目玉焼きを乗せただけに見えるパスタの工夫:リュウジの「焦がしニンニクバターのベーコンエッグ醤油パスタ」

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概要

料理研究家のリュウジが、自分で「めちゃくちゃうまい」と思っているパスタを作る回である。聞き手はおなじみのスタッフ、A子さんだ。料理名を言わせると「目玉焼きパスタ」になってしまい、A子さんも最初は「目玉焼きを乗せて完成かと思った」と言う。それでもリュウジは、このカメラの画角では「なぜこのレシピを選んだかを語りたい料理」をやるのだと説明する。正式名称は「焦がしニンニクバターで仕上げる半熟ベーコンエッグのお醤油パスタ」。ジャンクで材料も少ないが、工程ごとに理由がある。それを一つずつ説明するのが今回の目的だ。

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ベーコンはブロック、麺は1.8mm

リュウジが最初に挙げたのは、ベーコンを必ずブロックで用意することだった。ブロックのほうがベーコンらしさと食感が出る。ペラペラのベーコンでは食感が生まれない。今回は目玉焼きを2つ使うので、薄いベーコンでは卵に負けてしまう、というのが理由である。ブロックのほうが安いこともあると付け加えた。分量は1人前で40〜50gほどで、入れたいだけ入れてよいという。1cmほどの厚切りにしてから3等分し、1cm角くらいにする。このくらいの大きさにすると存在感が出る、とリュウジは言う。

麺も同じ考え方で選ぶ。使うのは1.8mmの太麺で、リュウジがプロモーションを担当しているオーマイの商品だ。細麺は「絶対やめてください」と強く念を押した。卵と厚切りベーコンに麺が負けるからで、1.4mmなら「消える」とまで言う。太麺だから成立するズボラパスタだ、というのがリュウジの位置づけである。

ニンニクも、最近はガーリックパウダーを使うことが多いが、今回は生のニンニクを使ってほしいという。使ったのは、以前「ガチのペペロンチーノ」を作ったときに余ったスペイン産のニンニクだ。皮が赤く、香りがやや強めだが、普通のニンニクでかまわない。量は1人前8〜10g。リュウジによれば、ペペロンチーノではないのにかなり使う。味の方向性は「どちらかといえばカルボナーラに近いかも」とのことだった。

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副菜にレタスのおひたし

卵とベーコンだけでは栄養バランスが崩れるとして、副菜にレタスのおひたしを作る。このパスタは醤油で味をつけるので、おひたしとも合う、とリュウジは説明した。レタスは半玉を芯の部分で割り、湯で1分ほど茹でる。パスタと同時進行のマルチタスクで進めた。

茹でている間に、リュウジは生野菜について持論を話した。サラダは冷たく、かさばり、まとまっていないので、食べるのに体力を使う。そう考えるようになったきっかけは、高齢者たちから「生野菜は食べるのがきつい」と聞いたことだという。咀嚼の回数が多く、冷たいので胃にも負担がかかる。茹でればその負担が減る、という話の流れだった。茹で上がったら、余熱で火が入りすぎないよう水で締める。

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ベーコンエッグは先に焼き、見た目を整える

フライパンには米油をごく少量入れた。ただしリュウジはすぐに「引かなくてもいい、間違えた」と言い直している。油が多いとベーコンが跳ねるので、視聴者は引かなくてよい、とのことだった。

A子さんがベーコンはカリカリに焼くべきかと聞くと、リュウジは否定した。カリカリベーコン自体が好きではなく、ありがたがるものでもないという。カリカリベーコンは主にアメリカで食べられているもので、アメリカと日本では売られているベーコンのカリカリになる度合いが違う。日本のベーコンでカリカリにすると豚の水分が抜けすぎて美味しくない。だから肉として食べたほうがよい、というのがリュウジの考えだ。

ほどよく焼けたところで、ベーコンの真ん中に卵を落とす。リュウジが「ここ重要」と強調したのは、スプーンで卵をベーコンと一緒にまとめることだ。後でパスタに乗せたとき、まとまっているほうが美味しそうに見えるからである。蓋は軽くするが、水は入れない。代わりに火を弱めの中火に落とし、上側の卵にも火を通す。水を入れると表面が白くなり、見た目が悪くなるからだ。白身の火の通し具合は好みでよい。

