「整形依存症の患者とどう向き合うか」:高須幹弥医師が語るドラマ『ダウンタイム』板井佐緒里の口角挙上術
高須幹弥(高須クリニック)Netflixの美容整形ドラマ『ダウンタイム』には、安達祐実が演じる30代のキャバクラ嬢・板井佐緒里が登場する。美容整形を繰り返し、各地のクリニックとトラブルを起こしてきた人物で、作中では沼田医師が口角挙上術を担当する。高須幹弥医師はこの症例を題材に、「クレーマーリスト」に載る患者の実態、整形依存症の患者を引き受けるか断るかの判断、医師と患者の関係が崩れたときに何が起きるかを、自身の臨床経験と重ねて解説している。
クレーマーリストと「地雷患者」
板井さんは、もともと美容クリニックの間で共有される「クレーマーリスト」に載っている患者だと高須医師は説明する。いくつものクリニックを渡り歩き、カウンセリングや手術のたびにトラブルを起こしたため、「この患者には手を出してはいけない」という情報がクリニック間で回っている状態である。
高須医師によれば、業界では「地雷患者」という表現が使われることがある。本人も「あまりいい言葉ではない」と断ったうえで、どれだけ腕の良い美容外科医でも、妄想や幻覚がある、攻撃性が高い、重度の醜形恐怖症や整形依存症を抱えているといった精神状態の患者を手術すると、必ずトラブルになるケースが一定数あると話す。こうした患者には手術をしてはならず、できればカウンセリングにも来てもらわない方がよいという。
問題は断り方である。「クレーマーリストに入っているので予約できません」と正直に伝えると、その時点で激昂し、手術もしていないのに「失敗された」「人生をめちゃくちゃにされた」「一生恨んでやる」といった虚偽の書き込みをされてしまう。そのため、予約の段階で「予約がいっぱいで」「時間が空いていなくて」と理由をつけて断り続け、相手が諦めて別のクリニックに電話するのを待つ、というのが実際の対応だと高須医師は語る。
板井さんはリストが回っているため予約が取りにくく、たまたまリストが回っていないクリニックや新規開業のクリニックなら予約が入るかもしれない、という状況にある。作中では一日中ネットに張り付き、恨みのあるクリニックや医師を「潰してやる」と悪口を書き続けるタイプとして描かれている。
醜形恐怖症・整形依存症でも引き受ける場合がある
一方で高須医師は、醜形恐怖症や整形依存症の患者が必ずトラブルになるわけではないとも強調する。おとなしく攻撃性が低く、自分が醜形恐怖症・整形依存症だという自覚があり、「ここを修正すれば今より良くなるから、これぐらいならやってもいいですか」という姿勢の人であれば、高須医師自身も手術を引き受けることがあるという。その判断基準は、手術によってその人の人生の幸福度が上がり、本人にも自覚があるから大丈夫だろうと思えるかどうかだ。
反対に、攻撃性が高く、妄想や幻覚があり、過去に暴れる・殴る・大声を上げるといったトラブルを起こしている人がクレーマーリスト入りし、予約も入れられず、来院しても断るしかない、というのが高須医師の整理である。
ネットで調べ尽くして全国を巡る患者と「顔面課金」
作中では、クリニック側のミスでうっかり予約が入り、沼田医師が対応することになる。ただ高須医師は、板井さんのように多くのクリニックを巡っている整形依存症の患者は、徹底的にネットで調べるため、実際には指名なしの「フリー」で予約することは少ないと指摘する。たいていは有名な医師を調べ上げ、日本全国でカウンセリング巡りをするという。
高須医師によれば、X(旧Twitter)には「顔面課金1000万」「2000万」「3000万」とプロフィールに書き、これまでの手術歴を並べている人がいる。そうした人の多くは同じ箇所を何度も修正しており、「まだ気に入らない」と繰り返すうちに鼻が硬くなり、変形していく。高須医師の見立てでは、最初からその人にとって一番良いデザインで手術していれば、そこまでかからない人が多い。100万〜200万円、高くても500万円程度で収まることもあり、顔面の骨切りや上下顎の骨切り、たるみに対するフェイスリフトまで行えば1000万円ほどになることもあるが、そこまでしないなら100万〜300万円で収まる人が本当は多いという。修正手術の繰り返しが金額を膨らませている、というのが話者の主張である。
名古屋で診療している高須医師のもとにも、北海道、沖縄、九州など各地から、顔面課金が何千万円という整形依存症の患者がよく「通過」していくという。断ることも多いが、本人に自覚があり、説明を受け入れ、トラブルにならないだろうと判断できる場合は、ケースバイケースで引き受けることもあると話す。
自己診断を持ち込む患者
作中のカウンセリングで、板井さんは自分の顔を自分で診断し、治療方針まで決めたうえで医師に伝える。「バッカルファットがどうで、人中がどうだから、私はこれをやりたい」という具合だ。高須医師は、これが合っていることもあるが、たいていは間違っていると言う。
高須医師のもとにも、「SMASをこうやってフェイスリフトして、切開線はここまで」と自分で術式を指定してくる患者がよく来るという。「ダメですよ、こうですよ」と説明し、情報源を尋ねると、はっきりしない。多くは誰が書いたかもわからないXや掲示板の情報を鵜呑みにして、勉強したつもりになっているというのが高須医師の見方である。解剖、生理、術式を理解して自分で診断し治療方針を立てるには、医学部で6年学び、形成外科に進んでトレーニングを積むなど、最低でも10年はしっかり勉強する必要がある。ネットを見てわかったつもりになること自体がおかしい、と高須医師は述べる。ただし、きちんと説明すれば理解してくれる患者もいるとも付け加えている。
