テスタは一棟マンションとホテルのどちらを建てるのか 堀切のRCマンションと三軒茶屋の木造ホテルで見た収支とリスク

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概要

5億円の予算で不動産投資を始めようとしている投資家のテスタが、ザブングル加藤とともに、不動産投資家の小林さん(YouTubeチャンネル「令和の富裕層研究所」)が手がけた物件を見学する企画である。前回は区分のファミリーマンションを見ており、今回は東京・堀切の鉄筋コンクリート(RC)造の一棟マンションと、三軒茶屋で建築中の木造ホテルを訪れた。問いは、土地から買って建物を建てる場合、どれほどの費用と手間がかかり、どれほどの利回りが見込めるのかである。小林さんは一棟マンションを勧め、さらにホテルを「テスタホテル」として提案する。テスタは最終的にマンションを保留とし、ホテルは「建てます」と即答した。

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堀切の一棟マンション:毎月の収支

最初の物件は、葛飾区堀切にある5階建てのRCマンションである。14室のうち13室が1K、1室だけが1LDKで、小林さんが土地を買って建築した。ずっと満室が続いていたが、撮影時に2階で1室の退去が出たため、次の入居者を決める前に中を見せてもらうことになった。

小林さんによれば、満室時の家賃収入は月133万円ほどである。そこから銀行への返済が月45万円、諸経費を差し引くと、毎月60万〜70万円が手元に残る。管理は管理会社に全面的に任せており、この物件に使う時間は月5分もないという。小林さんは、このキャッシュフローを積み立てながら保有し、最後はどこかのタイミングで売却して大きなキャピタルゲインを得る考えだと説明した。家賃によるインカムゲインと、値上がりした際のキャピタルゲインの両方を狙う形である。

総額は1億8500万円だった。内訳は土地が約5000万円、建物が約1億3500万円である。前回見た区分マンションの1室と比べてかなり割安に見えたため、テスタは「買えます」と冗談めかして反応した。部屋は6畳ほどの1Kで、主に20代の社会人が住む単身者向けである。加藤は、自分が最初に住んだ部屋もこんな感じだったと懐かしんだ。

小林さんは建物の構造にも触れた。木造、重量鉄骨、軽量鉄骨などがある中で、RC造は最も頑丈で法定耐用年数も長く、不動産投資では最上位の物件種別だという。物件名はオーナーが自由に決められる。

土地探し:現金で買える人が強い

どこから始めるのかというテスタの質問に、小林さんは「まず土地探し」と答えた。宅建業者が見られるサイト「レインズ」で物件情報を探すほか、付き合いのある不動産業者から情報が届く。土地だけの場合もあれば、古い建物付きの場合もあり、それらを毎日見極めて「この金額で買わせてくれ」と買付を入れているという。

堀切の土地が出たのは、2020年のコロナショックから1年後の2021年だった。5000万円という価格を見て、小林さんはすぐ安いと判断して買付を入れた。その30分後には8人ほどが買付を入れてきたが、1番手で押さえたことでこのマンションを建てられたという。

売主が買い手を選ぶ際には、現金で買えるかどうかが大きく効くと小林さんは話す。融資を使う買い手は、ローンが通らなければ契約をキャンセルできる「ローン特約」を付けるため、交渉上の立場が弱い。後から来ても現金で買う人が選ばれることがあり、「すぐ確実に買うから安くしてほしい」という交渉もしやすい。土地をなるべく安く買うことが、最終的な利回りの高さにつながるという説明である。

加藤は、8人で競わせたほうが売り手には得ではないかと質問した。小林さんによると、売主は業者と相談して売り出し価格を決め、それに対しては値下げ交渉が多い。ただし、5000万円の土地を6000万円で買うと提案する人もいて、売主が受ければその価格になる。業者同士ではそうした例も時々あるという。

