スーパーのうなぎを「タレを洗う・蒸す・焼き直す」で鰻屋に近づける:リュウジの下処理と食べ比べ

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概要

スーパーで売っているパックのうなぎは、料理研究家が手を加えるとどこまでおいしくなるのか。リュウジはこの問いを確かめるため、中国産と国産のうなぎをそれぞれ「下処理したもの」と「そのまま温めたもの」に分けて食べ比べた。リュウジによれば、ここで紹介する方法は実際に鰻屋で行われているやり方である。詳しくは言えないが、いまうなぎに関わる仕事をしており、勉強を重ねるうちにパックのうなぎを本当においしく食べる方法が分かったという。

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用意したうなぎ:中国産と静岡産

使ったのは2種類のパックうなぎだ。中国産は身が厚く1280円、国産は静岡産で2200円ほどだった。リュウジは、うなぎにはアメリカウナギやニホンウナギなどの種類があり、一般にはニホンウナギのほうがおいしいとされていると説明する。国産のものはニホンウナギだが、中国産は大きいので種類までは分からないという。ただ、どちらも今回の方法でおいしくなると話す。

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自家製タレの配合と考え方

最初にタレを作る。冷ましてから使いたいので、うなぎより先に用意しておく。配合は醤油大さじ5、みりん大さじ1、酒大さじ1、砂糖大さじ2、うま味調味料ハイミー6振り。リュウジはこの量で丸ごと4〜5匹分になると見ており、保存もきくので半量で作ってもよいという。

砂糖は必要だが、市販のタレは甘すぎるとリュウジは言う。鰻屋で取材したところ、老舗になるほどタレはさらっとしており、ベタッと濃いタレはチェーン店などに多いと聞いたそうだ。

うま味調味料を入れる理由も説明した。鰻屋はうなぎの骨などを使ってタレにだしを入れているが、家庭でうなぎの骨は手に入らない。店によっては昆布を使うところもある。その代わりとしてハイミーを少しだけ入れる。大さじ5の醤油に6振りなので、量はかなり少ない。後半でリュウジは、ハイミーに含まれるイノシン酸は動物性のうま味で、うなぎのうま味も動物性だから、骨でだしを取ったような味になると述べた。リュウジはこれを「科学的に見て間違いない」と言う一方で、この部分は鰻屋に教わったものではなく自分独自の工夫だと断っている。

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煮詰めすぎないことが要点

フライパンに入れて強火で2〜3分、揺すりながら沸かす。揺すったときに泡立つようになったら火を止める。この時点ではまだシャバシャバで、傾けるとゆっくり流れる程度でよい。リュウジによれば、うなぎのタレは冷めるほどとろみが出る。熱いうちにドロッとさせると、塗るころにはドロドロになってしまい、さらに煮詰めると絡める飴のようになるという。実際、焼いている間に冷めたタレは短い加熱でもとろみがついていた。リュウジは「市販のタレより100倍おいしい」と言い切り、このタレは天丼のタレにもなるし、厚めの豚肉に塗りながら焼いてもおいしいと勧めた。

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付属のタレを43℃のお湯で洗い流す

パックのうなぎには国産・中国産ともにタレがついている。リュウジの説明では、このタレは湿度を保つために塗られている保存用のもので、おいしくない。そこでまずお湯で洗い流す。お湯の温度は43℃で、自宅の給湯器の設定がその温度だという。冷水ではなく温かいお湯を使うのは、温度が高いほうがタレが溶けるからで、これも鰻屋が言っていたことだとリュウジは話す。

国産のものはタレが少なめだったが、それでも洗うとタレが出てきた。中国産は表にも裏にも多くついていた。お湯で洗えば取れる。リュウジは、これをやるかやらないかで「天と地の差」があると言う。正直、洗って焼くだけでも十分おいしいとも話す。

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関東式にならって蒸す

さらに手間をかけるなら、蒸す工程を加える。リュウジによれば、うなぎの焼き方には関東式と関西式がある。関東式は蒸してから焼くのでふわっとし、関西式は蒸さずに焼くのでカリッとバリッと仕上がる。同席したスタッフの一人は関西の焼き方が好きだという話も出た。

フライパンに網をのせ、その上にうなぎを置き、水を入れて蓋をする。網を使うのは、うなぎに水が直接当たって煮える状態になるのを防ぐためだ。蒸せれば道具は何でもよく、蒸し器やせいろでも構わない。面倒なら、洗ったあとに水気を拭くだけでも十分おいしいという。蒸し時間はうなぎによるが4〜5分程度で、こうすると身がふっくら仕上がる。蒸し上がると、うなぎの香りが立つのが分かると話していた。