板井さんのような患者は、医師が「全体のバランスがあるので、こうすべきです」と説明すると怒り出す。自分の顔は毎日見ているし勉強もしているのだから自分が正しい、という態度で、喧嘩になることもある。こうした場合、言われた通りに手術した方がその場はトラブルにならないこともある。しかし高須医師は、手術の結果は極めて現実的なものであり、医師が「この治療は間違っている」と判断しているのに患者の言う通りにすると、たいていおかしな結果になると言う。そうなると患者は論点をすり替え、「あなたの腕が悪い、私はこう頼んだのに」と怒る。だから話が通じない場合は最初から断った方がよい、というのが高須医師の考えである。
沼田医師が引き受けた経緯
作中のクリニックも、当初は板井さんの手術を断る方針だった。引き受ければ後でトラブルになり、ネットに「失敗された」「人生をボロボロにされた」と延々と書かれる。しかもハンドルネームやアカウントを変えて大量に書き込むため、一般の人が見ると複数の患者がその医師やクリニックで失敗したように誤解してしまう。高須医師は「こういう人を敵に回すと非常に恐ろしい」と話す。
クリニックはお金を渡して手術を断り、帰ってもらう方針まで決めていた。しかし沼田医師は、醜形恐怖症を抱える板井さんの内面を見て、院長に「私に引き受けさせてください」と頼み、口角挙上術を行う流れになった。
口角挙上術とはどんな手術か
口角挙上術にはさまざまな術式がある。高須医師自身は、余分な皮膚を切除し、口輪筋同士を縫い縮めて口角を引き上げるデザインで行っているという。やりすぎると引きつって不自然になるため、やりすぎない範囲にとどめるのが高須医師の方針だ。
高須医師は、板井さんが口角挙上術を受けた背景として、人中短縮術との関係を推測している。人中短縮術は流行しており、「人中が長いのはダメ、短い方が可愛い」と、唇と鼻柱がくっつくほど短くしたいと望む醜形恐怖症の患者もいる。板井さんもかなり思い切って人中短縮を受けたように見える、と高須医師は言う。人中短縮で唇の中央だけが上がると、普段から口角を上げず不機嫌そうな顔をしている人は、唇の中央と外側の高さの差が大きくなる。そこで口角挙上を希望する人がいる、という説明である。ただし、これは「そんな感じでやったんじゃないか」という高須医師の推測として語られている。
術後の板井さんは口角が思い切り上がっていた。本人は満足しているようだが、高須医師は、はたから見ると口が引きつって不自然だと思われるのではないかと感想を述べる。高須医師自身はそこまで口角を上げないが、本人が希望し、このデザインなら納得して喜ぶだろうと判断して、沼田医師はそのデザインを選んだのかもしれない、と推し量っている。
口角挙上は「最後に行き着く手術」
高須医師によれば、口角挙上術は整形依存症の人が受けることが多い手術である。整形依存症の人は、二重、目頭切開、目尻切開、たれ目形成、鼻、輪郭、人中短縮と一通り手術を受け、もうやることがなくなった後に「口角挙上はまだやっていない」と気づく。キャバ嬢やモデルもやっているから、という理由で受けることもある。いきなり口角挙上から始める人はおらず、顔中をやり尽くした後で受ける人が多い、と高須医師は説明する。板井さんの手術が口角挙上術だったのも、そうした流れに沿っているという見方だ。
ローン審査、現金の工面、他院のダウンタイム中の来院
作中で板井さんはローン審査に通らない。高須医師はその理由として二つの可能性を挙げる。過去に美容整形のローンを多く組みすぎている可能性と、ローン会社のブラックリストに入っている可能性である。後者については、ローンを組んで手術を受けた後にクリニックとトラブルになり、「失敗だから払わない」と銀行口座のお金をすべて引き出して引き落としができない状態にする、といった経緯でブラックリスト入りすることがある、と説明している。
ローンが通らない以上、現金で払うしかない。水商売をしている人なら、キャバクラの店長に給料を前借りする、風俗やパパ活、立ちんぼで稼ぐなど方法はある、と高須医師は言う。板井さんの場合は常連客の男性とのアフターで性行為をしてお金を得ていた。高須医師は、ローンが通っていればアフターも前借りもしなかったのだろう、と見ている。
また板井さんは、他院で手術を受けてダウンタイム中であることをきちんと伝えずに手術を受けようとしていた。高須医師はこれも醜形恐怖症・整形依存症の患者の「あるある」だと言う。他院の手術でまだ腫れや引きつりが残り、完成していない状態で別のクリニックに行き、別の部位の手術を受けようとし、そのことを話さない人は多いという。
板井さんの顔に表れた過去の手術
高須医師は、板井さんの顔から過去に受けたと思われる手術も推測している。下まぶたには何らかの手術を受けているように見え、グラマラスラインか、ハムラ法やクマ取りをやりすぎて皮膚を切除し、三白眼のような顔になっていたと話す。これも整形依存症の人によく見られる顔だという。
頬がげっそりとこけている点にも触れている。頬のたるみは年齢によるものだが、頬がこけている人は整形依存症の人に多いと高須医師は言う。整形依存症の人は、顔に余分な脂肪がそれほどついていなくても、顔の脂肪吸引をやたらと希望する傾向がある。無理に脂肪を吸うと頬がこけ、不自然な線が入る。その状態でアンカーリングを伴う無理な糸リフトをすると、さらに引きつる。作中の顔はそうした状態を表現しているのだろう、という解釈である。
