鶏ももとレンジで作る「山形の冷たい肉そば」:リュウジが語る冷やし方と麺の締め方

YouTubeで開く ↗
概要

料理研究家のリュウジが、スタッフのA子さんと一緒に「山形風の冷やし肉そば」を作る回である。編集を挟まず、調理を始めから終わりまで撮る「巻かない」形式で収録された。肉そばというと牛肉を思い浮かべる人が多いが、リュウジによれば山形の冷たい肉そばは鶏肉を使う。鶏チャーシューをレンジで作り、その煮汁をつゆに使うことで工程を短くした。付け合わせに「悪魔のおにぎり」も作っている。この料理は去年も作ったが、今年も出したくて急遽撮影したとリュウジは話す。

10分で読めます
0:12

山形の肉そばはなぜ鶏なのか、どの鶏を使うのか

リュウジの説明では、山形には昔から冷たい肉そばという名物があり、肉は鶏である。鶏を加熱して冷やし、冷たいそばと一緒に食べるのが現地で親しまれているという。できれば親鳥を使いたいが、親鳥は一般のスーパーにはほとんど出回っていないので、今回は若鶏のもも肉で作る。なお、リュウジは山形に行ったことはあるものの、現地で一度も食事をする機会がなかったと明かしている。

分量は1人前100gが目安で、今回は2人分なので鶏もも肉を約200g使う。A子さんが「350gくらいですか」と尋ねると、リュウジはそこまでは要らないと答えた。肉を多めにしてもかまわないという。

2:25

鶏チャーシューをレンジで作り、煮汁をつゆのベースにする

冷たい料理なので、最初に鶏肉に火を通す。熱いまま盛りつけるわけにはいかず、冷ます時間が必要だからである。耐熱容器、あるいはどんぶりに鶏肉を入れ、醤油大さじ3と砂糖小さじ2を加えてよく揉み込む。1人前なら醤油大さじ1と1/2、砂糖小さじ1でよい。醤油は普通のものでかまわない。砂糖を入れる理由について、リュウジは冷たい肉そばのつゆは甘めだからだと説明している。

A子さんが「下味はつけないのか」と聞くと、リュウジは下味というより、この調味液がそのまま後でそばのつゆになると答えた。チャーシューを作る要領で鶏肉を加熱すると、鶏の旨味が醤油に移る。調理法にレンジを選んだのは「楽だから」とリュウジは言う。

加熱は600Wで3分30秒、1人前なら2分30秒程度。加熱が終わっても容器はすぐ取り出さず、レンジの中に置いたまま余熱で火を通す。3〜5分置くと火がじっくり入り、ちょうどよい加熱になるという。心配な人はもっと加熱してもよいが、このくらいの加熱のほうが肉が柔らかく仕上がるとリュウジは話している。

4:56

鶏肉の火の通りは「中が熱いか」で判断する

鶏肉の加熱については視聴者からよく指摘が来るとリュウジは話し、自分の考えを述べた。唐揚げやチキンステーキでも中が赤く見えることがあるが、コンロの火力やフライパンの熱伝導は家庭ごとに違う。IHかガスかでも変わるので、「何分焼けば大丈夫」とは一概に言えない。だから自分で火の通りを判定できるようになる必要がある、というのがリュウジの立場である。

火が通っていても赤く見える場合があるので、色は当てにならない。いちばん判定しやすいのは中が熱いかどうかで、手で触って中まで熱ければ大丈夫だという。基準として、リュウジは中心温度75℃で1分、または70℃で3分を挙げた。

今回は5分の予定だったが、リュウジは「待つのが苦手」と言って少し早めに取り出した。切った断面には赤みが残っていたが、中を触ると非常に熱く、A子さんも触って熱さを確かめた。リュウジはこれで基準の温度には達しているとして、火は通っていると説明した。

3:40

つゆを作る:煮汁、鶏ガラ、鰹粉、水

容器に残った煮汁は鶏の旨味がたっぷり出ているので、つゆに使う。器を2つ用意し、煮汁を大さじ1強ずつ均等に分ける。そこに鶏ガラスープの素を加える。リュウジは、使うのは普通の鶏ガラで、白湯(パイタン)スープは味がまったく違うので使わないと念を押した。