テスタのように現金を持つ人なら、土地を現金で買い、その土地を担保にして建物分だけ融資を受ければよいと小林さんは提案する。土地の担保力が強いため、建物のローンは出やすいという。小林さん自身は土地も建物もすべてローンで賄っており、「一番大変なやつ」だと述べた。

区分マンションと一棟ものの違い

前回見た区分マンションの1室は、賃貸に出した場合の相場家賃が月45万円ほどだという。一方、堀切のマンションは全室で月133万円になる。購入額は同程度なのに、家賃収入は約3倍違う。小林さんはこれを、区分のファミリーマンションと一棟ものの収益性の差だと説明した。

小林さんは一棟ものの利点を三つ挙げた。一つ目は、毎月手元に残るキャッシュフローが多いことである。二つ目は売却時の出口で、投資額が大きいぶん買い手の層も厚く、相続対策として現金で数億円を払う個人や、法人といった買い手がいる。そのため、売却時のキャピタルゲインも一棟ものの方が大きくなる傾向があるという。三つ目は空室リスクである。ワンルーム1室への投資は、空けば収入が0か100かになる。一棟なら1室が空いても他の部屋は埋まっている。二棟、三棟と持てば空室は数十分の1になり、リスクがさらに薄まるので、複数棟を持つことを勧めるという。

手間については、土地を買う決断、建築会社との契約、完成後に全室空いた状態から入居者を埋める作業までは面倒だと小林さんは認める。ただ満室になれば管理会社がすべてを担い、管理費は家賃の3〜5%程度である。その後は毎月の入金を確認するだけだという。

最大のリスクは建築会社の倒産

「大失敗は何か」と問われた小林さんは、最も危ないのは建築中に建築会社が倒産することだと答えた。建築の途中で資金繰りが苦しくなって潰れる例があり、毎年ニュースになるような大きな破綻もあって、不動産投資業界では知られた話だという。RC造は工期が長く金額も大きいため、特に注意が必要である。倒産すれば建築会社を替えなければならず、追加の費用を払わないと引き受けてもらえないこともある。

では大手に頼めば安心かというと、小林さんは「大手に頼むと高すぎる」と言う。堀切の物件も、大手なら建物代が5000万円から1億円以上高くなり、2億円程度になったのではないかと推測した。消防設備なども含めて見積もりが全く違うという。そのため、知名度はそれほど高くないが優良な建築会社を選ぶことが極めて重要だと強調した。テスタは、安心感とコストのバランスを大型株と小型株の関係にたとえた。

利回りの目安とS&P500との比較

もう一つの失敗は、最初に高値で仕込んでしまうことだと小林さんは言う。このエリアの一棟RCの利回り相場は4.5〜5%で、その水準で建てると良い投資にならない。テスタがやるなら6%程度を目指したいという。相場が4.5〜5%の地域で6%で建てれば、売却時に大きな利益が得られるという理屈である。

これに対し、1億円をS&P500に入れても6%程度は見込めるのでは、という疑問が出た。出演者の一人は、不動産は貸すだけで6%、さらに値上がりすれば上乗せがあると応じた。一方で値下がりの可能性もゼロではなく、建物は古くなっていく。小林さんは、東京の駅から徒歩10分以内で新築するという立地選びでそのリスクをヘッジしており、これまで建てた物件は価格が下がるどころか上がっていると述べた。

空室対策:アクセントクロスとペット可

新築は全14室が空いた状態から始まるが、小林さんによれば2〜3カ月で満室になるという。新築で印象が良いことに加え、駅から徒歩7分であることを挙げ、空室が埋まる立地だと分かった上で土地を買っていると説明した。

差別化の工夫として、小林さんは「アクセントクロス」を紹介した。壁の1面だけ色を変える手法で、この物件では部屋ごとにスカイブルー、薄いグレーなど異なる色を使っている。それだけで入居希望者の反応がかなり違うという。テスタは金色にしたいと言い、出演者から入居率が下がりそうだと突っ込まれた。