高須医師は、顔の脂肪吸引は「かなりざっくりした手術」だと説明する。細いカニューレを耳の付け根などから入れて吸引するため、取りたい脂肪だけをピンポイントで取り、残すべき脂肪を残すことが難しい。挿入口から目的の部位までの脂肪が全部取れてしまうこともある。顔にパンパンに余分な脂肪がついている場合に大きく減量する目的なら脂肪吸引もありだが、「ここは取りたくない、ここだけ少し減らしたい」という場合は、脂肪溶解注射を何回かに分けて少しずつ減らす方が狙った分だけ減らせる、というのが高須医師の考えである。
しかし整形依存症の人は、脂肪溶解注射では物足りず、「脂肪吸引じゃないと嫌」と言うことが多い。高須医師と信頼関係がある患者は「注射の方がいい」と説明すれば理解してくれるが、信頼関係ができていない新規の患者や、カウンセリング巡りでたまたま立ち寄った人は話が通じず、結局断ることになる。すると「ミキヤに断られた、感じが悪かった、失敗された、人生をめちゃくちゃにされた」とネットに書かれることがよくあるという。高須医師は、美容外科をやっていてある程度知名度が上がり指名が増えると、これは宿命で仕方がないと受け入れており、全国の人気医師も同じような状況にあることが多いと話す。
断ったときに起きること
作中でクリニックが手術を断ろうとしたとき、板井さんは激しく怒った。高須医師は、これも実際によくあることだと言う。「ミキヤ先生にぜひやってほしい、ミキヤ先生しか考えていない」と、新幹線や飛行機で遠方から来た患者でも、会話が成立しない、理解力が低い、何度説明しても同じ質問を繰り返す、術後に「そんな話は聞いていない」と怒るタイプだと判断すれば、高須医師も断る。変に引き受けてお金を取ってもトラブルになり、患者を不幸にするので、断るのが患者にとってベストだからだという。
ただ、「絶対にこの先生に」と来た人を断ると修羅場になる。なかなか帰ってもらえず、なんとか帰ってもらっても、その後ネットに書かれ続ける。カウンセリングで断っただけなのに「手術に失敗された」「鼻をめちゃくちゃにされた」と書かれる。美容外科医にとって一番ダメージになるのがその種の書き込みだと相手もわかっているからだ、と高須医師は見ている。
信頼できる医師が「抱え込む」という考え方
結局、沼田医師は板井さんの口角挙上術を行い、板井さんは喜んだ。高須医師は、仕上がりの良し悪しは別として、口角が不自然に上がっていて変だと思うが、本人は美的感覚が狂っているので喜んでいる、と述べ、手術をやってよかったのかどうかはわからないとも言う。
そのうえで高須医師は、整形依存症の人にとっては、誰か信頼できる医師が「抱え込んであげる」のが一番良い場合がある、と話す。沼田医師はそれを全部わかったうえで手術を引き受け、最後まで面倒を見ると約束したのだろう、というのが高須医師の読みである。
高須医師自身も多くの整形依存症の患者を抱えているという。「僕が最後まで面倒を見る」と伝えると、患者はよそに行かなくなる。そのうえで、患者から希望されても断ることがあり、必要以上の手術は勧めない。もし高須医師が断ってしまえば、患者は別のクリニックに行き、お金儲け目的で必要のない手術まで次々に行われ、顔がどんどんおかしくなっていく。だからこそ信頼できる医師が面倒を見ることが、その人にとって一番良い場合がある、と高須医師は説明する。
板井さんが沼田医師という信頼できる医師をようやく見つけ、ずっとついていこうと思ったのもそのためだという。板井さんはキャバクラも辞めようとしていた。キャバクラで働いていたのは手術費を稼ぐためであり、信頼できる医師が見つかれば、クリニックを転々として手術と修正を繰り返す必要がなくなる。沼田医師が「やらない方がいい」と言えば受け入れられるので、これまでほどお金はかからないだろう、という流れだと高須医師は解釈している。
関係が崩れると「全部失敗」になる
ところが作中で沼田医師は東山クリニックを辞めることになる。板井さんがクリニックを訪れ、沼田医師が辞めたと知らされると、「最後まで面倒を見ると言ったのに」と激怒する。
高須医師は、これも本当によくあることだと言う。美容整形の患者には境界性パーソナリティ症の人が一定数おり、依存しやすい。恋人依存、ホスト依存、整形依存の人にもパーソナリティ症の人は多いという。医師と患者の関係が良いときは患者はとてもおとなしいが、関係が悪くなると一気に感情が爆発し、それまでの手術がすべて「失敗」になってしまう、と高須医師は説明する。
高須医師が最も怖いと言うのは、患者が医師に陽性転移、つまり恋愛感情を持ったときである。板井さんと沼田医師のケースとは異なると断ったうえで、自身の経験を語っている。高須医師は、作中のルイ医師のように「可愛いね」と言ってホストのように患者を惚れさせて通わせたり、キャバクラやマッチングアプリ、合コンで女性を口説いて患者として来させたりする「色恋営業」は絶対にしないという。それでも結果的に、患者が「全部ミキヤ先生に手術してほしい」「大好きです」「顔も体も切り刻まれたい」と言う関係になることがある。
好意を持たれている間は、二重も鼻も輪郭も「大成功で大満足」「先生のおかげで幸せになりました」と感謝される。しかし関係が崩れると、全部が失敗になり、「金を返せ、訴えてやる、よそで修正するから、これまでの費用も修正費用も全部払え」となる。高須医師はこれを「可愛さ余って憎さ百倍」にたとえ、同じようなことが板井さんと沼田医師の間でも起きかけていたと見る。作中では最終的に沼田医師が出向いて話をし、きちんと面倒を見ると伝えて、ある程度和解している。
