作られた和牛マフィアのプロモーション動画

番組側は、堀江さんが関わる「WAGYUMAFIA」のプロモーションムービーを、コースで学べる技術を使って制作し、披露した。制作時間は5時間だったという。堀江さんは「すげえな」と反応した。

従来の方法で作った場合の費用について、出演者からは400万円程度、下手をすれば1000万円という見積もりが出た。AIに聞いたところ3000万円ほどかかるという答えが返ってきたという話もあった。いずれも出演者の概算である。

小澤さんは制作手順を説明した。Soraでいきなり「背景にぼやけたバーのシーン、手前に肉の塊」と指示しても、この映像にはならない。そこで今回は、まず和牛マフィアをアニメ風に変換するというコンセプトを決め、キーとなるフレームを画像として作る。その後、Klingのような動画生成AIを使ってその画像を動かす。画像生成にはSeedreamやNano Bananaなどを使い、ナレーションもAI、BGMもSunoというAIで作っている。

Sunoについては堀江さんも、自分の関係で一番使っているツールだと語った。ラジオのジングルを作っており、最初に聞いたときはちゃんとした出来で驚いたが、自分の会社にそれだけの予算はないはずだと考えて、AIで作ったのだと気づいたという。

一方で小澤さんは、細かく見ると、トランジション(場面の切り替え)や文字の出し方には、編集者やクリエイターの創造力が働いている部分があると指摘した。AIツールと人間の編集の組み合わせによって、ここまでの品質になっているという見方である。堀江さんはこの動画を欲しいと言い、2〜3点変えてほしいところがあるが、それを直せば公式に使えると評価した。

取り残される人は稼げなくなる

動画クリエイターは生成AIを使いこなせるようになるべきかと問われ、堀江さんは「思います」と答えた。ただし残酷な面もあり、時代の変化に取り残される人も多く、その人たちは稼げなくなるという。司会者が、それは単純にツールを使わない人がそうなるという話かと確認すると、堀江さんはそうだと肯定し、ツールを使いこなさない人は厳しいと述べた。

編集の基礎なしには仕事にならない

コースの紹介の流れで、司会者は生成AI以外の部分、つまりPremiereのような編集ソフトを学ぶことは大事なのかと尋ねた。小澤さんは大事だと答え、動画の基本的な知識と編集ソフトの使い方はきちんと知っておく必要があると説明する。AIで素材を作っても、最終的にはPremiereなどでまとめ上げるからだ。コースの特徴として挙げられたのは、未経験から動画編集の基礎を学べること、状況に応じた生成AIツールの使い分けを学べること、副業やフリーランスとして仕事にするためのスキルを学べることの3点で、堀江さんは「俺も案件発注したい」と反応している。

最後に小澤さんは、ニュースを見てAIで動画を作れば稼げると思う人は多いだろうが、そんなに簡単な話ではないと釘を刺した。売り物になる水準にはハードルがあり、動画編集のスキルを身につけながら生成AIの最先端のトレンドも学ばないと地に足がつかない、というのが小澤さんの結論である。前編はここで終わり、生成AI動画クリエイターの可能性や、実際に生成AIで稼ぐ方法についての議論は、ホリエモンチャンネル側の後編に持ち越された。