もう一つはペット可にすることである。ペット可の物件はまだ少ない。部屋が汚れやすいことを懸念する大家が多いためだが、小林さんたちは原状回復できるので気にしないという。これで入居がかなり決まりやすくなると述べた。

都心と地方、新築と中古

都心と地方の違いについて、小林さんは二極化が進んでいると話した。地方ほど安く買え、利回り15%のアパートもある。しかし空室が埋まりにくく、売りたいときに買い手が少ない。小林さん自身も地方の物件を買ったことがあるが、すべて売却して減らしてきたという。

新築と中古については、トータルで利益が大きいのは新築だと個人的には考えている。ただ、銀行の融資は中古の方が出やすいため、一般には中古を買う人が多いのも事実だという。その人の属性に合わせて選べばよい、というのが小林さんの立場である。

8.65%で仕込んだ物件の出口

堀切のマンションの利回りは、1億8500万円に対し家賃が月133万円で、8.65%だという。小林さんは、コロナショック後に安く仕込めたからであり、今は同じ金額では難しいと認めた。

出口について小林さんは、絶対ではないと断った上で、利回り4.5%で売れれば3億4000万円ほどになり、1億5000万円程度の利益が出そうだと見積もった。毎月60万円のキャッシュフローもあるので、保有し続けても売ってもよいという。

今の相場で同じ品質の物件を建てた場合、小林さんは6%程度を目指せると見ている。その場合の総額は約2億2000万円になる。相場の4.5%との利回り差を狙うことが、今のRCマンション投資の目標だと述べた。

テスタの答えは「保留」だった。理由として、1億8500万円で買わせてくれなかったことを冗談めかして挙げた。ただ、前回の区分マンション1室よりは一棟の方が良いとし、やるなら中古ではなく新築を選ぶという。マンション名を問われると「テスタコーポ」と答えた。

三軒茶屋の木造ホテル

次に訪れたのは三軒茶屋の住宅街である。加藤は20年以上この街に住んでいるが、この辺りにホテルはないという。ここで小林さんが建築中なのが、木造のホテルだった。民泊ではなく旅館業としてのホテルで、365日営業できる。木造アパートを建てるノウハウを生かしてホテルを造ったのがこの物件だという。

住宅街で客が来るのかという疑問に対し、小林さんは、渋谷を中心に外国人観光客が非常に多く、宿泊需要が大きいと答えた。渋谷まで4分の距離だという。加藤は、三軒茶屋はまだ外国人にばれていないと思っていたと笑った。

建築費は1億5000万円である。小林さんは、三軒茶屋では少し大きめの一戸建てでもその程度はかかり、2億〜3億円の家もたくさんあると述べた。土地を安く探して買い、そこから建てることで、高い利回りを目指せるという。

無人運営とひのき風呂

館内には受付を置かない。スタッフが駆けつけられる距離に待機する体制はあるが、常駐はしない仕組みでホテルを運営できるという。人件費は極力抑える方針である。テスタは、ビジネスホテルでも人を介さずにチェックインできるのと同じだと理解を示した。

客室は1フロア1室で、3階建て3室である。最大の売りは客室のひのき風呂で、1つ300万円、3室で900万円をかけた。セールスポイントには費用をしっかりかけるという考え方である。室内には2段ベッドのような寝床とはしごがあり、全体として和を基調にしたデザインで、外国人客に和を感じてもらうことを意識したという。

宿泊費から見た利回り

小林さんは、1室1泊4万円程度を想定している。4人で泊まれば1人1万円で、三軒茶屋では安すぎるくらいの価格だという。最大なら1日12万円、30日で360万円になる。稼働率100%はありえないので、控えめに60%と見ると月216万円、年間で建築費に対する利回りは15〜16%程度になると小林さんは計算した。70〜80%の稼働を目指し、利回り20%は最低でも達成したいと語った。

