旨味調味料なしで作る、鶏もも肉とミニトマトの塩煮込みと〆パスタ

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概要

料理研究家のリュウジは、旨味調味料を多用することで知られる。今回の動画では、材料を鶏もも肉、ミニトマト、塩の3つ(と水)に絞った「塩だけシリーズ」の煮込みを作る。後半では残った煮汁で〆のパスタも作る。動画の中心にあるのは、「味の素を使っていると舌がバカになる」という批判に、塩だけの料理で答えるという狙いである。

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「プチトマト」ではなく「ミニトマト」

冒頭でリュウジは料理名を「プチトマト煮」と言いかけ、すぐに「ミニトマト」と言い直す。プチトマトは品種の名称で、小さいトマトの総称はミニトマトだという。子どもの頃はプチトマトという品種があったが、今はないらしい、という話も出る。いちごでいえば「あまおう」や「とちおとめ」のような品種名にあたる、という説明である。そのため今回の料理は「鶏のミニトマト煮」と呼ばれる。

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なぜ塩だけのレシピをやるのか

リュウジは普段から味の素を多く使い、「舌がバカになっているのでは」「食材の旨味がわからなくなる」とよく言われるという。これに対して、旨味調味料や顆粒だしを使っても舌はおかしくならないと言い切る。その根拠として挙げるのが、「使いまくっている自分が、塩だけで美味しいものを作れる」という点である。

旨味調味料を使ってきた理由についても話している。料理の間口を広げるためだったが、最近は間口が広がってきたと感じるので、こうした塩だけのレシピもどんどんやっていくという。さらに、塩だけで美味しいものを作ってみせれば、普段なぜ味の素を入れるのかという説明にも説得力が増す、とも述べている。

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材料と下ごしらえ:叩いて3ピースに分ける

材料は鶏もも肉2枚(合わせて約650g)、ミニトマト2パック、塩。油は軽くあってもいいが、なくてもいいという。分量は3〜4人前とされた。ミニトマトは鶏もも肉1枚につき1パックが目安である。

最初に、鶏肉をラップで挟んで叩く。リュウジによれば、これで煮込み時間が短くなり、肉も柔らかくなる。狭いマンションでは叩く音が気になる人もいるので、その場合は切り込みを入れるだけでもよい。切り込みから熱が入るからである。

叩いた鶏肉は3等分にする。まず薄い部分を切り落とし、残りを横に切って3ピースにする。一口大に切ってもよいが、塊のほうが食べたときに肉感が出るので、3ピースくらいがいいとリュウジは考えている。

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塩は「量」で美味しくもまずくもなる

塩を振る場面では、「どこかの偉い人」の言葉として、世界一美味しいものは塩で、世界一まずい食べ物も塩だ、という話が紹介される。適量を使えば塩はとても美味しくなり、入れすぎればしょっぱくて食べられない、つまり量の違いだという説明である。スタッフが「それは自分が言ったことだ」と口を挟み、やり取りが少し続く。

塩は3つまみほどを両面と皮全体に振る。使うのは特別な塩ではなく、普通の精製塩である。リュウジは、高い塩を使って美味しくなるのは当たり前なので、普通の塩で美味しくすることに意味がある、という趣旨のことを言っている。

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トマトと鶏で旨味の相乗効果を狙う

ミニトマトを洗いながら、リュウジはミニトマトを主役にしたレシピは意外と少ないと話す。ミニトマトで検索する人もいるだろうし、暑くなってトマトが食べたくなる時期なので取り上げた、という。

塩だけでも美味しくなる理由として、リュウジは旨味の相乗効果を挙げる。トマトにはグルタミン酸が多く、鶏肉にはイノシン酸がある。種類の異なる旨味成分が合わさると旨味が掛け算になり、非常に美味しくなる。だから旨味調味料はいらない、という説明である。スタッフが「かつおと昆布の合わせだし」にたとえると、リュウジもそれと同じようなものだと応じた。旨味に強く着目したのは日本で、「旨味」という言葉も日本で生まれた、という話も添えられた。

ミニトマトは半分にちぎってもいいし、そのまま入れて後でヘラで潰してもいいという。今回は半分に割ったものと割らないものを混ぜた。ただし試食前には、割る必要はなかった、そのまま入れればよかった、と振り返っている。

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皮から焼き、鶏の脂だけで香ばしさをつける

煮込む前に、まず鶏肉を皮目から焼く。大きいフライパンに皮を張りつけるように並べる。皮を取りたい人は油を入れればよいが、リュウジは皮付きのほうが美味しいと考えている。皮にはゼラチンが多く、煮汁に溶け込んで少し濃厚なスープのようになるからである。皮は太るという意見には、「太ったら痩せればいい」と返していた。