出汁にはリュウジの鰹粉を3つまみ(約3g)入れる。煮干し粉でもよいし、鰹節をレンジで加熱して粉状にしたものでも代用できる。水は200ccで、きれいな水が望ましいと話す。リュウジは冷たいそばには浄水のほうがおいしいと考えているが、どうせ冷やすので水道水でもかまわないという。この段階でつゆは「ほとんど完成」で、ぬるくなっているので冷蔵庫で冷やしておく。

8:04

鶏肉は薄切りにし、金属のバットで冷やす

鶏肉は薄めに切る。薄いほうがそばと一緒に食べやすいためで、もも肉を選んだのは冷たくなっても柔らかいからだとリュウジは言う。断面がきれいに仕上がることも見せ、これがレンジですぐできると強調していた。

切った直後の肉はまだ熱いので、これも冷やす。コツはバットに並べることで、A子さんが「銀のものがいいのか」と尋ねると、リュウジは鉄やステンレスは熱伝導が良いので冷えやすいと答えた。基本は冷蔵庫だが、急ぐなら冷凍庫でもよい。今回は金属のバットならすぐ冷えるという理由で冷凍庫に入れた。

9:40

付け合わせの「悪魔のおにぎり」

リュウジは、冷たいそばにはおにぎりが欠かせないと言う。おにぎりを添えるなら、そばの量は少なくてもいいとまで話していた。A子さんは、冷たいそばとおにぎりを組み合わせたことはないと答えている。

ご飯の味つけを相談した結果、塩昆布を使った「悪魔のおにぎり」にすることになった。100gのおにぎりを2つ作るため、ご飯は200g。塩昆布は3本の指でつまんで約6g、天かすを2つかみ、ねぎを加える。リュウジは天かすと塩昆布の組み合わせなら必ずおいしくなると言う。ただ、塩昆布と天かすだけでは味が足りないので、出汁系の調味料「これ!うま!!つゆ」を小さじ2加える。なければめんつゆでもよい。

ここでリュウジは、めんつゆに頼るとご飯が水っぽくなりやすいと指摘する。それを防ぐのがすりごまで、2つまみ入れるとごまが水分を吸い、ご飯が少し締まっておいしくなるという。

11:34

用途不明のおにぎり型をめぐる試行錯誤

リュウジはおにぎりを握るのが苦手だと言い、今回は以前用意したおにぎり型を使った。100円ショップの品のように見える型で、取扱説明書は見当たらなかった。2人とも使い方がはっきり分からないまま試すことになった。

型には突起のような部分がついていて、2人はその用途が分からなかった。A子さんは、カリカリ梅を入れるための「梅干しポケット」ではないかと推測し、詳しい視聴者にコメントで教えてほしいと呼びかけた。リュウジは「そのためだけに付いているのか」と半信半疑だった。最終的にリュウジが型を上から押して成形する使い方に気づき、形のきれいなおにぎりができあがった。

おにぎりはそばを茹でている間にラップをかけた。乾燥してしまうからで、こうした点も料理をおいしく食べるコツだとリュウジは言う。実際には少し乾燥してしまったが、リアルタイムで作っていく様子をそのまま見せられるのが「巻かない」形式の良さだと話していた。

13:08

そばは信州そばの太切り、茹でている間に洗い物をする

今回のそばは、近所のスーパーで売っている信州そばの「太切り」である。名前のとおり麺が太い。リュウジは以前食べてとてもおいしかったと話し、長野で作られているものだから大丈夫だろうと言う。そばを茹でる湯に塩は入れなくてよい。この製品はそのまま茹でておいしかったので、今回もそのまま茹でる。

湯が沸くまでの間に、リュウジは洗い物を済ませた。この料理はボウルなど使う道具が多いので、合間に洗うことが大切だという。食べ終わって「おいしかった」と満足した後に洗い物が残っていると気分が良くないからで、リュウジは「洗い物までが料理」と視聴者に呼びかけた。

茹で時間は6分。A子さんが長めだと驚くと、リュウジは麺が太いからだろうと答えた。

14:50

薬味のねぎは小ねぎではなく長ねぎ

茹でている間に薬味のねぎを小口切りにする。最初は青ねぎでいいと言いかけたが、リュウジは小ねぎでは香りが立たないので、普通の長ねぎを刻んだほうが絶対においしいと話した。A子さんも、長ねぎのほうがねぎの味がしっかりすると同意している。洗ったばかりのまな板をまた使うことになり、2人は笑っていた。

