すき家の「豚汁ラーメン」を食べたリュウジが、豚汁がラーメンのスープにならない理由と自作の改良版を示す

YouTubeで開く ↗
概要

すき家が2種類の豚汁ラーメンを売り出した。料理研究家のリュウジはスタッフに買ってきてもらい、試食して評価をつけた。そのうえで「自分がすき家で出すならこうする」という豚汁ラーメンを作っている。動画の中心にあるのは、豚汁をラーメンのスープにするには何が足りないのかという問いだ。リュウジは単品のラーメンとしては物足りないと評価する一方で、商品の狙いについては企業戦略として高く評価している。

11分で読めます
0:31

6月4日発売の2商品と、牛丼とのセット前提

今回取り上げたのは、6月4日から発売された「とん汁みそらーめん」と「辛ねぎとん汁みそらーめん」である。スタッフによると、とん汁みそらーめんは360円、辛ねぎの方は単品で460円だった。リュウジは店舗では撮らず、持ち帰った商品を少し温め直して試食した。チェーン店で勝手に撮影すると問題になるからで、店で撮るなら許可が必要だと話している。

容器は上段に麺、下段に豚汁が入った二層式で、食べる人が麺をスープに移す。360円という値段から、リュウジは量が少なく、牛丼と一緒に食べることを想定した商品だろうと推測した。スタッフも、牛丼との相性が良いとされており、TikTokでセットで頼んでいる人を見たと補足している。

2:25

とん汁みそらーめん:「豚汁はそもそも味噌汁の分類」

普通のとん汁みそらーめんを食べたリュウジの第一声は、食べたことのない味がするというものだった。豚汁ラーメンを出す店はちょこちょこあるが、どこで食べてもうまい豚汁ラーメンに出会ったことがないという。その理由をリュウジは、豚汁はもともと味噌汁の仲間であり、ラーメンに合うように作られていないからだと説明する。食べた印象は「給食の味噌ラーメンっぽい」というものだった。

途中で紅生姜を足して挽回を狙ったが、合わなかった。まずくはないが美味しくもない、というのが同席者も含めた感想である。具はたくさん入っていて、2種類の味噌やにんにく・生姜をブレンドしているという情報もあった。しかしリュウジにはにんにく・生姜はあまり感じられず、パンチのなさが際立つと話した。

単品での評価は「Cプラス」だった。リュウジは「イマジナリー牛丼」を思い浮かべて一緒に食べた場合も考え、それならアリだとしている。すき家の牛丼は大手3社の中でいちばんうま味調味料が強いというのがリュウジの見方で、ラーメン側まで濃くすると「濃いと濃い」になる。そのためあえて控えめにしているのだろうと推測した。さらに、米の価格高騰を受けて、中華麺の方が扱いやすいという事情もあるのだろうと述べている。

それでもリュウジは、ラーメンとして出すなら単体で美味しいものを目指すべきだと考えている。牛丼ありきの豚汁ラーメンは中途半端だという評価だ。改善案としては、ベースの豚汁はそのままでも、ラーメン用に濃縮した豚骨スープのようなものをオペレーションの段階で加えるやり方を挙げた。値段は少し上げてもいいのではないか、とも話している。

5:41

辛ねぎとん汁みそらーめん:見た目もスープも上だが、まだ届かない

辛ねぎの方には専用のタレが付いている。リュウジは、さっき自分が言った「タレを追加すればいいのに」が、これで実現しているのではないかと期待した。460円なら一品として成立する値段で、牛丼が500円前後であることを考えると、こちらは単品で食べる前提なのかもしれない、とも話している。

ねぎがたっぷり載り、具も多いので、見た目は普通の方よりラーメンらしい。食べてみると味は濃く、チゲのような風味があり、スープは明らかにこちらの方が美味しいという。ただし、リュウジはねぎが少し薬臭いと指摘した。以前「すき家選手権」でも同じことを言った覚えがあるとして、ねぎは抜いてほしいと話している。

それでも物足りなさは残った。リュウジによれば、ラーメンの麺自体には塩味があまり付いていないので、麺を食べさせるにはスープがかなり濃厚でなければならない。辛ねぎのタレを加えてもその濃度に達しておらず、麺とスープの絡みも弱い。リュウジは、むしろ豚汁うどんの方が合うのではないかと述べた。