追加の油は入れず、皮から出る鶏の脂だけで焼く。そのため普通の煮物より軽く食べられるという。焦げ目がこんがりつけば、スープに焼いた香りと旨味が移る。裏側にもしっかり焼き目をつける。焼いてから煮込むのは「ちょっと洋風の作り方」だとリュウジは説明する。

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水と塩で煮る:トマトは後から入れる

焼けたら水を加える。動画の中では「240ぐらいかな」と言っているが、概要欄のレシピでは200ccと書かれている。後の場面では「コップ1杯の水」とも表現している。そこに塩を小さじ2/3加え、この塩が味を引き出すと話す。煮汁には鶏の脂が浮き、濃厚な鶏スープのようになる。使っている油は鶏の脂100%で、サラダ油などは使っていない。

ここでまだトマトは入れない。最初から入れると崩れすぎるからである。まず蓋をして7〜8分ほど煮る。

煮込み時間には狙いがある。リュウジによると、鶏肉は焼くとプリプリの食感になり、煮込むとほろっと崩れる食感になる。今回のような塊なら、15〜20分ほど煮込むとほろっとした煮込みらしい食感になる。焼き物ならプリプリ感を楽しみたいが、煮込みならほろっとした鶏肉を食べたい、という考えである。

リュウジはこれを「調味料で出す味ではなく、調理で味を変えていく手法」と呼ぶ。旨味調味料やだしを使わない調理では、火の入れ方や時間で味を描いていくことが非常に重要だ、と強調していた。

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トマトを加えてさらに10分

7〜8分煮た時点で、リュウジはスープの色を見せ、ここで一度味見をしてほしいと言う。そこにミニトマトを全部入れ、蓋をしてさらに10分ほど煮れば完成である。「めっちゃ簡単でしょ」とリュウジは話す。

蓋を開けると、スタッフが具の大きさや色に反応する。リュウジは、もっと旨味を濃くしたければ火を強めて水分を飛ばせばいい、十分ならそのまま食べればいいと説明し、今回は少しだけ煮詰めた。煮汁は黄色っぽく、鶏から「コンソメの味がする」という。鶏を煮出したものがチキンコンソメだからで、イタリア料理のような味わいが楽しめるとリュウジは述べている。

盛り付けは2〜3人前ほどで、スープも少しかける。煮汁はこの後のパスタに使うので残しておく。

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試食:オリーブオイルもにんにくもハーブもなし

試食では、鶏肉が箸でほぐれるほど柔らかいことに出演者が反応する。「皆さんが想像している5倍柔らかい」という声も出た。リュウジは、煮込みは20分ほどだが、それでこれだけ柔らかくなると話す。ミニトマトを乗せて一緒に食べるのがいいという。

スタッフは、オリーブオイルもにんにくもハーブも使っていないことを確認し、リュウジは焼いた香りはあると答える。食べ方としては、パンにもご飯にも合い、パスタに添えてもいいという。

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〆パスタ:残った煮汁で煮込む

後半はフライパンに残った煮汁で〆のパスタを作る。リュウジは、美味しいスープはパンに浸すかパスタにしないと気が済まないという。今回のスープ量で2人前ほど作れる見込みである。

パスタは塩分濃度1%ほどのお湯で、普通の塩を使って茹でる。リュウジは、自身がプロモーションしている細めのパスタが合うと話し、それを使う。茹で時間は表示より1分短くしてアルデンテに仕上げる。

茹でたパスタを煮汁に入れ、少しくつくつと煮込むようにしてパスタに鶏とトマトの旨味を吸わせる。余った鶏肉は手でちぎれるほど柔らかいので、ほぐして加える。スタッフに聞かれて、トマトも入れることにした。

途中で味見をし、薄ければ塩を1〜2つまみ足す。パスタなので、オリーブオイルを大さじ1〜2ほど絡めると美味しいという。そのため、このパスタはオリーブオイルと塩を足している。ただし旨味調味料は一切使っていない。煮込んで仕上げ、パセリを振ると店っぽくなるという。リュウジはこれを「チキンのラグーソースと言っても過言ではない」と表現した。

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パスタの試食と、ほかの展開

パスタを食べたリュウジは、「こんなにうまいんだ」と言い、旨味調味料はいらなかったと話す。スタッフからは、チキンの旨味が麺1本1本に絡んでいる、ミニトマトだからか酸っぱさがない、といった感想が出た。このレベルのパスタを出す店はなかなかない、という声もあった。

さらに、炊き上がったご飯を入れてリゾットにしてもいいという話も出る。リュウジは最後に、鶏とミニトマトと塩だけで作るこの煮込みを、〆のパスタまで食べてほしいと勧めた。パスタではオリーブオイルを少し加えたことも、改めて断っている。