15:38

麺を氷水で締めるか、流水で締めるか

そばの冷やし方では、以前の説との違いが話題になった。1年ほど前にコラボした池森さん(字幕による表記)は、そばは氷水ではなく蛇口の水で冷やすほうがいいと言っていた。氷水だとそばが硬くなってしまう、という理由である。

それでもリュウジは今回、氷水で締めた。理由は2つある。1つは好みの問題で、リュウジは自分を「ドーパミン中毒のガキ」を略した「ドパガキ」と称し、キンキンに冷えた麺でないと満足できないと冗談めかして話した。もう1つは麺の原材料である。このそばはパッケージの原材料表示で小麦粉が最初に書かれているので、小麦粉が50%以上の「小麦粉のそば」だとリュウジは読み取った。小麦粉が多いそばなら氷水で締めたほうがうまい、というのがリュウジの考えである。そば粉が多いそば、たとえば十割そばなら氷水では硬くなるので、氷を使わないほうがいいと思う、とも付け加えた。こういう手頃な価格のそばは氷水で締めたほうが絶対においしい、と繰り返している。

茹で時間は表示の6分だったが、リュウジは硬めの麺が好きなことと、撮影の手間を考えて40秒ほど早く上げた。表示より少し短めのほうが好みだという。手順としては、まずザルにあけてたっぷりの流水でぬめりを取り、その後に氷水でしっかり冷やす。最後に水気をよく絞る。理由を問われたA子さんは「味が薄まるから」と答え、リュウジがそれを正解とした。

18:07

盛り付けと味変

冷やしておいたつゆは、底に沈殿しているので軽くかき混ぜてから使う。そこへそばを入れ、刻んだ長ねぎをたっぷり乗せ、冷凍庫で冷やした鶏肉を盛る。鶏肉はかなり冷えていた。七味をかけると彩りがきれいになる。好みで器の縁にわさびを添えれば、途中で味を変えられる。リュウジは今回、塩気が欲しかったので、つゆに塩をひとつまみ振った。これは必須ではなく、好みで入れればよいという。

A子さんが「年越しにも食べたいか」と聞くと、リュウジは、年越しには温かいそばを食べたい人が多いだろうと答えている。

20:01

実食:つゆ、冷えても柔らかい鶏肉、そば

食べ始めると、2人はまずスープのおいしさを口にした。A子さんは肉にも味がしみていると言い、「こんなそばは初めて」と話す。リュウジは、切りたてのねぎがやはりおいしいこと、冷えても鶏肉が柔らかいことを挙げた。

そばについては、2人とも安い麺とは思えないほどおいしいと評価した。リュウジは、2人のおすすめはこの太切りの信州そばで、信州そばは外れがないと話している。わさびの味変もよく合ったという。

21:40

実食:おにぎりとの組み合わせ

おにぎりを割って手づかみで食べると、2人ともおいしいと声をそろえた。A子さんは、そばとおにぎりの組み合わせがいちばんいいかもしれないと言い、リュウジが冷たいそばにはおにぎりだと言っていた意味がよく分かったと話した。リュウジは、そばだけでは少し腹持ちが足りないと感じる人は、おにぎりも作るべきだと勧めている。すりごまのおかげでご飯がべちゃっとしていないことも確認した。手で握らなくても型があれば簡単に作れるので、軽い昼食にもちょうどいいと2人は話している。

A子さんは最近油っこいものが苦手になってきたと言い、この料理はちょうどいいと評価した。リュウジによると、このそばは油を一切使っていない。2人はあっという間に食べ終え、A子さんは満足度が高いと言った。リュウジは、こういう料理を出す店が東京にも欲しいと話し、今年の夏はいいレシピが多く、巻かない動画で作った料理はどれもトップクラスにおいしいと振り返った。

23:58

締めくくり:日常の食事として

最後にリュウジは、この料理は油をあまり使わず、そばなので血糖値の上がり方も緩やかであり、日々の食事に使えるとまとめた。おにぎりについては、とてもよく合うと思うが、あくまでたくさん食べられる人向けのプラスアルファだと位置づけている。そのうえで、山形の冷やし肉そばをぜひ作ってみてほしいと視聴者に呼びかけて、動画を締めくくった。