蒸したうなぎは蓋をしておけば味が落ちない。参考にした鰻屋もそうやって仕込んでいるという。その店は「ちゃんとした鰻屋」ではなく、スーパーのうなぎを扱う店だった。ちゃんとした鰻屋はスーパーのうなぎを扱わないので、だからこそ今回の方法には信憑性が高い、というのがリュウジの理屈である。

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鰻屋の差は米にある、という見方

リュウジは、鰻屋ではうなぎそのものよりも米の質が違うと言う。以前チャンネルで「うなぎ選手権」をしたとき、いちばんおいしかったのはオリジン弁当で、理由は米がおいしかったからだという。スーパーのうなぎを使うならうなぎの質の差は分かりにくいので、ご飯の炊き方とタレのおいしさにこだわったほうがよいというのがリュウジの考えだ。今回は福島県産の米を使った。

ご飯を温めるときの注意も話した。レンジで温めたあとラップをかけたまま置いておくと、ご飯が硬くなる。理由ははっきりしないが、熱気がこもるからではないかとリュウジは推測しており、最近気づいたことだという。温め終わったらすぐ器に移し、冷めたらもう一度温めればよい。

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皮目を上にしてオーブンで焼く

焼く前にキッチンペーパーで水気を完全に取る。水分が残っているとうまく焼けないからだ。使うのは両面グリルのオーブンで、300℃で焼く。オーブンはだいたい上のほうが火力が強いので、皮目を上にして焼く。比較用の未処理のうなぎは、パックから出したまま何もせずに並べて焼いた。

焼き時間は、皮目がしっかり焼けるのを見て決める。リュウジは、中国産のうなぎは皮がぶよぶよしていることが多いので、皮目を重点的に焼くとおいしくなると話す。途中、下処理したほうの皮はザリザリと音を立てた。未処理のほうはあまり音がしなかった。

オーブンがなければ、フライパンで両面を焼くだけでも全然違うという。その場合も皮を重点的に焼く。テフロン加工のフライパンでないと皮がくっつくので、クックパーなどのシートを敷くのがいちばんよいとリュウジは勧める。実際、この回はタレつきのまま焼いた未処理のうなぎが網にくっつき、国産を焼く際にはシートを敷いた。タレはハケで塗ると仕上がりが全然違うが、なければスプーンでもよい。

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盛り付け

まずご飯にタレを塗る。リュウジは、これだけでも本当はおいしいと言う。その上にうなぎをのせ、タレをたっぷり塗る。未処理のほうには付属のタレをかけた。

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中国産の目隠し食べ比べ

中国産の2つを、スタッフが目隠しで食べ比べた。スタッフはすぐに、後に食べたほうがうまいと答えた。それが下処理したほうで、正解だった。最初のほうは普通のうなぎを食べたという感じだったが、後のほうは皮の感じがまったく違い、タレもおいしかったという。

リュウジ自身も、普段は通常版をあまり食べないので改めて食べてみた。未処理のほうは「ちょっと臭い」「泥っぽい」と言い、スーパーのうなぎでよくある味だと話した。下処理したほうは皮の切れがよく、箸でスパッと切れた。同じうなぎとは疑うほど違い、皮がブルンブルンしていないとリュウジは評価した。スタッフは「革命だ」と反応し、リュウジは中国産でもこれならいけると話した。安いうなぎを下処理して売れば儲かるのではないか、と冗談も飛んでいた。

リュウジは、多くの人が皮がぶよぶよで身がパサつき、おいしくないタレのついたうなぎをそのまま食べており、全体がパリッとしたおいしいうなぎを食べていないのではないかと話す。

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国産でも差は出るか

続いて、先に蒸しておいた国産うなぎで同じ比較をした。焼き上がると、一方からは脂が多く出ていた。リュウジは、蒸したほうは蒸す工程で脂が落ちているはずだと推測していた。未処理のほうには、パックに付属していたタレをかけた。

食べてみると、未処理のほうも国産なので味はよく、家で普通に食べる分には十分だという評価だった。一方、下処理したほうは身の柔らかさがまったく違うと全員が口をそろえた。皮の切れがよく、身はふわふわだった。値段が1000円違うと言われても納得する、同じものとは思えない、という感想も出た。ただし、うなぎそのものの質はやはり国産のほうがよいとも認めている。

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うなぎの価格と養殖の話

食べ比べの合間に、価格の話も出た。リュウジは、うなぎは昔に比べて値上がりしているが、最近は少し下がっているようだと話す。近畿大学が完全養殖に成功したことにも触れ、今後価格が動く可能性はあるとの見方を示した。安定した供給が見込めればよい、というのがリュウジの考えだ。

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結論

リュウジの結論は、スーパーのうなぎは下処理したほうが「100億倍うまい」というものだった。今月26日が土用の丑の日だとして、家でうなぎを食べる人は、下処理したものとそのままのものを食べ比べてみると面白いと勧めて締めくくった。