同じ建物を賃貸にした場合、三軒茶屋で30〜35㎡の部屋なら月20万円程度で、3室で60万円である。ホテルなら216万円なので3倍以上の差になる。賃貸なら5〜6%の利回りが、ホテルなら15%、20%、25%を狙えるので「アッパーが高い」と小林さんは表現した。

ランニングコストと融資の壁

テスタと加藤は、清掃スタッフなどの人件費がかさむのではないかと突っ込んだ。小林さんによれば、清掃費は1室1回3000円程度を見込めばよい。3室でも9000円程度である。運営は業務委託先やパートナー企業に任せ、常駐スタッフはゼロなので、ランニングコストは低く抑えられるという。

個人でもホテル経営は可能だと小林さんは言う。ただし、ホテルは銀行の融資が出にくく、現金が必要になるという壁がある。テスタにとってはそこは問題にならない。運営についても、賃貸の管理会社のような仕組みがホテルにもあり、小林さんたちもそれを持っているという。

これほど利回りが高いのになぜ銀行は貸さないのか、とテスタは問い、リスクがあるからではないかと迫った。小林さんは、実績のあるホテル事業会社なら融資が出るが、初めてホテルを始める人は実績がないため出にくいと説明した。テスタが「失敗する人が多いからでは」と重ねると、小林さんは、失敗事例が多いというより、個人投資家がホテルに投資する例自体がまだ少なく、銀行も新しい判断基準を持っていないのだと答えた。実績ができれば融資も出るようになるという。

立地の候補と出口戦略

ほかに建てるならどこかという質問に、小林さんは、観光地が分かりやすいとして浅草を挙げた。ただし土地探しは大変だという。小林さんたちは現在、池袋や江東区の清澄白河でもホテルを建築中で、同時に3件ほどを進めている。ホテルはインバウンドの波を受けてここ1、2年で始めたもので、三軒茶屋が第1号だという。やると決めれば、半年から1年で土地を見つけて進められるとも述べた。

出口について小林さんは、円安が続く限り外国人は日本を安いと感じて訪れるので、宿泊ビジネスは非常に好調だとみる。円高に振れる局面で売却を考えてもよい。ピーク時なら低い利回りでも買うホテル会社や投資家がいるので、そこで売ることもできる。一方で、通常の賃貸の3倍以上の利回りがあるので、長く運営する選択肢もあるという。現金で建てればローン返済もない。ランニングコストは多めに見ても2〜3割なので、月216万円の売上なら7割程度が手元に残る計算だと説明した。

加藤は、まず1年ほど小林さんのホテルの運営状況を見てはどうかと提案した。これに対しテスタは、今年中に買うので間に合わないと答え、予算は5億円あるから土地を探してほしいと頼んだ。小林さんは、今同等のホテルを建てても1億5000万円程度の規模だと見ている。池袋で計画しているのは4階建てのRCホテルで、2億3000万円ほどになるという。

テスタの結論:ホテルは「建てます」

気持ちを問われたテスタは、ホテルについては即座に「建てます」と答えた。その場にいた建築会社・井上建設の社長にも、人件費が高騰している中だがなるべくリーズナブルに、と依頼した。社長は、施主のこだわりが強く要望をこの形にまとめるのが大変だったと振り返りつつ、仕上がってみるとこだわってよかったと語った。

三つの物件を見終えたテスタは、さまざまなタイプを見られて楽しかったと振り返った。その上で、プロが多い世界で素人がやってもうまくいかない、掘り出し物はプロに取られていると考える人もいるだろうと述べた。株も同じで、始めるときは親を含め誰もが「やめておけ」と言い、周りからは危ないと思われる。それでもテスタは株を始めてうまくいった。誰もが最初は初心者であり、不動産も小さいところから少しずつ勉強して広げていくやり方が通じるのではないかと話し、自分も頑張りたいと結んだ。

なお動画の終わりでは、紹介したホテル「タイムラックス三軒茶屋」が2026年4月1日にグランドオープン予定だと告知された。