連絡先交換という分岐点
高須医師は、患者が陽性転移して「もっと手術してほしい」となった場合、「ちょっとまずい」と感じ、手術をあまり勧めないようにするという。やれば可愛くなるかもしれない手術でも、「やめておいた方がいいかな」と徐々に話していく。
関係がこじれるきっかけとして多いのは、患者が連絡先の交換を求めたときだと高須医師は言う。最初は予約して手術を受けるだけの医師と患者の関係だが、患者は医師と特別な関係になりたい、他の患者と同じでは嫌だと思うようになり、LINEやInstagramの交換を求めてくる。高須医師は必ず断っている。交換してしまえばアウトだと考えているからだ。
交換すれば毎日、朝晩と連絡が来るかもしれない。無視すれば、患者は「先生に手術してもらったところが痛い」「傷が痛い」「引きつっている、見てほしい」と美容整形の話題で連絡してくる。そうなると医師として対応せざるを得ない。実際には痛みも症状もなくても、痛いと言えば医師が心配して構ってくれる、という流れになり、ずるずると関係が続く。場合によっては「レイプされた」「口説かれた」「週刊誌に売ってやる」という話にまで発展しかねない、と高須医師は警告する。
そのため高須医師は、医師と患者の線引きをしっかりし、色恋営業もせず、恋愛関係にならないようにしている。ただ、「連絡先は交換できません」と断った時点で一気に関係が崩れ、患者が怒って来なくなり、「今まで何百万円もつぎ込んだのに全部失敗された」とネットに書かれることもある。だから相当気をつけなければならない、というのが高須医師の実感である。
美容外科医を目指す人へ
高須医師は最後に、これが美容整形における医師と患者の現実だと述べる。板井さんのような患者や、パーソナリティ症、陽性転移を起こす患者ばかりではなく、本当にごく一部だとしながらも、他の業種に比べるとそうした人の比率は高いという。そのため、これから美容外科医を目指す人にはその覚悟が必要だ、と締めくくっている。
はい、こんにちは。今回なんですけれども、Netflixの美容整形のドラマ『ダウンタイム』。このドラマの登場人物の板井佐緒里さん、安達祐実さんが演じていた30代のキャバクラ嬢の方、整形依存症の方ですよね。この症例について解説させていただこうと思います。
この方は、沼田先生が口角挙上手術をしたわけですよね。その流れでもいろんなものがありまして、元々この方はですね、クレーマーリストに入ってるんですよね。クレーマーリストっていうのは、美容整形の患者さんで、いろんなクリニックを転々として、カウンセリングとか手術で、もう何かやるたびにトラブルになって、大変なことになって、クリニックで情報がもう回ってる。この患者さんはもう手をつけちゃだめですよ。一般的にあんまりいい言葉じゃないんですけど、地雷って言うんですけど、地雷患者さん、絶対に手をつけてはいけない患者さんっていうのがいらっしゃるわけです。
美容外科医がどんだけ腕が良くても、患者さんの精神状態が極めてちょっと危険な状態、妄想幻覚とか、あと攻撃性が高いとかで重度の醜形恐怖症、整形依存症で、この方の手術をしてしまうと必ずトラブってしまうっていう方が一定数いるわけですよね。なので絶対に手術はしてはいけないわけです。できればもうカウンセリングにも来ていただかない方がいいと。なのでもう予約の段階で何か理由をつけて断るわけですよね。「あなたはクレーマーリストに入ってますから予約できません」って言うと、その時点でもう切れてネットに散々悪口を書かれてしまうわけですよね。手術してないのに「失敗された。人生めちゃくちゃにされた。顔がめちゃくちゃだ。一生恨んでやる」とかね。そういうことを妄想で、虚言で書かれてしまうので、なんとか予約の段階で阻止しないといけないわけですよね。「すいません、いっぱいで」とか「ちょっと時間が空いてなくて」っていうのをずっとやると、そのうち諦めるだろう、よそのクリニックに予約電話するだろうっていう感じなんですよね。そういう方が一定数いますよと。クレーマーリストの方ですよね。
なので醜形恐怖症、整形依存症の方でも、絶対その手術すると揉めるっていうわけではないわけですよね。本当に言葉悪いんだけど、大人しくて、なおかつ攻撃性が低くて、なおかつ自分自身が醜形恐怖症、整形依存症っていう自覚があって、「ここはちょっと修正してね、今より良くなるから、これぐらいだったらやってもいいですかね」っていう感じだったら、僕でも醜形恐怖症、依存症の方、この方だったら手術することによってこの人の人生の幸福度が上がるし、この人もちゃんとその自覚があるから大丈夫だろうという場合は、僕でも手術することがあるんですけれど、攻撃性が高くて妄想幻覚、暴れるとか殴るとかね、大声を上げるとか、そういう過去にトラブってる方はクレーマーリスト入りして地雷患者扱いされて、予約も入れられない、実際来ても断るしかないっていうことですよね。ということなんですけれど。
で、この板井佐緒里さんはもうクレーマーリストに入って、もうそのリストがクリニック間で回ってるから、なかなか予約が取れないわけですよね。たまたまそのクレーマーリストが回っていないクリニックとか新規開業のクリニックとかだったら予約が入るかもわかんないですよっていうとこなんですけど、なのでこの方はもう1日中ネットに張り付いて、もう悪口を書きまくってるわけですよね。それも今まで恨みのある美容クリニックに対してね、潰してやるとかね、もうクリニックごと潰すとか医者を潰すとかね、それぐらいで、粘着気質で、もう1日中ネットに張り付いて悪口を書いてるっていうタイプの人ですよね。