評価は「B」である。この流れで、「まずい」と言うと炎上するので別の言葉を使いたいという冗談も出た。最終的に、このチャンネルらしく「バズらない」と言い換えることになった。

9:18

「ラーメンを出すならラーメンを作ってほしい」という要望と留保

2品を食べたうえで、リュウジは、ラーメンを打ち出すなら牛丼のお供ではなく、ラーメンとして作ってほしいと話した。定食屋の半ラーメンのような位置づけなのかもしれない。ただ、そういう店にはたいてい単品でもきちんとしたラーメンがある。すき家の場合は片手間で、材料の使い回しを考えると豚汁ラーメンになるのだろうとリュウジは理解を示す。そのうえで、もう少し本気を出せるのではないかと個人的に感じたという。

この評価には留保も付けている。あくまで自分の個人的な意見で、めちゃくちゃうまいと感じる人もどこかにいるはずだし、自分の評価がすべてではない。企業を攻撃する意図もないという。リュウジ自身も、自分のカップラーメンがまずかったというコメントをよくもらう。それも人によってはそうだろうし、個人がそれぞれ言える以上、構わないと話している。

10:14

改良版の考え方:ゴロゴロの大根はラーメンに合わない

スタッフから再現してくれるのかと聞かれると、リュウジは「再現するわけないだろ、バズらないから」と返し、代わりに自分流の豚汁ラーメンを作ることにした。ラーメン好きに刺さらない理由を解説しながら作るという。文句があるからやるのではなく、自分が作るならこうする、という趣旨だと念を押している。

材料は豚肉、好きなきのこ、大根、にんじん、にんにく、生姜である。ごぼうや里芋など、家にあるものは何でも入れてよい。にんにくと生姜はすりおろす。

大根は皮をむかずに薄切りにする。理由は二つある。薄切りでないと煮るのに時間がかかること、そしてゴロゴロした大根はラーメンに全然合わないことだ。ただしリュウジは、すき家の大根が大きいのは材料の使い回しによるもので、悪いことではないと説明する。すき家ではオペレーションを減らすことが大事だからだ。すでにある豚汁に麺を入れるだけという発想は「非常に頭のいいやり方」で、その点は理解できると評価している。

にんじんは半月切り。きのこは今回は舞茸を使ったが、別のきのこでも構わない。舞茸は味が強いので少なめにする。野菜がしっかり取れるのもこのレシピの良さだという。ラーメンが苦手な人はうどんにしてもいい、とも話した。肉は超薄切りの豚ロースを80gほど使い、量は好みで増やしてよい。リュウジは、豚汁ラーメンは家庭で作りやすい料理だと言う。チャーシューを用意する必要がないからだ。

13:43

豚肉を炒める工程と、鍋に貼り付く問題

鍋にごま油を小さじ1ほど引き、ちぎった豚ロースを炒める。炒めると香りが出る工程で、リュウジはすき家はおそらく炒めていないだろうと推測している。

撮影ではステンレス鍋に肉が貼り付いた。リュウジは、野菜を入れると水分が出て肉は剥がれるので問題ないと説明する。崩れてぼろぼろになった豚肉もうまく、麺に絡むのでかえって良いという。気になる人はテフロン加工の鍋やフライパンを使えばいい。軽く焼き目を付けて、豚の脂とごま油を野菜に浸透させる。焦げ付いたように見えても、水を入れれば元に戻った。

この合間に、リュウジは自分を「日本一豚汁が再生されてる男」と称した。動画「至高の豚汁」は約1300万回再生で、バズレシピの動画の中でいちばん稼いでいるという。その1本で家が買えるくらい稼いだが、都内は無理でも千葉なら買える程度だ、と話している。

16:23

味付け:白味噌を多めに、だしは二種、仕上げにんにく・生姜

調味料は煮込みの段階で入れてしまう。みりんは大さじ半分。甘くしすぎるとラーメンに合わなくなるからだ。味噌は最近気に入っているという山吹味噌の白味噌を使い、大さじ1と小さじ2、つまり小さじ5ほど入れる。すき家の豚汁もこのくらいの色だったと思う、とリュウジは振り返っている。だしはほんだし小さじ2/3と昆布だし小さじ2/3。昆布だしがなければほんだしを同量入れればよい。野菜が薄切りなので、数分煮るだけで済む。

