リュウジ、『生きるための弁当』でレシピ本大賞を受賞 授賞式会場で「5分タコライス弁当」と、はらぺこグリズリーの減塩うどんを作る

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概要

料理研究家でYouTuberのリュウジは、レシピ本の年に一度の賞であるレシピ本大賞で、久しぶりに大賞を受賞した。受賞作は『リュウジ式生きるための弁当』である。動画は東京のホテルで開かれた授賞式の会場で収録された。リュウジは「普段はYouTuberとして知られているが、本業は料理研究家だ」と前置きし、表彰の様子を見せたあと、会場の許可を得て料理を2品作った。1品は受賞作の弁当、もう1品は同じく受賞歴のある料理家・はらぺこグリズリーのレシピである。

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授賞式と、その後の交流の場

表彰式では、リュウジが受賞作の名前とともに呼ばれ、拍手の中で賞を受け取った。リュウジはこれまで、表彰式が終わると他の受賞作を眺めて帰るのが常だったという。今回、委員会の人から、このあとの懇親の時間がレシピ本大賞でいちばん盛り上がる場面だと聞いた。理由は、料理本を作っている人たちが一度に集まる機会がほかにないからだ。会場は乾杯で始まり、リュウジが料理を作る時間は「新しい試み」として設けられた。

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スーツのまま作れる「朝起きて5分で映えるタコライス弁当」

リュウジが作ったのは、受賞作に載っている「朝起きて5分で映えるタコライス」だ。エプロンを着けず、スーツのまま調理した。自分のレシピはスーツでも汚れないほど簡単だ、と見せるためである。朝はとにかく忙しいからこの手順にしている、とリュウジは説明する。自身も10年間会社員をしていたという。

作り方は、耐熱容器に豚ひき肉を入れ、コンソメ、カレー粉、ウスターソース、ケチャップ、ガーリックパウダー、胡椒を順に加えていくだけである。コンソメのパッケージにはプーさんが描かれており、リュウジは「プーさんとコラボしてるんだ」と反応していた。調味料ごとに短い説明もあった。

  • タコライスには普通いろいろなスパイスを使うが、家庭で作るならカレー粉で十分だ。
  • ウスターソースはフルーツが入っているので香りが高い。
  • ケチャップは小さじ4杯と多めに入れる。
  • ガーリックパウダーは7振りほど(このときは少し入りすぎた)、胡椒は4振りほど。

材料を混ぜておくと火の通りが良くなる。ラップをかけて電子レンジで加熱する。最初は2分30秒と言いかけたが、会場のレンジが500Wだったので3分に変えた。リュウジは、レンジ調理を実演すると加熱の3分間ずっと喋っていなければならないのが毎回の悩みだと笑っていた。

弁当箱に温かいご飯を盛り、レタスを敷く。この時点でも十分うまいとリュウジは言う。加熱したひき肉を乗せ、ピザチーズを好きなだけ散らせば完成だ。リュウジは、朝ごはんはこんなものでいいんだと思える料理をみんなにどんどん作ってほしい、と話した。

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「彩りの良くない弁当」でいいという提案

レンジの加熱を待つあいだ、リュウジは本を作った狙いを話した。朝にフライパンを出したり火を使ったりするのは面倒だ。だからこの本では電子レンジを多用し、朝の料理の面倒さやプレッシャーをできるだけ減らそうとした。

今回のタコライスは彩りが良いほうだが、本には地味な弁当が多いという。リュウジは、弁当なら彩りが良くなくてもかまわないと考えている。彩りの悪い弁当を持っていくと「こういう弁当なんだ」と思われるような、よく分からないプレッシャーがある。それに対して、おかず1つだけのおいしい弁当でもいいのではないか。この本はその1つの提案として作った、とリュウジは語る。思いの乗った本が受賞したことが非常に嬉しい、とも述べた。

実演の最後にも、リュウジは本の経緯を説明した。もともと弁当作りが大嫌いで、当初は弁当の本は絶対に出さないと言っていた。それでも、自分が会社員だったころならどんな弁当を持っていけたかを考えながら作った結果、とても簡単な料理本になり、それが評価された。あまり気取らず、簡単な弁当を楽しんでほしい。こんな弁当でも恥ずかしくないという世の中にしたくてこの本を書いた、と締めくくった。

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試食と撮影の舞台裏

完成した弁当は、同席していた天野さんが試食した。撮影は同時に2本進んでおり、縦向きのカメラではTikTokやInstagram用、横向きではYouTube用の映像を撮っていた。そのため天野さんは、撮り直しのあいだ何度も食べるのを待たされた。