はい。で、なんだけれど、クリニック側のミスなんですかね。クレーマーリストに入ってるんだけど、うっかり予約を入れてしまったと。で、沼田先生が対応することになったわけなんですけど、でも、こういうですね、整形依存症の方でいろんなクリニックを巡ってる人って、もう徹底的にネットで調べるんで、あんまりそのフリーで予約入れないんですよね。大抵有名どころの先生をネットで調べて、日本全国カウンセリング巡りするっていう整形依存症の方っていらっしゃるんですよ。よくTwitter、Xで、整形垢って言うんですけれど、顔面課金1000万とか2000万とか3000万ってヘッダーに自己紹介で書いてあって、今までやった手術はって。で、顔面課金1000万、2000万、3000万の人でも、大抵同じ箇所を何回も何回も修正してるんですよね。まだ気に入らない、まだ気に入らないって。で、だんだん鼻もくちゃくちゃになって、カチカチになって、瘢痕で変形して、それでもやり尽くして。だから本当は一発で、その人にとって1番いいデザインで手術すれば、その1000万、2000万、3000万かからない人って多いんですよ。場合によったら100万とか200万とか、高くても500万ぐらいで収まったりとかするわけですよね。顔面の骨切りとか上下顎骨切りとか、顔がたるんでフェイスリフトとかするんだったら1000万ぐらいいくこともあるんですけど、そこまでやんないんだったら100万、200万、300万ぐらいで収まる人が本当は多いんですけれど、そういう修正手術を繰り返すとそれだけの金額が行ってしまうっていうわけですよね。
で、この板井佐緒里さんみたいな方は整形依存症で、もう徹底的にネットで調べる人なんで、普通は有名どころを日本全国予約してカウンセリング巡りとかするわけで、そういう方いっぱいいるわけなんですけど、そういう方、よく僕を通過します。はい。だから、ああ、来たなって。遠いところから、僕名古屋でやってても、東京、北海道とか沖縄とか九州とかいろんなところから、そういう整形依存症でね、顔面課金何千万っていう方は僕をよく通過しますね。はい。断ることも多いですけど、ケースバイケースで引き受けることはありますけどね。自分が整形依存症っていう自覚があって受け入れてくれて、トラブらないだろうなっていう人は、ケースバイケースで引き受けることもあるわけですよね。うん。そういう感じで。
だけど、たまたまフリーで予約して、沼田先生に出会って、で、その時のカウンセリング見てても、自分で診断して、患者さんが自分で自分の顔を家で診断して治療方針を決めて、で、それをカウンセリングの時に医者に言うんですよね。「私はバッカルがなんたらで、人中がなんたらで、だから私は何々して」って。それが合ってることもあれば、大抵間違ってるわけですよね。大抵間違ってます。美容整形の手術ってすっごい奥が深いわけですよね。やれることやれないことがあって。だけど患者さんで、一応ネットで勉強したつもりにはなってて、分かったつもりにはなってるんだけれど、実際には自分で診断して治療方針を立てたのがもう間違いだらけっていうことがあって、僕の患者さんでもこういうタイプの方よくいらっしゃるんですよ。「自分で私はこう思うんで、SMASをこうやってフェイスリフトして、何々で、ここ切開線はここまで」とかね。「いや、でもこれダメですよ。こうですよ」「いや、全然」「すいません、ネットで勉強したと思うんですけど、その情報源がちょっと間違ってますんで。その情報源は何ですか?」「よくわかんない人」って感じで、どこの馬の骨かわかんないような人がTwitterとか掲示板とかで書いてあることを鵜呑みにして、それを頭の中に知識として入れて勉強したつもりになってるんで、そもそも合ってるわけがないし、解剖とか生理とか術式とかを勉強するためには、普通は医学部6年間勉強して、で、形成に進んでトレーニング積んで。なので普通に考えると、自分で診断できて治療方針が立つんだったら、ちゃんと勉強して、最低でも10年はしっかり勉強しないといけないのに、ネット上のTwitterとか見て分かったつもりになるっていうのが本来おかしいんですけど、だけどそういう方いらっしゃって、話が通じないっていうこともあるし、ちゃんと説明して分かってくださる方もいらっしゃるわけなんですけれど。
なのでこの板井佐緒里さんみたいな方はね、先生が「いや、あなた違いますよ、こうすべきですよ、全体のバランスがあって」って説明しても切れるんですよね。自分の方が正しいと思っていて、で、「自分の顔は毎日見てて、ずっとこの顔で暮らしてて勉強してるんだから私が正しい」っていう感じで、喧嘩になっちゃうってことはあるわけですよね。そういう場合、医者側としては患者さんの言われた通りにやる方がトラブらないっていうこともあるんですけど、でも手術の結果って極めて現実的な結果が待ってるんで、ちゃんとしたお医者さんがちゃんと診断して、これの治療は間違ってるっていう場合でも患者さんの言われた通りにやると、大抵おかしくなって、その時は患者さんがぶち切れて論点すり替えて「あなたの腕が悪いんだ。私はこういう風に頼んだのに」ってわわわってなっちゃうんで、話が通じない場合は最初っから断った方がいいわけなんですけれど。