重要なのはにんにくと生姜だとリュウジは言う。すき家も入れてはいるが、これがないとラーメンには合わない。リュウジの「至高の豚汁」はもともとラーメンスープをベースに考えたもので、だからこそうまいのだと説明した。にんにくと生姜は5gずつで、沸いているところに入れてよい。今回はチューブでも構わないという。すき家はおそらく生のにんにくは使っていないだろう、というのもリュウジの推測である。

18:13

牛丼チェーンがラーメンを出す理由についての見立て

煮込みの間、リュウジはチェーンのラーメン参入について自分の見方を語った。吉野家もラーメンをやっており、牛丼の世界にラーメンを浸透させたいのだろうという。肉も米も高騰していて、小麦の方が安いからだ。リュウジによれば、これは美味しいものを提供するというより企業戦略である。そして企業が生き残るには、きちんとお金を稼ぐ戦略が絶対に大事だという。ただ美味しいものを作るだけでなく、どれだけ売り上げるかも考えている。そこがチェーン店の好きなところだと話した。

19:17

仕上げ:油と味噌の強さで麺に絡ませる

大根に竹串がすっと通るくらい柔らかくなれば、5分ほどで豚汁は完成する。大根は皮ごとでも、薄切りなので気にならない。麺は1人前。種類は何でもいいが中太が良く、太麺だとスープに負けてしまうという。今回は2分ほど茹で、少し硬めに仕上げた。

ここでリュウジは、豚汁には油が入っていないと指摘する。そこで油を足す。ラーメンならラードを使うところだが、今回はごま油の方がうまいとして小さじ2を回し入れた。味噌ラーメンにはごま油がよく合うという。

かつおと昆布のダブルスープで作るこの豚汁とすき家の豚汁の違いを、リュウジは「油が強くて味噌が強い」ことだと説明する。味噌が強いとスープの濃度が上がり、麺に絡みやすくなる。だから美味しくなる、という理屈である。

盛り付けは麺を先に入れ、その上に豚汁をたっぷりかける。具はにんじん、大根、少しのきのこ、豚肉だけなので、それほど手間はかかっていないという。青ねぎを散らし、辛ねぎの方が美味しかったので一味(七味)を振る。これで「僕がすき家で出すならこんなラーメン」の完成となった。具が多く栄養も取れるので、牛丼を付ける必要はないとリュウジは言う。

22:03

実食:麺を1.5倍にしてもスープが負けない

できあがりは大盛りに見えた。実際、麺を誤って1.5倍入れていたことが試食前に判明している。それでも同席者は、さっきとは全然違う、生姜がちゃんと効いている、よく絡むと反応した。リュウジは「俺の豚汁ラーメンうめえな」と話し、麺の量を間違えてもうまいと言う。味噌はたぶんすき家の3倍は入っていて、麺1.5倍でも通用するほど濃いという見立てだ。

リュウジは、最初からラーメンにするつもりでこの豚汁を作ったからうまいのだと振り返る。すき家もラーメン用と考えて豚汁を一から開発すれば、うまくなると思うと述べた。同席者からは、うどんでも絶対に美味しい、豚汁の作り方が簡単で良かったという声が出た。具はほうれん草や里芋など、豚汁に合うものなら何でも入れてよいという。

23:48

結論:味は物足りないが、すき家の企業としての力は認める

最後にリュウジは、自分が言いたいのは「すき家の企業ってすごいな」ということだと締めた。牛丼と一緒に食べればそれなりに満足度がある。何より、自分のチャンネルで取り上げるほどの話題性がある。豚汁ラーメンが出たと聞けばすき家に行きたくなるし、実際に自分も買ってしまった。視聴者には、すき家の豚汁ラーメンを食べて、自分のレシピとどう違うのか気になったら作ってみてほしいと呼びかけた。近くにすき家がない人でも、スーパーの材料で作れるという。

動画の最後には、企業案件をもらうために土下座しているという冗談が出た。リュウジはすぐに嘘だと訂正し、そのうえで会社経営の事情に触れている。社員を4人、編集者を4人ほど抱えており、その月給を稼ぎ続けなければならない。会社が潰れればみんなが路頭に迷ってしまうので、潰さないようにビジネスを続ける、だから案件を待っている、と話して動画は終わる。