このレシピは一度ベーコンエッグをバットに移す。もう1つフライパンを出してもよく、「フライパンとバット、どちらを洗うかの話」だとリュウジは言う。一番面倒な目玉焼きを先に済ませておくので失敗しにくい、という利点も挙げた。一方で、より完璧に仕上げたいなら、パスタを煮ながら隣でベーコンエッグを焼けば、完成直後にプルプルの状態で乗せられる。リュウジ自身は普段そうしているという。ただ、同時進行は慣れていないと難しいので、今回は初心者向けの手順にした。

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ニンニクはバターでしっかり焦がす

ベーコンエッグを取り出した同じフライパンにバター10gと刻んだニンニクを入れ、焦がしニンニクバターを作る。ニンニクを焦がすには、バターをニンニクにまとわせる必要がある。途中で火力を上げた。

リュウジは「必ず焦がす」と何度も繰り返した。焦がすかどうかで味がまったく違うという。A子さんが焦がす目安を聞くと、リュウジはかなり色がついた段階で「もうちょっと行く」と続け、最低ラインと自分の好みの焦がし具合を実際に見せた。オリーブオイルでも作れる。しかしバターは卵やベーコンと相性がよく、それ以上に醤油と相性がよいので、バターを使ったほうが圧倒的にうまい、というのがリュウジの説明である。

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水450ccとコンソメで「ガーリックスープ」を作る

焦がしたニンニクバターに水450ccを注ぐ。リュウジは「このパスタはワンパンのほうが圧倒的にうまい」と言い切った。沸かしたスープの味つけには、焦げたニンニクと醤油に合う調味料を色々探した結果、コンソメが一番だったという。鶏スープやほんだしでもだいたい美味しくなるが、コンソメが「すっごい美味しい」。コンソメを使うことでガーリックスープのようになる。パスタにコンソメを使うのは珍しい、とA子さんも反応していた。分量はコンソメ小さじ1、塩ひとつまみで、ほかには何も足さない。

このスープでパスタを煮ると、太麺にガーリックスープの香りと旨味が入る。だから「絶対ワンパンで」とリュウジは繰り返す。2人前なら、卵も追加して、水を700ccほどにし、大きいフライパンで作ればよい。

火加減は強めの中火。麺の表示は11分で、目安として9分ほどグツグツ煮る。太麺のワンパンパスタでもちゃんとアルデンテになる、とリュウジは言う。蓋はしない。蓋をすると水分が飛ばず、仕上がりがスープパスタのようになるからだ。

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卵白をめぐる雑談

煮込みの待ち時間は、卵白の好みの話になった。リュウジは白身がドゥルドゥルしている状態が好きで、本当はこのベーコンエッグも半熟の白身で作るとうまいという。しかしA子さんはドゥルドゥルの卵白が苦手なので、今回は硬めに焼いた。A子さんは「卵白を飲むくらいならテキーラを飲むほうがいい」と言い、リュウジは「テキーラを罰ゲームみたいに言うな、あれは美味しい酒だ」と返した。

話は卵かけご飯にも及んだ。A子さんは、ご飯に卵を割って醤油をかける普通の食べ方はしない。リュウジが考案した「俺の卵かけご飯」は、卵白と温かいご飯を先に混ぜて卵白を半熟に固め、そのうえに卵黄を乗せるものだ。リュウジは、ドゥルドゥル好きからすれば楽しみがなくなるので激怒されるだろうと笑う。A子さんは、苦手な側からすれば救われる食べ方だと言う。以前A子さんが別の動画でドゥルドゥルが苦手だと話したときにも、共感するコメントがたくさん届いたという。卵白は貴重なたんぱく質で、A子さんはスープにするのが一番好きだそうだ。リュウジはここで、自分のチャンネルは生活に根ざしたことをやると述べた。理由は、自分が自分の料理で生活しているからだという。

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仕上げの火加減と温度の考え方

残り2分ほどになると、水分がだいぶ減ってとろみが出てくる。焦げがソースになっていくので、麺にまとわせる。ベーコンエッグを温め直したい人は電子レンジで20秒ほど温めてもよいが、やりすぎると卵黄が固まってもったいない。

それでもリュウジは、目玉焼きは冷めているくらいがうまいと言う。理由として挙げたのはワンパンパスタの温度だ。普通のパスタは麺を茹でてからソースと和えるだけで、ペペロンチーノも強火で炒め続けたりはしない。ワンパンパスタは沸騰させて煮ているので麺がとても熱く、そのまま食べたら口の中を火傷するほどだ、という説明である。