沼田先生は、最初は板井佐緒里さんの手術を断ろうっていう方針、クリニックの方針として断ろうと。手術を引き受けちゃうと後でトラブルになって、ネットで散々悪口書かれちゃうわけですよ。「失敗された。人生ボロボロにされた」っていう風にね。で、延々に書き続けるんですよ。で、ハンドルネームとかアカウントも変えてたくさん書き込むから、複数の人がこの先生やこのクリニックで失敗されたっていう風に一般の人が見ると勘違いしちゃうんで、こういう人は敵に回すと非常に恐ろしいですよっていう話ですよね。はい。
ということで、もうお金を積んで手術をお断りして帰っていただこうっていう方針まで決まったんだけれど、沼田先生は、この醜形恐怖症の板井さんの心の中を見て、「私に引き受けさせてください」って院長先生に頼んで、で、口角挙上手術をするという流れになったわけですよね。口角挙上手術っていうのは、ここの皮膚で、いろんな術式があるんですけど、僕はここの余分な皮膚を切除して、口輪筋同士を縫縮してクッと口角を上げるデザインでやるわけなんですけど、いろんなデザインがあるわけなんですけれど、やりすぎると引きつれて不自然になるんで、やりすぎない範囲内でやるってことはありますよね。
人中短縮手術の方が今流行ってて、人中が長いのはダメだって。もう人中が短い方が可愛いんだって。もう唇と鼻柱がくっつくぐらいにやりたいっていう醜形恐怖症の方とかいて、で、この板井さんもそれぐらいの勢いで人中短縮やったっぽくて、そうすると人中だけがこう上がって、普段から口角上げないブスっとした不機嫌そうな顔してる人なんかは、唇の真ん中と外側のギャップ、高さのギャップが大きくなっちゃうんで、だから口角挙上しようっていう人はいますよね。そんな感じでやったんじゃないかなと思うんですけれど、術後は口角がグニっと思いっきり上がってたわけで、これでいいのか悪いのかっていうね、本人は満足してるみたいなんだけど、傍から見てちょっとなんか口が引きつった感じで不自然って思われるんじゃないかなって思います。僕はそこまで口角はグッと上げないんですけど、本人が希望して、このデザインであれば本人が納得して喜ぶだろうっていう場合だったから、そういうデザインでやったのかもわかんないですよね、沼田先生はね。
はい。ということでして、なので口角挙上手術ってやっぱり整形依存症の人がやるっていうことが多いですよね。結局整形依存症の方って、最初に二重やって、目頭切開とか目尻切開とかタレ目形成とかやって、あと鼻やって輪郭やって人中短縮やってとか一通りやって、もうやることがなくなった後、何があるかなあ、口角挙上っていう手術があるんでやってないわっていう感じで、結構後回しで口角挙上。もうやることがなくなって、あと何か整形手術ないかなって調べて、あ、口角挙上やろうって。で、キャバ嬢とかモデルさんとかみんなやってるしっていう感じでやるから、いきなり目とか鼻やんないでいきなり口角挙上からやるっていう人はいないんで、散々顔中やり尽くして、終わりの方で口角挙上やるっていう人が多いですよね。なので今回の醜形恐怖症、依存症の板井佐緒里さんのやる手術が口角挙上になったということです。ご理解ください。
で、この板井さんはですね、ローン審査が通らなかったんですよね。これなんで通らなかったかって言うと、過去に美容整形手術でたくさんローン組んで通らないっていう可能性もあるし、あとはローン会社からブラックリスト入りされてるっていう可能性ありますよね。美容整形ローン組んでやって、クリニックとトラブって、「これは失敗だ。金払わない」って言って銀行口座から全部お金下ろして、引き落としでお金が入らないってなると、それでブラックリスト入りして、もうローン会社もNGっていう形になったっていう可能性がありますよねっていうことですよね。あとは板井さんは他院の手術を受けてそのダウンタイム中なんだけれど、それをちゃんと話さないで手術をしようとする。これも醜形恐怖症の人、整形依存症の人であるあるですよね。他のところで手術して、まだ腫れてて引きつってたりとかして全然完成じゃなくて、その状態でよそのクリニック行って他の部位を手術しようっていう人で、そのことをちゃんと話さないっていう人多いですよね。はい。という感じで。
で、ローン審査が通らなかったので、現金で払うしかないわけですよね。で、じゃあどうするかって言うと、キャバクラの店長に言って給料前借りするとか、あとはよくあるのは風俗で働く、体を売る、パパ活とか立ちんぼしてお金を得るとか、あとはこの板井佐緒里さんの場合は、常連客の男性の方とアフターで性交してお金を得るっていうことをやってましたよね。っていうことをすればですね、やっぱり水商売してる人だったら、ローン審査が通らなくても、いろんな方法でお金を得るってことができるわけですよね。ローンが通ればアフターしなかったっていうことなんだと思います。前借りもしなかったんだと思いますと。はい。
という感じでですね、あとは板井さんがおそらく受けていただろうっていう手術は、下まぶたの手術を何かやってますよね。グラマラスラインなのか、あとは無理して表ハムラでやりすぎちゃ、クマ取りでやりすぎちゃって、皮膚切除してガーっとした三白眼、こういう顔してましたよね。こういう顔も、もう整形依存症の人あるあるの顔ですよね。