天野さんは、電子レンジだけで作ったことに驚きながら「うまい」と繰り返した。ソースについて尋ねると、リュウジは「ほとんど家にあるものだと思う」と答えた。天野さんは、冷めても結構おいしいと評価し、弁当にはそこが大事だと話した。会場では、酔っていても作れるという声も出た。リュウジは最後にスーツを見せ、汚れていないことを確かめた。

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はらぺこグリズリーへの評価

リュウジは、せっかくレシピ本大賞の会場に来たのだから、別の料理家のレシピも作りたいと考えた。自分で選んだのが、はらぺこグリズリーの『世界一美味しくて健康的なズボラ飯』である。リュウジによれば、はらぺこグリズリーとは以前に一度、別のメディアでコラボしたことがある。はらぺこグリズリーはこれまでに大賞を2回取っているという。

リュウジは、はらぺこグリズリーのレシピが大好きで、正直かなわないと思っている。その理由として、レシピの構成がとても良く分かりやすいこと、レシピ本として完結していることを挙げた。さらに、いわゆる料理家とは違う目線を持っていて、組み立てがうまい、「こうやってアプローチするんだ」と思わされる点が好きだという。レシピ本業界では2人が比べられたり、競っているように言われたりする、という話も出た。

はらぺこグリズリーが最初に売れたのは「世界一美味しい煮卵」の本である。リュウジは、自分が駆け出しのころにはらぺこグリズリーの本がよく売れていて、すごいと思っていたと振り返った。リュウジは料理には自信があったが、レシピ本は別物だという。レシピがおいしいのはもちろん、本の書き方や伝え方が大きく関わる。はらぺこグリズリーはそうした部分を自分でかなり手がけていて、何文字目で改行すれば読みやすいかまで考えている、とリュウジは紹介した。はらぺこグリズリー自身は、読む人が最後まで見たくなる本にしたいという趣旨のことを話した。リュウジは「こういう本を書く人がいるんだと思った」と言い、尊敬する料理家の1人だと述べた。

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全レシピ塩分2.5g以下という制約

この本は、全レシピの塩分が2.5g以下に抑えられている。リュウジは、塩分2.5g以下でレシピを作るのはおいしさを担保しなければならないのでとても大変だと強調し、自分は絶対に作りたくないと冗談まじりに話した。はらぺこグリズリーによると、大量にレシピを試作し、専門家からダメ出しを受けながら絞り込み、最後に100品が残った。予算面も含めて多くの人に支えられて完成した本であり、自分の力だけではない、と感謝を口にした。

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大葉のわさびバターうどん

作ったのは「大葉のわさびバターうどん」である。リュウジにとっても初めて作るレシピで、はらぺこグリズリーに教わりながら進めた。

冷凍うどんはレンジで解凍しておく。大葉は10枚ほどと量が多い。その理由をはらぺこグリズリーは、健康に関する本なので、少しでも野菜を絡めておいしくしたいからだと説明した。

手順でいちばん重要なのは、わさびを最初に入れることだ。熱々のうどんにわさびを5cmほど加えて混ぜると、辛みが飛ぶ。そのあとで醤油小さじ1、ほんだし小さじ1/2、バター5gを加え、バターの余熱で溶かしながら混ぜる。最後に刻んだ大葉をたっぷり乗せ、白ごまを振って完成である。

わさびを多く使うことにも、塩分を抑える狙いがある。はらぺこグリズリーによれば、わさびは5cm使っても塩分が0.18gしかない。辛みを飛ばしたわさびで、塩を使わずにコクを出す。そういう考え方で組み立てたレシピだという。リュウジは「考えてるんだ」と感心していた。

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試食の感想

食べたリュウジは「めちゃくちゃうまい」と言った。塩分が抑えられているとは思わない、自分でもかなり満足感のあるおいしい味だ、と評価した。わさびをあれだけ入れたら辛いのではと思ったが、熱いうちに混ぜれば辛さはまったく感じない。むしろバターとわさびがよく効いていて、酒も飲めるという。塩分控えめなのに酒が飲めるのは最高だ、とリュウジは話した。ふだん自分ではやらない組み合わせだったこともあり、「俺も頑張らなきゃな」と口にした。

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「炎上YouTuberではなく料理家」

最後にリュウジは、受賞の意味を自分の言葉で語った。いちばん目立っている活動はYouTubeだが、本質的には料理研究家だと自分では思っている。ニュースになるのは炎上や誰かとの喧嘩ばかりだ。しかし大賞をもらったり、レシピ本を買ってもらったりすると、自分はレシピで評価されているのだと改めて実感し、根は料理の人間だと思い出させてもらえるという。

あまり話していないこととして、リュウジは初めて賞を取ったときのことも明かした。デビュー作『バズレシピ』で入賞したとき、家で泣いたという。今回久しぶりに大賞を受賞し、自分は炎上YouTuberではなく料理家なのだと実感した、と語って会場への感謝で動画を終えた。