終盤はソースが多く残っていたので強火にした。飛ばさないとシャバシャバになるからだ。9分の時点ではまだ硬く、あと1分、合計10分ほどでアルデンテになるとリュウジは言う。ソースがとろっと残る程度で火を止め、このソースが目玉焼きに絡むのがよいと話した。「解説しなかったら完全に一人暮らしのパスタ」だが、解説が入ると立派な料理になる、とも付け加えた。

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盛り付け:黒胡椒、粉チーズ、醤油

盛り付けた麺を味見したA子さんは、これだけでも美味しいと言う。リュウジも、卵がなくても焦がしニンニクのパスタとして成立すると答えた。そこにベーコンエッグを乗せ、卵と相性のよい黒胡椒を全体にかける。粉チーズはあってもなくてもよいが合う。最後の醤油は「めっちゃ重要」だという。目玉焼きには醤油だからで、量は好みでよい。

おひたしは、茹でて水気を絞ったレタスに、味の素を3振り、醤油、鰹粉をかける。味の素は必須だとリュウジは言う。レタスには旨味がないので、醤油をかけるだけでは物足りないからだ。鰹粉はかつお節や花かつおでもよい。

21:08

実食:カルボナーラとの違い

食べ方は、まず卵を切り、全体を混ぜる。リュウジは、少しカリッとした目玉焼きの縁がカルボナーラにはない部分だと指摘し、A子さんも「カルボとは全然違う」と応じた。

一口食べたA子さんは、厚切りでなければだめな理由、つまりベーコンの存在の意味がよくわかると話した。リュウジは、下手なパスタ屋より絶対これだと言い、コンソメや太麺の意味もわかるだろうと続けた。A子さんは、これまでワンパンパスタに感動したことはなかったが、これは美味しいと言う。ただ、見た目は学生が作りそうだ、という点では二人とも一致していた。

味の方向性について二人は、醤油が入ることでカルボナーラとは別物になっていると話した。濃厚さの種類が違い、油もあまり使っておらず、かけるのも粉チーズ程度だ。こってりしたものが苦手なA子さんでも食べられる、和風の味だという。

26:22

レタスのおひたしの応用と保存

おひたしも好評で、少し色が悪くなったレタスでも問題なく食べられた。変色した部分は取ってもよいが、食べられないわけではないという。リュウジは、同じ茹で方で醤油にごま油や唐辛子を混ぜた中華風のソースをかけてもよいと話した。レタスは丸ごと買うと余りがちなので、全部これにすればよい、とも言う。

A子さんが保存できるかと聞くと、リュウジは醤油をかける前の状態で保存するよう勧めた。醤油の塩分がレタスに浸透すると水分が抜け、ビタビタになるからだ。茹でた状態で保存し、食べる直前に醤油と味の素をかければよい。また、パスタは出来上がってからどんどん状態が変わるので先に食べ、時間を置いても大丈夫なおひたしは後でよい、という食べ順の話もあった。

25:22

「パスタはもっと自由でいい」

食べながらリュウジは、最近の関心として、イタリアの人が絶対に考えないようなパスタも研究したいと語った。例に挙げたのは日本生まれのナポリタンだ。ケチャップを使うと言えばイタリア人は激怒するだろうが、ケチャップを使ったナポリタンはめちゃくちゃうまい。リュウジはさらに、いま世界的に流行っているのは中国発祥のままのラーメンではなく、日本で進化したラーメンだと話す。日本はそういうことが得意だという。イタリアへのリスペクトと伝統を守ることは前提にしつつ、醤油を使ったパスタのようなものをもっと掘り下げていきたい、とリュウジは述べた。

最後に、A子さんをよく呼ぶ理由にも触れた。ほかのスタッフでもよいが、話の要点にちゃんとフォーカスして質問してくれる人がいいと思ったから、という。A子さん自身はそこまで意識していなかったが、コメント欄でそう書かれていたそうだ。

二人は完食し、A子さんは、ボリュームがあり、少食の人なら副菜と合わせて分け合えばよく、たくさん食べたい人は2人前を作ればよいとまとめた。邪道だがめちゃくちゃうまいので試してほしい、と締めくくった。