あとは頬がげっそりこけて、ほっぺがたるんでると。ほっぺがたるんでるのは年齢相応でたるんでるんですけど、頬がげっそりこけてる人が多いんですよね、整形依存症の人っていうのは。なんか整形依存症の人って顔の脂肪吸引やたらやりたがるんですよね。別にそんなに顔に余分な脂肪ついてないのに「脂肪吸引してください。この脂肪が嫌なんです」って言って、無理やり脂肪吸って、そうするとげっそりこけて変な引きつれた線が入ったりとか、その状態でなんかアンカーリングの変な、むちゃくちゃな糸リフトとかやって余計引きつったりとか、そういう顔を表現してるわけでして。結局顔の脂肪吸引っていうのは結構ざっくりとした手術であって、細いカニューレをですね、耳の付け根とかから入れてガーっと吸引するんですよね。だから本当に取りたい余分な脂肪だけピンポイントで取って、残すべき脂肪を残すっていうことがですね、なかなかできなくて、結局穴開けたところから取りたい脂肪のところまで全部取れちゃったりとかするわけですよね。だから安易に顔の脂肪吸引はやらない方がいい。本当に顔にパンパンに余分な脂肪が付いててっていう場合は、ざっくりとした手術なんだけど脂肪吸引でガーっと減量するってのはありなんだけど、ここは取りたくなくてここだけちょっと取りたいとか、ピンポイントでちょっと減らしたいっていう場合は、安易に脂肪吸引しなくて、脂肪溶解注射で何回か分けてちょっとずつ減らす方が、減らしたい脂肪だけピンポイントで余分な分だけ減らすっていうことができるんですけど。
整形依存症の人は脂肪溶解注射じゃ物足りないから、「脂肪吸引やってください。脂肪吸引じゃないと嫌です」っていう人多いですよね。なので僕と信頼関係がある人は、脂肪吸引を希望しても注射の方がいいよって分かってくれるんだけど、信頼関係がまだできてない新規の方とか、醜形恐怖症、整形依存症でカウンセリング巡りしてて、たまたま僕を通過した人なんかは、話が通じなくて結局断って、そうすると「幹弥に断られた。感じが悪かった。失敗された」とかね。「人生めちゃくちゃにされた」とか、ボロカス書かれるってことはよくありますけど、美容外科医やってて、ある程度知名度が上がって指名がいっぱい入ってくると、もうこれは宿命だからしょうがないかなって僕は受け入れてますし、僕以外の日本全国の人気のあるドクターは、同じような感じになってるってことが多いですよね。はい。っていう感じですよね。
なので、沼田先生の時もそうだったんだけれど、最初手術を断ろうとしてたじゃないですか、クリニック側は。そうするともうめちゃくちゃ切れるんですよ。はい。で、僕の患者さんでも「幹弥先生にぜひやって欲しいです。幹弥先生しか考えてません」って、遠いところから新幹線とか飛行機で来て、カウンセリングして、ちょっと会話が成立しなかったりとかして、この人手をつけると後で揉める可能性が高いな、ちょっと理解力が低いな、僕がどんだけ説明しても同じ質問を何回も繰り返すし理解できてないな、手術終わった後に、ちゃんと僕が説明してることでも「そんな話は聞いていない」って切れるタイプだなって思ったら、やっぱり僕も断るわけですよ。患者さんのことを考えると断るのがベストだからです。変に引き受けてしまってお金取っても、トラブってしまって患者さんを不幸にするから断るんですけど、絶対幹弥先生にやって欲しいっていう要望で来た人を断ると、もう修羅場ですね。「なんでやってくれないんですか」ってうわわってなって、なかなか帰ってくれなくて、なんとか帰ってもらったとしても、その後も散々ネットに書かれますね。「失敗された。人生めちゃくちゃにされた」。手術してなくてカウンセリングで断っただけなのに「手術失敗された」って書かれるんですよ。それが美容外科医にとっては1番ダメージだっていうことが分かってるから、「こいつに鼻をめちゃくちゃにされた」とかね。わわわって書くのが1番ダメージがあるから、美容外科医にダメージを負わせるのは「失敗された、めちゃくちゃにされた」っていう書き込みが多いですねって感じですよね。うん。なんですよ。
で、沼田先生は結局板井佐緒里さんの口角挙上手術をして、喜んでたんですよね。仕上がりがいいかは別として、口角が不自然に上がって変だと思うんですけど、本人は喜んでるわけですよ。美的感覚がもう狂ってるから、おかしくなってるから。うん。だから手術やって良かったのかどうかわかんないんだけれど、整形依存症の方って、誰かちゃんとした信頼できるお医者さんが抱え込んであげるのが1番その人にとっていいっていうことがあるんですよ。だから沼田先生はもうそれ全部分かってて手術を引き受けて、「一生私が最後まで面倒見る」って約束したんだと思うんですよね。こういうのはありますよね。僕も整形依存症の人たくさん抱えてますよ。「僕が最後まで面倒見るから」って言うと、もうよそには行かなくなるんで、場合によっては僕、患者さんに要望されても断るし、必要以上のことは勧めないし。で、僕がもし断っちゃうと、よそに行って、よそはお金儲け目的で必要のない手術でも何でも、おかしくなる、くちゃくちゃになるっていうのでどんどんやって、どんどんその人の顔がおかしくなっちゃうから、信頼できるお医者さんが面倒を見てあげて抱え込んであげるのが、その人にとって1番いいってことはあるわけなんですよね。っていうことなんですよ。
なので板井佐緒里さんは、沼田先生っていう信頼できるお医者さんがやっと見つかったと。この人にずっとついていこうと思ったんですよね。喜んでたんですよ。で、キャバクラもやめようとしてたわけですよ。なんでキャバクラやめるかって言うと、今までキャバクラで働いていたのは、美容整形の手術費を稼ぐためにキャバクラで働いてたんですよ。だけど沼田先生っていう信頼できるお医者さんが見つかったから、今までみたいにいろんなクリニックを転々として、その都度手術受けて、また修正してってことをやんなくて済むし、場合によっては信頼できる沼田先生が「やんない方がいいよ」って言ってくれたらそれを受け入れることができるから、今までほどはお金かからないだろうっていうことで、キャバクラをやめるっていう流れになったわけなんですけれど、だけどその時沼田先生は東山クリニックをやめるっていう流れになって、で、板井さんが東山クリニックに行った時に「沼田は辞めました」って言ったら、もうその時はぶち切れですよ。「最後まで面倒見るって言ったのに」わわわわわですよ。
これも本当にあるあるでして、美容整形の患者さん、境界性パーソナリティ症の人が一定数いて、依存しちゃうんですよね。恋人依存症とかホスト依存症とか、あとは整形依存症とかの方もパーソナリティ症の方多いんですけれど、なので、そういう場合ってね、「最後まで面倒見るよ」「わあ、良かった」ってね、その医者と患者の関係性がいい時は患者さんすごく大人しいんですよ。で、その関係性が悪くなったら、もう一気に感情爆発して、今までやってきた手術が全部失敗になっちゃうんですよ。はい。僕も時々あるんですけれど。
うん。例えばね、沼田先生と板井さんの場合は違うんだけど、患者さんが医者に対して陽性転移した時、恋愛感情を持った時、この時が1番怖いっすね。例えば僕は絶対色恋営業ってしないんですよ。ルイ先生みたいに「可愛いね」って言って、ホストみたいに患者さんを自分に惚れさせて通わせて手術してとか、あるいはキャバクラ行ったりとか、マッチングアプリとか合コンとかで女の子口説いて好きにさせて、患者さんとして来させてとか、そういう色恋営業って僕絶対やらないんですけれど、結果的に患者さんが僕に対して恋愛感情を持って、「もう幹弥先生に全部手術して欲しいです。幹弥先生のことが大好きです。もっといっぱい手術してください。幹弥先生に顔も体中も切り刻まれたいです。もっと手術してください」っていう関係になっちゃうってことがあるわけですよね。
で、そうやって転移で比較的その関係性がいいっていうか、いいって言っちゃいけないのかもわかんないんだけど、好意を持ってもらってる時は、それまでやった手術が全部大成功で大満足してくれるんですよ。目やって、鼻やって、輪郭やって、「もうすごい気に入ってます。幹弥先生のおかげですっごい幸せになりました。可愛くなりました。ありがとうございます」っていう関係なんだけれど、その関係性が崩れたら、もう全部失敗になって、「金返せ、訴えてやる。よそで修正するから全部金返して、そのよそである修正費用も全部払え」わってなっちゃうんですよね。美容整形ってそういうものでして。うん。可愛さ余って憎さ100倍っていう感じで、それと同じようなことが板井佐緒里さんと沼田先生の間でも起きかけてたっていう感じですよね。最終的には、沼田先生が出向いてハグしてあげて、ちゃんと面倒見るからって、ある程度和解したわけなんですけれど。
なのでね、僕の経験だと、患者さんが僕に対して陽性転移して、「幹弥先生大好きです。もっと手術してください。もっと私の体を切り刻んでください。とにかく幹弥先生にメス入れて切り刻んで欲しいんです」ってなっちゃった場合に、ちょっとやばいなって思って、あんまり勧めないようにして、やってもいいかなっていう、やれば可愛くなるかなっていう手術でも、ちょっとやめといた方がいいかなってだんだん話すんですけれど、大抵そこでこじれる時は、患者さんが連絡先の交換をしようとした時、この時に崩れることが多いっすよね。最初はもう医者と患者だけの関係で、患者さんが予約してきて手術してっていう関係なんだけど、やっぱりそのドクターと自分だけはもう特別な関係になりたい、他の患者さんと同じじゃ嫌だと。これ、最初にやっぱり連絡先を交換しよう。LINEとかInstagramとか「連絡先交換してください」って言われることがあって、その時も必ず僕断るようにしてるんですよ。そこで交換しちゃったらもうアウトだと思います。
交換しちゃったら、もう毎日毎朝毎晩連絡来て、どうとかでね、とか来るかもわかんないですよね。でもそういうの無視しても、無視されたら絶対美容整形ネタで来るじゃないですか。「幹弥先生にやってもらった二重のとこが痛いです」「傷が痛いです」「引きつってます。見て欲しいです」とか。そう言えば医者と患者の関係になるから、医者としては対応せざるを得ないわけですよね。ってなっちゃうから、絶対連絡先は交換しないんですよ。うん。実際痛くなくても症状なくても、痛いとか言えば医者として心配してくれて構ってもらえるからっていう流れになって、どんどんずるずる行ってしまって、場合によってはね、どうかわかんない「レイプされた」とか「口説かれた」とか「週刊誌に売ってやる」とかね、そういう風になっちゃうんで、必ず僕は医者と患者の線引きをしっかりしてて、色恋営業もしないし、絶対に恋愛関係になったりとかしないようにするんですけど、「連絡先交換してください」「いや、それはできません」って言ったら、もうその時に一気にですね、関係性が崩れて、怒っちゃってね、もう来なくなって、ネットで散々「失敗された。人生めちゃくちゃにされた。今まで何百万円も注ぎ込んできたのに全部失敗された」ってなっちゃうんで、相当気をつけないといけませんよ。これが美容整形の医者と患者の現実ですよ。
もちろんみんながみんな、今回の板井佐緒里さんとか、パーソナリティ症とか、陽性転移する人ばっかじゃなくて、本当にごく一部なんですけど、他の業種に比べるとそういう方の比率が高いので、これから美容外科医を目指す方は、その覚悟が必要ですよということでございます。はい。以上が今回の板井佐緒里さんの解説でした。ご視聴ありがとうございました。
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